タッサの神託者/Thassa's Oracle
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ライブラリーという未来を全て見通すことに成功すれば勝利をもたらしてくれるマーフォーク・ウィザード。
ライブラリー操作付きの小型ブロッカーであり、単体の性能はおおよそ前兆語り/Omenspeaker相当。しかし信心次第ではより深くライブラリーを探ることができ、場合によっては特殊勝利を狙える点が大きな特徴。青のお家芸のライブラリー破壊も駆使すれば真っ当に条件を満たすことも不可能ではなく、同系統の能力を持つ研究室の偏執狂/Laboratory Maniacなどと異なりライブラリーを削り切る必要もない。勝利条件がクリーチャーのETB能力であるという点も、妨害のされにくさに一役買っている。序盤の潤滑剤、信心稼ぎ、フィニッシュ手段を兼ね揃えた、多芸なカードである。
とは言え、全体の骨格が青単色デッキ向けに突出しており、勝利条件も他のサポート手段がほぼ必須であるため、専用デッキを組まない限りは中途半端な性能。特にスタンダードやリミテッドでは勝利条件の達成が難しく、「色拘束がきついだけの前兆語り」になりかねない。ボーラスの占い師/Augur of Bolasや海の神のお告げ/Omen of the Seaといった対抗馬も充実しているため、いかに勝利条件を視野に入れられるかが肝となる。
やはり真価を発揮するのは十分なカードプールを持ちコンボ的勝ち筋を狙いやすくなる構築フォーマットにおいてであろう。地ならし屋/Levelerや真実を覆すもの/Inverter of Truthなど相性の良いカードが採用でき、研究室の偏執狂/Laboratory Maniacや神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteriesとなど「自身のライブラリーを削ることが勝利に近づく」というカードの水増しにもなれる。様々なフォーマットでこのカードをメインの勝ち手段としたコンボデッキが登場しており、詳細はタッサの神託者コンボを参照。
ルール
- 「最大1枚」とあるので、見たカードすべてをライブラリーの一番下に置くことも適正である。
- Xの値は、誘発型能力の解決時に決定される。
- タッサの神託者が戦場を離れるなどで、誘発型能力の解決時にあなたの青への信心が0であった場合、ライブラリーのカードを見ることも移動することもできない。
- 誘発型能力の解決時にあなたの青への信心が0で、ライブラリーにカードがなかった場合、あなたはゲームに勝利する。
禁止指定
2021年5月20日より、ヒストリックで禁止カードに指定される[1]。汚れた契約/Tainted Pactとの2枚コンボであるオラクルパクトが猛威を振るったことに加え、今後カードプールが広がるにつれて更なる問題を起こすことが予想されるため。
開発秘話
当初のデザインではライブラリー操作を行うだけだったが、レアらしさのないつまらないカードだったため、勝利条件に関する一文が追加された。しかしあまりにルール文章が長くなったため、特殊勝利を削除するかどうか開発部内でも意見が分かれた。ライブラリー操作効果の変更や注釈文の削除も検討されたが、最終的に全文を残すだけの価値があると判断された[2]。
脚注
- ↑ May 19, 2021 Banned and Restricted Announcement/2021年5月19日 禁止制限リスト更新(News 2021年5月19日 Jay Parker著)
- ↑ Word Heist: A Theros Beyond Death Caper/単語強盗『テーロス還魂記』の章(Card Preview 2020年1月7日 Mark Gottlieb著)