フェアリーの荒らし屋/Faerie Vandal
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クリーチャー — フェアリー(Faerie) ならず者(Rogue)
瞬速
飛行
あなたが各ターンのあなたの2枚目のカードを引くたび、フェアリーの荒らし屋の上に+1/+1カウンターを1個置く。
瞬速と飛行に加え、各ターンで2枚目のカードを引くたびに成長するフェアリー・ならず者。
初期サイズが同じ・ドローで+1/+1カウンターを置く誘発型能力を持つ夢吸いイカ/Oneirophageと比較すると、2マナと軽くなり、瞬速を得た代わりに誘発条件が厳しくなった形。初期段階でもマナレシオは悪くなく、一回でも誘発すれば青にしては良好なマナレシオにまで成長してくれる。瞬速によってコンバット・トリックとしても活用でき、更にインスタント・タイミングでの複数ドローを組み合わせれば討ち取れる範囲が広がる。
一方で弱点としては1ターンに最大でも一回りずつしか大きくなれないことが挙げられる。かといってこれの能力の誘発のためにドローカードを多く採用するとクリーチャーの比率が減りがちで、除去耐性も高くないこれへの依存度を上げてしまうことになる。この弱点を補うには、ドローあるいはルーター能力を持ったクリーチャーを採用すると良いと言える。また、除去が比較的薄くフライヤーの価値が高いリミテッドでは上記の弱点が緩和され強力である。
活躍
エルドレインの王権期
上記の通り、リミテッドでは弱点が緩和されており扱いやすく、同セットの「ターン中2枚目のドロー」シナジーを活用する青赤系デッキに参入する指針となるほど強力なアンコモンであった。選択/Opt、谷の商人/Merchant of the Vale、胸躍る可能性/Thrill of Possibilityとインスタント・タイミングの軽量ドロー手段が充実しているため、これとの戦闘を牽制させやすいという環境的な強みもある。
一方、スタンダードではいまいち振るわなかった。まず同じ色とマナ域の瞬速持ちとして、塩水生まれの殺し屋/Brineborn Cutthroatという強力なライバルが存在していた。回避能力を持つ点では勝るが、成長させやすさでは向こうに分があり、同時に採用しようとするとそれぞれの誘発条件が微妙に噛み合わない(例えば選択/Opt1枚ではどちらか一方しか成長させられない)ことなどから後塵を拝する形となっていた。また「ターン中2枚目のドロー」シナジーを重視したデッキでは胸躍る可能性や王家の跡継ぎ/The Royal Scionsなどの存在もあって青赤で組まれることが多く、そうなるとより強力な誘発型能力を持つアイレンクラッグの紅蓮術師/Irencrag Pyromancerや型破りな協力/Improbable Allianceが優先されがちである。ローテーション後はサイクリングデッキに上記の2枚が採用されメタゲームの一角に参加したものの、こちらは特に目立った活躍はないままスタンダードを去った。
ニューカペナの街角期
エルドレインの王権がローテーション落ちしてから約半年後、ニューカペナの街角で再録される。謀議と相性が良くリミテッドでは常夜会一家/The Obscuraの3色の中で組めば順当な強化が望める。こちらでは軽量インスタントドローは少ないものの、謀議クリーチャーや高性能キャントリップクリーチャーである鼓舞する監視者/Inspiring Overseerの存在により展開しながら強化しやすくなっており、エルドレインの王権とはまた違った強さを発揮している。
エルドレイン期のこともありスタンダードでの活躍はあまり期待されていなかったが、ニューカペナ・チャンピオンシップのエスパー・ミッドレンジにはこれを採用した型が存在していた[1]。同デッキにおいて自己強化能力を持った2マナは基本的に光輝王の野心家/Luminarch Aspirantが優先されるが、採用率の高いレイ・オヴ・エンフィーブルメント/Ray of Enfeeblementで除去されない点が評価された形と考えられる。誘発条件は策謀の予見者、ラフィーン/Raffine, Scheming Seerや漆月魁渡/Kaito Shizukiなどで担う。結局、同大会のベスト8に荒らし屋入りのデッキは残らなかったが、メタゲーム次第で思わぬカードに白羽の矢が当たる好例と言えよう。