感染 (デッキ)
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2014年9月28日 (日) 01:43時点における版
感染(Infect)は、ミラディンの傷跡ブロックの新キーワード能力である感染を主体とした、毒カウンターによる勝利を狙うデッキ。ミラディンの傷跡ブロック構築やスタンダード環境に存在する。
ミラディンの傷跡では黒と緑、アーティファクト・クリーチャーだけが感染を持っていたため、基本的には黒か緑を中心として作られる。ミラディン包囲戦と新たなるファイレクシアでは他の色にも感染を持つクリーチャーが登場したが、数・性能ともに抑え気味なため、依然黒緑が中心である。
目次 |
概要
感染を持つクリーチャーの攻撃を各種呪文でバックアップし、速やかに10個の毒カウンターを対戦相手に与えて勝利条件を満たすことを狙う。
通常のビートダウンとの最も大きな違いは、対戦相手に攻撃が通ったとき、パワーのプラス修整を実質的に倍の数値でカウントできることであり、何らかのサイズ強化手段が好んで用いられる傾向にある。そのため装備品を採用する場合も、他のデッキで採用されるような安定性が高いものやアドバンテージが稼げるものに限らず、強化効率を重視したものもよく使われる。
絆魂などのライフゲインに強い一方、ファイレクシア・マナなどのライフロスをタダ同然で支払わせてしまう、本体火力を併用しづらいといったデメリットがある。
黒の感染デッキは、クリーチャー除去や手札破壊などで道をこじ開け、高スペックの感染クリーチャーの攻撃を通す構成。特に優秀なファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader以外では、軽さを重視するタイプと、ファイレクシアの槽母/Phyrexian Vatmotherや荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragonといった大型クリーチャーを用いるタイプがある。
黒単色のものの他、青黒のクロック・パーミッション型、あるいは青黒コントロールに近づけた型も存在する。また、ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolasが強化手段を務めることも。
緑の感染デッキは、1、2マナの感染クリーチャーを展開して巨大化/Giant Growth系の単体強化呪文を連打する構成であり、アドバンテージを捨ててスピードに特化する。赤を足して突撃のストロボ/Assault Strobeを採用することも多い。最速2ターンキルも可能(例えばぎらつかせのエルフ/Glistener Elf+地うねり/Groundswell+突撃のストロボ)なほどの爆発力を誇るが、安定性は低く、序盤に決めきれないと脆い。また、青を足してひずみの一撃/Distortion Strikeや軽量カウンターを加える構成もあり、その場合はグランビルを彷彿とさせる。基本セット2013で怨恨/Rancorおよび戦の大聖堂/Cathedral of Warが登場したことから、この緑のタイプが短期間ながら活躍した。
Pauperでは、激励/Invigorateや怨恨の存在もあり、トップメタの候補に入る。
また、(特にリミテッドでは)増殖を利用して毒カウンターを増やし、僅かな毒から一気に毒死に持ち込む型も存在する。
- ミラディンの傷跡ブロックのリミテッドでも有力なアーキタイプの一つ。
- ミラディン包囲戦のイベントデッキである感染と汚染/Infect & Defileは青黒コントロール、新たなるファイレクシアのイベントデッキである内からの腐敗/Rot from Withinは、緑単色の感染デッキとなっている。
- エントリーセットでは、ファイレクシアの毒/Phyrexian Poison(黒緑)・荒廃の道/Path of Blight(緑白)・荒れ狂う大群/Ravaging Swarm(緑青)の3種類がある。
ミラディンの傷跡ブロック構築
ミラディンの傷跡ブロック構築で活躍したのは黒単色の軽量型で、このタイプがプロツアー名古屋11でベスト8に入った。
定番のファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusaderや墨蛾の生息地/Inkmoth Nexusに加えて疫病のとげ刺し/Plague Stingerなどの軽量感染クリーチャーを採用、四肢切断/Dismemberなどの除去でブロッカーを排除しつつピストン式大槌/Piston Sledgeなどの装備品でパワーを底上げし速やかに対戦相手を毒殺することを狙う。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアー名古屋11 ベスト8 (ミラディンの傷跡ブロック構築部門 8-1-1) (参考)
- 使用者:Gaudenis Vidugiris
- フォーマット
Mono-Black Infect [1] | |||||||||||||||||
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スタンダード
イニストラード・ブロックが加わり世界選手権11終了後のThe Finals11で、2種類の感染デッキがベスト8に入った。
一つは青黒のクロック・パーミッションに近い形をとり、岡田尚也氏が使用して見事優勝を飾った。→*1
ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusaderに加えてブロックされない荒廃の工作員/Blighted Agentを採用、マナ漏出/Mana Leakなどのカウンターや除去でバックアップする。
もう一つはプレインズウォーカーのボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolasにフィーチャーした黒単タッチ青型。こちらは大段豪史氏が使用し、ベスト4に入っている。→*2
墨蛾の生息地/Inkmoth Nexusや疫病のマイア/Plague Myrなどの軽量感染アーティファクト・クリーチャーを主力とし、ボーラスの工作員、テゼレットで強化することを狙う。
青黒型
- 備考
- The Finals11 優勝 (参考)
- 使用者:岡田尚也
- フォーマット
- 装備品にルーン唱えの長槍/Runechanter's Pikeを採用しているのが特徴。多数採用されたファイレクシア・マナ呪文により高い強化効率を見込む事ができる。
黒単型
- 備考
- The Finals11 ベスト4 (参考)
- 使用者:大段豪史
- フォーマット
Bu Infest [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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モダン
モダンではフォーマット制定直後に、猛火の群れ/Blazing Shoalによって一気に打点を上げる瞬殺コンボタイプが開発された。
ドラゴンの嵐/Dragonstorm等をコストに猛火の群れの爆発力を引き出し、1ターン目墨蛾の生息地/Inkmoth Nexusセットからの最速2ターンキルも可能とする。デッキのその他の部分は、コンボパーツを手札に揃えるサーチ・ドローと妨害排除のカウンターから構成されている。
モダン開幕戦のプロツアーフィラデルフィア11でベスト8入りして話題となったが、すぐさまキーカードの猛火の群れが禁止カードに指定されてしまい、構築不可能となった。
その後は目立った実績が無かったものの、プロツアー「ラヴニカへの回帰」でベスト8を輩出し注目を集めている。スタンダードにおける緑の感染デッキをベースに、ドローやカウンター、回避能力持ちを加えて緑青や緑青黒の構成を取ることが多い。
猛火の群れ禁止前
青単感染 [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 最初期の青単色タイプ。海外公式ではShoal Infectと呼ばれている。
- サーチ手段が多用されている。主なものは、エンドカードである猛火の群れをサーチできる交錯の混乱/Muddle the Mixture、代替コスト用の大祖始/Progenitusをサーチできる召喚士の契約/Summoner's Pactなど。サーチとは少々趣が異なるが、深遠の覗き見/Peer Through Depthsで手元に持ってこられるため、追加の代替コストとしてドラゴンの嵐/Dragonstormが採用されている。
猛火の群れ禁止後
- 備考
- プロツアー「ラヴニカへの回帰」 ベスト8 (参考/参考)
- 使用者:Kelvin Chew
- フォーマット
GU Infect [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 猛火の群れ禁止後の緑青タイプ。
レガシー
クリーチャーの基盤は変わってないものの、歴代の優良パンプアップを多数引っさげた超速攻型デッキが中心。
ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusaderや墨蛾の生息地/Inkmoth Nexusに憎悪/Hatredや暗黒の儀式/Dark Ritualといった有力カードを合わせた黒中心のヘイトレッド型、もしくは墨蛾の生息地やぎらつかせのエルフ/Glistener ElfをBerserk・激励/Invigorateなどで一気に補強する緑中心のタイプが存在する。Bayouや草むした墓/Overgrown Tombという、マナ基盤の安定化の面でも激励の代替コスト条件を満たす面でも合致した多色地形が存在するため、どちらの要素も取り入れた黒緑タイプも存在している。過去のスーサイドデッキ同様、非常にとがった型で正に「殺る前に殺れ」を地でいくデッキである。
他にはForce of Will対策で魂の洞窟/Cavern of Soulsを入れたり、手札の補強として(多少の犠牲を覚悟した)ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arenaなどを入れたりするデッキも存在する。
- 大きな実績は無いが、(体感的に)「どの大会を見てもひとりはいる」というレポートもあった。
Pauper
感染とクリーチャー強化の相性の良さに着目し、Pauperでは爆発力のあるビートダウン・コンボデッキとして活躍している。
緑単色で構成され、最速2ターンキルも狙える爆発的な攻撃力が魅力。このデッキをメタゲームの上位に押し上げたのは地うねり/Groundswellや激励/Invigorateのような効率のいい軽量強化呪文の存在である。特に激励は毒カウンターの性質上相手のライフゲインというデメリットを無視できるため、実質的に0マナでクリーチャーを+4/+4強化できる凶悪なカードとしてこのデッキの根幹を担っている。
クリーチャーの線そのものは細いため、強化呪文やクリーチャーそのものを的確に捌かれてしまうとじり貧になってしまう。また手札のクリーチャーと強化カードのバランスの兼ね合いもあるため、手札が合わなければ積極的にマリガンしていくことになる。
2013年2月6日から激励が禁止され、弱体化を余儀なくされた。
- ちなみに、赤を混ぜれば理論上1ターンキルも可能。(例:ぎらつかせのエルフ+水蓮の花びら/Lotus Petal+無謀なる突進/Reckless Charge+激励2枚)
- 激励禁止後は、ぎらつかせのエルフ+水蓮の花びら+無謀なる突進 に変異原性の成長/Mutagenic Growth3枚や水蓮の花びら+変異原性の成長+地うねりor突撃のストロボ/Assault Strobeと土地含めて7枚コンボと実現性が低下している。
サンプルレシピ
monoGinfect(pauper) [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 土地が冠雪土地となっているが、特に意味はない。
参考
- 『ミラディンの傷跡』メカニズムレビュー:毒(マジック日本公式サイト、文:高橋優太)
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ第28回:トップメタのリスト紹介と、感染デッキ(マジック日本公式サイト、文:津村健志)
- 毒カウンター
- デッキ集