宝石の洞窟/Gemstone Caverns

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
 
(21人の利用者による、間の26版が非表示)
1行: 1行:
 
{{#card:Gemstone Caverns}}
 
{{#card:Gemstone Caverns}}
  
[[後攻]]のときだけ[[戦場に出す|戦場に出した]]状態で[[ゲーム]]を開始できる[[土地]]
+
[[無色マナ]]1点しか生み出さない[[伝説の土地]]。だがこれが[[ゲーム開始時の手札]]にあり[[後攻]]であるなら、[[戦場に出す|戦場に出した]]状態で[[ゲーム]]を開始しつつ[[5色土地]]になる。そうしたなら[[手札]]の[[カード]]を1枚[[追放]]するため、[[モックス・ダイアモンド/Mox Diamond]]や[[金属モックス/Chrome Mox]]に近い[[マナ加速]]と言える。
  
[[伝説の土地]]なので、4枚投入すれば無駄[[カード]]が発生してしまう。しかし1枚入れただけでは、後攻かつ初手にあるという条件を満たすのは難しく、[[5色地形]]として使用できる確率は低い。
+
[[伝説]]なので、4枚投入すれば[[腐る]]おそれがある。しかし1枚入れただけでは条件を満たす確率は低い。仮に条件を満たしても[[ハンド・アドバンテージ]]は失うため、[[デッキ]]の向き不向きが激しい。そういったディスアドバンテージが気にならない瞬殺[[コンボデッキ]]に利用されることが多い。特に金属モックスを利用できない[[超起源]]系デッキでは貴重なマナ加速となる。
また条件を満たしても[[アドバンテージ]]は失うため、汎用性があるとは言い難い。やっていることは[[金属モックス/Chrome Mox]]に近いと言える。
+
  
現実的には、そういったディスアドバンテージが気にならない瞬殺[[コンボ]]デッキに利用されることが多い。
+
後攻で[[対戦相手]]の第1[[ターン]]に好きな[[]]の[[マナ]]が出せる点が特徴的(これまでは[[エルフの指導霊/Elvish Spirit Guide]]4枚から[[召喚の調べ/Chord of Calling]]経由で[[クローサの旅人/Krosan Wayfarer]]や[[ブラッド・ペット/Blood Pet]]などを用いたりするしかなかった)。このことにより、[[エターナル]]で自分の第1ターンより前に勝利する[[0ターンキル]]も理論上可能になった。
特に金属モックスを利用できない[[超起源]]系デッキでは貴重な[[マナ加速]]となる。
+
  
後攻で[[対戦相手]]の第1[[ターン]]に好きな[[色]]の[[マナ]]が出せる点が特徴的(これまでは[[Elvish Spirit Guide]]4枚から[[召喚の調べ/Chord of Calling]]経由で[[クローサの旅人/Krosan Wayfarer]][[ブラッド・ペット/Blood Pet]]などを用いたりするしかなかった)。このことにより、[[エターナル]]で自分の第1ターンより前に勝利する[[0ターンキル]]も理論上可能になった。
+
[[モダン]]においては[[ウギンの目/Eye of Ugin]][[禁止カード|禁止]]前の[[青赤]][[エルドラージ (デッキ)#青赤_2|エルドラージデッキ]]において1枚[[挿す|挿し]]された。後攻時のマナ加速はもちろんのこと、たとえ初期手札になかったり先攻だったとしても貴重な無色マナを出せる強みがある。
  
*勘違いしやすいが、[[マナ]]を生むときに[[カウンター (目印)|カウンター]]は取り除かれない。すなわち能力によって出した場合には、好きな色のマナを恒久的に出すことが可能である。
+
*パワーレベルの問題から伝説の土地として世に出たのだが、収録されたのが過去のストーリーや伝説のキャラクターに焦点を当てた[[時のらせん]]だったため、ストーリー上重要な場所のカード化ともとれる点がまぎらわしい。当時の公式コラムでは「単にクリエイティブ・チームがデザイン中に伝説性を見落としてしまった」と述べられている<ref>{{Wayback|20061116044536|url=http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/feature/373|title=The Legends of Time Spiral}}(Feature [[2006年]]11月13日 [[Brady Dommermuth]]著)</ref>。
**もちろん[[バウンス]]された場合はカウンターを失うことになる。
+
*[[世界選手権06]]では、伝説性を見落とした[[Roel Van Heeswijk]]が後攻1ターン目に2枚目の宝石の洞窟を出してしまうプレイングミスも発生している<ref>{{Wayback|20070309172057|url=http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/maki/20070126/index.html|title=Magic Monthly Report -vol.19- }}</ref>。
*このカードの[[効果]]でなくとも、運勢カウンターを置くことができれば好きな色のマナを生み出すことができる。
+
*後攻であることを参照するカードは長らくこれのみであったが、[[2021年|15年後]]には[[MTGアリーナ]]専用カードではあるものの[[見捨てられた交差路/Forsaken Crossroads]]([[アルケミー:イニストラード]])が登場した。
**これと[[偶然の出合い/Chance Encounter]]を共にクリーチャー化して、[[命運の転送/Fate Transfer]]で偶然の出合いから運勢カウンターを移動する。
+
**[[構築]]で使用できないものを含めれば[[Mystery Booster#R&D Playtest cards|R&D Playtest cards]]の[[Patient Turtle (playtest)]]も存在する。
**[[銀枠]]ありならば[[Giant Fan]]を使おう。
+
*ちなみに、一般的な60枚編成のデッキにおいてこれが[[初期手札]]に来る確率は下記の通り。4枚入れても初期手札に来ない確率のほうが高い。
*[http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/maki/20070126/index.html 伝説のプレイングミス]が発生した。
+
*ちなみに[[デッキ]]に複数枚投入されたこれが初手に来る確率は下記の通り。4枚入れても初手にこない確率の方が高い。
+
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
 
|-
 
|-
32行: 28行:
 
|-
 
|-
 
! style="background-color:#CCCCFF"|デッキに4枚
 
! style="background-color:#CCCCFF"|デッキに4枚
| style="background-color:#DDDDFF"|60.1% || style="background-color:#FFDDDD"|33.6% || style="background-color:#FFDDDD"|5.9% || style="background-color:#FFDDDD"|0.4% || style="background-color:#FFDDDD"|0.00007%
+
| style="background-color:#DDDDFF"|60.1% || style="background-color:#FFDDDD"|33.6% || style="background-color:#FFDDDD"|5.9% || style="background-color:#FFDDDD"|0.4% || style="background-color:#FFDDDD"|0.007%
 
|}
 
|}
 +
 +
==ルール==
 +
*勘違いしやすいが、マナを生むにあたって[[カウンター (目印)|カウンター]]は[[取り除く|取り除かれ]]ない。すなわち、好きな色のマナを恒久的に出すことが可能である。
 +
**もちろん[[バウンス]]されるとカウンターを失うことになる。
 +
*このカードの効果でなくとも、運勢カウンターを[[置く]]ことができれば好きな色のマナを生み出すことができる。
 +
**これと[[偶然の出合い/Chance Encounter]]を共に[[クリーチャー化]]して、[[命運の転送/Fate Transfer]]で偶然の出合いから運勢カウンターを移動することで実現できる。
 +
**[[アン・カード]]ありならば[[Giant Fan]]や[[ノームの力で/By Gnome Means]]を使うとよい。
 +
*運勢カウンターが乗っている間は、無色マナを出すことはできなくなる。
 +
*カードを追放するのは、[[コスト]]ではない。[[マリガン]]や他の[[力線]]などで手札にカードが無いのであれば、ただ戦場に出すだけである。
 +
*[[多人数戦]]でこれの条件を満たせないのは[[開始プレイヤー]]のみ。ターン順が2番目以降の[[プレイヤー]]であればよい。
 +
*ゲーム開始時の手札に[[大長]]とこれがあれば、[[公開]]した大長をこれの[[能力]]で追放しつつ、大長の能力を通常どおり享受できる。
  
 
==インビテーショナルカード==
 
==インビテーショナルカード==
[[時のらせん]]に収録されている[[インビテーショナルカード]]。[[インビテーショナル05]]に関しては、優勝者である[[Terry Soh]]氏原案の[[ラクドスの穴開け魔道士/Rakdos Augermage]]が[[ディセンション]]に収録されているが、こちらは参加者が大会前に提出した[[カード]]案で一般投票を行い、1位だったものがカード化したもの。原案を出したのは[[藤田剛史]]氏。
+
[[時のらせん]]に収録されている[[インビテーショナルカード]]。[[インビテーショナル05]]に関しては、優勝者である[[Terry Soh]]氏原案の[[ラクドスの穴開け魔道士/Rakdos Augermage]]が[[ディセンション]]に収録されているが、こちらは参加者が大会前に提出した[[カード]]案で一般投票を行い、1位だったものがカード化したもの。原案を出したのは[[藤田剛史]]
  
 
インビテーショナルカード初の非[[クリーチャー]]・カードである。原案は以下のものであった。
 
インビテーショナルカード初の非[[クリーチャー]]・カードである。原案は以下のものであった。
48行: 55行:
 
|背景=unlegal
 
|背景=unlegal
 
}}
 
}}
現在の[[手札]]を1枚[[追放]]するデメリットが無く、しかも[[伝説の土地]]でない。手放しで4枚積みでき、[[カード・アドバンテージ]]も失わないわけだから(むしろ[[後攻]]であることがメリットになる)、そのままだと(少なくとも製品版に比べ)非常に強力なカードであったと言える。
+
印刷されたバージョンと違い[[手札]]を1枚[[追放]]するデメリットが無く、しかも[[伝説の土地]]でない。手放しで4枚積みでき、[[カード・アドバンテージ]]も失わないわけだから(むしろ後攻であることがメリットになる)、そのままだと(少なくとも製品版に比べ)非常に強力なカードであったと言える。
  
*今から見ると[[力線]]と類似の[[能力]]ではあるが、これがデザインされた当時にはまだ力線は登場はおろか発表すらされていなかった。藤田剛史氏の発想が一歩進んでいたということだろう。あるいは、力線のモチーフとなった可能性もある。
+
*今から見ると[[力線]]と類似の能力ではあるが、これがデザインされた当時にはまだ力線は登場はおろか発表すらされていなかった。
 +
**ただしゲーム開始時の手札を決める前段階に当たる[[マリガン]]を行う際に影響を持つ[[血清の粉末/Serum Powder]]はすでに登場していた。
  
 
==参考==
 
==参考==
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/mi05/cards Vote for 2005 Invitational Cards]([[Magicthegathering.com]])
+
<references />
*[http://mtg-jp.com/reading/translated/006740/ お手を拝借!]/[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/104 Gimme a Hand](文:[[Mark Rosewater]])
+
*[https://web.archive.org/web/20071214195806/http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/mi05/cards Vote for 2005 Invitational Cards(Internet Archive)]([[Magicthegathering.com]])
 +
*[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/gimme-hand-2010-08-13 Gimme a Hand] / [https://web.archive.org/web/20160504033630/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/006740/ お手を拝借!(Internet Archive)] ([[Making Magic]] [[2010年]]8月13日 [[Mark Rosewater]]著)
 +
*[[5色土地]]
 
*[[カード個別評価:時のらせん]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:時のらせん]] - [[レア]]
 +
*[[カード個別評価:時のらせんリマスター]] - [[神話レア]]
 +
*[[カード個別評価:指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキ]] - [[神話レア]]([[指輪物語:中つ国の伝承#『王国と遺物』ボックストッパー/Realms and Relic Box Topper|王国と遺物]])

2024年11月28日 (木) 13:59時点における最新版


Gemstone Caverns / 宝石の洞窟
伝説の土地

宝石の洞窟があなたのゲーム開始時の手札にあり、かつあなたが開始プレイヤーでないなら、あなたはそれが運勢(luck)カウンターを1個置いて戦場に出ている状態でゲームを開始してもよい。そうしたなら、あなたの手札にあるカード1枚を追放する。
(T):(◇)を加える。宝石の洞窟に運勢カウンターが置かれているなら、代わりに好きな色1色のマナ1点を加える。


無色マナ1点しか生み出さない伝説の土地。だがこれがゲーム開始時の手札にあり後攻であるなら、戦場に出した状態でゲームを開始しつつ5色土地になる。そうしたなら手札カードを1枚追放するため、モックス・ダイアモンド/Mox Diamond金属モックス/Chrome Moxに近いマナ加速と言える。

伝説なので、4枚投入すれば腐るおそれがある。しかし1枚入れただけでは条件を満たす確率は低い。仮に条件を満たしてもハンド・アドバンテージは失うため、デッキの向き不向きが激しい。そういったディスアドバンテージが気にならない瞬殺コンボデッキに利用されることが多い。特に金属モックスを利用できない超起源系デッキでは貴重なマナ加速となる。

後攻で対戦相手の第1ターンに好きなマナが出せる点が特徴的(これまではエルフの指導霊/Elvish Spirit Guide4枚から召喚の調べ/Chord of Calling経由でクローサの旅人/Krosan Wayfarerブラッド・ペット/Blood Petなどを用いたりするしかなかった)。このことにより、エターナルで自分の第1ターンより前に勝利する0ターンキルも理論上可能になった。

モダンにおいてはウギンの目/Eye of Ugin禁止前の青赤エルドラージデッキにおいて1枚挿しされた。後攻時のマナ加速はもちろんのこと、たとえ初期手札になかったり先攻だったとしても貴重な無色マナを出せる強みがある。

  • パワーレベルの問題から伝説の土地として世に出たのだが、収録されたのが過去のストーリーや伝説のキャラクターに焦点を当てた時のらせんだったため、ストーリー上重要な場所のカード化ともとれる点がまぎらわしい。当時の公式コラムでは「単にクリエイティブ・チームがデザイン中に伝説性を見落としてしまった」と述べられている[1]
  • 世界選手権06では、伝説性を見落としたRoel Van Heeswijkが後攻1ターン目に2枚目の宝石の洞窟を出してしまうプレイングミスも発生している[2]
  • 後攻であることを参照するカードは長らくこれのみであったが、15年後にはMTGアリーナ専用カードではあるものの見捨てられた交差路/Forsaken Crossroadsアルケミー:イニストラード)が登場した。
  • ちなみに、一般的な60枚編成のデッキにおいてこれが初期手札に来る確率は下記の通り。4枚入れても初期手札に来ない確率のほうが高い。
0枚 1枚 2枚 3枚 4枚
デッキに1枚 88.3% 11.7%
デッキに2枚 77.8% 21.0% 1.2%
デッキに3枚 68.4% 28.2% 3.3% 0.1%
デッキに4枚 60.1% 33.6% 5.9% 0.4% 0.007%

[編集] ルール

[編集] インビテーショナルカード

時のらせんに収録されているインビテーショナルカードインビテーショナル05に関しては、優勝者であるTerry Soh氏原案のラクドスの穴開け魔道士/Rakdos Augermageディセンションに収録されているが、こちらは参加者が大会前に提出したカード案で一般投票を行い、1位だったものがカード化したもの。原案を出したのは藤田剛史

インビテーショナルカード初の非クリーチャー・カードである。原案は以下のものであった。


非公式/非実在カード

不幸者の楽園/Unluckyman's Paradise
土地

Unluckyman's Paradiseがあなたのゲーム開始時の手札にあり、かつあなたが先攻でない場合、あなたはそれが場に出ている状態でゲームを開始してもよい。そうした場合、それは運勢(luck)カウンターが1個置かれた状態で場に出る。
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(T):あなたのマナ・プールに好きな色1色のマナ1点を加える。この能力はUnluckyman's Paradiseの上に運勢カウンターが乗っている時にしかプレイできない。


印刷されたバージョンと違い手札を1枚追放するデメリットが無く、しかも伝説の土地でない。手放しで4枚積みでき、カード・アドバンテージも失わないわけだから(むしろ後攻であることがメリットになる)、そのままだと(少なくとも製品版に比べ)非常に強力なカードであったと言える。

  • 今から見ると力線と類似の能力ではあるが、これがデザインされた当時にはまだ力線は登場はおろか発表すらされていなかった。

[編集] 参考

  1. The Legends of Time Spiral - Wayback Machine(2006年11月16日アーカイブ分)(Feature 2006年11月13日 Brady Dommermuth著)
  2. Magic Monthly Report -vol.19- - Wayback Machine(2007年3月9日アーカイブ分)
MOBILE