マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster

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瞬速に加え、対戦相手のクリーチャーをタップすると共に能力を失わせるCIP能力を持つマーフォーク・ウィザード。

青としては優秀な熊相当のマナレシオを持つ上に、CIPによるタップと瞬速の組み合わせが相当いやらしい。アタッカーの攻撃を阻止しつつブロッカーにするのも阻んだりするだけで強力だが、更に能力を失わせることにより一部のシステムクリーチャーをも一時的に機能不全に陥らせることができる。タップ部分こそ無意味になるが、回避能力や除去耐性、先制攻撃などに任せて攻撃してきたクリーチャーを迎撃するのにも効果的で、相手のタフネスが2以下ならこれでブロックすることで事実上の除去としても機能する。もちろん純粋に除去と併用することで、各種神や再燃するフェニックス/Rekindling Phoenixなどの厄介な除去耐性を持つクリーチャーをアドバンテージを失わずに処理するのもいいだろう。

また、羊術/Ovinizeを始めとした従来の能力を失わせるカードと違って、能力を失わせたクリーチャーのパワーとタフネスを定義しないのは初めての例であり特徴的。これがもし羊術のように相手を0/1にしていたなら実質的に青い鑽火の輝き/Immolating Glareに2/2がついてくるという凶悪な性能だったので仕方ない点だろう。これによりファッティを弱体化して除去しやすくするといった行動が取れなくなったのは痛いが、轟く声、ティシャーナ/Tishana, Voice of Thunderなどの特性定義能力でパワーとタフネスを定義するクリーチャーや、ヤヴィマヤの化身、ムルタニ/Multani, Yavimaya's Avatarなどの元が0/0で常在型能力による修整を受けるタイプのクリーチャーを問答無用で除去できるという従来のカードにない利点も生まれている。

スタンダードではクロック・パーミッション系のデッキ、青単アグロなどに採用される。

リミテッドでは優秀な戦力かつコンバット・トリック。ダブルシンボルなのが気にかかるが、これの能力を十全に発揮したいなら2ターン目に唱える必要はないのでタッチカラーでもないかぎり然程気にしなくともよい。横にファッティを立てればほぼ除去と同義であり、更にウィザードの部族シナジーも組み込めれば文句なし。構築でもマーフォーク・ウィザード共に部族シナジーに恵まれていることもあり、それらのデッキが厄介な除去耐性持ちなどへの対策として採用する可能性はある。

モダンではマーフォークデッキに採用される。攻撃してきたタルモゴイフ/Tarmogoyfを単独で討ち取れること、潮流の先駆け/Harbinger of the Tidesのサポートになることが評価点。

ルール

• プレイヤーが呪文を唱えたり能力を起動したりすると宣言してからその呪文や能力へのコストの支払いが終わるまでは、どのプレイヤーも他の処理を行うことはできない。特に、プレイヤーはパーマネントの起動型能力を失わせて、その起動を妨げるようなことはできない。能力を起動した後は、クリーチャーがその能力を失ったとしても、スタック上にあるその能力は解決される。
• 同様に、既に誘発した誘発型能力の発生源のクリーチャーの誘発型能力を失わせても、スタック上の誘発型能力は影響を受けることなく解決される。
• 対象としたクリーチャーが、タップ状態になったときに誘発する能力を持っていたなら、その能力はすべての能力を失うよりも先に誘発する。
• 対象としたクリーチャーのパワーとタフネスが「*/*」という形で書かれていて、それがパワーとタフネスを決める能力（特性定義能力）を持っている場合には、それがすべての能力を失うと0/0になる。それのパワーとタフネスが「*/*+1」という形で書かれていれば0/1になる（CR:208.2）。

ストーリー

フレイバー・テキストに書かれているプレインズウォーカー/Planeswalkerとはボウ・リヴァー/Bo Levarのこと。彼はヨーグモス/Yawgmothの暗黒雲からエリタレイト/Eliterateを守るため、自らを生け贄に捧げた。イラストに描かれているマーフォークが持っているのは、ボウ・リヴァーが自らの船で運んでいた「水中で燃える煙草」である。

一人のプレインズウォーカーが犠牲になって破滅を免れたエリタレイトの植民地では、命を奪わないという誓いを立てている。

参考

• ボウ・リヴァー/Bo Levar（背景世界/ストーリー用語）
• カード個別評価：ドミナリア - アンコモン