誤った指図/Misdirection
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インスタント
あなたは、この呪文のマナ・コストを支払うのではなく、あなたの手札にある青のカード1枚を追放することを選んでもよい。
単一の対象を取る呪文1つを対象とし、その対象を変更する。
メルカディアン・マスクスの青のピッチスペルは偏向/Deflection。
マナ・コストは5マナだが、手札の青いカード1枚を追放することでも唱えられるという性質は、かの有名なForce of Willを彷彿とさせる。単純な打ち消しではなく、「対象をとる呪文」への対策にしかならないとはいえ、火力を跳ね返したり、巨大化/Giant Growthなどのコンバット・トリックをそっくり頂いたり、自分のクリーチャーに唱えられた単体除去を対戦相手のクリーチャーへ向けかえたり、Ancestral Recallなどのドローを奪い取ったりなど、ただ打ち消すだけよりも有効に働く場面が多い。
打ち消されない呪文も対象を変えることはできる。特に当時のスタンダードでは、ウルザの激怒/Urza's Rageに対する青系デッキの解答のひとつであった。
偏向などでも利用されていた「対戦相手の打ち消し呪文を、誤った指図自身を対象に変更することで打ち消す」(対象を変更するのは呪文の解決中であり、解決中には誤った指図はスタック上にあるので、問題なく誤った指図に対象を変更できる)という手段が、ピッチスペルであるこの呪文では特に有効活用できる。パーミッションデッキ同士での打ち消し合戦では、Force of Willに勝る活躍を見せる。
- ただしこれは誤った指図を対象にできるカウンターに限った話であり、そうでないカウンターについては、他に適正な対象先となる呪文が無ければ、対象は変更できずそのままになってしまう点に注意。カウンターそれ自身を変更先とすることもできない(CR:114.4)。本質の散乱/Essence Scatterのようなインスタント呪文を対象にできないカウンターはもちろんのこと、呪文嵌め/Spell Snareや精神的つまづき/Mental Misstepなど、エターナルで使われているカウンターにも、意外と問題となるものは多い。
代替コストの存在によりフルタップしている隙を突かれても対応できる(もしくはワザと隙を晒して相手の大呪文を誘える)点が非常に大きく、偏向の亜種の中ではもっとも活躍している。パーミッション型のデッキのみならず、水位の上昇/Rising Watersを軸にしたロック型コントロールでも有用で、さらにはクリーチャーデッキにおいても展開するテンポを損なわずに敵の除去に備えられる点が相性がよい。
欠点は、代替コストで使用すると手札を2枚使うことになるため、アドバンテージを失いやすいことか。しかし魔力の乱れ/Force Spikeや好奇心/Curiosityといった、後半になると無駄になりやすいカードをコストに使えば損失を最小限に抑えられるうえ、相手の呪文で相手の別のカードを1枚以上除去させることができれば、相手にも合計で2枚以上の損失を与えられるため、使い方次第で十分にカバー可能である。
総じて無駄になりにくく、青絡みのデッキであればどんなアーキタイプでも採用するに値するカードである。高速環境であるヴィンテージにおいても、代替コストの存在で序盤から使用できるため、メインデッキから採用されていることが珍しくない。
- 先攻1ターン目の無限マナからの天才のひらめき/Stroke of Geniusを跳ね返すと気分爽快。直前までポーカーフェイスを心がけよう。
- 狡猾な願い/Cunning Wishからのシルバーバレット要員としても優秀。奇襲性は損なわれるが、牽制として効果的。
- これの存在により、ドローや火力、手札破壊などの評価の際、呪文の対象が「プレイヤー1人」なのか、「あなた」もしくは「対戦相手1人」なのかがかなり重要視される。前者だと対象を変更されて効果をそっくり奪われる危険があるのだ。高速化したヴィンテージ環境では特に顕著。
- 代替コストの印象が強いせいか、5マナ支払って普通に唱えられることが忘れられることがある(→参考/翻訳)。
- 俗称「ミスディレ」。
- コンスピラシーに再録された際、新規イラストが与えられた。
関連カード
サイクル
メルカディアン・マスクスの、同じ色のカードを手札から追放する代替コストを持つピッチスペルのサイクル。
- 恭しきマントラ/Reverent Mantra
- 誤った指図/Misdirection
- 暴露/Unmask
- 落盤/Cave-In
- ぶどうのドライアド/Vine Dryad