パーミッション
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パーミッション(Permission)は、カウンター呪文を主要なコントロール要素とするコントロールデッキである。色の役割から、ほぼすべてのパーミッションは青を含む。
"Permission"は「許可」の意である。このデッキと対戦する場合、「これを解決していいですか?」と、許可を求めるように呪文を唱えることを強いられることからこの呼称が生まれた。
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概要
カウンター呪文で対戦相手の行動を妨害し、全体除去やバウンスによって戦場を支配する。十分なマナを生み出せるようになったらフィニッシャーを戦場に出して勝利する。
大量のカウンター呪文(デッキの21%以上が目安とされる)を搭載したタイプのパーミッションはメガパーミッションやフルパーミッションと呼ばれる。特にテンペスト・ブロック前後の時期のスタンダードではユーロブルーやドロー・ゴーと呼ばれ、猛威を振るった。
パーミッションとの対戦は長引きやすく、また行動を大きく制限されるため、初心者には嫌われやすい。
なお、カウンター呪文を含んでもパーミッションデッキではなく単にコントロールデッキと呼ばれることもあり、明確な境界は存在しない。あいまいなデッキは個人の好みや流行に合わせて分類されることが多い。
- 長期的なコントロールは狙わず、カウンター呪文は補助的に使うに留めて序盤に展開したクロックで攻めるタイプのデッキは、クロック・パーミッションと呼ぶ。これはビート・コントロールの一種に分類され、パーミッションとは一般に区別して扱われる。クロック・パーミッションも参照。
- 相手に何もさせない試合展開を作るという点では土地破壊デッキとパーミッションは似た側面がある。しかし土地破壊と異なり打ち消しは行動を阻止するたびにマナを消費しているため抜けられやすく、また試合のコントロールを握るまで時間もかかる。こうした点から、開発部は土地破壊ほどパーミッションを問題視していないことが2002年に述べられている[1]。
変遷
黎明期、まだプレイヤーの技術が全体的に低いころは、打ち消し自体の評価が低く、あまり組まれることはなかった。パーミッションという形態が本格的に活躍したのは、The Deckが初めと言われる。以降、様々な構成、デッキカラーのパーミッションが環境に存在していた。
オデッセイ・ブロック以降になってカウンター呪文が弱体化。それ以外にも打ち消されない呪文、サイクリング、ストームなど、打ち消しだけでは対処が難しい呪文や能力が増加したことから、特にメガパーミッションのデッキは姿を消し、ボードコントロールやアドバンテージカードに少数の優良打ち消し呪文を加えたグッドスタッフに限定されるようになる。
しかしその後、神河ブロック期の呪師コントロール、その後のヤソコンなど、大量のカウンター呪文を投入したデッキはたびたびメタゲームに登場、カウンター呪文がトーナメントシーンから消えることはなかった。
さらに後にはクリーチャーの高速化、良質化に伴い、それまであまり多用されなかった霊魂放逐/Remove Soul系のカウンター呪文が重視されるようになる。
他のデッキとの相性
キーカード(マストカウンター)さえ打ち消せば勝てるようなコンボデッキや、ボードコントロール系のコントロールデッキに対しては基本的に有利といわれる。
ビートダウンとの相性は難しく、構成しだいでいくらでも変化する。例えば打ち消しと強力なドローカードに終始するようなタイプでは、ビートダウンの速度についていけないだろう。反面、ボードコントロール力の強いカードが多数入っているタイプ、序盤のテンポや防御に秀でたタイプは圧倒的に有利。ただしボードコントロールや序盤のテンポを重視すると、本来得意とするコンボデッキやボードコントロールデッキに対する優位が薄れたり、カード・アドバンテージに特化したパーミッションには不利になってしまう傾向にある。
具体例を挙げると前者はウィニーに対する呪師コントロール、後者はファイアーズに対する青白コントロールなどが有名。
構成にかかわらず苦手なのは手札破壊と言われる。パーミッションは、基本的には手札の質が重要であり、その時最も有効なカードをピンポイントで落とされる強迫/Duressなどは辛い。また、手札破壊後のマストカウンター・カードへの対処が難しいのも事実である。また、カウンターが間に合わず、ボードコントロールにも対処されてしまうことから、クロック・パーミッションも苦手とする場合が多い。
主な該当デッキ
以下の一覧は目安であり、デッキ毎の構成によって変化する。一般的にパーミッションと呼ばれていないものでも、カウンター呪文が相当数含まれている場合はここに列挙する。ただし、クロック・パーミッションは含まない。