無駄省き/Waste Not
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エンチャント
対戦相手1人がクリーチャー・カードを1枚捨てるたび、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを1体生成する。
対戦相手1人が土地カードを1枚捨てるたび、(黒)(黒)を加える。
対戦相手1人がクリーチャーでも土地でもないカードを1枚捨てるたび、カードを1枚引く。
対戦相手がカードを捨てるたび、そのカード・タイプに応じたボーナスを得られるエンチャント。第4回「カードを作るのは君だ!」で作られたもの。
2/2トークンと1ドローはどちらも堅実なアドバンテージであり、2マナのマナ加速もタイミング次第では無駄になりかねないもののやはり強力な効果。手札破壊が持つ「カード・アドバンテージをほぼ確実に取ることができる一方、戦場の状況には触れない」「対戦相手の妨害にはなるが、こちらの展開を進める役目にはならない」という性質上やむを得ない欠点を、様々な面から補ってくれる。少々極端だが、「強迫/Duressにキャントリップのおまけがつく」「トーラックへの賛歌/Hymn to Tourachに暗黒の儀式/Dark Ritualのおまけがつく」というと上手く機能したときの凶悪さがわかるだろう。
これ自体には手札破壊の能力はなく、他の手札破壊手段と併用することが前提のカードになっているため、単体だと置物として腐るのはネックではあるが、2マナと軽い割に得られるリターンが大きく2回ほど誘発すればすぐに元が取れるため、必ずしもメガハンデスのように特化したデッキでなくともそれなりに仕事をしてくれる。なお、当然ながら対戦相手がノンクリーチャーの場合、ゾンビ・トークンを絶対に生成できないので無駄省きはフィニッシャーにならない。攻撃手段を別に用意する必要がある。
こちらからの手札破壊だけでなく、対戦相手が何らかのコストとして手札を捨てる(共鳴者やサイクリングなど)ことへの牽制にもなる。ただし、例えば直接的にライフを脅かせるリリアナの愛撫/Liliana's Caressなどと違い、「しょせんトークンや手札」と無視される可能性も否めない。特に対戦相手のターン中に土地を捨てられた場合は、インスタント・タイミングでマナを使う手段がなければ無駄になりやすい。まして、MoMaや死せる生のようなコンボデッキともなるとなんの妨害にもならない。この用途に関してはあくまでそういう側面もあるという程度だろう。
環境に存在する手札破壊呪文の強さに比例して有用度が上がるカードと言え、ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil、思考囲い/Thoughtseize、トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach、精神錯乱/Mind Twistと言った強烈な手札破壊手段が使えるモダン・レガシー・ヴィンテージでしばしば活躍している。後に制定されたパイオニアでもその名を冠する無駄省きというデッキが成立している。
- 同じ基本セット2015の外部デザイナー・カードと同様に、文章欄には「デザイン:マジック・コミュニティ/Designed by the Magic community」というデザイナーのクレジットがある(日本語版/英語版)。
- "Waste not, Want Not"で「無駄がなければ不足もない」という成句。過不足がないという意味ではなく、「きちんと資源を扱えば後で足りなくなって困ることもない」と無駄遣いを戒めるための諺である。
- 原始の報奨/Primeval Bountyとは対照的。
- 統率者2019でイラストの中の人が骨たかりの守銭奴/Bone Miserとして登場。能力の誘発条件が対戦相手からあなたになっている。
[編集] ルール
- 同時に複数枚のカードが捨てられた場合、そのそれぞれについて対応する能力が誘発する。
- 土地でもクリーチャーでもあるカード(ドライアドの東屋/Dryad Arbor)が捨てられた場合、1番目の能力と2番目の能力の両方が誘発する。