静寂をもたらすもの/Hushbringer
提供:MTG Wiki
倦怠の宝珠/Torpor Orbの亜種のひとつだが、スタンダードで入れ替わりになるトカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guardと比較すると、同じマナ・コストでタフネスが低くなっているのは少々辛い。一方で飛行と絆魂を持つため、膠着した盤面においてダメージレースを有利に進めることができる。
最大のセールスポイントである死亡誘発の防止は初の効果。置換効果による墓地対策などと違って再利用の可能性を残してしまうため、抑止力としては少々劣るものの、こちらが墓地回収を行える場合で、どのプレイヤーのコントロールするクリーチャーが死亡しても誘発するタイプの能力を防止したい場合には勝るといえる。
この二つの誘発防止能力を併せ持っていることで、対策カードとしての性能はかなり高いと言える。その反面、意図せずこちらの首を絞めてしまう可能性も上がっているため構築段階で注意が必要。リミテッドでは黒緑の食物デッキや青赤の「ターン中2枚目のドロー」デッキに対してETB能力の防止が刺さる場面もあり、更に2マナ1/2飛行・絆魂という基礎スペックがそこそこ優秀であるため、よほどこちら側に影響を受けるカードが多くない限りは採用してもいいだろう。
忘れがちだが、自分のクリーチャーのペナルティ能力を無視できる点も重要である。たとえば、同じくエルドレインの王権に収録されたカタカタ橋のトロール/Clackbridge Trollならばヤギ・トークンを出させずに対戦相手に一方的に損害を与えることができる。テーロス還魂記の死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hunger、自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrathは脱出で唱えなくても戦場に居残り、ETBとしては誘発しなくても攻撃するたびにそれぞれの能力が働く。タイタンの場合は三色デッキになるものの、強力な能力持ちのファッティが低マナ域から活躍するアグロデッキが期待できる。ただし、これらに対してはむしろ友情コンボの成立に注意する必要があるだろうか。
登場時のスタンダードではサイズも相まって死後に対してのアンチカード性能が特に高い。他、災いの歌姫、ジュディス/Judith, the Scourge Divaや大釜の使い魔/Cauldron Familiar、各種騎兵サイクルなどに有効であるため、ジェスカイ・ファイアーズやサクリファイスへの対策として、騎士デッキや白単アグロなどに採用されている。パイオニアやモダンでも緑白呪禁などのオーラ系デッキに採用され、こちらでは飛行と絆魂を持つことも有効活用されている。
ルール
- 誘発型能力は「~~とき/When」「~~たび/Whenever」と書かれている能力のことである。
- 「その上に+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る」「それが戦場に出るに際し、○○する」「それが死亡する場合、代わりに追放する」などは置換効果であり、影響を受けない。
- 誘発型能力の誘発条件にクリーチャーと書かれていなくても、それはクリーチャーが戦場に出たり死亡したりすることでは誘発しない。たとえば、「アーティファクトが1つ戦場から墓地に置かれるたび」に誘発する能力は、アーティファクト・クリーチャーが死亡しても誘発しない。
- 誘発型能力が誘発するかしないかを判定するためには、各パーマネントの情報をそれが戦場に出た後や、死亡する直前にそれに適用される継続的効果も考慮した上で見る。たとえば、クリーチャーになった土地が死亡したなら、それが死亡したときに誘発する能力は誘発しない。
- 静寂をもたらすものと同時にクリーチャーが戦場に出たり死亡したりすることによって、能力は誘発しない。 これには、静寂をもたらすもの自身が戦場に出たり死亡したりすることも含む。
- クリーチャーが死亡するという結果を引き起こすイベントによって誘発する能力は誘発する。たとえば、「あなたがクリーチャーを1体生け贄に捧げるたび」に誘発する能力は誘発する。
- カードが領域を離れることによって誘発する能力(たとえば、厳格な者、コンラッド卿/Syr Konrad, the Grimの能力)は、そのカードが以前の領域を離れてクリーチャーとして戦場に出るのであれば、誘発しない。
- クリーチャーが「戦場を離れたとき」に誘発する能力は、そのクリーチャーが死亡したことによって戦場を離れたなら、誘発しない。