緑
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Aerugo aeruginosa (トーク | 投稿記録) (もみ消し能力の扱いの変遷はほぼ公式に触れられないので時系列的な表記は困難、さしあたってアーティファクトの項に書いた) |
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+ | [[マナ加速]]、[[クリーチャー]]以外の[[パーマネント]][[破壊]]、[[コスト・パフォーマンス]]の優れた[[大型クリーチャー]]が特徴。特に[[中堅クリーチャー|中]]~大型クリーチャーの性能の高さは他の色の追随を許さない。クリーチャー同士の正面衝突に持ち込み、強引に[[戦闘ダメージ]]を[[プレイヤー]]にねじ込むのが基本的な戦法。 | ||
− | + | ;クリーチャー | |
− | [[ | + | :他の色に比べて同じマナ域でも一回り大きな[[サイズ]]を誇る。得意な[[キーワード能力]]は[[トランプル]]を筆頭に、[[接死]]、[[呪禁]]、[[速攻]]、[[破壊不能]]、[[到達]]、[[警戒]]など多岐にわたる。[[飛行]]を持つカードは少なく、むしろ[[除去]]の[[対象]]でさえある。[[回避能力]]として[[威圧]]などを持つ。かつては「飛行を持つクリーチャー以外には[[ブロックされない]]」クリーチャーも存在したが今では緑にはふさわしくないとされ、新規クリーチャーの追加はまずないと思われる。 |
+ | :[[クリーチャー・タイプ]]は、[[種族]]ではエルフ、[[ケンタウルス]]、[[植物]]、[[ビースト]]、[[ワーム]]、ハイドラなど、[[職業]]では[[ドルイド]]、[[シャーマン]]、[[スカウト]]が多い。[[象徴的クリーチャー]]はハイドラ、[[特徴的クリーチャー]]はエルフ。 | ||
+ | :クリーチャーは基本的に[[強化]]の対象であり[[除去]]はできない。[[巨大化/Giant Growth]]のような[[コンバットトリック]]となる一時的な強化と、[[+1/+1カウンター]]による永続的な強化の両方をこなす。[[除去]]は[[格闘]]や[[狂気の一咬み/Rabid Bite]]のような[[一方的格闘]]、接死、[[ブロック強制]]など戦闘を前提としたものとなる。ただし飛行を持つクリーチャーに対しては直接除去や[[火力]]が存在する。また、無力化による間接的な除去とも言える[[濃霧/Fog]]のような[[戦闘ダメージ]]全体[[軽減]]も持つ。 | ||
− | + | ;[[アーティファクト]] | |
+ | :基本的にシナジーを形成せず、人工物を嫌う性質から壊すのが主。またこれに派生して[[起動型能力]]・[[誘発型能力]]を打ち消すこともある<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/mechanical-color-pie-2021-changes-2021-10-18 Mechanical Color Pie 2021 Changes]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0035516/ メカニズム的カラー・パイ 2021年版変更点](Making Magic [[2021年]]10月18日 Mark Rosewater著)</ref>。 | ||
+ | *「起動型能力の打ち消し」は緑の反アーティファクト性を示す[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]の[[Rust]]に始まり、[[インベイジョン]]では起動型能力全般を打ち消せる[[束縛/Bind]]にまで拡大され緑の領分とされた。[[ディセンション]]で「青が呪文を打ち消し、緑が能力を打ち消す」という発想で[[虚空粘/Voidslime]]が作られるまで続いていたが、[[時のらせん]]で色の役割が見直され、[[2017年]]時点では打ち消し全般を扱う青の領分へと移ったと述べられている<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/aether-way-part-2-2017-01-23 Aether Way, Part 2][http://mtg-jp.com/reading/mm/0018267/ 霊気の道 その2](Making Magic 2017年1月23日)</ref>。 | ||
+ | *はずだったのだが、同年内にあらためて「しばらくの間はこれは緑の能力だったが、青に寄せるようにしている」と言い直された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/mechanical-color-pie-2017-2017-06-05 Mechanical Color Pie 2017]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0019007/ メカニズム的カラー・パイ 2017年版]([[Making Magic]] [[2017年]]6月5日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。その後も[[覆滅+複製/Repudiate+Replicate]]など[[発生源]]がアーティファクトかを問わない打ち消しがたびたび登場している。 | ||
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+ | :[[誘発条件]]になったり、数を参照するシナジーを形成したりなど協力関係を持つ反面、「不自然なもの」として破壊する事にも長ける二面性を持つ。 | ||
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− | + | :[[サーチ]]する手段が豊富にある。また、土地の数を参照したり、土地を[[クリーチャー化]]させたりと土地は非常に強い結びつきがある。[[土地破壊]]も赤に続いて2番手の役割。 | |
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[[マナ]]の扱いについては5色の中で最も得意であり、前述の土地サーチ、[[マナ・クリーチャー]]によるマナ加速に加え、好きな色のマナを出せるカードが多く[[多色デッキ]]を組む際は緑を入れると安定した動きになる。 | [[マナ]]の扱いについては5色の中で最も得意であり、前述の土地サーチ、[[マナ・クリーチャー]]によるマナ加速に加え、好きな色のマナを出せるカードが多く[[多色デッキ]]を組む際は緑を入れると安定した動きになる。 | ||
− | + | [[墓地]]に落ちた[[カード]]の回収などにも長けている。この回収効果は[[カード・タイプ]]を問わない場合が多いので、汎用性が極めて高い。変則的な回収効果として[[リアニメイト]]を行うカードや自己再生するクリーチャーも存在する。 | |
− | + | また、[[青]]に続いて[[引く|ドロー]]が得意であり、大きなクリーチャーや[[マナ総量]]の大きい呪文のプレイに関連して引くものが多い。 | |
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+ | 白と並んで[[ライフ]][[回復]]に最も長けた色でもある。 | ||
クリーチャー以外の[[パーマネント]]の除去は得意。[[帰化/Naturalize]]、[[忍び寄るカビ/Creeping Mold]]や[[茨潰し/Bramblecrush]]のような複数のタイプに効果のあるカードが定番であり、[[腐る|腐り]]にくいのが魅力。 | クリーチャー以外の[[パーマネント]]の除去は得意。[[帰化/Naturalize]]、[[忍び寄るカビ/Creeping Mold]]や[[茨潰し/Bramblecrush]]のような複数のタイプに効果のあるカードが定番であり、[[腐る|腐り]]にくいのが魅力。 | ||
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− | + | ;[[第8版]]([[2003年]]) | |
− | + | :[[エンチャント]]、[[アーティファクト]]共通で対応する汎用カードは[[解呪/Disenchant]]を持つ白が1番手であったが、[[第8版]]で解呪の代わりに帰化が収録され白を下した。かつては、アーティファクト[[破壊]]は解呪はもとより[[粉砕/Shatter]]にも劣る[[青サビ/Verdigris]]があった事から3番手に位置付けされていた。 | |
− | + | ;[[基本セット2010]]~[[イニストラード・ブロック]]期([[2009年]]-[[2012年]]頃) | |
− | + | :濃霧系の戦闘ダメージの軽減は[[第8版]]より[[白]]に移っていた([[聖なる日/Holy Day]]など)が、[[基本セット2010]]で濃霧が[[再録]]されて以降、緑が第1色で白が第2色という関係となった。 | |
− | + | :飛行を持たないクリーチャーの直接的な除去に関しては[[砂漠の竜巻/Desert Twister]]のような例外を除きほぼ不可能だったが、[[イニストラード]]の[[捕食/Prey Upon]]の登場により格闘による除去を手に入れた。 | |
− | + | :[[被覆]]は緑の特徴的なキーワード能力の一つであったが、直観的でなく初心者に理解が困難であるなどの理由から廃止され、[[一方通行]]が[[呪禁]]にキーワード化されて使われるようになった。 | |
− | + | :[[回避能力]]として[[土地渡り]]を持っていたが、[[マジック・オリジン]]以降は土地渡りそのものが廃止された。 | |
− | + | :樹上能力と呼ばれる「飛行を持つクリーチャーにしか[[ブロック]]されない。」を回避能力として持っていたが、[[ギルド門侵犯]]の[[尖塔なぞり/Spire Tracer]]以降は登場せず[[Mark Rosewater]]からは[[折れ]]に当たると言われている<ref>[https://markrosewater.tumblr.com/post/166123262693/is-it-a-bendbreak-for-green-to-get-cards-like Is it a bend/break for green to get cards like...](Blogatog 2017年10月6日)</ref> 。 | |
− | *速攻に関して緑は第3色と位置付けられていたが、[[ラヴニカの献身]]から第2色へと移された<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0031648/ 献身の作り方 その2](Making Magic 2019年1月7日)</ref>。 | + | ;[[ゲートウォッチの誓い]]([[2016年]]) |
+ | :クリーチャーのパワー分のダメージを与える[[一方的格闘]]については[[鋸歯傷の射手/Jagged-Scar Archers]]のように飛行クリーチャー限定で少数あったが、[[ゲートウォッチの誓い]]の[[ニッサの裁き/Nissa's Judgment]]以降、制限が撤廃されたカードが印刷されるようになった。 | ||
+ | *[[カラデシュ]]から、キーワード能力化されていない回避能力として「[[パワー]]が2以下のクリーチャーによってはブロックされない。」([[威圧]])が多用されるようになった([[ギラプールの案内人/Ghirapur Guide]]など)。 | ||
+ | *速攻に関して緑は第3色と位置付けられていたが、[[ラヴニカの献身]]から第2色へと移された<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/building-allegiances-part-2-2019-01-07 Building Allegiances, Part 2][https://mtg-jp.com/reading/mm/0031648/ 献身の作り方 その2](Making Magic 2019年1月7日)</ref>。 | ||
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+ | [https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/20150810 緑への再訪は簡単ではない]によれば、緑は自然界から与えられた役割を受容することを求める色である。個々人は自然界から役割を与えられて生まれてきており、遺伝子や本能に刻まれたその役割を理解し、受け入れることで楽しく人生を生きられると考えている。また、緑は個々人が、自然界全体とどう繋がっていくかも理解するべきと考えている。 | ||
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+ | こうした性質から、緑は[[芽吹き/Sprout|誕生]]、[[驚異的成長/Prodigious Growth|成長]]、[[現実の錨/Reality Anchor|現実]]、[[部族の団結/Tribal Unity|共同体]]、[[ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart|相互依存]]、[[精霊の絆/Elemental Bond|心霊主義]]、[[過去との取り組み/Grapple with the Past|過去]]、[[森の知恵/Sylvan Library|知恵]]、[[末裔の道/Descendants' Path|家系]]、[[始まりの木の管理人/Warden of the First Tree|伝統]]、[[野性の本能/Wild Instincts|本能]]、[[クリーチャー|動物]]、[[植物]]などを表す色とされる。 | ||
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+ | 緑と白は共に全体主義的な性質を持ち、故に友好色である。しかし、緑は本能を重視し、白が好む人工的な法による支配を嫌うため、この点においては白と緑は対立する。 | ||
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+ | 緑と赤は共に野生的で弱肉強食的な色であり、故に友好色である。しかし、赤は自己中心的な面があり、緑が重視する自然界全体への理解と配慮を欠いているためこの点では赤と緑は対立する。 | ||
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+ | 緑は自分のあるべき姿は自然界によって既に決められていて、それを変えるべきではないと考えているが、青や黒は自分のありようや行動を自分で自由に選択することを是としており、またそのためにしばしば人工物を作って自然を破壊するため、青と黒は緑の対抗色となっている。 | ||
+ | *また青は空の色・緑は大地の色という点でも対立関係があり<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/great-mix-part-i-2007-01-22 The Great Mix-Up, Part I](Making Magic 2007年1月22日 Mark Rosewater著)</ref>、これは緑に飛行クリーチャーがいない・飛行を持つクリーチャーに直接干渉できる理由でもある。緑にとっての飛行クリーチャーは地面との結びつきを欠いたやや不自然なものでもある<ref>[https://media.wizards.com/podcasts/magic/drivetowork79green.mp3 Drive to Work #79 – Green](2013年12月14日 Mark Rosewaterのポッドキャスト)</ref>。 | ||
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− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/its-not-easy-being-green-2002-10-21-0 It's Not Easy Being Green](Making Magic 2002年10月21日 [[Mark Rosewater]]著) |
− | + | **セサミ・ストリートで同名の楽曲が使われており、これを意識した記事名だと思われる。 | |
+ | **[http://web.archive.org/web/20090207140740/http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/02/1112.html 緑はつらいよ--もっとも誤解された色](Braingeyser、上の記事の非公式訳) | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/its-not-easy-being-green-revisited-2015-08-10 It's Not Easy Being Green Revisited]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0015497/ 緑への再訪は簡単ではない](Making Magic 2015年8月10日 Mark Rosewater著 [[米村薫]]訳) | ||
+ | **なお2002年の記事のリメイクという文脈を汲むならこの記事名の訳はやや不適切。「『緑は簡単ではない』への再訪」とでもするべきか。 | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/searching-within-2008-11-01 Searching Within](Making Magic 2008年11月3日 Mark Rosewater著 [[ナヤ/Naya|ナヤ]]ウィーク記事)- ナヤの中心色として緑に触れている。 | ||
*[[用語集]] | *[[用語集]] | ||
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2024年1月29日 (月) 15:56時点における最新版
緑/Greenはマジック:ザ・ギャザリングにおける色の1つ。
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[編集] 色の特徴
自然と生命の色であり、森からマナを引き出しエルフやハイドラを召喚する。白と赤を友好色とし、青と黒を対抗色とする。略号はG。
[編集] 色の役割
マナ加速、クリーチャー以外のパーマネント破壊、コスト・パフォーマンスの優れた大型クリーチャーが特徴。特に中~大型クリーチャーの性能の高さは他の色の追随を許さない。クリーチャー同士の正面衝突に持ち込み、強引に戦闘ダメージをプレイヤーにねじ込むのが基本的な戦法。
- クリーチャー
- 他の色に比べて同じマナ域でも一回り大きなサイズを誇る。得意なキーワード能力はトランプルを筆頭に、接死、呪禁、速攻、破壊不能、到達、警戒など多岐にわたる。飛行を持つカードは少なく、むしろ除去の対象でさえある。回避能力として威圧などを持つ。かつては「飛行を持つクリーチャー以外にはブロックされない」クリーチャーも存在したが今では緑にはふさわしくないとされ、新規クリーチャーの追加はまずないと思われる。
- クリーチャー・タイプは、種族ではエルフ、ケンタウルス、植物、ビースト、ワーム、ハイドラなど、職業ではドルイド、シャーマン、スカウトが多い。象徴的クリーチャーはハイドラ、特徴的クリーチャーはエルフ。
- クリーチャーは基本的に強化の対象であり除去はできない。巨大化/Giant Growthのようなコンバットトリックとなる一時的な強化と、+1/+1カウンターによる永続的な強化の両方をこなす。除去は格闘や狂気の一咬み/Rabid Biteのような一方的格闘、接死、ブロック強制など戦闘を前提としたものとなる。ただし飛行を持つクリーチャーに対しては直接除去や火力が存在する。また、無力化による間接的な除去とも言える濃霧/Fogのような戦闘ダメージ全体軽減も持つ。
- 「起動型能力の打ち消し」は緑の反アーティファクト性を示すレジェンドのRustに始まり、インベイジョンでは起動型能力全般を打ち消せる束縛/Bindにまで拡大され緑の領分とされた。ディセンションで「青が呪文を打ち消し、緑が能力を打ち消す」という発想で虚空粘/Voidslimeが作られるまで続いていたが、時のらせんで色の役割が見直され、2017年時点では打ち消し全般を扱う青の領分へと移ったと述べられている[2]。
- はずだったのだが、同年内にあらためて「しばらくの間はこれは緑の能力だったが、青に寄せるようにしている」と言い直された[3]。その後も覆滅+複製/Repudiate+Replicateなど発生源がアーティファクトかを問わない打ち消しがたびたび登場している。
マナの扱いについては5色の中で最も得意であり、前述の土地サーチ、マナ・クリーチャーによるマナ加速に加え、好きな色のマナを出せるカードが多く多色デッキを組む際は緑を入れると安定した動きになる。
墓地に落ちたカードの回収などにも長けている。この回収効果はカード・タイプを問わない場合が多いので、汎用性が極めて高い。変則的な回収効果としてリアニメイトを行うカードや自己再生するクリーチャーも存在する。
また、青に続いてドローが得意であり、大きなクリーチャーやマナ総量の大きい呪文のプレイに関連して引くものが多い。
クリーチャー以外のパーマネントの除去は得意。帰化/Naturalize、忍び寄るカビ/Creeping Moldや茨潰し/Bramblecrushのような複数のタイプに効果のあるカードが定番であり、腐りにくいのが魅力。
[編集] 色の役割の変更
- 第8版(2003年)
- エンチャント、アーティファクト共通で対応する汎用カードは解呪/Disenchantを持つ白が1番手であったが、第8版で解呪の代わりに帰化が収録され白を下した。かつては、アーティファクト破壊は解呪はもとより粉砕/Shatterにも劣る青サビ/Verdigrisがあった事から3番手に位置付けされていた。
- 基本セット2010~イニストラード・ブロック期(2009年-2012年頃)
- 濃霧系の戦闘ダメージの軽減は第8版より白に移っていた(聖なる日/Holy Dayなど)が、基本セット2010で濃霧が再録されて以降、緑が第1色で白が第2色という関係となった。
- 飛行を持たないクリーチャーの直接的な除去に関しては砂漠の竜巻/Desert Twisterのような例外を除きほぼ不可能だったが、イニストラードの捕食/Prey Uponの登場により格闘による除去を手に入れた。
- 被覆は緑の特徴的なキーワード能力の一つであったが、直観的でなく初心者に理解が困難であるなどの理由から廃止され、一方通行が呪禁にキーワード化されて使われるようになった。
- 回避能力として土地渡りを持っていたが、マジック・オリジン以降は土地渡りそのものが廃止された。
- 樹上能力と呼ばれる「飛行を持つクリーチャーにしかブロックされない。」を回避能力として持っていたが、ギルド門侵犯の尖塔なぞり/Spire Tracer以降は登場せずMark Rosewaterからは折れに当たると言われている[4] 。
- ゲートウォッチの誓い(2016年)
- クリーチャーのパワー分のダメージを与える一方的格闘については鋸歯傷の射手/Jagged-Scar Archersのように飛行クリーチャー限定で少数あったが、ゲートウォッチの誓いのニッサの裁き/Nissa's Judgment以降、制限が撤廃されたカードが印刷されるようになった。
- カラデシュから、キーワード能力化されていない回避能力として「パワーが2以下のクリーチャーによってはブロックされない。」(威圧)が多用されるようになった(ギラプールの案内人/Ghirapur Guideなど)。
- 速攻に関して緑は第3色と位置付けられていたが、ラヴニカの献身から第2色へと移された[5]。
[編集] 色の理念
緑への再訪は簡単ではないによれば、緑は自然界から与えられた役割を受容することを求める色である。個々人は自然界から役割を与えられて生まれてきており、遺伝子や本能に刻まれたその役割を理解し、受け入れることで楽しく人生を生きられると考えている。また、緑は個々人が、自然界全体とどう繋がっていくかも理解するべきと考えている。
こうした性質から、緑は誕生、成長、現実、共同体、相互依存、心霊主義、過去、知恵、家系、伝統、本能、動物、植物などを表す色とされる。
緑と白は共に全体主義的な性質を持ち、故に友好色である。しかし、緑は本能を重視し、白が好む人工的な法による支配を嫌うため、この点においては白と緑は対立する。
緑と赤は共に野生的で弱肉強食的な色であり、故に友好色である。しかし、赤は自己中心的な面があり、緑が重視する自然界全体への理解と配慮を欠いているためこの点では赤と緑は対立する。
緑は自分のあるべき姿は自然界によって既に決められていて、それを変えるべきではないと考えているが、青や黒は自分のありようや行動を自分で自由に選択することを是としており、またそのためにしばしば人工物を作って自然を破壊するため、青と黒は緑の対抗色となっている。
- また青は空の色・緑は大地の色という点でも対立関係があり[6]、これは緑に飛行クリーチャーがいない・飛行を持つクリーチャーに直接干渉できる理由でもある。緑にとっての飛行クリーチャーは地面との結びつきを欠いたやや不自然なものでもある[7]。
[編集] 脚注
- ↑ Color Pie 2021 Changes/メカニズム的カラー・パイ 2021年版変更点(Making Magic 2021年10月18日 Mark Rosewater著)
- ↑ Aether Way, Part 2霊気の道 その2(Making Magic 2017年1月23日)
- ↑ Mechanical Color Pie 2017/メカニズム的カラー・パイ 2017年版(Making Magic 2017年6月5日 Mark Rosewater著)
- ↑ Is it a bend/break for green to get cards like...(Blogatog 2017年10月6日)
- ↑ Building Allegiances, Part 2献身の作り方 その2(Making Magic 2019年1月7日)
- ↑ The Great Mix-Up, Part I(Making Magic 2007年1月22日 Mark Rosewater著)
- ↑ Drive to Work #79 – Green(2013年12月14日 Mark Rosewaterのポッドキャスト)
[編集] 参考
- It's Not Easy Being Green(Making Magic 2002年10月21日 Mark Rosewater著)
- セサミ・ストリートで同名の楽曲が使われており、これを意識した記事名だと思われる。
- 緑はつらいよ--もっとも誤解された色(Braingeyser、上の記事の非公式訳)
- It's Not Easy Being Green Revisited/緑への再訪は簡単ではない(Making Magic 2015年8月10日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- なお2002年の記事のリメイクという文脈を汲むならこの記事名の訳はやや不適切。「『緑は簡単ではない』への再訪」とでもするべきか。
- Searching Within(Making Magic 2008年11月3日 Mark Rosewater著 ナヤウィーク記事)- ナヤの中心色として緑に触れている。
- 用語集
色 | |||||||||
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単色 | 白 - 青 - 黒 - 赤 - 緑 | ||||||||
多色 (金) |
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アン・ゲーム専用 | ピンク - 金 - 目の色 | ||||||||
色の関係 | 色の組み合わせ - 友好色 - 対抗色 - カラーパイ - 色の役割 | ||||||||
関連項目 | 無色 - 有色 - 単色カード - 多色カード - 色指標 - 固有色 - デッキカラー |