対象

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'''対象'''/''Target''とは、[[呪文]]や[[能力]]が影響を及ぼす、事前に選択された[[オブジェクト]]、[[プレイヤー]]のこと。'''[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]において「対象」は、ルール用語として一般的な意味と異なる特別な意味を持つ。'''ルールなどの説明でこの用語を用いるときは注意しなくてはならない。
  
=対象/Target=
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{{#card:Giant Growth}}
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{{#card:Shock}}
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{{#card:Ivory Mask}}
  
[[呪文]]や[[能力]]が対象をとるのは、下記の2つの場合しかない。
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==解説==
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[[呪文]]や[[能力]]が対象をとるのは、下記の2つの場合のみである。
  
([[キーワード能力]]の場合、その定義にこの記述を含んでいることがある。この場合も対象をとる。例:[[装備]])
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#「[何か]を対象とする。/target [何か]」という記述が文章中に存在する場合、その[何か]を対象とする。
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#*[[キーワード能力]]の場合、その定義にこの記述を含んでいることがある(例:[[装備]]、[[変容]])。この場合も対象をとる。
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#*[[ダメージ]]関連の呪文や能力は、「[何か]を対象とする。/target [何か]」ではなく「1つを対象とする。/any target」、「これでない1つを対象とする。/another target」、「2つを対象とする。/two targets」と書かれているものがある。これらの対象は、[[プレイヤー]]か[[クリーチャー]]か[[プレインズウォーカー]]か[[バトル]]でありうる。クリーチャーでない[[アーティファクト]]や[[呪文]]など、その他のゲーム上の[[オブジェクト]]は選択できない。[[機械兵団の進軍]]より前に印刷されたカードには「クリーチャーかプレイヤーを対象とする。」「クリーチャーやプレインズウォーカーかプレイヤーのうち1つを対象とする。」と書かれている場合があるため[[オラクル]]を参照すること。
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#[[オーラ]]呪文の場合、[[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]能力の指定に従い、その適正なエンチャント先を対象とする。
  
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このいずれでもない呪文や能力は対象をとらない。「[[あなた]]/You」は、その[[オブジェクト]]の[[コントローラー]]を指す単語であり、対象をとるということではない。
  
このどちらでもない呪文や能力は対象をとらない。
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対象は、呪文ならば[[唱える]]際に、[[起動型能力]]ならば[[起動]]する際に、[[誘発型能力]]ならば[[誘発]]して[[スタック]]に乗る際に決定する。[[不正な対象]]を選択することはできない。適正な対象を取ることができない場合には呪文を唱えたり能力を起動したりはできず、誘発してスタックに乗ってもスタックから取り除かれる。手順についての詳細は[[唱える]]の項を参照。
[[あなた]]/You」は、その[[オブジェクト]][[コントローラー]]を指す単語であり、対象を取るということではない。
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また、対象や[[割り振る|モード]]の選択、[[割り振り]]以外で何かを選ぶ場合、それはすべて[[解決]]時に行われる。
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*対象を必要とする呪文や能力は、適切な対象をとることができない場合には[[プレイ]]できない。
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対象が適正であるかどうかは[[解決]]時にもチェックされる。対象を必要とする呪文や能力は、解決時にその対象の'''一部が不適正'''になっていた場合、残った対象に[[効果]]を発生させる([[マジックの黄金律#実行不可能な指示は無視する|マジックの黄金律]])。解決時にその対象の'''全てが不適正'''になっていた場合、その呪文や能力は'''解決されない'''(いわゆる「[[立ち消え]]」)。[[不正な対象]]の項も参照。
*対象を必要とする呪文や能力は、その対象の一部が解決時に不適正になっていた場合、残った対象に効果を発生させる。
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解決時にその全ての対象が不適正になっていた場合、その呪文や能力はルールによって打ち消される。
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*対象が適正かどうかのチェックは上記の時点でのみ行われる。これら以外の場合に対象として適正でなくなっても、そのことが原因で効果が生じなかったり終了したりすることはない。
(古い用語では、「[[立ち消え]]」と表現されていた)
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*一度選んだ対象は、不適正になっても勝手に変更することはできない。
 
*一度選んだ対象は、不適正になっても勝手に変更することはできない。
*対象が適正かどうかのチェックはプレイ時と解決時に行われる。
+
*0を含む可変個の対象を取ることのできる呪文や能力が存在する。その場合、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。一方でその呪文や能力は実際の対象の数によらず「対象を取りうる」呪文や能力である。
これら以外の場合に対象として適正でなくなっても、そのことが原因で効果が生じなかったり終了したりすることはない。
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**「望む数(好きな数)の○○を対象とする」や「最大○つを対象とする」などと書かれているものがこれに該当する。
*可変個の対象を取ることのできる呪文や能力が存在する。その場合、0個の対象を選んだ場合は、対象を取らないものとみなされる。
+
*対象を変更する効果がいくつか存在する。詳しくは[[対象の変更]]の項目を参照。
*対象を変更する効果がいくつか存在する。その変更先の対象は、対象を変更する効果の解決時に選ぶ。ただし、不適正な対象を選ぶことはできない。
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*スタック上にある呪文や能力は、自身を対象とすることはできない({{CR|115.5}})。よって「[[対抗呪文/Counterspell]][[分流/Shunt]]を使用して対象を対抗呪文自身に変更する」ということは不可能である。
**対象を変更する効果では、対象の数は変えられない。
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**ただし、対象を分流に変更することは可能である。なぜなら、分流の解決中、まだ分流はスタック上に置かれているからである。
**対象を変更する場合、変更後にそのすべての対象が適正になっていなくてはならない。
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*対象として適正であれば、解決の際の挙動は考慮する必要は無い。[[打ち消す|打ち消し]]呪文を[[打ち消されない]]呪文を対象に唱えることは適正である。このような場合、[[マジックの黄金律]]にあるとおり「できない」が勝り「実行不可能な指示は無視」されるために、単に解決時に何も起こらないだけである。
それができないのならば、一切対象を変更することはできない。
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**例えば、打ち消されない呪文を対象に[[放逐/Dismiss]]を唱えてもよい。その場合、呪文は打ち消せないものの「カードを1枚[[引く]]」という処理は実行される。
***例:あなたのクリーチャーが[[ゴブリンの捻術師/Goblin Flectomancer]]のみで対戦相手のクリーチャーが2体(A,Bとする)のみのとき、対戦相手は捻術師とAを対象に[[現実からの剥離/Peel from Reality]]をプレイした。この場合、ゴブリンの捻術師では対象をAからBに変更できない。変更時にあなたのクリーチャーが場に1体もいないため、捻術師を対象としていた部分の適正な対象を選べないからである。
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**盤面が複雑になると難しく感じてしまうが、「呪文や能力の対象がすべて不適正になっている」「呪文や能力が打ち消されている」「呪文や能力がスタックから直接取り除かれている」のいずれにも該当しない場合は、解決自体は実行されるということを念頭にいれておこう。
*スタック上にある呪文や能力は、自身を対象とすることはできない。([[CR:415.6|CR415.6]])
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よって「[[対抗呪文/Counterspell]][[分流/Shunt]]を使用して対象を対抗呪文自身に変更する」ということは不可能である。
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(ただし、対象を分流に変更することは可能である。なぜなら、分流の解決中、まだ分流はスタック上に置かれているからである)
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*マジックでは「対象」という単語が上記の通り特別な意味を持つので、ルールなどの説明では注意しよう。
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===複数の対象をとる場合===
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#[[オラクル]]で1つの「Target」を使って対象を取るオブジェクトを示している場合、同じオブジェクトを複数回対象として選んではいけない。(例:[[暴力的な根本原理/Violent Ultimatum]])
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#オラクルで複数の「Target」を使って対象を取るオブジェクトを示している場合、それぞれにおいて制限を満たした上で、同じものを複数回対象として選んでもよい。(例:[[大量破壊/Decimate]])
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#*この方法で同じものを複数回選んだとしても、それは「単一の対象をとる」呪文ではない。
  
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日本語のテキストは翻訳のテンプレートが逐一変更されており、上の違いが分かり難いカードがある。どちらか判断しづらい場合は[[オラクル]]を参照するように。
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*2014年11月([[統率者2014]])現在では、「『[性質]N個(または[性質]N個)』としてまとめられている中で、同じ対象を複数回選ぶことはできない。」が日本語訳のテンプレートである。
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**「クリーチャー2体を対象とする」は同じクリーチャーを対象に取れないが、「クリーチャー1体と、クリーチャー1体を対象とする」は同じクリーチャーを対象に取ることができる。
  
****
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*[[神河物語]]で現在のルールに変更される前は、どちらの場合であっても同じ対象を複数回選ぶことはできなかった。
[[神河物語]]で対象のルールは変更された。
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===対象になるたび===
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[[誘発条件]]として「○○が呪文や能力の対象になるたび」というものがある。
  
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{{#card:Cowardice}}
  
後者の方法で同じ物を複数回選んだとしても、それは「単一の対象を取る」呪文ではない。
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この誘発条件が満たされるのは
  
日本語のテキストでは上の違いを見分けにくい場合がある。
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*○○を対象とする呪文が唱えられたり能力が起動されたりしたとき。
どちらか判断しづらい場合は[[Oracle]]を参照するように。
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*対象を変更する効果によって呪文や能力の対象が○○に変更されたとき。
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*○○を対象とした呪文や能力のコピーがスタックに置かれその対象がそのままだったとき。
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*呪文や能力のコピーがスタックに置かれその対象が○○に変更されたとき。
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のいずれかである([[休眠のゴーマゾア/Dormant Gomazoa]]の{{Gatherer|id=216668|FAQ}})。
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*1つの呪文が同じオブジェクトかプレイヤーを複数回対象に選んでも、能力は1回しか誘発しない([[野生の抵抗/Wild Defiance]]の{{Gatherer|id=294460|FAQ}})。
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*1つの呪文が複数のパーマネントやプレイヤーを対象に選んだなら、パーマネント1つかプレイヤー1人が対象になることによって誘発する能力はその数だけ誘発する([[トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest]]の{{Gatherer|id=417276|FAQ}})。
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カードによっては「対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび」「[[インスタント]]呪文か[[ソーサリー]]呪文の対象になるたび」「能力の対象になるたび」のように条件がより限定されているので、その場合は適宜読み替えること。
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==訳語の変遷==
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「対象」の日本語訳のテンプレートは、[[オンスロート]]以降幾度か大幅に変更されている。
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===オンスロートでの変更===
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例えば、[[ショック/Shock]]の[[ルール文章]](当時)は、英語では以下の通りであった。
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{{カードテキスト
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|カード名=Shock
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|コスト=(赤)
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|タイプ=Instant
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|カードテキスト=Shock deals 2 damage to target creature or player.
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|背景=old
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}}
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これを、[[オデッセイ・ブロック]]までは、以下のように訳していた。
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{{カードテキスト
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|カード名=ショック / Shock
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|コスト=(赤)
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|タイプ=インスタント
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|カードテキスト=ショックは、対象のクリーチャー1体か対象のプレイヤー1人に、2点のダメージを与える。
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|背景=old
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}}
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すなわち、英語の「target」の部分をそのまま「対象の」と置き換えただけのものである。
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ところが、この訳では「対象のクリーチャー(プレイヤー)」はあらかじめ決められているかのように読めてしまい、「好きなクリーチャー(プレイヤー)を選んで2点ダメージを与える」という意味であることが初心者にわかりづらいという問題が生じていた。
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そのため、[[オンスロート・ブロック]]以降、訳語が以下のように改められた。
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{{カードテキスト
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|カード名=ショック / Shock
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|コスト=(赤)
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|タイプ=インスタント
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|カードテキスト=クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。
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|背景=old
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}}
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対象を先に宣言し、元の「target」の部分は「それ」と訳すようにすることで、何を対象とするのかが日本語でもわかりやすくなった。
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以上の変更のため、複数の対象を取る場合に「その前者」「その後者」をつけるなど、複雑な変更がなされている場合がある。
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{{#card:Kor Outfitter}}
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{{#card:Volcanic Offering}}
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{{#card:Magma Opus}}
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以上のカードは、いずれもオラクルでは「target」が2回使われているが、日本語版では[[コーの装具役/Kor Outfitter]]に「対象」が1回しか使われていない。
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また、この訳語では、[[超過]]の[[注釈文]]を「『対象の』を『各』に置き換える」と単純に訳すことができないという問題が生じた。よって、日本語版では、変更後のテキストをそのまま書くという対応になった。
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===ドミナリアでの変更===
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[[ドミナリア]]での[[プレインズウォーカー#プレインズウォーカーへのダメージの移し替え(廃止)|プレインズウォーカーへのダメージ移し替えルール]]廃止に伴って、英語版はそれまで「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする/target creature or player」としてきた文章を「[[任意の対象|any target(任意の対象)]]」に変更したが、日本語の対訳は作られず、「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。」という文章になった。[[任意の対象]]の項も参照。
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 +
{{カードテキスト
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|カード名=Shock
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|コスト=(赤)
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|タイプ=Instant
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|カードテキスト=Shock deals 2 damage to any target.
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|背景=legal
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}}
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{{カードテキスト
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|カード名=ショック
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|コスト=(赤)
 +
|タイプ=インスタント
 +
|カードテキスト=クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。
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|背景=old
 +
}}
 +
 
 +
===機械兵団の進軍での変更===
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{{#card:Shock}}
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[[機械兵団の進軍]]で新たにダメージを与えうるオブジェクトである[[バトル]]が追加されたため、日本語版は[[任意の対象]]の訳語を「1つを対象とする。」に変更した。
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 +
==その他==
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[[ラヴニカ:ギルドの都]]で[[ディミーアの脳外科医、シアクー/Circu, Dimir Lobotomist]]のために対象として[[領域]]が追加されたが、その後領域を対象に選ぶカードは登場せず、[[2018年]]10月の総合ルール変更&[[オラクル]]変更でシアクーのオラクルが変更されることと合わせて領域は対象から外された。
  
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[連繋]]
 
*[[連繋]]
*[[一方通行]]
 
*[[ルーリング]]
 
 
*[[被覆]]
 
*[[被覆]]
*[[アンタッチャブル]]
+
**[[アンタッチャブル]](俗称)
 +
*[[呪禁]]
 +
**[[一方通行]](俗称)
 +
*[[悪事]]
 +
*[[任意の対象]]
 +
*[[対象の変更]]
 +
*[[ルーリング]]
  
===総合ルール===
+
{{#cr:115}}
{{#cr:409.1c}}
+

2024年5月27日 (月) 20:47時点における最新版

対象/Targetとは、呪文能力が影響を及ぼす、事前に選択されたオブジェクトプレイヤーのこと。マジックにおいて「対象」は、ルール用語として一般的な意味と異なる特別な意味を持つ。ルールなどの説明でこの用語を用いるときは注意しなくてはならない。


Giant Growth / 巨大化 (緑)
インスタント

クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+3の修整を受ける。



Shock / ショック (赤)
インスタント

1つを対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。



Ivory Mask / 象牙の仮面 (2)(白)(白)
エンチャント

あなたは被覆を持つ。(あなたは呪文や能力の対象にならない。)


目次

[編集] 解説

呪文能力が対象をとるのは、下記の2つの場合のみである。

  1. 「[何か]を対象とする。/target [何か]」という記述が文章中に存在する場合、その[何か]を対象とする。
    • キーワード能力の場合、その定義にこの記述を含んでいることがある(例:装備変容)。この場合も対象をとる。
    • ダメージ関連の呪文や能力は、「[何か]を対象とする。/target [何か]」ではなく「1つを対象とする。/any target」、「これでない1つを対象とする。/another target」、「2つを対象とする。/two targets」と書かれているものがある。これらの対象は、プレイヤークリーチャープレインズウォーカーバトルでありうる。クリーチャーでないアーティファクト呪文など、その他のゲーム上のオブジェクトは選択できない。機械兵団の進軍より前に印刷されたカードには「クリーチャーかプレイヤーを対象とする。」「クリーチャーやプレインズウォーカーかプレイヤーのうち1つを対象とする。」と書かれている場合があるためオラクルを参照すること。
  2. オーラ呪文の場合、エンチャント能力の指定に従い、その適正なエンチャント先を対象とする。

このいずれでもない呪文や能力は対象をとらない。「あなた/You」は、そのオブジェクトコントローラーを指す単語であり、対象をとるということではない。

対象は、呪文ならば唱える際に、起動型能力ならば起動する際に、誘発型能力ならば誘発してスタックに乗る際に決定する。不正な対象を選択することはできない。適正な対象を取ることができない場合には呪文を唱えたり能力を起動したりはできず、誘発してスタックに乗ってもスタックから取り除かれる。手順についての詳細は唱えるの項を参照。

対象が適正であるかどうかは解決時にもチェックされる。対象を必要とする呪文や能力は、解決時にその対象の一部が不適正になっていた場合、残った対象に効果を発生させる(マジックの黄金律)。解決時にその対象の全てが不適正になっていた場合、その呪文や能力は解決されない(いわゆる「立ち消え」)。不正な対象の項も参照。

  • 対象が適正かどうかのチェックは上記の時点でのみ行われる。これら以外の場合に対象として適正でなくなっても、そのことが原因で効果が生じなかったり終了したりすることはない。
  • 一度選んだ対象は、不適正になっても勝手に変更することはできない。
  • 0を含む可変個の対象を取ることのできる呪文や能力が存在する。その場合、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。一方でその呪文や能力は実際の対象の数によらず「対象を取りうる」呪文や能力である。
    • 「望む数(好きな数)の○○を対象とする」や「最大○つを対象とする」などと書かれているものがこれに該当する。
  • 対象を変更する効果がいくつか存在する。詳しくは対象の変更の項目を参照。
  • スタック上にある呪文や能力は、自身を対象とすることはできない(CR:115.5)。よって「対抗呪文/Counterspell分流/Shuntを使用して対象を対抗呪文自身に変更する」ということは不可能である。
    • ただし、対象を分流に変更することは可能である。なぜなら、分流の解決中、まだ分流はスタック上に置かれているからである。
  • 対象として適正であれば、解決の際の挙動は考慮する必要は無い。打ち消し呪文を打ち消されない呪文を対象に唱えることは適正である。このような場合、マジックの黄金律にあるとおり「できない」が勝り「実行不可能な指示は無視」されるために、単に解決時に何も起こらないだけである。
    • 例えば、打ち消されない呪文を対象に放逐/Dismissを唱えてもよい。その場合、呪文は打ち消せないものの「カードを1枚引く」という処理は実行される。
    • 盤面が複雑になると難しく感じてしまうが、「呪文や能力の対象がすべて不適正になっている」「呪文や能力が打ち消されている」「呪文や能力がスタックから直接取り除かれている」のいずれにも該当しない場合は、解決自体は実行されるということを念頭にいれておこう。

[編集] 複数の対象をとる場合

  1. オラクルで1つの「Target」を使って対象を取るオブジェクトを示している場合、同じオブジェクトを複数回対象として選んではいけない。(例:暴力的な根本原理/Violent Ultimatum
  2. オラクルで複数の「Target」を使って対象を取るオブジェクトを示している場合、それぞれにおいて制限を満たした上で、同じものを複数回対象として選んでもよい。(例:大量破壊/Decimate
    • この方法で同じものを複数回選んだとしても、それは「単一の対象をとる」呪文ではない。

日本語のテキストは翻訳のテンプレートが逐一変更されており、上の違いが分かり難いカードがある。どちらか判断しづらい場合はオラクルを参照するように。

  • 2014年11月(統率者2014)現在では、「『[性質]N個(または[性質]N個)』としてまとめられている中で、同じ対象を複数回選ぶことはできない。」が日本語訳のテンプレートである。
    • 「クリーチャー2体を対象とする」は同じクリーチャーを対象に取れないが、「クリーチャー1体と、クリーチャー1体を対象とする」は同じクリーチャーを対象に取ることができる。
  • 神河物語で現在のルールに変更される前は、どちらの場合であっても同じ対象を複数回選ぶことはできなかった。

[編集] 対象になるたび

誘発条件として「○○が呪文や能力の対象になるたび」というものがある。


Cowardice / 卑怯 (3)(青)(青)
エンチャント

クリーチャーが呪文や能力の対象になるたび、そのクリーチャーをオーナーの手札に戻す。


この誘発条件が満たされるのは

  • ○○を対象とする呪文が唱えられたり能力が起動されたりしたとき。
  • 対象を変更する効果によって呪文や能力の対象が○○に変更されたとき。
  • ○○を対象とした呪文や能力のコピーがスタックに置かれその対象がそのままだったとき。
  • 呪文や能力のコピーがスタックに置かれその対象が○○に変更されたとき。

のいずれかである(休眠のゴーマゾア/Dormant GomazoaFAQ)。

カードによっては「対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび」「インスタント呪文かソーサリー呪文の対象になるたび」「能力の対象になるたび」のように条件がより限定されているので、その場合は適宜読み替えること。

[編集] 訳語の変遷

「対象」の日本語訳のテンプレートは、オンスロート以降幾度か大幅に変更されている。

[編集] オンスロートでの変更

例えば、ショック/Shockルール文章(当時)は、英語では以下の通りであった。


旧オラクル

Shock (赤)
Instant

Shock deals 2 damage to target creature or player.


これを、オデッセイ・ブロックまでは、以下のように訳していた。


旧オラクル

ショック / Shock (赤)
インスタント

ショックは、対象のクリーチャー1体か対象のプレイヤー1人に、2点のダメージを与える。


すなわち、英語の「target」の部分をそのまま「対象の」と置き換えただけのものである。

ところが、この訳では「対象のクリーチャー(プレイヤー)」はあらかじめ決められているかのように読めてしまい、「好きなクリーチャー(プレイヤー)を選んで2点ダメージを与える」という意味であることが初心者にわかりづらいという問題が生じていた。

そのため、オンスロート・ブロック以降、訳語が以下のように改められた。


旧オラクル

ショック / Shock (赤)
インスタント

クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。


対象を先に宣言し、元の「target」の部分は「それ」と訳すようにすることで、何を対象とするのかが日本語でもわかりやすくなった。

以上の変更のため、複数の対象を取る場合に「その前者」「その後者」をつけるなど、複雑な変更がなされている場合がある。


Kor Outfitter / コーの装具役 (白)(白)
クリーチャー — コー(Kor) 兵士(Soldier)

コーの装具役が戦場に出たとき、あなたがコントロールする装備品(Equipment)1つとあなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、その前者をその後者につけてもよい。

2/2


Volcanic Offering / 火山の捧げ物 (4)(赤)
インスタント

あなたがコントロールしていない基本でない土地1つと、対戦相手が選ぶあなたがコントロールしてない基本でない土地1つと、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体と、対戦相手が選ぶあなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。その第1者とその第2者を破壊する。
火山の捧げ物はその第3者に7点のダメージ、その第4者に7点のダメージを与える。



Magma Opus / マグマ・オパス (6)(青)(赤)
インスタント

望む数の、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーを対象とし、4点分をあなたの望むように割り振る。パーマネント2つを対象とする。マグマ・オパスはその前者群にその割り振ったダメージを与える。その後者群をタップする。青赤の4/4のエレメンタル(Elemental)・クリーチャー・トークン1体を生成する。カード2枚を引く。
(青/赤)(青/赤),マグマ・オパスを捨てる:宝物(Treasure)トークン1つを生成する。


以上のカードは、いずれもオラクルでは「target」が2回使われているが、日本語版ではコーの装具役/Kor Outfitterに「対象」が1回しか使われていない。

また、この訳語では、超過注釈文を「『対象の』を『各』に置き換える」と単純に訳すことができないという問題が生じた。よって、日本語版では、変更後のテキストをそのまま書くという対応になった。

[編集] ドミナリアでの変更

ドミナリアでのプレインズウォーカーへのダメージ移し替えルール廃止に伴って、英語版はそれまで「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする/target creature or player」としてきた文章を「any target(任意の対象)」に変更したが、日本語の対訳は作られず、「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。」という文章になった。任意の対象の項も参照。


Shock (赤)
Instant

Shock deals 2 damage to any target.



旧オラクル

ショック (赤)
インスタント

クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。


[編集] 機械兵団の進軍での変更


Shock / ショック (赤)
インスタント

1つを対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。


機械兵団の進軍で新たにダメージを与えうるオブジェクトであるバトルが追加されたため、日本語版は任意の対象の訳語を「1つを対象とする。」に変更した。

[編集] その他

ラヴニカ:ギルドの都ディミーアの脳外科医、シアクー/Circu, Dimir Lobotomistのために対象として領域が追加されたが、その後領域を対象に選ぶカードは登場せず、2018年10月の総合ルール変更&オラクル変更でシアクーのオラクルが変更されることと合わせて領域は対象から外された。

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

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