無害な旅人/Innocent Traveler
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最初は4マナ1/3と文字通り無害な人間だが、あなたのアップキープごとに対戦相手に生け贄を要求し、断れば凶悪な吸血鬼に変身する両面カード。
対戦相手に選択権があるとはいえ、毎ターン1体の生け贄はリミテッドであればなかなか強烈。かといって生け贄に捧げないと出てくる3/3飛行も元が4マナとなると厄介で、システムクリーチャーとしてもビートダウン要員と考えても悪くない性能をしてはいる。
変身後は対戦相手が人間をコントロールしているとパワーが上がる。人間はポピュラーな部族でセット内でもフィーチャーされているため汎用性はそこまで低くなく、飛行する人間は少数なので、すり抜けて一方的に殴れることも期待できる。ただし、人間は横並びさせるのが得意でトークンの生成手段も豊富なため、毎ターンの生け贄が大して苦にならず変身を防がれる可能性もある。
構築だと3/3飛行は4マナ域としても平凡程度で、能力を含めても見るところは乏しい。除去も豊富になり、変身したとしても容易に排除されてしまう。生け贄に捧げさせる手段も、味方を巻き込み回数制限こそあるがより確実に生け贄を強制し、マナコストも同域のヘンリカ・ダムナティ/Henrika Domnathiが存在。変身後の性能も対戦相手に依存せず十分なパフォーマンスを発揮でき、あちらは変身を任意で行えるため融通性でも軍配が上がる。
ドラキュラシリーズ・カード
ドラキュラシリーズ・カード版はルーシー・ウェステンラ/Lucy Westenra - 蘇りし吸血鬼、ルーシー/Lucry, Arisen Vampire(イラスト)。
- ルーシー・ウェステンラはブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」の登場人物。ミナ・ハーカー/Mina Harkerの親友で、ジョン・セワード博士/Dr.John Sewardら三人の男性に同時に求婚されるほどの美貌の持ち主。夢遊病を患っていたことが災いしてドラキュラ伯爵/Count Draculaに襲われ吸血されてしまう。吸血された彼女は奇妙な症状に苦しみ、最後には吸血鬼化の兆候を呈しつつ亡くなった。埋葬されて一週間後にルーシーは吸血鬼として蘇り、人々を襲い始める。その後、アブラム・ヴァン・ヘルシング/Abraham Van Helsingらによって討たれ、安らかな眠りについた。
- ドラキュラシリーズ・カード版でない通常版では、イラストの人物は第1面の時点では吸血鬼であることを隠しているため吸血鬼のクリーチャー・タイプを持たない。それに対してドラキュラシリーズ・カード版のこちらは第1面の時点では本当に「吸血鬼ではない」。
- 本カードの登場より遥か以前に発売の基本セット2012に収録されていた、フレイバー・テキストが吸血鬼ドラキュラからの引用であった血の味/Taste of Bloodのイラストはルーシー・ウェステンラがモチーフではないかという説がある。