再録禁止カード

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=再録禁止カード (Reserved Cards)=
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'''再録禁止カード'''(''Reserved Cards'')は、「[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/official-reprint-policy-2010-03-10 Official Reprint Policy](公式再版ポリシー)」に規定されている、[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|ウィザーズ社]]が公式に再版を禁止している[[カード]]のこと。またはそのようなカードの総称。
  
[[WotC]]が公式に[[再録]]を禁止している[[カード]]のこと。
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==概要==
これに指定されているカードは[[タイプ|カード・タイプ]]、[[能力]]、[[マナ・コスト]]、[[P/T]]が全く同じ状態で再録されることはない。
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再録禁止カードは、それに指定された[[カード]]の再版([[再録]])と、それらと[[カード・タイプ]][[サブタイプ]]、[[能力]]、[[マナ・コスト]]、[[P/T]]のすべてが一致するカードの印刷を禁止している。
  
このリストは本来、(カードパワーによるゲームバランスの崩壊を防ぐためではなく)セカンダリー・マーケットを考慮したもの。
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現在再録禁止カードに指定されているカードはすべて[[ウルザ・ブロック]]以前の[[レア]](レアのない[[変則的な稀少度]]の[[エキスパンション]]は[[アンコモン]])である。[[メルカディアン・マスクス]]以降のカードは存在せず、また現在の再録禁止カードリストが今後更新(追加はもちろん削除も含む)される予定は無いと発表されている。
つまり、「これらのカードが再録されることは今後無いので、価格が暴落することはありませんよ」と示してみせ、TCG業者を安心させるために作られたのである。
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<!-- これが発表された当初は、少し違うくらいのカードももちろん収録されないものだと思われたが、現在では[[Fork]][[双つ術/Twincast]]のような例もでてきた。
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*このポリシーは物理的に印刷された、[[トーナメント]]で使用可能な[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]のカードにのみ適用される。
このことからすると、あまりに危険な能力をもつカード以外は、若干機能を変更した上での収録が今後もありうるのかもしれない。 -->
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**[[Magic Online]]などの[[コンピューターゲーム]]上でリリースされるカードには適用されない。
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**[[定形外のマジックのカード|定形外]]の大判カードなど、通常の[[ゲーム]]では用いないカードとして再版される可能性はある。
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*再録禁止はあくまで「印刷すること」に対する制約なので、新規に印刷しない形であればカードセットの[[ブースターパック]]に再録禁止カードを封入することは認められる。→[[ゼンディカー#ヴィンテージ・カード|ゼンディカー]]
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*公式再版ポリシーによる再録禁止カードの他、[[アンティ]]に関するカードなど、公式再版ポリシーの規定以外の理由から(通常のゲームでは用いないカード含み)再版禁止と告知されたカードいくつかある。なお、両方とも該当したカードは、公式再版ポリシーにより再録禁止カードに指定されている。
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*再録禁止カードに指定されているカードの一覧は[[再録禁止カード一覧]]を参照。
  
*ゲームバランスの崩壊を防ぐためのものではないため、リストには強力なカードだけでなく[[カスレア]]も含まれている。
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==目的==
*後にこのリストの存在が[[R&D]]を大いに悩ませることとなる。
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公式再版ポリシーは、[[シングルカード]]の販売などを行うセカンダリー・マーケットに対して、再版によって指定されたカードの価値が暴落する可能性の無いことをアピールする目的で設けられたものである。他のウィザーズ社による再版・印刷禁止に指定されたカード同様、'''ゲームバランスの崩壊を防ごうとするものではない'''。そのため、公式再版ポリシーによる再録禁止カードのリストにはいわゆる[[カスレア]]なども含まれる。
例えば[[Hand of Justice]]などのカードパワー的には問題無く、むしろ再録されるにふさわしいカードであっても再録できないため、[[基本セット]]に収録されるカードを選定する際に困るハメになったのである。
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現に、過去の全エキスパンションから新たなカードを再録させた[[第8版]]では、[[フォールン・エンパイア]]からの新再録カードを選ぶのにかなり苦労したようである。(最終的に選ばれたのは[[オークのスパイ/Orcish Spy]]であった。)
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*[[Fork]]と[[双つ術/Twincast]]のように、ほぼ同機能の違うカードとしてリメイクされることはもちろんあり得る。
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この場合は、色が異なることから[[Fork]]の価値を著しく落とすことがないと判断できる。
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**[[次元の混乱]]の[[タイムシフト]]では再録禁止リストに登録されている一部のカードが[[マナ・コスト]]と[[カード名]]をかえて登場した。
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*単純な[[上位互換]]のカードが出ることは禁止されていない。
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例えば[[アイスエイジ]]の[[Veldt]]は再録禁止だが、ほぼ上位互換の[[ヴェクの教区/Vec Townships]]が存在する。
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*このリストは現在でも有効だが、[[メルカディアン・マスクス]]以降のカードを追加することは無いと発表されている。
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*実のところは、絶対に二度と印刷できない、というわけでもない。
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2007年には、再録禁止である[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]が[[ジャッジ褒賞]]の[[プロモーション・カード]]となっている。
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このリストは、「[[Foil|フォイル]]仕様ではない[[トーナメント]]使用可能なカード」のみに適用されるのである。
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[[アンヒンジド]]の[[Super Secret Tech]]のように、Foilにしか存在しないカードとして再販することも、文脈上は不可能ではない。
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実際にそれが行われることはまず考えられないが。
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*ゲームバランスの崩壊を防ぐためのリストではないが、再録を望む声が上がるのはメタの中心となり環境を固定しかねないものばかりではある。
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*[[雷のトーテム像/Thunder Totem|時のらせん]]では、マナをつぎ込むことによって再録禁止となっているクリーチャーに変化する[[アーティファクト]]、"[[トーテム像]]"サイクルが収録されている。
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これは、セカンダリー・マーケットを裏切らず、能力のバリエーションを狭めず、古くからのファンにもアピールできる好プレイと言えるだろう。
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*今となっては、[[R&D]]にとってもプレイヤーにとっても様々な面で邪魔な存在である事は間違いない。
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しかし、これらのカードを扱うショップや投資家にとっては生命線でもある。
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撤廃してしまっては社会的な信用を落とすことは間違いなく、訴訟社会であるアメリカにおいては命取りになりかねない。
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<!-- --いつまでも古いカードにこだわって安易にリスト撤廃を求めるのではなく、より魅力的な新しいカードを期待することのほうが建設的ではないだろうか。
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撤廃を求めている人というのはごく限られた人たちです。しかも、そういった人たちへの主観的意見をここに書くのは適切であるとは到底思えません。
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↑理由もなくコメントアウトするのはいかがなものでしょうか。
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▼そうこうしているうちに、アメリカではとうとう遊戯王に売り上げを抜かれてしまった。ここ数年、世界大会等で日本勢の活躍が目覚ましいのも、(もちろん日本勢自体のレベルアップもあるが)何より一番の理由は、海外、とりわけアメリカのMTG市場の衰退が大きい。柔道で日本がフランスに追い抜かされ気味なように、競技人口の多寡は競技レベルに露骨に影響が現れる。
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▼DSブームを切っ掛けに、日本ではTVゲームが復活の兆しを見せている。日本におけるTCGの隆盛も、TVゲームやアーケードゲームの衰退で浮いた厖大なパイを、脇から運良くガメ得たからという面が無くも無い(むしろ大きい)。事実、DSがブームを迎えた昨年末あたりから、TCGの売り上げが鈍りだしてきたとのカードショップ関係者の証言もある。事態が悪い方向に転べば、日本もアメリカの後を追うようにしてTCG(とりわけMTG)が衰退傾向に入っていく恐れもある。
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▼再録禁止枠を撤廃すれば競技人口が急激に回復するのかと言えば、もちろんそうではない。しかし、プレイヤーの新規参入、MTG全体の盛り上がり、ひいてはWoC社の収益にとって、再録禁止枠の存在がどう考えてもプラスに働いていないことは紛れも無い事実だろう。将来もし万が一、WoC社がMTG事業からの撤退を表明したならば、後生大事に守られ続けた再録禁止カードも紙屑(とまでは行かないが)同然になってしまうだろう。MTGがブイブイ言わせていたMI-TE期やIN-OD期ならともかく、どう見ても今は悠々自適でいられる余裕なんてありはしない。
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過去のカードの希少価値を保護するためのものなのだから、会社の収益に貢献しないのは当然である。存在目的と異なるものに対してプラスに働かなくても問題ではない。
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売上が減少したら困るが、それは再録禁止枠を原因とするものではないし、その撤廃によって解決される問題でもない。
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再録禁止枠を撤廃した場合、信用の喪失や該当カード所有者に対する賠償などのデメリットの方が大きいだろう。 -->
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そのため、何かの再版禁止に指定していなければ、どんなカードでも再録される可能性がある。たとえば[[エターナル]]で規制されるほど強力なカードである[[悪魔の教示者/Demonic Tutor]]([[ディヴァインvsデモニック]]に再録)や[[太陽の指輪/Sol Ring]]([[統率者 (カードセット)|統率者シリーズ]]に再録)などや当時[[プロモーショナル・カード]]として[[ブースターパック]]からの入手が不可能だった[[大アナグマ/Giant Badger]]([[第8版]]に再録)や[[闘技場/Arena]]([[時のらせん]]の[[タイムシフト]]として再録)が挙げられる。
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==問題点==
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[[カードパワー]]に問題が無い、再録されるにふさわしいカードまでもが対象とされているため、現在ではこのリストの存在が[[R&D]]にとって目の上のこぶとなってしまっている。
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*[[第9版]]における[[税収/Tithe]]や、[[スカージ]]における[[鉤爪のジィーリィーラン/Zirilan of the Claw]]などは開発中にその名前があがったが、再録禁止であるために収録が見送られている。
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過去のすべての[[エキスパンション]]から、その時点で再録された経験の無いカードを再録しようと試みた[[第8版]]では、それらの選定に苦労したという。その中でも[[フォールン・エンパイア]]のカードの選定には特に骨を折ったとのこと(最終的に[[オークのスパイ/Orcish Spy]]が選ばれた)。
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R&Dはもちろんのこと、過去の優秀なカードの再版を望む[[プレイヤー]]にとっても邪魔でしかないが、逆にこれらのカードを扱うショップや投資家にとっては生命線である。そのため、もしこれを撤廃した場合、ウィザーズ社が社会的な信用を落とすことは間違いなく、訴訟社会であるアメリカにおいては命取りになりかねない。
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*尤も、初回の制定から現在に至るまで、度重なる改訂・追加・削除・ルールの穴を突く行為・実質的な[[同型再版]]の印刷と言ったことを繰り返しているにもかかわらず、それらによる訴訟が起こされたという事実は確認されていない。だからと言ってリストを撤廃して良いというわけではないが、「リストを揺るがすような行為はただちに大規模な訴訟を招く」と言った論説もまた眉唾ものと言えるだろう。
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*マジックが充分に発展成長した現代において目の上のこぶになっているのは間違いないが、一方で「ウィザーズ社がこのような声明を出さざるを得ないほどマジックそのものが危機的な状況にあった」という当時の時代背景には思いを馳せるべきだろう。このリストが無ければマジックというコンテンツそのものが死に絶えていた可能性もあったのである。
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==再版ポリシーの歴史==
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;再版ポリシーの制定まで (-1996年)
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:昔のセットからの再録は[[リバイズド]]の頃から行われていたが、その頃はマジックがまだそれほど有名でなかったことから再録は問題視されていなかった。
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:しかし、[[第4版]]および[[クロニクル]](特にクロニクル)の発売により問題が顕在化する。[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]などに収録された当時の高額カードが再録により暴落し、セカンダリー・マーケットは大打撃を受けることになった。特に[[アルカデス・サボス/Arcades Sabboth|エルダー・ドラゴンのサイクル]]や[[殺人蜂/Killer Bees]]などの[[レア]]カードが[[アンコモン]]として再録され、大量に流通するようになった点が大きかった。プレイヤーや[[コレクター]]の大反発に対して、ウィザーズ社は「Reserved List(再録禁止リスト)」の発表を決める。
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;最初期の再版ポリシー (1996年3月-1999年9月)
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:最初に発表された再録禁止カードのリストは「第4版に収録されなかった[[リミテッド・エディション]]の全カード」、「[[白枠]](リバイズド、第4版、クロニクル)で再録されたことのない[[アラビアンナイト]]および[[アンティキティー]]の[[アンコモン]]と[[レア]]」、「白枠で再録されたことのないレジェンドおよび[[ザ・ダーク]]の[[レア]]」から構成された。
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:また、今後の再録方針として「クロニクルと[[フォールン・エンパイア]]以降の[[エキスパンション]]の最も[[稀少度]]が高いカードの白枠での再録は25%を超えないようにする」とされ、次の[[基本セット]]に収録されなかったそれらのセットのレアは再録禁止カードに追加されることが告知された。
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:*全文は[http://web.archive.org/web/19961219080741/http://www.wizards.com/Magic/Magic_reprint_policy.html Magic:the Gathering® Reprint Policy] (Internet Archive)から閲覧できる。
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;1999年の改定 (1999年10月-2002年7月)
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:[[第6版]]発売に際し再版ポリシーが改定され、[[メルカディアン・マスクス]]以降のカードは元々の[[絵|イラスト]]のまま[[黒枠]]で再版できるように変更された。[[プレミアム・カード]]がポリシーの対象外として明記されるようになったのもこの頃からである。
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:この改定で、[[第5版]]に再録されなかった[[フォールン・エンパイア]]および[[ホームランド]]の[[アンコモン]]1と、第6版に再録されなかった[[ミラージュ・ブロック]]のレアが再録禁止カードリストに追加され、それらのカードが再録禁止であることが明確化された(なお、[[アイスエイジ]]のカードは2002年の改定までリストに追加し忘れていた)。
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:*[[構築済みギフトボックス]]で既に再録されていた[[聖なるメサ/Sacred Mesa]]など、上記の基準に該当するにもかかわらず再録禁止カードリストから漏れたカードも存在していた。
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:*[[フェロッズの封印/Feroz's Ban]]は、上記の基準に該当しないにもかかわらず再録禁止カードリストに掲載されていた(2002年の改定でリストから削除された)。
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:*全文は[http://web.archive.org/web/19991128232418/http://www.wizards.com/magic/Reprint_Policy.asp Magic: The Gathering® Card Reprint Policy] (Internet Archive)から閲覧できる。
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;2002年の改定 (2002年7月-2010年3月)
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:2002年3月1日に[[Randy Buehler]]はコラム「[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/rb9 Reexamining Reprints]」で再版ポリシーに関する考察を発表し、その中で「[[リミテッド・エディション]]の[[コモン]]と[[アンコモン]]を再版できるようにするべきか?」のアンケートを募った。その後、2002年7月19日に同氏のコラム「[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/rb29 The New Reprint Policy]([http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/jpinfo/20020808a 邦訳])」で再版ポリシーの改定が発表された。
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:この改定で、これまでのポリシー通り、[[第7版]]に再録されなかった[[テンペスト・ブロック]]、[[ウルザ・ブロック]]のレアの一部が再録禁止カードリストに追加された。また、ユーザーの強い要望(先述のアンケートで91%の賛成票があった)からリミテッド・エディションのコモンとアンコモンが再録禁止カードリストから除外された。そして、カード枠に関するポリシーが廃止されるとともに、今後再録禁止リストは更新されないことが発表された。
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:*2002年9月発売の[[オンスロート]]で早速、再録禁止カードから除外された[[クローン/Clone]]が再録された。
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;2010年の改定 (2010年3月-現在)
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:プレミアム・カードは再版ポリシーの対象外であることから、プレミアム・カード限定ならば再録禁止カードを再版することが可能であった。この例外事項を適用した最初のカードは[[ジャッジ褒賞]]の[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]であった。この例外事項が適用された商品は[[ファイレクシアvsドミナリア連合]]と[[From the Vault:Relics]]のみである。
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:この例外事項による再録禁止カードの形骸化を懸念する声から、2010年3月に、2010年中にプレミアム・カードで再版される再録禁止カードのリストを挙げた上で、「2011年以降はプレミアム・カードのみによる再録も行わない」と発表した(→[http://wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/other/031810a Revised Reprint Policy]参照)。
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==その他==
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*再録禁止カードは、それらの価値を著しく落とすのでないかぎり、それに指定された[[カード]]の[[リメイク]]や[[上位互換]]の収録に対する拘束力を持たない。たとえば[[余韻/Reverberate]]は再録禁止カードである[[Fork]]とほぼ同じ機能を持っているし、[[ヴェクの教区/Vec Townships]]は、同じく再録禁止カードである[[Veldt]]に対してほぼ上位互換といえる。また、[[次元の混乱]]の[[タイムシフト]]では、再録禁止カードに指定されたカードの一部が[[マナ・コスト]]と[[カード名]]を変えて収録された。
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*[[時のらせん]]には、[[マナ]]を[[支払う]]ことで再録禁止カードに指定されている[[クリーチャー]]に[[クリーチャー化|変化]]する[[アーティファクト]]の[[サイクル]]が収録された(→[[雷のトーテム像/Thunder Totem]]など)。これは[[能力]]の幅を狭めることなく、セカンダリー・マーケットにも配慮しつつ古参の[[プレイヤー]]にもアピールできる案であったが、後に[[Mark Rosewater]]はこのようなデザインについて、元ネタを知らない新規プレイヤーへの受けが悪く、失敗であったと語っている([http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/because-salt-makes-mistakes-taste-great-2016-05-09 参考]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0016961/ 翻訳])。
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* [[コンピューターゲーム]]はこの制限を受けないから、[[Magic Online]]専用エキスパンションである[[Masters Edition]]シリーズには再録禁止カードも多数再録されており、[[Vintage Masters]]に至ってはかの[[パワー9]]までもが収録されている。
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*[[2012年]]に発売された[[Commander's Arsenal]]に[[スリヴァーの女王/Sliver Queen]]と[[銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem]]が[[統率者戦]]向けの大判[[統率者カード]]として再録された。統率者カードは認定トーナメントでは使用できないため実現された。
 
==参考==
 
==参考==
*[[用語集]]
+
*[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/official-reprint-policy-2010-03-10 Official Reprint Policy] ([[WotC]]、英語)
 
*[[再録]]
 
*[[再録]]
*[[改訂版・カード重版ポリシー:http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/jpinfo/20020808a&tablesort=2]](WotC)
+
*[[再録禁止カード一覧]]
*[[Official Reprint Policy:http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/products/ReprintPolicy]](WotC)
+
*[[用語集]]
**[[The New Reprint Policy:http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/rb29]](WotC)
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 +
[[Category:再録禁止カード|*]]

2024年4月19日 (金) 11:01時点における最新版

再録禁止カード(Reserved Cards)は、「Official Reprint Policy(公式再版ポリシー)」に規定されている、ウィザーズ社が公式に再版を禁止しているカードのこと。またはそのようなカードの総称。

目次

[編集] 概要

再録禁止カードは、それに指定されたカードの再版(再録)と、それらとカード・タイプサブタイプ能力マナ・コストP/Tのすべてが一致するカードの印刷を禁止している。

現在再録禁止カードに指定されているカードはすべてウルザ・ブロック以前のレア(レアのない変則的な稀少度エキスパンションアンコモン)である。メルカディアン・マスクス以降のカードは存在せず、また現在の再録禁止カードリストが今後更新(追加はもちろん削除も含む)される予定は無いと発表されている。

  • このポリシーは物理的に印刷された、トーナメントで使用可能なマジックのカードにのみ適用される。
  • 再録禁止はあくまで「印刷すること」に対する制約なので、新規に印刷しない形であればカードセットのブースターパックに再録禁止カードを封入することは認められる。→ゼンディカー
  • 公式再版ポリシーによる再録禁止カードの他、アンティに関するカードなど、公式再版ポリシーの規定以外の理由から(通常のゲームでは用いないカード含み)再版禁止と告知されたカードいくつかある。なお、両方とも該当したカードは、公式再版ポリシーにより再録禁止カードに指定されている。
  • 再録禁止カードに指定されているカードの一覧は再録禁止カード一覧を参照。

[編集] 目的

公式再版ポリシーは、シングルカードの販売などを行うセカンダリー・マーケットに対して、再版によって指定されたカードの価値が暴落する可能性の無いことをアピールする目的で設けられたものである。他のウィザーズ社による再版・印刷禁止に指定されたカード同様、ゲームバランスの崩壊を防ごうとするものではない。そのため、公式再版ポリシーによる再録禁止カードのリストにはいわゆるカスレアなども含まれる。

そのため、何かの再版禁止に指定していなければ、どんなカードでも再録される可能性がある。たとえばエターナルで規制されるほど強力なカードである悪魔の教示者/Demonic Tutorディヴァインvsデモニックに再録)や太陽の指輪/Sol Ring統率者シリーズに再録)などや当時プロモーショナル・カードとしてブースターパックからの入手が不可能だった大アナグマ/Giant Badger第8版に再録)や闘技場/Arena時のらせんタイムシフトとして再録)が挙げられる。

[編集] 問題点

カードパワーに問題が無い、再録されるにふさわしいカードまでもが対象とされているため、現在ではこのリストの存在がR&Dにとって目の上のこぶとなってしまっている。

過去のすべてのエキスパンションから、その時点で再録された経験の無いカードを再録しようと試みた第8版では、それらの選定に苦労したという。その中でもフォールン・エンパイアのカードの選定には特に骨を折ったとのこと(最終的にオークのスパイ/Orcish Spyが選ばれた)。

R&Dはもちろんのこと、過去の優秀なカードの再版を望むプレイヤーにとっても邪魔でしかないが、逆にこれらのカードを扱うショップや投資家にとっては生命線である。そのため、もしこれを撤廃した場合、ウィザーズ社が社会的な信用を落とすことは間違いなく、訴訟社会であるアメリカにおいては命取りになりかねない。

  • 尤も、初回の制定から現在に至るまで、度重なる改訂・追加・削除・ルールの穴を突く行為・実質的な同型再版の印刷と言ったことを繰り返しているにもかかわらず、それらによる訴訟が起こされたという事実は確認されていない。だからと言ってリストを撤廃して良いというわけではないが、「リストを揺るがすような行為はただちに大規模な訴訟を招く」と言った論説もまた眉唾ものと言えるだろう。
  • マジックが充分に発展成長した現代において目の上のこぶになっているのは間違いないが、一方で「ウィザーズ社がこのような声明を出さざるを得ないほどマジックそのものが危機的な状況にあった」という当時の時代背景には思いを馳せるべきだろう。このリストが無ければマジックというコンテンツそのものが死に絶えていた可能性もあったのである。

[編集] 再版ポリシーの歴史

再版ポリシーの制定まで (-1996年)
昔のセットからの再録はリバイズドの頃から行われていたが、その頃はマジックがまだそれほど有名でなかったことから再録は問題視されていなかった。
しかし、第4版およびクロニクル(特にクロニクル)の発売により問題が顕在化する。レジェンドなどに収録された当時の高額カードが再録により暴落し、セカンダリー・マーケットは大打撃を受けることになった。特にエルダー・ドラゴンのサイクル殺人蜂/Killer Beesなどのレアカードがアンコモンとして再録され、大量に流通するようになった点が大きかった。プレイヤーやコレクターの大反発に対して、ウィザーズ社は「Reserved List(再録禁止リスト)」の発表を決める。
最初期の再版ポリシー (1996年3月-1999年9月)
最初に発表された再録禁止カードのリストは「第4版に収録されなかったリミテッド・エディションの全カード」、「白枠(リバイズド、第4版、クロニクル)で再録されたことのないアラビアンナイトおよびアンティキティーアンコモンレア」、「白枠で再録されたことのないレジェンドおよびザ・ダークレア」から構成された。
また、今後の再録方針として「クロニクルとフォールン・エンパイア以降のエキスパンションの最も稀少度が高いカードの白枠での再録は25%を超えないようにする」とされ、次の基本セットに収録されなかったそれらのセットのレアは再録禁止カードに追加されることが告知された。
1999年の改定 (1999年10月-2002年7月)
第6版発売に際し再版ポリシーが改定され、メルカディアン・マスクス以降のカードは元々のイラストのまま黒枠で再版できるように変更された。プレミアム・カードがポリシーの対象外として明記されるようになったのもこの頃からである。
この改定で、第5版に再録されなかったフォールン・エンパイアおよびホームランドアンコモン1と、第6版に再録されなかったミラージュ・ブロックのレアが再録禁止カードリストに追加され、それらのカードが再録禁止であることが明確化された(なお、アイスエイジのカードは2002年の改定までリストに追加し忘れていた)。
2002年の改定 (2002年7月-2010年3月)
2002年3月1日にRandy Buehlerはコラム「Reexamining Reprints」で再版ポリシーに関する考察を発表し、その中で「リミテッド・エディションコモンアンコモンを再版できるようにするべきか?」のアンケートを募った。その後、2002年7月19日に同氏のコラム「The New Reprint Policy邦訳)」で再版ポリシーの改定が発表された。
この改定で、これまでのポリシー通り、第7版に再録されなかったテンペスト・ブロックウルザ・ブロックのレアの一部が再録禁止カードリストに追加された。また、ユーザーの強い要望(先述のアンケートで91%の賛成票があった)からリミテッド・エディションのコモンとアンコモンが再録禁止カードリストから除外された。そして、カード枠に関するポリシーが廃止されるとともに、今後再録禁止リストは更新されないことが発表された。
2010年の改定 (2010年3月-現在)
プレミアム・カードは再版ポリシーの対象外であることから、プレミアム・カード限定ならば再録禁止カードを再版することが可能であった。この例外事項を適用した最初のカードはジャッジ褒賞ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Willであった。この例外事項が適用された商品はファイレクシアvsドミナリア連合From the Vault:Relicsのみである。
この例外事項による再録禁止カードの形骸化を懸念する声から、2010年3月に、2010年中にプレミアム・カードで再版される再録禁止カードのリストを挙げた上で、「2011年以降はプレミアム・カードのみによる再録も行わない」と発表した(→Revised Reprint Policy参照)。

[編集] その他

[編集] 参考

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