フレイバー・テキスト

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(注目のストーリー、トークン・カード、誤訳/名訳、再録であることを暗に示しているもの)
 
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'''フレイバー・テキスト'''/''Flavor Text''とは、[[カード]]の文章欄に英語版は斜体、日本語版は楷書体で書かれている、[[ルール文章|ルール・テキスト]]でない文。その[[カード]]の雰囲気や世界観をあらわすために使われる。[[ゲーム]]の[[プレイ]]やルールには関係しない。
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'''フレイバー・テキスト'''/''Flavor Text''(略して''FT'')とは、[[カード]][[文章欄]]に書かれている、[[ルール・テキスト]]でない文。そのカードの雰囲気や世界観をあらわすために使われる。[[ゲーム]]の[[プレイ]]や[[ルール]]には関係しない。類似するものとして[[フレイバー語]]も存在する。
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*'''[[フレイバー]]'''(Flavor)とは「風味」を意味する語。文字通りカードに風味を付けている。
  
元は[[バニラ]]クリーチャー(ルールブックにも登場した[[ハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaur]]はその代表例といえる)の文章欄を埋めるためのものだったが、次第にその他のカードにも書かれるようになった。基本的には物語の題材となっている土地や人物の抱える事情や、カードの効果に合わせたひねりと機知の利いた文章が多い。また、基本セットでは古典文学からの引用も多い。
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==概要==
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元は[[能力]]を持たない[[バニラ]]・[[クリーチャー]]の文章欄を埋めるためのものだった(ルールブックにも登場した[[ハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaur]]はその代表例と言える)が、次第にそれ以外のカードにも書かれるようになった。
  
*フレイバー(Flavor)とは「風味」を意味する語。文字通りカードに風味を付けている。
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ひねりと機知の利いた文章が多く、内容も多種多様である。カードの[[効果]]に合わせたもののみならず、その[[セット]]の題材となっている[[次元/Plane]]・地域や文化の紹介、物語における重要人物の行動や抱える内情、名も無き住民の生活あるいはその一場面、詩や歌、そして一種のパロディなど、バラエティに富んでいる。通常は[[クリエイティブ・チーム]]によって書かれるが、[[デザイン・チーム]]が考えたものがそのまま採用されることもある。
**[[灰色オーガ/Gray Ogre]]のフレイバー・テキストには「草食動物を食べることを拒み」とあるが、ゲーム内では草食動物が相手でも性能が落ちるわけではない。
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*[[取り引きのテーブル/Bargaining Table]]など、一部日本語版のカードではルール・テキストと同じ書体でミス・プリントされているものもあるが、あくまでもルールには関係しない。
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[[マジック:ザ・ギャザリング]]は[[トレーディングカードゲーム]]ゆえ、([[背景世界/読み物#公式サイトの小説・設定記事|公式サイトの小説・設定記事]]などを読んでいない[[プレイヤー]]にとっては)[[ブースター・パック]]から[[ランダム]]に手に入るカードから物語を読み解いていくという性質がある。セット内のエピソードをプレイヤーが目にする順番を制御することが難しいため、([[2016年]]に導入された[[注目のストーリー]]もあわせて)[[開発部]]はプレイヤーへ[[背景世界]]の情報をどう与えるかについて腐心している。
*通常ならばあっても無くてもゲーム中には関係ないはずなのだが、[[銀枠]]のカードにはフレイバー・テキストに関係するカードがいくつもある。
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*同一のカードでも収録されているセットによって(英語のフレイバー・テキストは同一でも)日本語訳が異なるものがある。(例:[[空中浮遊/Levitation]]など)
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英語版は斜体、日本語版は楷書体で書かれている。また[[ポータル]]系列、および[[エルフvs発明者]]([[2018年]])以降では、ルール・テキストとフレイバー・テキストの間に罫線が引かれている。[[新枠#ドミナリア以降のカード枠]]も参照。
*[[時間の名人/Temporal Adept]][[火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind]][[Now I Know My ABC's]][[門|ギルド門サイクル]]など、なぞなぞのような問いかけや意外な発見があるものもあり、おもしろい。
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**日本語訳されているとわかりにくいが、[[魔の魅惑/Aluren]]のような韻を踏んだものや[[どんでん返し/Switcheroo]]のような洒落を効かせたものも多い。
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==記載の頻度と省略==
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*バニラ・クリーチャーにもかかわらず、フレイバー・テキストを持たないものがある([[第六隊の刃/Blade of the Sixth Pride|テキストレス・クリーチャー・サイクル]]、[[ショーケース]]版[[ガラクの血まみれ角/Garruk's Gorehorn]])。
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*[[基本土地]]および[[プレインズウォーカー]]に書かれることはほぼない。前者はデザイン的美感を損ない、後者は文章欄に余剰な空白がないためであろう。
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**[[Heroes of the Realm]][[Chandra, Gremlin Wrangler]]など、[[認定大会]]で使用できない遊び心溢れるカードにおいてはこの限りではない。
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**[[フォーゴトン・レルム探訪]]にて、[[D&D]]の雰囲気の再現の一環として初めて基本土地にもフレイバー・テキストが記載された。
 
*基本セットでは[[注釈文]]のために削られがち。
 
*基本セットでは[[注釈文]]のために削られがち。
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*シンプルな効果を強調したい場合、カードに余白が十分あるにもかかわらずフレイバー・テキストが省略されることがある(例:[[神の怒り/Wrath of God]]、[[ハルマゲドン/Armageddon]]など)。
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*[[トークン・カード]]はフレイバー・テキストのないものが大半であるが、まれに例外がある([[イニストラードを覆う影]]や[[カルロフ邸殺人事件]]の[[手掛かり]]、[[From the Vault:Lore]]版の[[マリット・レイジ/Marit Lage]]など)。
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==魅力的なフレイバー・テキスト==
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人気の高いフレイバー・テキストの一部を以下に一例として紹介する。
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;なぞなぞや暗号めいたもの
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:[[時間の名人/Temporal Adept]]、[[火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind]]、[[ギルド門]]、[[タミヨウの日誌/Tamiyo's Journal]]など
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;言葉遊びや韻を踏んだもの
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:[[魔の魅惑/Aluren]]、[[Now I Know My ABC's]]、[[どんでん返し/Switcheroo]]、[[かき回すゴブリン/Rummaging Goblin]]など
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:*翻訳の都合上、日本語版・英語版のみだと意味が伝わりにくいものも多い一方で、うまく訳しているものもある([[誤訳/名訳]])。複数の翻訳版を見比べるのも一興。
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;複数のカードにまたがっているもの
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:[[夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day (ストーリー)]]、[[ファイレクシアの告発者/Phyrexian Denouncer]](各種[[キャリアー]])、[[分散/Disperse]]、[[刻まれた大怪物/Etched Monstrosity]]など
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;古典文学や詩からの引用
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:[[スケイズ・ゾンビ/Scathe Zombies]]、[[真珠色の一角獣/Pearled Unicorn]]、[[地獄界の夢/Underworld Dreams]]など
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:*かつては[[基本セット]]を中心にまま見られたが、近年では大きくその数を減らしている。この理由について[[Mark Rosewater]]は「[[カード・セット|セット]]ごとの[[次元/Plane|世界観]]やキャラクターといった[[背景世界|背景ストーリー]]の描写に焦点を当てるようになったため」と解説している<ref>[https://markrosewater.tumblr.com/post/619929891114303488/hey-mark-why-did-yall-stop-printing-flavor-text Hey Mark! Why did y’all stop printing flavor text...]([[Blogatog]] [[2020年]]6月3日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
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;シンプルな一文
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:[[溶岩の斧/Lava Axe]]、[[行き詰まり/Standstill]]、[[ヴェズーヴァ/Vesuva]]、[[熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard Adept]]など
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:*[[打ち寄せる水/Hydrosurge]]をはじめ、[[青]]のカードは効果に合致しかつ皮肉交じりで溢れている。
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;ブラックジョーク
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:[[ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder]]、[[ゴブリンの試験操縦士/Goblin Test Pilot]]、[[有象無象の大砲/Fodder Cannon]]、[[補償金/Reparations]]など
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:*特に[[ゴブリン]]や[[ラクドス教団/The Cult of Rakdos]]関連に多い。
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;印象深い文章
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:[[最後の言葉/Last Word]]、[[怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath]]、[[抹消/Obliterate]]、[[不毛の栄光/Barren Glory]]など
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;歴代カードへのリスペクトや[[オマージュ]]
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:[[ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator]]、[[アカデミーの廃墟/Academy Ruins ]]、[[稲妻/Lightning Bolt]]など
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:*各カードの元となったものと比較すると味わい深い。
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;再録であることを暗に示しているもの
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:[[エイトグ/Atog]]([[ミラディン]]版)、[[稲妻/Lightning Bolt]]([[基本セット2010]]版)、[[巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw]]([[イクサランの相克]]版)、[[稲妻のらせん/Lightning Helix]]([[カルロフ邸殺人事件]]版)など
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==旧ルール==
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[[イコリア:巨獣の棲処#ゴジラシリーズ・カード/Godzilla Series Monster card|ゴジラシリーズ・カード]]や[[ユニバースビヨンド]]といった[[コラボ]]カードでは、[[カード名]]欄の1行目に書かれている名前はフレイバー・テキスト(代替の名前/''Alternate Name'')として扱われ、ルール上意味を持つカード名は2行目の副題行のみであるとされていた(当時の[[総合ルール]]201.5)。[[2022年]]4月の[[ニューカペナの街角]]発売以降は'''[[別名]]'''/''Alternate Name''へと訳語が改められるとともにフレイバー・テキスト扱いではなくなり、別名をそのカードのルール・テキスト内で使用可能となった。
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==その他==
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*[[サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter]]や[["Ach! Hans, Run!"]]のように、他のカードのフレイバー・テキストによって生まれたといっても過言ではないカードまで存在する。
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*[[取り引きのテーブル/Bargaining Table]]など、一部の日本語版のカードではルール・テキストと同じ書体でミスプリントされているものもある。もちろんこの場合もゲームには影響しない。
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**逆に[[スランの戦争機械/Thran War Machine]]では、通常のルール・テキストがフレイバー・テキストの書体で書かれているミスプリントがある。読み飛ばさないようにしよう。
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*通常ならばあっても無くてもゲームには関係ないのだが、[[アン・カード]]にはフレイバー・テキストに関係するカードがある(例:[[My First Tome]])。
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*同一のカードでも、収録されているセットによって(英語の原文は同一でも)日本語訳が異なるものがある(例:[[空中浮遊/Levitation]]など)。
  
 
==参考==
 
==参考==
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ur/259 Top 20 Flavor Text]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/023310/ フレイバーテキスト二十選]([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/ Daily MTG])
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<references/>
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mr60  Why Magic is still so delicious Bursting with Flavor](Wizards社;英語)
+
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/bursting-flavor-2003-02-24  Bursting with Flavor](Making Magic [[2003年]]2月24日 [[Mark Rosewater]]著)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/top-20-flavor-text-2013-08-06 Top 20 Flavor Text]/[https://magic.wizards.com/en/node/630046 フレイバーテキスト二十選](Uncharted Realms [[2013年]]8月6日 [[Adam Lee]]著)
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*[[夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day (ストーリー)]]
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*[[万物の歌/Song of All]]
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*[[Timmy, Johnny, and Spike#ヴォーソスとメルヴィン|ヴォーソス(Vorthos)]]
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*[[フレイバー]]
 
*[[用語集]]
 
*[[用語集]]
 
*[[ルーリング]]
 
*[[ルーリング]]
 
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2024年2月6日 (火) 18:29時点における最新版

フレイバー・テキスト/Flavor Text(略してFT)とは、カード文章欄に書かれている、ルール・テキストでない文。そのカードの雰囲気や世界観をあらわすために使われる。ゲームプレイルールには関係しない。類似するものとしてフレイバー語も存在する。

  • フレイバー(Flavor)とは「風味」を意味する語。文字通りカードに風味を付けている。

[編集] 概要

元は能力を持たないバニラクリーチャーの文章欄を埋めるためのものだった(ルールブックにも登場したハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaurはその代表例と言える)が、次第にそれ以外のカードにも書かれるようになった。

ひねりと機知の利いた文章が多く、内容も多種多様である。カードの効果に合わせたもののみならず、そのセットの題材となっている次元/Plane・地域や文化の紹介、物語における重要人物の行動や抱える内情、名も無き住民の生活あるいはその一場面、詩や歌、そして一種のパロディなど、バラエティに富んでいる。通常はクリエイティブ・チームによって書かれるが、デザイン・チームが考えたものがそのまま採用されることもある。

マジック:ザ・ギャザリングトレーディングカードゲームゆえ、(公式サイトの小説・設定記事などを読んでいないプレイヤーにとっては)ブースター・パックからランダムに手に入るカードから物語を読み解いていくという性質がある。セット内のエピソードをプレイヤーが目にする順番を制御することが難しいため、(2016年に導入された注目のストーリーもあわせて)開発部はプレイヤーへ背景世界の情報をどう与えるかについて腐心している。

英語版は斜体、日本語版は楷書体で書かれている。またポータル系列、およびエルフvs発明者2018年)以降では、ルール・テキストとフレイバー・テキストの間に罫線が引かれている。新枠#ドミナリア以降のカード枠も参照。

[編集] 記載の頻度と省略

[編集] 魅力的なフレイバー・テキスト

人気の高いフレイバー・テキストの一部を以下に一例として紹介する。

なぞなぞや暗号めいたもの
時間の名人/Temporal Adept火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemindギルド門タミヨウの日誌/Tamiyo's Journalなど
言葉遊びや韻を踏んだもの
魔の魅惑/AlurenNow I Know My ABC'sどんでん返し/Switcherooかき回すゴブリン/Rummaging Goblinなど
  • 翻訳の都合上、日本語版・英語版のみだと意味が伝わりにくいものも多い一方で、うまく訳しているものもある(誤訳/名訳)。複数の翻訳版を見比べるのも一興。
複数のカードにまたがっているもの
夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day (ストーリー)ファイレクシアの告発者/Phyrexian Denouncer(各種キャリアー)、分散/Disperse刻まれた大怪物/Etched Monstrosityなど
古典文学や詩からの引用
スケイズ・ゾンビ/Scathe Zombies真珠色の一角獣/Pearled Unicorn地獄界の夢/Underworld Dreamsなど
シンプルな一文
溶岩の斧/Lava Axe行き詰まり/Standstillヴェズーヴァ/Vesuva熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard Adeptなど
ブラックジョーク
ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledderゴブリンの試験操縦士/Goblin Test Pilot有象無象の大砲/Fodder Cannon補償金/Reparationsなど
印象深い文章
最後の言葉/Last Word怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath抹消/Obliterate不毛の栄光/Barren Gloryなど
歴代カードへのリスペクトやオマージュ
ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliteratorアカデミーの廃墟/Academy Ruins 稲妻/Lightning Boltなど
  • 各カードの元となったものと比較すると味わい深い。
再録であることを暗に示しているもの
エイトグ/Atogミラディン版)、稲妻/Lightning Bolt基本セット2010版)、巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmawイクサランの相克版)、稲妻のらせん/Lightning Helixカルロフ邸殺人事件版)など

[編集] 旧ルール

ゴジラシリーズ・カードユニバースビヨンドといったコラボカードでは、カード名欄の1行目に書かれている名前はフレイバー・テキスト(代替の名前/Alternate Name)として扱われ、ルール上意味を持つカード名は2行目の副題行のみであるとされていた(当時の総合ルール201.5)。2022年4月のニューカペナの街角発売以降は別名/Alternate Nameへと訳語が改められるとともにフレイバー・テキスト扱いではなくなり、別名をそのカードのルール・テキスト内で使用可能となった。

[編集] その他

  • サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter"Ach! Hans, Run!"のように、他のカードのフレイバー・テキストによって生まれたといっても過言ではないカードまで存在する。
  • 取り引きのテーブル/Bargaining Tableなど、一部の日本語版のカードではルール・テキストと同じ書体でミスプリントされているものもある。もちろんこの場合もゲームには影響しない。
    • 逆にスランの戦争機械/Thran War Machineでは、通常のルール・テキストがフレイバー・テキストの書体で書かれているミスプリントがある。読み飛ばさないようにしよう。
  • 通常ならばあっても無くてもゲームには関係ないのだが、アン・カードにはフレイバー・テキストに関係するカードがある(例:My First Tome)。
  • 同一のカードでも、収録されているセットによって(英語の原文は同一でも)日本語訳が異なるものがある(例:空中浮遊/Levitationなど)。

[編集] 参考

  1. Hey Mark! Why did y’all stop printing flavor text...Blogatog 2020年6月3日 Mark Rosewater著)

引用:総合ルール 20231117.0

  • 2 カードの部分
    • 207 文章欄
      • 207.2 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。
        • 207.2b フレイバー・テキストは、イタリック体(日本語版では教科書体)で書かれた、と同様にゲームに雰囲気を出すための文章である。通常、これはルール・テキストの下に記載される。
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