MoMa

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'''MoMa'''('''モマ''')は、[[デッキ]][[禁止カード]]を6枚も輩出した[[マジック]]史上最悪クラスの[[コンボ]][[デッキ]]である。MOMA/MOMa/Moma/MoMA等とも表記される。最新の[[キーカード]]の初出は[[ウルザズ・サーガ]]。
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'''MoMa'''('''モマ''')は、[[デッキ]]中6種類ものカードが[[禁止カード]]に指定された、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]史上最強クラスの[[コンボデッキ]]。MOMA/MOMa/Moma/MoMA等とも表記される。別名、『ターボ・ジーニアス』、『トレイリアン・ブルー』、また単に『アカデミーデッキ』と呼ばれることもある。
  
名前の由来は
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デッキ名「MoMa」の由来は、以下の2つを引っ掛けている。
*[[精神力/Mind Over Matter]]の英名の略。
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*ニューヨーク近代美術館[http://www.moma.org/]/The Museum of Modern Art, New Yorkの略称。ソロプレイ時の美しさ(皮肉として)。
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などの理由からなる。
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*[[キーカード]]の[[精神力/Mind Over Matter]]の略称。
別名、『ターボ・ジーニアス』、『トレイリアン・ブルー』。単に『アカデミーデッキ』と呼ばれる事もある。
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*[http://www.moma.org/ ニューヨーク近代美術館/The Museum of Modern Art, New York]の略称。(皮肉で)[[ソリティア]]時の美しさを表している。
  
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最新の[[キーカード]]の初出は[[ウルザズ・サーガ]]。
  
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==概要==
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基本的な動きは以下の通り。[[魔力の櫃/Mana Vault]]や[[水蓮の花びら/Lotus Petal]]などの[[軽い|軽量]][[マナ・アーティファクト]]を並べ、[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]で大量の[[マナ]]が出せるような状況を作る。さらに[[意外な授かり物/Windfall]]や[[時のらせん/Time Spiral]]で[[手札]]を補充し、[[精神力/Mind Over Matter]]で手札を更に大量のマナに変え、その莫大なマナをもって[[対戦相手]]に止めを刺す。[[エンドカード]]としては[[引く|ドロー]]を兼ねた[[X火力]]として[[天才のひらめき/Stroke of Genius]]がメインであるが、[[タワーデッキ]]などの[[ライブラリーアウト]]がほぼ効かない相手や、60マナを生み出せず、少ないマナで止めを刺す必要が出てきた時の保険に、[[火の玉/Fireball]]も採用されることが多かった。
  
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火の玉を採用すること、またゲームの半分以上が[[ミラーマッチ]]になりかねない程のMoMaの海において、[[紅蓮破/Pyroblast]]などの[[色対策カード]]([[エクステンデッド]]では[[ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman]]などの[[マナ・アーティファクト]][[破壊]])を使うためもあって、[[タッチ]]赤のタイプが主流になった。
  
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当時のスタンダードの禁止カード10枚の内6枚の原因となり、全ての[[構築]]環境を荒れさせ「[[MoMaの冬]]」を生み出した。その凶悪さは、
  
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'''今のゲームは3つのステップに分かれている。'''<br>
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'''第二段階(中盤)がマリガンチェック。'''<br>
また、ゲームの半分以上が[[ミラーマッチ]]になりかねない程のMoMaの海において[[紅蓮破/Pyroblast]]等の[[色対策カード]]([[エクステンデッド]]では[[ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman]]などの[[マナ・アーティファクト]]破壊)を使うためもあって、[[タッチ]]赤のタイプが主流になった。
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'''第三段階(終盤)が――[[先攻]]第一ターンだ。'''<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/make-no-mistake-2003-11-10 Make No Mistake]/[https://web.archive.org/web/20040302110556/http://www.hobbyjapan.co.jp/magic/articles/files/20031119_01.html ミスなんてもってのほか]</ref><br>
  
キーカードの[[精神力/Mind Over Matter]]をあわせると、当時のスタンダードの禁止カード10枚の内6枚の原因となり、全ての[[構築]]環境を荒れさせ「[[MoMaの冬]]」を生み出した。
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という、傍から見ればとんでもないジョークを生み出す原因となったほどである。実際、[[カード・プール]]の狭い[[スタンダード]]ですら[[1ターンキル]]の発生する確率が5%を超えていたのである。カードプールの広がる[[エクステンデッド]]や[[ヴィンテージ]](当時は[[タイプ1]])ではもっと酷い。
  
その凶悪さは、
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手札が無いと[[コンボ]]が回らないため、強いて言えば[[手札破壊]]が弱点であるとも言えるが、単に手札破壊を多めに積んだ程度ではまるで役に立たなかった。時のらせんなどのせいで一瞬で7枚まで手札が回復してしまうため、MoMaを機能不全に陥らせるほど手札を破壊するには完全に0枚に縛っておく必要があり、そして一般的な手札破壊の手段ではそれは不可能に近かった。せいぜいコンボが途中で止まってしまうのを期待できる確率がいくらか上がるといった程度でしかなく、結局は勝つためにはMoMaより相手を早く倒す→自分もMoMaでやられる前にやる、といった結論に達してしまうのであった。
  
'''今のゲームは3つのステップに分かれている。'''
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高速化と安定性を追求した結果[[魔力の櫃/Mana Vault]]、[[古えの墳墓/Ancient Tomb]]、[[真鍮の都/City of Brass]]が投入されているため、[[ライフ]]の消耗が激しい。その隙をつける[[バーン]]や[[ヘイトレッド]]などの高速デッキは、[[アンチデッキ]]として有力とされた。またコンボを阻害しながら[[クロック]]を用意できる[[マーフォーク (デッキ)#エクステンデッド(デュアルランド期)|マーフォーク]]も候補の一つ。しかし総合的な安定度の関係から、MoMa自体を選択するプレイヤーが多かった。
'''第一段階がコイントス。'''
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'''第二段階がマリガンチェック。'''
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'''第三段階が――先手第一ターンだ。'''
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と言う、傍から見ればとんでもないジョークを生み出す原因となったほどである。
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よく対戦が[[ソリティア]]になってしまうと言われるが、使われる側からするとソリティアより酷い。相手が意外な授かり物や時のらせんを唱えるたび、自分もライブラリーを[[切り直す|切り直し]]たりカードを引いたりするという非常に面倒なことを要求されるためである。
実際、カード・プールの狭い[[スタンダード]]ですら[[1ターンキル]]の発生する確率が5%を超えていたのである。カードプールの広がる[[エクステンデッド]]や[[ヴィンテージ]](当時[[Type1]])ではもっと酷い。
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精神力が禁止されるまでの間に「キーカードが禁止される→代わりのカードを探す」ということを繰り返したため、時期によって大きく3つの型に分けられる。
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*[[ヴィンテージ]]では2005年9月20日、レガシーでは2011年1月1日より精神力が解禁されている。そのため、同様のデッキが作られる可能性はある。
初期型は上で説明された、トレイリアのアカデミーで大量のマナを出すタイプである。→[[#firststan|*1]]
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*[[誤った指図/Misdirection]][[精神壊しの罠/Mindbreak Trap]][[意志の力/Force of Will]]であれば[[先攻]]1ターンキルに対しても一応対策は可能である。しかし精神壊しの罠ははるか未来の[[ゼンディカー]]のカード、誤った指図も1年後の[[メルカディアン・マスクス]]のカード、意志の力は[[ウルザズ・サーガ]]発売の1年前にスタンダード[[落ちる|落ち]]しておりMoMa登場当時はこういった対策カードは存在しなかった。
中期型は禁止されたトレイリアのアカデミーの代わりに[[ドリーム・ホール/Dream Halls]]で精神力を場に出し、[[魔力の櫃/Mana Vault]]から大量のマナを得る。→[[ドリームホールモマ]]
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*実は[[R&D]]では、[[ウルザズ・サーガ]]の開発時からMoMaのようなデッキを組めることは知っていた。実際にテストデッキも作ってテストプレイしたのだが、出た結論は「勝利前に高確率で手札が尽きる。リスクの強いコンボデッキとしては妥当」というものだった。こんな実態とかけ離れた結論が出てしまった理由となる最大かつ致命的ミスは、強烈な手札補充手段である意外な授かり物と時のらせんという2枚のカードの存在を見落としていたことである。
後期型はさらに禁止されたドリーム・ホールと時のらせんの代わりにそれぞれ[[実物提示教育/Show and Tell]][[先細りの収益/Diminishing Returns]]を、スタンダード落ちした[[魔力の櫃/Mana Vault]]の代わりに[[厳かなモノリス/Grim Monolith]]を用いている。→[[実物提示モマ]]
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*[[1ターンキル]]率の高さや安定性など、純粋な凶悪さだけで言えば[[メグリムジャー]]や[[ロング・デック]]、[[ハルクフラッシュ]]などさらに上が居るが、MoMaはこれらと違って、「キーカードが禁止される前に大きな大会で活躍する機会があった」「しかもその中には[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|WotC]]が最も力を入れているであろう[[フォーマット]]であるスタンダードを含む大会があった」という点で一線を画する。→[[MoMaの冬]]
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*[[金澤尚子]]曰く、「対MoMa用サイドボードはドラムバック満タンに詰めた漫画ガラスの仮面」だそうである。ゲームが始まってすぐにソリティアになってしまうので、漫画でも読んで暇をつぶしているのが一番だという意味らしい。ただ、上記の通りこちら側もシャッフルを要求され、そのたびに漫画を読むのも中断させられてしまうので有効なサイドボード?とは言い難いかもしれない。
  
*エクステンデッドで[[High Tide]]を使用するバージョンは、[[ハイタイドモマ]]の名で呼ばれている。
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===変遷===
*[[手札]]が無いとコンボが回らないため、強いて言えば[[手札破壊]]が弱点であるとも言えるが、一瞬で7枚まで[[手札]]を回復してしまう[[ドロー]]能力も持ち合わせる為、完全に0枚に縛っておかないと意味が無い場合が多く、そして一般的な手札破壊の手段ではそれは無理に近かった。
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[[精神力/Mind Over Matter]]が[[禁止カード|禁止]]されるまでの間に「キーカードが禁止される→代わりのカードを探す」ということを繰り返したため、時期によって大きく3つの型に分けられる。
*[[R&D]]では[[ウルザズ・サーガ]]の開発時からMoMaのようなデッキを組めることは知っていた。
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*初期型は上で説明された、[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]で大量のマナを出すタイプである。→[[#初期型(スタンダード)|初期型]]
実際にテストデッキも作ってテストプレイしたのだが、結論は「勝利前に高確率で手札が尽きる。リスクの強いコンボデッキとしては妥当」。
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*中期型は禁止されたトレイリアのアカデミーの代わりに[[ドリーム・ホール/Dream Halls]]で精神力を[[戦場]]に出し、[[魔力の櫃/Mana Vault]]から大量のマナを得る。→[[ドリームホールモマ]]
こんな結論が出てしまった理由となる最大かつ致命的ミスは、[[意外な授かり物/Windfall]][[時のらせん/Time Spiral]]の存在を見落としていたことである。
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*後期型はさらに禁止されたドリーム・ホールと[[時のらせん/Time Spiral]]の代わりにそれぞれ[[実物提示教育/Show and Tell]][[先細りの収益/Diminishing Returns]]を、スタンダード落ちした[[魔力の櫃/Mana Vault]]の代わりに[[厳かなモノリス/Grim Monolith]]を用いている。→[[実物提示モマ]]
  
*よく対戦が[[ソリティア]]になってしまうと言われるが、使われる側からするとソリティアより酷い。
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また、エクステンデッドで[[満潮/High Tide]]を使用するバージョンは、[[ハイタイドモマ]]の名で呼ばれている。
相手が時のらせんや意外な授かり物をプレイするたび、自分もライブラリーを切り直したりカードを引いたりする必要があるので、非常に面倒なのだ。
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*[[金澤尚子]]女史曰く、「対MoMa用サイドボードはドラムバック満タンに詰めた漫画ガラスの仮面」だそう。
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ゲームが始まってすぐにソリティアになってしまうので、漫画でも読んで暇をつぶしているのが一番だと言う意味らしい。
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*実は[[エターナル]]では現在[[精神力/Mind Over Matter]]は禁止カードや制限カードでないため、もしかすると…。
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===異論===
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*スタンダードでは[[The Finals98]]以外の大会でそこまで結果を出せていなかったこと、[[プロツアーローマ98]]でも最強と呼べるほどの結果でなかったことから、日本のMoMaに対する「最強」という評価が一面的であり深みに欠けるという指摘もあり、The Finals98に関する限られた記事によって理解されたものであるとする意見もある<ref name="mana2021">『マナバーン2021』(ホビージャパン、2020年12月21日初版)p.96、p.102 ISBN 9784798623849 </ref>。
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**なお、[[Zvi Mowshowitz]]によれば、プロツアーローマ98では、カード流通の問題でMoMaで出たくても出られなかったプレイヤーが多かったのこと<ref>[https://web.archive.org/web/20180604031303/http://www.starcitygames.com/magic/misc/21457_The_Most_Dominant_Decks_Of_All_Time.html The Most Dominant Decks Of All Time]</ref>。
  
==初期型(エクステンデッド)==
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==サンプルリスト==
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===初期型(エクステンデッド)===
 
*備考
 
*備考
**[[プロツアーローマ98]]優勝
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*フォーマット
 
*フォーマット
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|4||[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]||||
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==脚注==
[[青]]使い、[[デッキチューナー]]として名高い[[小宮忠義]]の手により、こちらもメインで[[赤]]、[[サイドボード]]では更に[[白]]と[[黒]]をもタッチして[[ミラーマッチ]]に有利な構成となっている。
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<references/>
[[紅蓮破/Pyroblast]]はミラーマッチにおいてだけでなく、対策カードである[[秘儀の研究室/Arcane Laboratory]]などにもよく効く。
+
瞬殺コンボデッキでありながら4枚投入された[[不毛の大地/Wasteland]]も、ミラーマッチを考慮してのものである。
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==参考==
 
==参考==
 
*[[デッキ集]]
 
*[[デッキ集]]
 +
 +
{{DEFAULTSORT:MoMa}}
 +
[[Category:青単色デッキ]]
 +
[[Category:青赤デッキ]]
 +
[[Category:コンボデッキ]]
 +
[[Category:ライブラリー破壊デッキ]]
 +
[[Category:青単コンボデッキ]]
 +
[[Category:青赤コンボデッキ]]
 +
[[Category:ウルザ・ブロックを含むスタンダードデッキ]]
 +
[[Category:黎明期のエクステンデッドデッキ]]

2022年12月17日 (土) 21:45時点における最新版

MoMaモマ)は、デッキ中6種類ものカードが禁止カードに指定された、マジック史上最強クラスのコンボデッキ。MOMA/MOMa/Moma/MoMA等とも表記される。別名、『ターボ・ジーニアス』、『トレイリアン・ブルー』、また単に『アカデミーデッキ』と呼ばれることもある。

デッキ名「MoMa」の由来は、以下の2つを引っ掛けている。

最新のキーカードの初出はウルザズ・サーガ

目次

[編集] 概要


Mind Over Matter / 精神力 (2)(青)(青)(青)(青)
エンチャント

カードを1枚捨てる:アーティファクト1つかクリーチャー1体か土地1つを対象とする。あなたはそれをタップまたはアンタップしてもよい。



Tolarian Academy / トレイリアのアカデミー
伝説の土地

(T):あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(青)を加える。



Time Spiral / 時のらせん (4)(青)(青)
ソーサリー

時のらせんを追放する。各プレイヤーは、自分の手札と墓地を自分のライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引く。あなたは土地を最大6つまでアンタップする。



Mana Vault / 魔力の櫃 (1)
アーティファクト

魔力の櫃はあなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、あなたは(4)を支払ってもよい。そうしたなら、魔力の櫃をアンタップする。
あなたのドロー・ステップの開始時に、魔力の櫃がタップ状態である場合、それはあなたに1点のダメージを与える。
(T):(◇)(◇)(◇)を加える。



Stroke of Genius / 天才のひらめき (X)(2)(青)
インスタント

プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、カードをX枚引く。


基本的な動きは以下の通り。魔力の櫃/Mana Vault水蓮の花びら/Lotus Petalなどの軽量マナ・アーティファクトを並べ、トレイリアのアカデミー/Tolarian Academyで大量のマナが出せるような状況を作る。さらに意外な授かり物/Windfall時のらせん/Time Spiral手札を補充し、精神力/Mind Over Matterで手札を更に大量のマナに変え、その莫大なマナをもって対戦相手に止めを刺す。エンドカードとしてはドローを兼ねたX火力として天才のひらめき/Stroke of Geniusがメインであるが、タワーデッキなどのライブラリーアウトがほぼ効かない相手や、60マナを生み出せず、少ないマナで止めを刺す必要が出てきた時の保険に、火の玉/Fireballも採用されることが多かった。

火の玉を採用すること、またゲームの半分以上がミラーマッチになりかねない程のMoMaの海において、紅蓮破/Pyroblastなどの色対策カードエクステンデッドではゴリラのシャーマン/Gorilla Shamanなどのマナ・アーティファクト破壊)を使うためもあって、タッチ赤のタイプが主流になった。

当時のスタンダードの禁止カード10枚の内6枚の原因となり、全ての構築環境を荒れさせ「MoMaの冬」を生み出した。その凶悪さは、

今のゲームは3つのステップに分かれている。
第一段階(序盤)がコイントス。
第二段階(中盤)がマリガンチェック。
第三段階(終盤)が――先攻第一ターンだ。[1]

という、傍から見ればとんでもないジョークを生み出す原因となったほどである。実際、カード・プールの狭いスタンダードですら1ターンキルの発生する確率が5%を超えていたのである。カードプールの広がるエクステンデッドヴィンテージ(当時はタイプ1)ではもっと酷い。

手札が無いとコンボが回らないため、強いて言えば手札破壊が弱点であるとも言えるが、単に手札破壊を多めに積んだ程度ではまるで役に立たなかった。時のらせんなどのせいで一瞬で7枚まで手札が回復してしまうため、MoMaを機能不全に陥らせるほど手札を破壊するには完全に0枚に縛っておく必要があり、そして一般的な手札破壊の手段ではそれは不可能に近かった。せいぜいコンボが途中で止まってしまうのを期待できる確率がいくらか上がるといった程度でしかなく、結局は勝つためにはMoMaより相手を早く倒す→自分もMoMaでやられる前にやる、といった結論に達してしまうのであった。

高速化と安定性を追求した結果魔力の櫃/Mana Vault古えの墳墓/Ancient Tomb真鍮の都/City of Brassが投入されているため、ライフの消耗が激しい。その隙をつけるバーンヘイトレッドなどの高速デッキは、アンチデッキとして有力とされた。またコンボを阻害しながらクロックを用意できるマーフォークも候補の一つ。しかし総合的な安定度の関係から、MoMa自体を選択するプレイヤーが多かった。

よく対戦がソリティアになってしまうと言われるが、使われる側からするとソリティアより酷い。相手が意外な授かり物や時のらせんを唱えるたび、自分もライブラリーを切り直したりカードを引いたりするという非常に面倒なことを要求されるためである。

  • ヴィンテージでは2005年9月20日、レガシーでは2011年1月1日より精神力が解禁されている。そのため、同様のデッキが作られる可能性はある。
  • 誤った指図/Misdirection精神壊しの罠/Mindbreak Trap意志の力/Force of Willであれば先攻1ターンキルに対しても一応対策は可能である。しかし精神壊しの罠ははるか未来のゼンディカーのカード、誤った指図も1年後のメルカディアン・マスクスのカード、意志の力はウルザズ・サーガ発売の1年前にスタンダード落ちしておりMoMa登場当時はこういった対策カードは存在しなかった。
  • 実はR&Dでは、ウルザズ・サーガの開発時からMoMaのようなデッキを組めることは知っていた。実際にテストデッキも作ってテストプレイしたのだが、出た結論は「勝利前に高確率で手札が尽きる。リスクの強いコンボデッキとしては妥当」というものだった。こんな実態とかけ離れた結論が出てしまった理由となる最大かつ致命的ミスは、強烈な手札補充手段である意外な授かり物と時のらせんという2枚のカードの存在を見落としていたことである。
  • 1ターンキル率の高さや安定性など、純粋な凶悪さだけで言えばメグリムジャーロング・デックハルクフラッシュなどさらに上が居るが、MoMaはこれらと違って、「キーカードが禁止される前に大きな大会で活躍する機会があった」「しかもその中にはWotCが最も力を入れているであろうフォーマットであるスタンダードを含む大会があった」という点で一線を画する。→MoMaの冬
  • 金澤尚子曰く、「対MoMa用サイドボードはドラムバック満タンに詰めた漫画ガラスの仮面」だそうである。ゲームが始まってすぐにソリティアになってしまうので、漫画でも読んで暇をつぶしているのが一番だという意味らしい。ただ、上記の通りこちら側もシャッフルを要求され、そのたびに漫画を読むのも中断させられてしまうので有効なサイドボード?とは言い難いかもしれない。

[編集] 変遷

精神力/Mind Over Matter禁止されるまでの間に「キーカードが禁止される→代わりのカードを探す」ということを繰り返したため、時期によって大きく3つの型に分けられる。

また、エクステンデッドで満潮/High Tideを使用するバージョンは、ハイタイドモマの名で呼ばれている。

[編集] 異論

  • スタンダードではThe Finals98以外の大会でそこまで結果を出せていなかったこと、プロツアーローマ98でも最強と呼べるほどの結果でなかったことから、日本のMoMaに対する「最強」という評価が一面的であり深みに欠けるという指摘もあり、The Finals98に関する限られた記事によって理解されたものであるとする意見もある[2]
    • なお、Zvi Mowshowitzによれば、プロツアーローマ98では、カード流通の問題でMoMaで出たくても出られなかったプレイヤーが多かったのこと[3]

[編集] サンプルリスト

[編集] 初期型(エクステンデッド)

MoMa [1]
土地 (19)
4 Tundra
4 Volcanic Island
3 真鍮の都/City of Brass
4 古えの墳墓/Ancient Tomb
4 トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
クリーチャー (0)
呪文 (41)
4 水蓮の花びら/Lotus Petal
4 モックス・ダイアモンド/Mox Diamond
4 魔力の櫃/Mana Vault
3 通電式キー/Voltaic Key
2 巻物棚/Scroll Rack
3 精神力/Mind Over Matter
4 意外な授かり物/Windfall
4 時のらせん/Time Spiral
3 中断/Abeyance
3 直観/Intuition
3 魔力消沈/Power Sink
4 天才のひらめき/Stroke of Genius
サイドボード (15)
4 ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman
4 寒け/Chill
2 赤霊破/Red Elemental Blast
1 秘儀の否定/Arcane Denial
4 不毛の大地/Wasteland
  • 最初期型のMoMa。つまり、禁止カードが1枚も抜けていない完全体バージョンである。当然圧倒的なまでの強さを誇り、ミラーマッチばかりになるので、その対策の為に青単色ではなくが数枚タッチされている。

[編集] 初期型(スタンダード)

MoMa [2]
土地 (19)
3 島/Island
4 古えの墳墓/Ancient Tomb
4 真鍮の都/City of Brass
4 トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
4 不毛の大地/Wasteland
クリーチャー (0)
呪文 (41)
3 水蓮の花びら/Lotus Petal
4 魔力の櫃/Mana Vault
4 モックス・ダイアモンド/Mox Diamond
3 巻物棚/Scroll Rack
3 通電式キー/Voltaic Key
3 精神力/Mind Over Matter
4 時のらせん/Time Spiral
3 意外な授かり物/Windfall
1 火の玉/Fireball
1 転覆/Capsize
3 直観/Intuition
3 魔力消沈/Power Sink
3 天才のひらめき/Stroke of Genius
3 紅蓮破/Pyroblast
サイドボード (15)
1 無のブローチ/Null Brooch
3 日中の光/Light of Day
4 寒け/Chill
2 ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will
3 解呪/Disenchant
1 天才のひらめき/Stroke of Genius
1 紅蓮破/Pyroblast

[編集] 脚注

  1. Make No Mistake/ミスなんてもってのほか
  2. 『マナバーン2021』(ホビージャパン、2020年12月21日初版)p.96、p.102 ISBN 9784798623849
  3. The Most Dominant Decks Of All Time

[編集] 参考

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