ダヴォール/Davvol

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(小説情報を中心に追記)
1行: 1行:
=ダヴォール/Davvol=
+
'''ダヴォール'''/''Davvol''は[[ウルザズ・デスティニー]]のキャラクター。[[ウルザズ・サーガ]]の[[ギックス/Gix]]、[[ウルザズ・レガシー]]の[[ケリック/Kerrick]]に続いて、[[ウルザ/Urza]]に敵対する[[ファイレクシア/Phyrexia]]陣営の中心的な役回りを担う。
  
<!-- [[ウルザ/Urza]][[トレイリア/Tolaria]]を建設中の時代の[[ファイレクシア/Phyrexia]]のエヴィンカー。 -->
+
==解説==
[[ラース/Rath]]の初代[[エヴィンカー/Evincar]]。
+
[[ラース/Rath]]の初代[[エヴィンカー/Evincar]][[#Coracin|Coracin native(コラシン出身者)]]の男性。実力と実績の両面で優れ、高い地位に身を置いているとはいえ、人望がなく社会的には常に「のけ者」にされる不遇な人物([[フレイバー・テキスト]]でもそれが垣間見える)。外見は血の気の薄い肌、黒光する鎧や手袋、ブーツで身を固め、部分的にファイレクシの技術で強化されている({{Gatherer|id=19115|イラスト1}}、{{Gatherer|id=15768|イラスト2}}、{{Gatherer|id=15175|イラスト3}}、{{Gatherer|id=15767|イラスト4}})。
  
彼の統治時代は[[ウルザ/Urza]]が『血統計画』を進行していた時期に当たる。
+
[[インナー・サークル/Inner Circle]]のCroag(クローグ)に抜擢され、[[AR]]35世紀から4169ARまでの7世紀近くラースを実質的に統治した。クローグから課せられた使命は「ラース拡張のスケジュールを速める」、「ラースの奴隷労働者の管理」、「ウルザの抹殺」の3つ。ラースの礎を築くと共に、[[ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator|抹殺者]]を改良しその性能を飛躍的に向上させることに成功した。ただし、統治期間の内の500年ほどはエヴィンカーではなく管理者(steward)が役職であった。AR39世紀にクローグが[[ケルド/Keld]]で重傷を負って立場を弱めたことから、そこにつけ入って強引にエヴィンカー職に就いている(クローグからは正式なエヴィンカー指名は受けていない)。
ラースの整備と[[クリーチャー]]の育成を進めていたようだ。
+
  
後期の[[ヴォルラス/Volrath]][[クロウヴァクス/Crovax]]のようなエヴィンカーと比べると、割とおとなしい性格と尋常な外見をしているようだ。(登場[[カード]]のイラスト参照)
+
透視や相手の思考を読むなどの特殊な精神能力(→[[#精神能力]])に加え、完璧な記憶力を備え、忍耐強く冷静で抜け目なく立ち回り、組織運営は手堅く、何十年何百年もかかる遠大な計画を立案し実行できる、と頭脳においては抜きん出た才能を誇る。自身の強みと弱みを把握しているようで、生き抜くためには己を押し殺し、淡々と行動し権力の座に就いた逸材である。ただ、細部を気にし過ぎる性格のため、革新的な思考の飛躍とは無縁であり、段階を踏んだ改革・改善こそがダヴォールの流儀であり限界ともいえる(それゆえにクローグはダヴォールの潜在的な脅威は少ないとみなしてラースの管理を任せていた)。
しかし、その食事に招かれた者は二度と行きたくなくなるという。([[ウルザズ・デスティニー|USD]][[魂の饗宴/Soul Feast]]の[[フレイバー・テキスト]][http://whisper.wisdom-guild.net/card/517072/ 参照])
+
 
<!-- ↑魂の饗宴の効果からすれば、「まずい物食わされて自分はライフロス、ダヴォールは平気だから回復」よりも、「ダヴォールの食事会に応じる=ダヴォールにドレインを使われて死亡」という解釈のほうがしっくり来る気がするんですが。 -->
+
精神面の強さとは逆に肉体的には貧弱。故郷では病魔に侵されたために社会から排斥されたほどで、ファイレクシア陣営に与した後も改造によって病を克服するが終始外様扱いで満足な強化は施されず、やはり生粋のファイレクシア人には敵わない。(→[[#Compleation]])
 +
 
 +
===精神能力===
 +
ダヴォールは特別な精神能力を備えている。肉体が病魔に侵されてからは精神能力の鍛錬に力を注ぎ、コラシンでは類稀なる水準まで力を高めている。
 +
 
 +
まず、ダヴォールには透視能力があり、肉体から精神を遊離させて遠隔地を視認できる。コラシンの聖なる寺院内の石壁や二重の金属扉に囲まれた内部を、警報や罠に引っ掛かることなく探査している。そして読心術能力。対象の表層思考を読み解いたり、犠牲者の思考をマークしてその所在を的確に把握し手下に襲撃命令を下すことができる。ただし、ファイレクシア人の思考は、何十年も試みた結果、異質過ぎて読解できないという。また、自身の精神力によって[[流動石/Flowstone]]を制御できることに早い時期から気付いていた。
 +
 
 +
更にダヴォールには完璧な記憶力がある。ラースにはその一部と別の次元とを重なり合わせて繋げることで、人や物を行き来できる転移(transference)の機能が備わっており、ラースの実権を握るクローグとダヴォールは転移装置を自身の精神と同調するように調整していた。転移には操作者が移動先の正確な情報を記憶している必要があるが、機能がまだ不完全であるにもかかわらず、ダヴォールの記憶力は転移を確実に成功させることができた([[魂のカーニバル/Carnival of Souls]]の{{Gatherer|id=19115}}は転移を描いたものと思われる)。そして、次元の狭間から精神を攻撃する[[サルタリー/Soltari]]の叫び声による妨害に加えて、地形の変容する[[ヤヴィマヤ/Yavimaya]]という悪条件であっても転移を維持しのけている。(後の4205ARには、ラース全体を[[ドミナリア/Dominaria]]に重なり合わせる大規模な転移、ラースの次元被覆/Rathi Overlayが決行されている。)
 +
 
 +
===Compleation===
 +
「Compleation」とはファイレクシアの言葉で肉体の機械強化による完全性への到達のこと。動詞は「Compleat」で、生身の者を侮蔑する言葉が「Incompleat」。
 +
 
 +
ダヴォールの肉体は不治の病に侵されていたことから、ファイレクシアの技術による治療と更なる機械強化による完全性への到達を望んでいる。一方でクローグはダヴォールの望みにつけこんでその才能を最大限に利用するつもりのため、最低限の延命処置の他は強化を小出しにしか施さない(その上、生身の肉体を持つダヴォールを見下してもいる)。
 +
 
 +
ダヴォールに施された強化を挙げると、病気の克服の他に、通訳なしでもファイレクシア人と会話できる翻訳機能を付加した聴力やダヴォールの頭脳を防護する黒いスカルキャップ(skullcap:つばなしの頭にぴったりした帽子の類)型の装置などがある。最終的にはnear-compleation(完全性にほぼ到達した)と言える状態にまで強化を達成するも、皮肉にもダヴォールの最期ではそれが逆に働いて、瀕死の状態でなかなか死に切れずに苦しめられることになった。
 +
 
 +
==Coracin==
 +
Coracin(コラシン)はダヴォールの出身地として小説[[Bloodlines]]に登場した地名(コラシンが次元であるか国であるかは不明。少なくともドミナリアではない)。Coracin native(コラシン出身者)はダヴォールを見る限り[[人間]]と思われる。また、コラシンにはまれに精神能力を有する者が現れるものの、ダヴォールほど傑出した実力の持ち主はいない。
 +
 
 +
===聖なる寺院===
 +
最高指導者層を除いて人々の記憶から忘れ去られてしまっているが、コラシンには世界で最も聖なる場所とされる古代寺院の廃墟が存在する。寺院の石造りの控えの間の北壁には三千年以上も閉ざされたままの金属扉があり、罠や警報で厳重に守られた寺院の中心部、the Gift of the Gods(神の贈り物の間)に通じている。扉の開け方は極秘であり、コラシン指導者の一員である秘密の守り手のみが知識を有している。実はこの神の贈り物の正体は[[スランの戦争機械/Thran War Machine|古代スラン帝国の戦争機械]]であり、安全のために封じ込められているもの。
 +
 
 +
ダヴォールはコラシンの歴史家に許可を得て1度この寺院を訪問し、精神能力を強化している。この寺院訪問から12年後、ファイレクシア人が「神の贈り物」つまりスランの遺物を求めてコラシンに到来する。コラシン指導者陣とダヴォールはファイレクシア人に拘束され、寺院の扉を開放するように迫られる。秘密の守り手は拷問に屈しなかったが、ダヴォールは守り手の弱みが愛娘であることを精神能力で探り出すと、その情報を引き換えに故郷を捨ててファイレクシア側に寝返った。
 +
 
 +
===ダヴォールと故郷===
 +
ダヴォールは元々コラシン社会でエリート街道を進んでおり、その才能を惜しむコラシン社会はダヴォールの病の治療法を探し求めていた。しかし、不治の病であると判明するとダヴォールは失脚し、あまつさえ病気もダヴォール個人の責任であるかのように扱われ、コラシン社会から見捨てられてしまう。そういった経緯からか、ダヴォールのコラシンへのこだわりは相当なもので、上述のようにファイレクシアに寝返っただけでなく、後々もことあるごとにコラシンを引き合いに出している。例えば、コラシンの医学では治療不能の病をファイレクシアは克服できた、コラシンの寿命より自分はこれほど長生きしている、自分の成し遂げた偉業はコラシン史上前代未聞である、といった具合である。
 +
 
 +
==ダヴォールとクリーチャー==
 +
ダヴォールは配下に様々なファイレクシア生物を擁している。主な構成員が「ダヴォールの軍勢」と呼ばれる兵士であり、ウルザ抹殺のためにファイレクシアの抹殺者も指揮下に収めている。ウルザ打倒には抹殺者の性能向上が必須であり、種々の機能付加や亜種を生み出したことで、抹殺者の能力を飛躍的に向上させている。その他、抹殺者以外のクリーチャーの育成も行っていたとみられる(→[[走り回る怪物/Skittering Horror]]と[[こそこそ歩くスカージ/Slinking Skirge]]の[[フレイバー・テキスト]]を参照)。
 +
 
 +
===ダヴォールの軍勢===
 +
[[#訳語|'''ダヴォールの軍勢'''/''Davvol's Troops'']]はダヴォールに仕えるファイレクシア兵士のこと。
 +
 
 +
全身は金属的な装甲で固められており、その外装の色は白銀から黒ずんだ色合いまで様々。つば広の帽子のような円形の兜で頭部は守られ、胸部は分厚く逞しいが腹部と腰は細めで、手足やややひょろ長い。標準的な武装は、直径30cmほどの丸い盾、曲刀、矛槍である。
 +
 
 +
Duelist第40号で抜粋されたウルザズ・デスティニーのスタイルガイドによると、「(ダヴォールの意思を強制実行するためにファイレクシアから輸送されてくる)この軍勢は実際には見かけ通りの人間型生物ではない。人型戦闘鎧の内部には退化した手足しか持たない不完全なクリーチャーである。攻防両面において手堅く確実だが、戦略家ではないため、司令官不在の戦闘では全力を発揮できない。」という。
 +
 
 +
小説[[Bloodlines]]ではダヴォールの護衛や攻撃部隊などとして働きを見せている。カードのイラストでは、ウルザズ・デスティニーの[[漸減/Attrition]]、[[沸き立つ汚泥/Bubbling Muck]]、[[魂のカーニバル/Carnival of Souls]]、[[撲滅/Eradicate]]に描かれている。
 +
 
 +
==経歴==
 +
===The Human Component===
 +
小説[[Bloodlines]]のThe Human Componentは3385-3571ARの期間を扱っている。
 +
 
 +
この期間の初期、コラシンにファイレクシア人が出現し、ダヴォールはファイレクシアに寝返る。
 +
 
 +
ダヴォールは肉体強化を施されて死病を克服し、ファイレクシア遺物探索隊の一員として仕える。
 +
 
 +
40年後、インナー・サークルのクローグとファイレクシア第4スフィアで初対面し、ラースの管理者に任命される(この際に前任管理者Koralld(コラルド)がクローグ自身の手で密かに抹殺される)。
 +
 
 +
ダヴォールの指揮の元でラースの整備、奴隷の管理、抹殺者の改良が着実に進む。
 +
 
 +
ダヴォールが故郷を離れて130年後、この60余年はウルザに対する罠を仕掛け新たな戦術を練って準備していたが、[[#訳語|ソニック砲装備型抹殺者]]がウルザと交戦する。ウルザのエネルギー・パターンを混乱させ防御を無効化するように調整されたソニック砲によって窮地に追い込むが辛くも仕留めそこなう。回収された抹殺者の残骸を調査したダヴォールは、敵の力をより深く知る必要を感じて抹殺者の情報収集能力の改良にとりかかる。
 +
 
 +
===The Spark of Life===
 +
小説BloodlinesのThe Spark of Lifeは3655-3863ARの期間を扱っている。
 +
 
 +
この期間にダヴォールによる初の転移が行われ、まずは数百人の捕虜を獲得することに成功する。その後、報告のあったファイレクシア人と同等の闇への親和性を備えたドミナリア人の真偽を確かめるべく、クローグはダヴォールを従えて[[ベナリア/Benalia]]を訪問し[[キャパシェン/Capashen]]一族に密かに接触する。これがウルザの企み(血統プロジェクト)に気付く契機となった。
 +
 
 +
ケルド人に関する報告を得たクローグは再びダヴォールを連れてケルドの調査に訪れ、ウルザの研究の亜流である[[ガーサ/Gatha]]による実験に行き当たる。
 +
 
 +
ウルザの計画を阻止せんと、ラースによるベナリアとケルドへの襲撃が続く。
 +
 
 +
3863AR、クローグの命令の下、ラース軍はケルドとの決戦に臨む。ケルドのKreig the Witch King(妖術王クレイグ)とガーサを討ち取るものの、クローグがクレイグに重傷を負わされる。失態をファイレクシア本国に知られることを恐れたクローグはラースで治癒を行うこととする。ファイレクシアの装備なしの治癒には長い時間が必要であった。
 +
 
 +
邪魔者クローグが表舞台から消えた後、いずれかの時点(AR40世紀初め頃か)でダヴォールは遂にエヴィンカーの座に就いた。
 +
 
 +
===Natural Selection===
 +
小説BloodlinesのNatural Selectionは4013-4169ARの期間を扱っている。
 +
 
 +
ラース軍はこれまでの期間で、ベナリアを中心に[[アヴナント/Avenant]]、[[フェメレフ/Femeref]]、Sardniaなどを攻撃している(ケルドは既に標的でなくなっている)。
 +
 
 +
ダヴォールがエヴィンカーを名乗って120年余の4013AR頃、ダヴォールは遂にクローグに対して直接的な反抗の意志を示す。ヤヴィマヤ総攻撃の命令を撤回し、最強のインナー・サークルのメンバーをも越える速度を備えるように改良した軽量型抹殺者で脅しをかけたのだ。このクローグとの会談は予定外のことであったため反抗はその場の流れで敢行したものの成功を収め、ダヴォールは本当の意味でエヴィンカーの権力を手に入れた。ただし小説では、この件はダヴォール最初にして最大の過ちと綴られている。
 +
 
 +
ヤヴィマヤの手の内を探るため転移による攻撃を仕掛ける。ダヴォールはサルタリーの妨害やヤヴィマヤの性質に阻まれた上に、[[ロフェロス/Rofellos]]の活躍もあって部隊を一時撤退させる。
 +
 
 +
ラース軍の攻撃でキャパシェン一族は壊滅的打撃を受ける。
 +
 
 +
ウルザは抹殺者の痕跡を追ってラースに到着し、サルタリーの[[ライナ/Lyna]]から接触を受けラースの情報を得る。
 +
 
 +
4169AR、完治したクローグは更に自身の機能をヴァージョンアップさせており、ダヴォールの抹殺者を倒して行方をくらます。その後、[[要塞/Stronghold]]の地下では過負荷と老朽化で装置が事故を起こし、奴隷の統制は乱れるなど大混乱が発生する。この危機に当たってダヴォールは装置の崩落に巻き込まれ重傷を負う。強化された身体はダヴォールの命を繋ぎ止めはしたが、動くこともできずに苦痛に呻いていると、不幸なことに、混乱が収まるや救助よりも先にクローグが現れる。クローグはダヴォールのスカルキャップからラースやウルザ抹殺に関する全データを吸い出すと、抜け殻になったダヴォールを死ぬに任せてそのまま放置したのだった。
 +
 
 +
===Nemesis===
 +
4205AR、小説[[Nemesis]]では[[クロウヴァクス/Crovax]]はエヴィンカー候補としてファイレクシアに改造され、その時にエヴィンカーのデータを移植されている。また、[[ベルベイ/Belbe]]がファイレクシアから搬入した流動石の増産装置のお陰もあってか、転移装置は完全に機能を発揮してラースの次元被覆が完遂される。これらのことから、クローグが奪い去ったダヴォールの知識は後のエヴィンカーへと受け継がれたほか、ラースの完成にもフィードバックが生かされたのは間違いない。
 +
 
 +
==登場==
 +
===登場カード===
 +
====フレイバー・テキストに登場====
 +
;[[ウルザズ・デスティニー]]
 +
:[[漸減/Attrition]]、[[魂のカーニバル/Carnival of Souls]]、[[夜のチャイム/Chime of Night]]、[[侵食/Encroach]]、[[貪欲なるネズミ/Ravenous Rats]]、[[走り回る怪物/Skittering Horror]]、[[こそこそ歩くスカージ/Slinking Skirge]]、[[魂の饗宴/Soul Feast]]
 +
 
 +
====イラストに登場====
 +
;ウルザズ・デスティニー
 +
:[[魂のカーニバル/Carnival of Souls]]、[[夜のチャイム/Chime of Night]]、[[侵食/Encroach]]、[[魂の饗宴/Soul Feast]]
 +
;スターター
 +
:魂の饗宴/Soul Feast
 +
 
 +
===登場作品===
 +
*[[Bloodlines]](小説)
 +
 
 +
==訳語==
 +
「Davvol's Troops」は[[魂のカーニバル/Carnival of Souls]]のフレイバー・テキストで「Troops」を「軍勢」と訳していることから「ダヴォールの軍勢」とした。
 +
 
 +
抹殺者に装備された「cannon」つまり「sonic blast」は[[公式ハンドブック/ウルザブロック#ウルザズ・デスティニー公式ハンドブック|ウルザズ・デスティニー公式ハンドブック]]の[[公式ハンドブック/ウルザブロック#ウルザズ・デスティニー公式ハンドブック|ファイレクシアの解剖/Phyrexian Autopsy]]で「ソニック砲」と訳されている。
  
==登場カード==
 
*[[魂のカーニバル/Carnival of Souls]]
 
*[[魂の饗宴/Soul Feast]](USD)
 
*[[侵食/Encroach]]
 
 
==参考==
 
==参考==
 +
*[[ウルザズ・デスティニー]]
 +
*[[ラース/Rath]]
 +
*[[エヴィンカー/Evincar]]
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]

2009年8月9日 (日) 05:13時点における版

ダヴォール/Davvolウルザズ・デスティニーのキャラクター。ウルザズ・サーガギックス/Gixウルザズ・レガシーケリック/Kerrickに続いて、ウルザ/Urzaに敵対するファイレクシア/Phyrexia陣営の中心的な役回りを担う。

目次

解説

ラース/Rathの初代エヴィンカー/EvincarCoracin native(コラシン出身者)の男性。実力と実績の両面で優れ、高い地位に身を置いているとはいえ、人望がなく社会的には常に「のけ者」にされる不遇な人物(フレイバー・テキストでもそれが垣間見える)。外見は血の気の薄い肌、黒光する鎧や手袋、ブーツで身を固め、部分的にファイレクシの技術で強化されている(イラスト1イラスト2イラスト3イラスト4)。

インナー・サークル/Inner CircleのCroag(クローグ)に抜擢され、AR35世紀から4169ARまでの7世紀近くラースを実質的に統治した。クローグから課せられた使命は「ラース拡張のスケジュールを速める」、「ラースの奴隷労働者の管理」、「ウルザの抹殺」の3つ。ラースの礎を築くと共に、抹殺者を改良しその性能を飛躍的に向上させることに成功した。ただし、統治期間の内の500年ほどはエヴィンカーではなく管理者(steward)が役職であった。AR39世紀にクローグがケルド/Keldで重傷を負って立場を弱めたことから、そこにつけ入って強引にエヴィンカー職に就いている(クローグからは正式なエヴィンカー指名は受けていない)。

透視や相手の思考を読むなどの特殊な精神能力(→#精神能力)に加え、完璧な記憶力を備え、忍耐強く冷静で抜け目なく立ち回り、組織運営は手堅く、何十年何百年もかかる遠大な計画を立案し実行できる、と頭脳においては抜きん出た才能を誇る。自身の強みと弱みを把握しているようで、生き抜くためには己を押し殺し、淡々と行動し権力の座に就いた逸材である。ただ、細部を気にし過ぎる性格のため、革新的な思考の飛躍とは無縁であり、段階を踏んだ改革・改善こそがダヴォールの流儀であり限界ともいえる(それゆえにクローグはダヴォールの潜在的な脅威は少ないとみなしてラースの管理を任せていた)。

精神面の強さとは逆に肉体的には貧弱。故郷では病魔に侵されたために社会から排斥されたほどで、ファイレクシア陣営に与した後も改造によって病を克服するが終始外様扱いで満足な強化は施されず、やはり生粋のファイレクシア人には敵わない。(→#Compleation

精神能力

ダヴォールは特別な精神能力を備えている。肉体が病魔に侵されてからは精神能力の鍛錬に力を注ぎ、コラシンでは類稀なる水準まで力を高めている。

まず、ダヴォールには透視能力があり、肉体から精神を遊離させて遠隔地を視認できる。コラシンの聖なる寺院内の石壁や二重の金属扉に囲まれた内部を、警報や罠に引っ掛かることなく探査している。そして読心術能力。対象の表層思考を読み解いたり、犠牲者の思考をマークしてその所在を的確に把握し手下に襲撃命令を下すことができる。ただし、ファイレクシア人の思考は、何十年も試みた結果、異質過ぎて読解できないという。また、自身の精神力によって流動石/Flowstoneを制御できることに早い時期から気付いていた。

更にダヴォールには完璧な記憶力がある。ラースにはその一部と別の次元とを重なり合わせて繋げることで、人や物を行き来できる転移(transference)の機能が備わっており、ラースの実権を握るクローグとダヴォールは転移装置を自身の精神と同調するように調整していた。転移には操作者が移動先の正確な情報を記憶している必要があるが、機能がまだ不完全であるにもかかわらず、ダヴォールの記憶力は転移を確実に成功させることができた(魂のカーニバル/Carnival of Soulsイラストは転移を描いたものと思われる)。そして、次元の狭間から精神を攻撃するサルタリー/Soltariの叫び声による妨害に加えて、地形の変容するヤヴィマヤ/Yavimayaという悪条件であっても転移を維持しのけている。(後の4205ARには、ラース全体をドミナリア/Dominariaに重なり合わせる大規模な転移、ラースの次元被覆/Rathi Overlayが決行されている。)

Compleation

「Compleation」とはファイレクシアの言葉で肉体の機械強化による完全性への到達のこと。動詞は「Compleat」で、生身の者を侮蔑する言葉が「Incompleat」。

ダヴォールの肉体は不治の病に侵されていたことから、ファイレクシアの技術による治療と更なる機械強化による完全性への到達を望んでいる。一方でクローグはダヴォールの望みにつけこんでその才能を最大限に利用するつもりのため、最低限の延命処置の他は強化を小出しにしか施さない(その上、生身の肉体を持つダヴォールを見下してもいる)。

ダヴォールに施された強化を挙げると、病気の克服の他に、通訳なしでもファイレクシア人と会話できる翻訳機能を付加した聴力やダヴォールの頭脳を防護する黒いスカルキャップ(skullcap:つばなしの頭にぴったりした帽子の類)型の装置などがある。最終的にはnear-compleation(完全性にほぼ到達した)と言える状態にまで強化を達成するも、皮肉にもダヴォールの最期ではそれが逆に働いて、瀕死の状態でなかなか死に切れずに苦しめられることになった。

Coracin

Coracin(コラシン)はダヴォールの出身地として小説Bloodlinesに登場した地名(コラシンが次元であるか国であるかは不明。少なくともドミナリアではない)。Coracin native(コラシン出身者)はダヴォールを見る限り人間と思われる。また、コラシンにはまれに精神能力を有する者が現れるものの、ダヴォールほど傑出した実力の持ち主はいない。

聖なる寺院

最高指導者層を除いて人々の記憶から忘れ去られてしまっているが、コラシンには世界で最も聖なる場所とされる古代寺院の廃墟が存在する。寺院の石造りの控えの間の北壁には三千年以上も閉ざされたままの金属扉があり、罠や警報で厳重に守られた寺院の中心部、the Gift of the Gods(神の贈り物の間)に通じている。扉の開け方は極秘であり、コラシン指導者の一員である秘密の守り手のみが知識を有している。実はこの神の贈り物の正体は古代スラン帝国の戦争機械であり、安全のために封じ込められているもの。

ダヴォールはコラシンの歴史家に許可を得て1度この寺院を訪問し、精神能力を強化している。この寺院訪問から12年後、ファイレクシア人が「神の贈り物」つまりスランの遺物を求めてコラシンに到来する。コラシン指導者陣とダヴォールはファイレクシア人に拘束され、寺院の扉を開放するように迫られる。秘密の守り手は拷問に屈しなかったが、ダヴォールは守り手の弱みが愛娘であることを精神能力で探り出すと、その情報を引き換えに故郷を捨ててファイレクシア側に寝返った。

ダヴォールと故郷

ダヴォールは元々コラシン社会でエリート街道を進んでおり、その才能を惜しむコラシン社会はダヴォールの病の治療法を探し求めていた。しかし、不治の病であると判明するとダヴォールは失脚し、あまつさえ病気もダヴォール個人の責任であるかのように扱われ、コラシン社会から見捨てられてしまう。そういった経緯からか、ダヴォールのコラシンへのこだわりは相当なもので、上述のようにファイレクシアに寝返っただけでなく、後々もことあるごとにコラシンを引き合いに出している。例えば、コラシンの医学では治療不能の病をファイレクシアは克服できた、コラシンの寿命より自分はこれほど長生きしている、自分の成し遂げた偉業はコラシン史上前代未聞である、といった具合である。

ダヴォールとクリーチャー

ダヴォールは配下に様々なファイレクシア生物を擁している。主な構成員が「ダヴォールの軍勢」と呼ばれる兵士であり、ウルザ抹殺のためにファイレクシアの抹殺者も指揮下に収めている。ウルザ打倒には抹殺者の性能向上が必須であり、種々の機能付加や亜種を生み出したことで、抹殺者の能力を飛躍的に向上させている。その他、抹殺者以外のクリーチャーの育成も行っていたとみられる(→走り回る怪物/Skittering Horrorこそこそ歩くスカージ/Slinking Skirgeフレイバー・テキストを参照)。

ダヴォールの軍勢

ダヴォールの軍勢/Davvol's Troopsはダヴォールに仕えるファイレクシア兵士のこと。

全身は金属的な装甲で固められており、その外装の色は白銀から黒ずんだ色合いまで様々。つば広の帽子のような円形の兜で頭部は守られ、胸部は分厚く逞しいが腹部と腰は細めで、手足やややひょろ長い。標準的な武装は、直径30cmほどの丸い盾、曲刀、矛槍である。

Duelist第40号で抜粋されたウルザズ・デスティニーのスタイルガイドによると、「(ダヴォールの意思を強制実行するためにファイレクシアから輸送されてくる)この軍勢は実際には見かけ通りの人間型生物ではない。人型戦闘鎧の内部には退化した手足しか持たない不完全なクリーチャーである。攻防両面において手堅く確実だが、戦略家ではないため、司令官不在の戦闘では全力を発揮できない。」という。

小説Bloodlinesではダヴォールの護衛や攻撃部隊などとして働きを見せている。カードのイラストでは、ウルザズ・デスティニーの漸減/Attrition沸き立つ汚泥/Bubbling Muck魂のカーニバル/Carnival of Souls撲滅/Eradicateに描かれている。

経歴

The Human Component

小説BloodlinesのThe Human Componentは3385-3571ARの期間を扱っている。

この期間の初期、コラシンにファイレクシア人が出現し、ダヴォールはファイレクシアに寝返る。

ダヴォールは肉体強化を施されて死病を克服し、ファイレクシア遺物探索隊の一員として仕える。

40年後、インナー・サークルのクローグとファイレクシア第4スフィアで初対面し、ラースの管理者に任命される(この際に前任管理者Koralld(コラルド)がクローグ自身の手で密かに抹殺される)。

ダヴォールの指揮の元でラースの整備、奴隷の管理、抹殺者の改良が着実に進む。

ダヴォールが故郷を離れて130年後、この60余年はウルザに対する罠を仕掛け新たな戦術を練って準備していたが、ソニック砲装備型抹殺者がウルザと交戦する。ウルザのエネルギー・パターンを混乱させ防御を無効化するように調整されたソニック砲によって窮地に追い込むが辛くも仕留めそこなう。回収された抹殺者の残骸を調査したダヴォールは、敵の力をより深く知る必要を感じて抹殺者の情報収集能力の改良にとりかかる。

The Spark of Life

小説BloodlinesのThe Spark of Lifeは3655-3863ARの期間を扱っている。

この期間にダヴォールによる初の転移が行われ、まずは数百人の捕虜を獲得することに成功する。その後、報告のあったファイレクシア人と同等の闇への親和性を備えたドミナリア人の真偽を確かめるべく、クローグはダヴォールを従えてベナリア/Benaliaを訪問しキャパシェン/Capashen一族に密かに接触する。これがウルザの企み(血統プロジェクト)に気付く契機となった。

ケルド人に関する報告を得たクローグは再びダヴォールを連れてケルドの調査に訪れ、ウルザの研究の亜流であるガーサ/Gathaによる実験に行き当たる。

ウルザの計画を阻止せんと、ラースによるベナリアとケルドへの襲撃が続く。

3863AR、クローグの命令の下、ラース軍はケルドとの決戦に臨む。ケルドのKreig the Witch King(妖術王クレイグ)とガーサを討ち取るものの、クローグがクレイグに重傷を負わされる。失態をファイレクシア本国に知られることを恐れたクローグはラースで治癒を行うこととする。ファイレクシアの装備なしの治癒には長い時間が必要であった。

邪魔者クローグが表舞台から消えた後、いずれかの時点(AR40世紀初め頃か)でダヴォールは遂にエヴィンカーの座に就いた。

Natural Selection

小説BloodlinesのNatural Selectionは4013-4169ARの期間を扱っている。

ラース軍はこれまでの期間で、ベナリアを中心にアヴナント/Avenantフェメレフ/Femeref、Sardniaなどを攻撃している(ケルドは既に標的でなくなっている)。

ダヴォールがエヴィンカーを名乗って120年余の4013AR頃、ダヴォールは遂にクローグに対して直接的な反抗の意志を示す。ヤヴィマヤ総攻撃の命令を撤回し、最強のインナー・サークルのメンバーをも越える速度を備えるように改良した軽量型抹殺者で脅しをかけたのだ。このクローグとの会談は予定外のことであったため反抗はその場の流れで敢行したものの成功を収め、ダヴォールは本当の意味でエヴィンカーの権力を手に入れた。ただし小説では、この件はダヴォール最初にして最大の過ちと綴られている。

ヤヴィマヤの手の内を探るため転移による攻撃を仕掛ける。ダヴォールはサルタリーの妨害やヤヴィマヤの性質に阻まれた上に、ロフェロス/Rofellosの活躍もあって部隊を一時撤退させる。

ラース軍の攻撃でキャパシェン一族は壊滅的打撃を受ける。

ウルザは抹殺者の痕跡を追ってラースに到着し、サルタリーのライナ/Lynaから接触を受けラースの情報を得る。

4169AR、完治したクローグは更に自身の機能をヴァージョンアップさせており、ダヴォールの抹殺者を倒して行方をくらます。その後、要塞/Strongholdの地下では過負荷と老朽化で装置が事故を起こし、奴隷の統制は乱れるなど大混乱が発生する。この危機に当たってダヴォールは装置の崩落に巻き込まれ重傷を負う。強化された身体はダヴォールの命を繋ぎ止めはしたが、動くこともできずに苦痛に呻いていると、不幸なことに、混乱が収まるや救助よりも先にクローグが現れる。クローグはダヴォールのスカルキャップからラースやウルザ抹殺に関する全データを吸い出すと、抜け殻になったダヴォールを死ぬに任せてそのまま放置したのだった。

Nemesis

4205AR、小説Nemesisではクロウヴァクス/Crovaxはエヴィンカー候補としてファイレクシアに改造され、その時にエヴィンカーのデータを移植されている。また、ベルベイ/Belbeがファイレクシアから搬入した流動石の増産装置のお陰もあってか、転移装置は完全に機能を発揮してラースの次元被覆が完遂される。これらのことから、クローグが奪い去ったダヴォールの知識は後のエヴィンカーへと受け継がれたほか、ラースの完成にもフィードバックが生かされたのは間違いない。

登場

登場カード

フレイバー・テキストに登場

ウルザズ・デスティニー
漸減/Attrition魂のカーニバル/Carnival of Souls夜のチャイム/Chime of Night侵食/Encroach貪欲なるネズミ/Ravenous Rats走り回る怪物/Skittering Horrorこそこそ歩くスカージ/Slinking Skirge魂の饗宴/Soul Feast

イラストに登場

ウルザズ・デスティニー
魂のカーニバル/Carnival of Souls夜のチャイム/Chime of Night侵食/Encroach魂の饗宴/Soul Feast
スターター
魂の饗宴/Soul Feast

登場作品

訳語

「Davvol's Troops」は魂のカーニバル/Carnival of Soulsのフレイバー・テキストで「Troops」を「軍勢」と訳していることから「ダヴォールの軍勢」とした。

抹殺者に装備された「cannon」つまり「sonic blast」はウルザズ・デスティニー公式ハンドブックファイレクシアの解剖/Phyrexian Autopsyで「ソニック砲」と訳されている。

参考

MOBILE