シャドー
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+ | より噛み砕いて説明すれば、「シャドー持ちと通常のクリーチャーは互いにすり抜ける」となる。 | ||
− | + | [[飛行]]の発展型と言われるが、実際は単体では飛行よりも劣った能力であり、デメリットとしての側面を認識している必要がある(その具体例は下に記述)。事実、能力としての性能だけを抜き出せば[[High-flying]]と大きな違いはない。 | |
− | + | それでも、シャドーが強力な回避能力として認識されている理由は、これを持つクリーチャー(すなわちこれをブロックできるクリーチャー)の絶対数の少なさが挙げられる。またデメリットでもあることから、シャドーを持ったクリーチャーは(飛行クリーチャーと比べて)[[コスト・パフォーマンス]]が良く、そのため[[ウィニー]]などへの適応性が上がり、結果的に攻撃面のメリットだけが際立つことになったのも大きな理由だろう。 | |
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− | テンペスト・ブロックでは、[[白]]の[[サルタリー | + | ===変遷=== |
+ | テンペスト・ブロックでは、[[白]]の[[サルタリー]]、[[青]]の[[サラカス]]、[[黒]]の[[ダウスィー]]の3種族がこの能力を持つ。[[赤]]は[[多色]]だが[[サルタリーのゲリラ/Soltari Guerrillas]]のみが存在し、[[緑]]にこの能力を持つクリーチャーは存在しない([[ハートウッドのドライアド/Heartwood Dryad]]のようにシャドーをブロックできるものはある)。この不均等な[[色]]配分により、白と黒が特に使われる一方で、[[単体除去]]を持たない緑がシャドー[[ウィニー]]に干渉できず一方的にやられるという状況を作り出してしまった。シャドー持ちは一般に[[パワー]]2以下の小型クリーチャーが多く、しかも通常クリーチャーへの[[チャンプブロック]]に使えないので、緑でも大型クリーチャーを出したり展開力で勝ったりすれば勝機はあったのだが、当時の[[環境]]では両方困難だったようだ。ただでさえシャドー持ちが多い白に[[サルタリーのチャンピオン/Soltari Champion]]がいたのも問題であったと思われる。しかしながら、次の[[ウルザ・ブロック]]で緑の優秀なウィニーと最強の[[オーラ]]こと[[怨恨/Rancor]]が加わり、ブロックができないシャドーでは逆に抵抗不能に陥るという光景が見られるようになった。シャドーのデメリットとしての側面が現れた一例である。 | ||
− | + | [[開発部]]もシャドーは失敗だったとしており、一時期「過去最悪のメカニズム」とされた。しかし、原因はシャドー単体ではなく、[[マナ・コスト]]や色分布、対策カードのデザインなどの部分にあり、個々のカードデザイン次第で問題はなくなると判断されたのだろう、[[時のらせんブロック]]にて見事復活。クリーチャーの質が上がり、[[畏怖]]や[[ブロックされない]]カードが増えていたことも追い風か。その後も主に[[サプリメント・セット]]で再登場している。 | |
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+ | *[[Unfinity]]では[[ステッカー]]の[[Urza's Dark Cannonball]]がシャドーをつけられる。 | ||
*実質的に、クリーチャー[[戦闘]]の場を2本立てにする能力。俗に「裏から[[殴る]]」などと言われていた。 | *実質的に、クリーチャー[[戦闘]]の場を2本立てにする能力。俗に「裏から[[殴る]]」などと言われていた。 | ||
− | ** | + | **実のところ「過去最悪のメカニズム」と評されていたのは、強すぎる・弱すぎるなどといった理由ではなく、まさしくこの「戦闘の場を2つに分断してしまう」という点からであった。戦闘で干渉しあえない2つのグループに分かれてしまうことは、このゲームには相応しくないと思われていたようだ。しかし[[時のらせん]]ではこのことを利用して、ダメージを0に軽減した上でシャドーで「裏」に送る[[時間の孤立/Temporal Isolation]]が登場した。 |
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*テンペスト・ブロックでは、膠着状態が発生しにくいように、シャドー持ちの大半は[[タフネス]]1に設定されている。 | *テンペスト・ブロックでは、膠着状態が発生しにくいように、シャドー持ちの大半は[[タフネス]]1に設定されている。 | ||
− | * | + | *[[テンペスト]]にはクリーチャー以外にも、シャドーに関するカードが7枚も収録されている。[[時のらせん]]にも3枚。 |
− | *時折「シャドーも[[シェイド]] | + | *先述のデザインの失敗を認識してか、第2セットの[[ストロングホールド]]ではシャドーを最初から持つクリーチャーが2枚しか収録されていない上、どちらも[[レア]]である。 |
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+ | *開発段階では「シャドー」→(白の雰囲気に合わないので)「アストラル」→([[アストラルセット]]と混合するので)「イセリック」→(形容詞なのでふさわしくないので結局)「シャドー」と、呼称が二転三転していた。 | ||
+ | *時折「シャドーも[[シェイド]]も両方『影』だけど何が違うの?」という疑問が聞かれる。英単語の意味から行けば"Shadow"は地面などに映った「形(影)」、"Shade"は光が遮られて暗くなっている「空間(陰)」を指す。ちなみにシャドーを持つシェイド、もしくはそれに準ずるカードはまだ存在しない。 | ||
+ | *[[常盤木]]ではない[[キーワード能力]]としては初めて[[キーワード・カウンター]]で付与される能力として制定された。→[[ラックス財団付属図書館/The Lux Foundation Library]] | ||
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+ | ==ストーリー== | ||
+ | シャドー・クリーチャーは、[[ドミナリア/Dominaria]]と[[ラース/Rath]]の隙間の影の世界に閉じ込められてしまった者たちである。 | ||
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+ | [[時のらせんブロック]]に新録されたシャドー・クリーチャーのほとんどは、[[要塞/Stronghold]]の[[裏切り者の都/City of Traitors]]に住んでいた[[ダル/Dal]]、[[コー/Kor#ラース|コー/Kor]]、[[ヴェク/Vec]]の追われ者たちの子孫である。[[ラースの被覆/Rathi Overlay]]にて要塞がドミナリアに転移した際に、裏切り者の都は影の世界に閉じ込められてしまった。彼らは祖先のことを学びながら自分たちが現実世界に帰る方法を見つけることを願っている。 | ||
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2024年8月16日 (金) 15:29時点における最新版
シャドー/Shadow | |
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種別 | 常在型能力 |
登場セット | テンペスト・ブロック 時のらせんブロック モダンホライゾン2 Unfinity ドクター・フー統率者デッキ 指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキ |
CR | CR:702.28 |
シャドー/Shadowはテンペスト・ブロックで登場し、時のらせんブロックで再登場したキーワード能力。これは常在型能力(回避能力)である。
クリーチャー — サルタリー(Soltari) クレリック(Cleric)
プロテクション(赤)
シャドー(このクリーチャーは、シャドーを持つクリーチャーのみブロックでき、シャドーを持つクリーチャーによってのみブロックされる。)
[編集] 定義
シャドー/Shadowは回避能力である。
シャドーを持つクリーチャーは、シャドーを持たないクリーチャーにブロックされず、シャドーを持たないクリーチャーは、シャドーを持つクリーチャーにブロックされない。
シャドーを持たないクリーチャーを | シャドーを持つクリーチャーを | |
---|---|---|
シャドーを持たないクリーチャーは | ブロックできる | ブロックできない |
シャドーを持つクリーチャーは | ブロックできない | ブロックできる |
[編集] 解説
より噛み砕いて説明すれば、「シャドー持ちと通常のクリーチャーは互いにすり抜ける」となる。
飛行の発展型と言われるが、実際は単体では飛行よりも劣った能力であり、デメリットとしての側面を認識している必要がある(その具体例は下に記述)。事実、能力としての性能だけを抜き出せばHigh-flyingと大きな違いはない。
それでも、シャドーが強力な回避能力として認識されている理由は、これを持つクリーチャー(すなわちこれをブロックできるクリーチャー)の絶対数の少なさが挙げられる。またデメリットでもあることから、シャドーを持ったクリーチャーは(飛行クリーチャーと比べて)コスト・パフォーマンスが良く、そのためウィニーなどへの適応性が上がり、結果的に攻撃面のメリットだけが際立つことになったのも大きな理由だろう。
[編集] 変遷
テンペスト・ブロックでは、白のサルタリー、青のサラカス、黒のダウスィーの3種族がこの能力を持つ。赤は多色だがサルタリーのゲリラ/Soltari Guerrillasのみが存在し、緑にこの能力を持つクリーチャーは存在しない(ハートウッドのドライアド/Heartwood Dryadのようにシャドーをブロックできるものはある)。この不均等な色配分により、白と黒が特に使われる一方で、単体除去を持たない緑がシャドーウィニーに干渉できず一方的にやられるという状況を作り出してしまった。シャドー持ちは一般にパワー2以下の小型クリーチャーが多く、しかも通常クリーチャーへのチャンプブロックに使えないので、緑でも大型クリーチャーを出したり展開力で勝ったりすれば勝機はあったのだが、当時の環境では両方困難だったようだ。ただでさえシャドー持ちが多い白にサルタリーのチャンピオン/Soltari Championがいたのも問題であったと思われる。しかしながら、次のウルザ・ブロックで緑の優秀なウィニーと最強のオーラこと怨恨/Rancorが加わり、ブロックができないシャドーでは逆に抵抗不能に陥るという光景が見られるようになった。シャドーのデメリットとしての側面が現れた一例である。
開発部もシャドーは失敗だったとしており、一時期「過去最悪のメカニズム」とされた。しかし、原因はシャドー単体ではなく、マナ・コストや色分布、対策カードのデザインなどの部分にあり、個々のカードデザイン次第で問題はなくなると判断されたのだろう、時のらせんブロックにて見事復活。クリーチャーの質が上がり、畏怖やブロックされないカードが増えていたことも追い風か。その後も主にサプリメント・セットで再登場している。
現世の存在とは相互干渉できない異次元の存在を表すフレイバーを持つため、ユニバースビヨンドでも使用される。
- UnfinityではステッカーのUrza's Dark Cannonballがシャドーをつけられる。
- 実質的に、クリーチャー戦闘の場を2本立てにする能力。俗に「裏から殴る」などと言われていた。
- 実のところ「過去最悪のメカニズム」と評されていたのは、強すぎる・弱すぎるなどといった理由ではなく、まさしくこの「戦闘の場を2つに分断してしまう」という点からであった。戦闘で干渉しあえない2つのグループに分かれてしまうことは、このゲームには相応しくないと思われていたようだ。しかし時のらせんではこのことを利用して、ダメージを0に軽減した上でシャドーで「裏」に送る時間の孤立/Temporal Isolationが登場した。
- テンペスト・ブロックでは、膠着状態が発生しにくいように、シャドー持ちの大半はタフネス1に設定されている。
- テンペストにはクリーチャー以外にも、シャドーに関するカードが7枚も収録されている。時のらせんにも3枚。
- 先述のデザインの失敗を認識してか、第2セットのストロングホールドではシャドーを最初から持つクリーチャーが2枚しか収録されていない上、どちらもレアである。
[編集] その他
- 開発段階では「シャドー」→(白の雰囲気に合わないので)「アストラル」→(アストラルセットと混合するので)「イセリック」→(形容詞なのでふさわしくないので結局)「シャドー」と、呼称が二転三転していた。
- 時折「シャドーもシェイドも両方『影』だけど何が違うの?」という疑問が聞かれる。英単語の意味から行けば"Shadow"は地面などに映った「形(影)」、"Shade"は光が遮られて暗くなっている「空間(陰)」を指す。ちなみにシャドーを持つシェイド、もしくはそれに準ずるカードはまだ存在しない。
- 常盤木ではないキーワード能力としては初めてキーワード・カウンターで付与される能力として制定された。→ラックス財団付属図書館/The Lux Foundation Library
[編集] ストーリー
シャドー・クリーチャーは、ドミナリア/Dominariaとラース/Rathの隙間の影の世界に閉じ込められてしまった者たちである。
テンペスト・ブロックのサルタリー/Soltari、サラカス/Thalakos、ダウスィー/Dauthiの3部族は、ドミナリアに開いたポータル/Portalからラースへと引き込まれてしまう。だが巨大なポータルは安定を欠き、彼らはラースにたどり着くことなくドミナリアとラースの隙間の、実体のない影の世界に閉じ込められてしまった。この世界では歳を取ることもなくラース(ドミナリア)を覗くことは可能だが、物理的な影響を及ぼすことはできない。
時のらせんブロックに新録されたシャドー・クリーチャーのほとんどは、要塞/Strongholdの裏切り者の都/City of Traitorsに住んでいたダル/Dal、コー/Kor、ヴェク/Vecの追われ者たちの子孫である。ラースの被覆/Rathi Overlayにて要塞がドミナリアに転移した際に、裏切り者の都は影の世界に閉じ込められてしまった。彼らは祖先のことを学びながら自分たちが現実世界に帰る方法を見つけることを願っている。