流し台型デザイン
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− | '''流し台型デザイン'''(Kitchen-sink design)とは、[[能力]](特に[[キーワード能力]] | + | '''流し台型デザイン'''(Kitchen-sink design)とは、[[能力]](特に[[常盤木]][[キーワード能力]])を大量に詰め込んだカードデザインのことである<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/rivals-no-other-part-3-2018-01-22 A Rivals No Other Part 3]/[http://mtg-jp.com/reading/mm/0030161/ 他ならぬ『相克』 その3](Making Magic [[2018年]]1月22日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 |
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− | + | 英語の「何でもかんでも詰め込む」を意味する慣用句「everything but the kitchen sink」(流し台以外全部)に由来する。代表例である[[怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath]]にちなんで「アクローマ」とも呼ばれる。 | |
[[夜のスピリット/Spirit of the Night]]や怒りの天使アクローマなど、たくさん能力を持つカードは初期から作られており、一定の人気があった。[[開発部]]もそれを認識しており、時折流し台型デザインが試されている。 | [[夜のスピリット/Spirit of the Night]]や怒りの天使アクローマなど、たくさん能力を持つカードは初期から作られており、一定の人気があった。[[開発部]]もそれを認識しており、時折流し台型デザインが試されている。 | ||
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[[カードパワー]]の調整が難しく、[[色の役割]]により持たせられない能力もある。そのため、どの能力をもたせるかは慎重に決められている。例えば、[[原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn]]は[[白]]の役割にふさわしい能力が選抜されており、かつ[[絆魂]]は強すぎると判明したため取り除かれている。[[原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn#開発秘話|ゼタルパの開発秘話]]も参照のこと。 | [[カードパワー]]の調整が難しく、[[色の役割]]により持たせられない能力もある。そのため、どの能力をもたせるかは慎重に決められている。例えば、[[原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn]]は[[白]]の役割にふさわしい能力が選抜されており、かつ[[絆魂]]は強すぎると判明したため取り除かれている。[[原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn#開発秘話|ゼタルパの開発秘話]]も参照のこと。 | ||
− | *[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]] | + | *[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]のように、能力を3~4つ持っているのが普通の[[カード・タイプ]]や[[サブタイプ]]では使われない言葉である。 |
− | * | + | *開発部コラムなどで引き合いに出されるのはキーワード能力を持つクリーチャーのみだが、それ以外の能力についても「流し台型デザイン」というかどうかは不明である。 |
**怒りの天使アクローマは[[レギオン]]当時は[[警戒]]がキーワードではなかった。少なくとも、よく使われる能力である場合は該当するようである。 | **怒りの天使アクローマは[[レギオン]]当時は[[警戒]]がキーワードではなかった。少なくとも、よく使われる能力である場合は該当するようである。 | ||
*[[オリジナルカード]]の題材としても人気がある。[[カードを作るのは君だ!]]では、あらん限りのキーワード能力を得る[[起動型能力]]を持つカードは「クリーチャーを殺す」カードの次に人気だったという<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/you-make-card-too-2003-06-30 YOU MAKE THE CARD, TOO]</ref>。 | *[[オリジナルカード]]の題材としても人気がある。[[カードを作るのは君だ!]]では、あらん限りのキーワード能力を得る[[起動型能力]]を持つカードは「クリーチャーを殺す」カードの次に人気だったという<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/you-make-card-too-2003-06-30 YOU MAKE THE CARD, TOO]</ref>。 | ||
− | **[[Mark Rosewater]]はこのことを「[[私をクリーチャーにしてカード|私をアクローマにして]]/Make Me An Akroma」と呼んでおり、第1回の時点では「アクローマがみんなの頭にあったから、キーワードを全部得る[[アーティファクト]]は避けることにした」としている。これを踏まえたかどうかは不明だが、のちの[[未来予知]] | + | **[[Mark Rosewater]]はこのことを「[[私をクリーチャーにしてカード|私をアクローマにして]]/Make Me An Akroma」と呼んでおり、第1回の時点では「アクローマがみんなの頭にあったから、キーワードを全部得る[[アーティファクト]]は避けることにした」としている。これを踏まえたかどうかは不明だが、のちの[[未来予知]]でまさしく「アクローマにして」カードであるアーティファクトの[[アクローマの記念碑/Akroma's Memorial]]が作られた。 |
*たくさん能力がつくと思ったらそのうち一つが[[防衛]]、という[[大隼の仮面/Peregrine Mask]]のような肩透かしカードも作られている。 | *たくさん能力がつくと思ったらそのうち一つが[[防衛]]、という[[大隼の仮面/Peregrine Mask]]のような肩透かしカードも作られている。 | ||
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*[[頂点壊滅獣/Apex Devastator]]のように同じキーワード能力が大量につくカードも試されている。 | *[[頂点壊滅獣/Apex Devastator]]のように同じキーワード能力が大量につくカードも試されている。 | ||
+ | *[[銀枠]]ではこの用語を使った[[流し台の騎士/Knight of the Kitchen Sink]]や、ロクな能力がない[[Old Fogey]]といったパロディが収録されている。 | ||
+ | *他のカードを参照して大量にキーワード能力を得るカードについては[[逃亡した多相の戦士/Escaped Shapeshifter]]を参照。流し台デザインのカードとは非常に相性が良く、[[デッキ]]として形になることもある(→[[魂剥ぎ]])。 | ||
==代表例== | ==代表例== | ||
− | + | 4つ以上の常盤木キーワード能力、またはそれに準ずる頻出能力を持つか与えるものを列挙する。 | |
*[[憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury]] | *[[憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury]] | ||
*[[怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath]] | *[[怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath]] | ||
− | *[[ | + | *[[法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voice]] |
*[[悪斬の天使/Baneslayer Angel]] | *[[悪斬の天使/Baneslayer Angel]] | ||
+ | *[[悪夢の声、ブリセラ/Brisela, Voice of Nightmares]] | ||
+ | *[[彩色マンティコア/Chromanticore]] | ||
+ | *[[不敬の皇子、オーメンダール/Ormendahl, Profane Prince]] | ||
+ | *[[探索する獣/Questing Beast]] | ||
+ | *[[造反の代弁者、サムト/Samut, Voice of Dissent]] | ||
*[[鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind]] | *[[鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind]] | ||
*[[夜のスピリット/Spirit of the Night]] | *[[夜のスピリット/Spirit of the Night]] | ||
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*[[キーワード処理]] | *[[キーワード処理]] | ||
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*[[用語集]] | *[[用語集]] |
2020年11月15日 (日) 21:48時点における版
流し台型デザイン(Kitchen-sink design)とは、能力(特に常盤木キーワード能力)を大量に詰め込んだカードデザインのことである[1]。
概要
Akroma, Angel of Wrath / 怒りの天使アクローマ (5)(白)(白)(白)
伝説のクリーチャー — 天使(Angel)
伝説のクリーチャー — 天使(Angel)
飛行、先制攻撃、警戒、トランプル、速攻、プロテクション(黒)、プロテクション(赤)
6/6Zetalpa, Primal Dawn / 原初の夜明け、ゼタルパ (6)(白)(白)
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) 恐竜(Dinosaur)
伝説のクリーチャー — エルダー(Elder) 恐竜(Dinosaur)
飛行、二段攻撃、警戒、トランプル、破壊不能
4/8英語の「何でもかんでも詰め込む」を意味する慣用句「everything but the kitchen sink」(流し台以外全部)に由来する。代表例である怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrathにちなんで「アクローマ」とも呼ばれる。
夜のスピリット/Spirit of the Nightや怒りの天使アクローマなど、たくさん能力を持つカードは初期から作られており、一定の人気があった。開発部もそれを認識しており、時折流し台型デザインが試されている。
カードパワーの調整が難しく、色の役割により持たせられない能力もある。そのため、どの能力をもたせるかは慎重に決められている。例えば、原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawnは白の役割にふさわしい能力が選抜されており、かつ絆魂は強すぎると判明したため取り除かれている。ゼタルパの開発秘話も参照のこと。
- プレインズウォーカーのように、能力を3~4つ持っているのが普通のカード・タイプやサブタイプでは使われない言葉である。
- 開発部コラムなどで引き合いに出されるのはキーワード能力を持つクリーチャーのみだが、それ以外の能力についても「流し台型デザイン」というかどうかは不明である。
- オリジナルカードの題材としても人気がある。カードを作るのは君だ!では、あらん限りのキーワード能力を得る起動型能力を持つカードは「クリーチャーを殺す」カードの次に人気だったという[2]。
- Mark Rosewaterはこのことを「私をアクローマにして/Make Me An Akroma」と呼んでおり、第1回の時点では「アクローマがみんなの頭にあったから、キーワードを全部得るアーティファクトは避けることにした」としている。これを踏まえたかどうかは不明だが、のちの未来予知でまさしく「アクローマにして」カードであるアーティファクトのアクローマの記念碑/Akroma's Memorialが作られた。
- たくさん能力がつくと思ったらそのうち一つが防衛、という大隼の仮面/Peregrine Maskのような肩透かしカードも作られている。
- 頂点壊滅獣/Apex Devastatorのように同じキーワード能力が大量につくカードも試されている。
- 銀枠ではこの用語を使った流し台の騎士/Knight of the Kitchen Sinkや、ロクな能力がないOld Fogeyといったパロディが収録されている。
- 他のカードを参照して大量にキーワード能力を得るカードについては逃亡した多相の戦士/Escaped Shapeshifterを参照。流し台デザインのカードとは非常に相性が良く、デッキとして形になることもある(→魂剥ぎ)。
代表例
4つ以上の常盤木キーワード能力、またはそれに準ずる頻出能力を持つか与えるものを列挙する。
- 憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury
- 怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath
- 法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voice
- 悪斬の天使/Baneslayer Angel
- 悪夢の声、ブリセラ/Brisela, Voice of Nightmares
- 彩色マンティコア/Chromanticore
- 不敬の皇子、オーメンダール/Ormendahl, Profane Prince
- 探索する獣/Questing Beast
- 造反の代弁者、サムト/Samut, Voice of Dissent
- 鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind
- 夜のスピリット/Spirit of the Night
- 陽刃の天使/Sunblade Angel
- 原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn
参考
- ↑ Rivals No Other Part 3/他ならぬ『相克』 その3(Making Magic 2018年1月22日 Mark Rosewater著)
- ↑ YOU MAKE THE CARD, TOO