精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
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伝説のプレインズウォーカー — ジェイス(Jace)
[+2]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーの一番上のカードを見る。あなたはそのカードを、そのプレイヤーのライブラリーの一番下に置いてもよい。
[0]:カードを3枚引く。その後、あなたの手札のカード2枚をあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
[-1]:クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
[-12]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからすべてのカードを追放する。その後、そのプレイヤーは自分の手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。
ワールドウェイクで再登場したジェイス。能力はライブラリー操作、ドロー、バウンス、ライブラリー破壊。
忠誠度能力を4つ持つ初のプレインズウォーカーであり、忠誠度±0の忠誠度能力も史上初である。
強力な能力を複数備え、高い汎用性を持つ類稀なるパワーカード。あらゆるフォーマットで使われる、ワールドウェイクのトップレアである。
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解説
ハンド・アドバンテージとボードコントロールの両面に優れ、かつフィニッシャーにもなれるプレインズウォーカー。盤面が不利であれば、2つ目の能力で反撃の手を探したり、3つ目の能力で時間を稼いだりできる。盤面が有利であれば、1つ目の能力で対戦相手の反撃の芽を潰しつつ、4番目の能力によるゲームエンドに繋げられる。
- +2能力
- 占術1か消術1。ただ使うだけでも潜在的なアドバンテージを得つつ忠誠度を上げられるが、対戦相手を対象に連打し、火力などの自身に対する除去を弾き続けたり、コントロールを確立した後にトップデッキを阻害して緩いロックを生み出したりできるのが大きい。手札と戦場の状況によっては、これが回りだした段階で相手はほぼ詰みである。
- 自分に使えば、ライブラリーの一番上の不要な土地を弾くなどしてドローの質を高める事ができるが、この場合は2つ目の能力との選択になる。忠誠度が上がる点が大きな差別点であろう。
- ±0能力
- 渦まく知識/Brainstorm。忠誠度能力の特性上インスタント・タイミングという強みは失われたが、毎ターン何のリソースの消費もなしに手札を補充できるのは実に強力。このカードの中核的な能力である。この手の能力の問題である「ライブラリーの一番上に不要カードが溜まる」点も、次のターンに1つ目の能力を使うことで時間はかかるものの自己解決できる。ゼンディカーのフェッチランドなど、各種シャッフル手段との相性も良好。
- 単なる手札の増強、有効牌を手に入れる手段としても強力なのに加え、様々なシナジーがある。
- 手札に来てしまったサーチ対象をライブラリーに戻すことができる。徴兵バントにおけるエルドラージの徴兵/Eldrazi Conscriptionや青白コントロールにおける戦隊の鷹/Squadron Hawkなど。
- ライブラリートップを参照するカードとの組み合わせ。同エキスパンションの宝物探し/Treasure Huntやゼンディカーのムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Dayaは圧倒的なアドバンテージを稼いでくれる。輝く根本原理/Brilliant Ultimatumなどのための積み込みにも使える。
- -1能力
- 送還/Unsummon。他の能力と多少噛み合わないが、戦場に直接干渉できる能力は、あるとないでは大分違う。致命的なクリーチャーを一時的にでも排除できる他、アタッカーからジェイス自身や他のプレインズウォーカーを守ることができる。
- 自身のコントロールするクリーチャーを戻し、CIP能力を何度も利用するといった使い方もできる。霧縛りの徒党/Mistbind Cliqueなどが良い相方。なお、ただのキャントリップ持ちでは2つ目の能力に劣ることに注意。
- -12能力
- ローウィン版ジェイス同様のライブラリー破壊。簡単に言えば対象のプレイヤーの手札がライブラリーになってしまうというもの。起動コストはかなり重く、基本的に1つ目の能力を連打した後にしか起動できない。だがその状態ではほとんどコントロールを確立できていることが多く、対戦相手は数ターンでライブラリーアウトを起こして倒れるであろう。起動すれば勝利と言っても過言ではない能力である。
利用
ブロック構築からエターナルに至るまで、青系コントロールデッキを中心に高い採用率を誇る。
ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築
下記のスタンダード同様、青白コントロール、青赤緑ターボランドの重要なパーツである。
スタンダード
アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
スタンダードで割と冷遇な状態にあった青の復権を大きく支え、ジャンド一強体制を揺るがした張本人である。青白タップアウトコントロールはもちろん、ビートダウンであるバントでも他のプレインズウォーカーと共に使われていた。
ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
万能パーマネント対策である忘却の輪/Oblivion Ring、大渦の脈動/Maelstrom Pulse、真髄の針/Pithing Needleが揃って落ちてしまったため、前環境より対処されにくくなっている。青白・青黒コントロールのミラーマッチでの鍵を握るカードと言え、ジェイスの打ち消し、対消滅を巡るゲームになることも多い。そのためこのカードの4枚積みに加えてメインデッキからジェイス・ベレレン/Jace Belerenまで採用されることも。
またムル・ダヤの巫女との相性から、青緑系のターボランドデッキでも使われる。
エクステンデッド
環境の上位である残酷コントロールと青黒フェアリーにかなりの率で採用されているため、その出現頻度は高い。オーメン・ヴァラクート(主にサイドボード)など、青を含む他のデッキでもしばしば使われる。
レガシー
メタが多様な環境であるため、他の環境ほど支配的な地位ではないが、Team Americaなどの青が入るコントロール、クロック・パーミッションにはよく採用されており、環境の一角として存在感を示している。
ヴィンテージ
4マナの重さに加え長期戦向けの性能でありながら、ヴィンテージでも使われる。クリーチャーや火力の少ない環境であるため生き残りやすく、一方的に手札を補充し続け相手をジリ貧に追い込むことができるのは強力。Tezzeret's Vaultにおいて、求道者テゼレット/Tezzeret the Seekerより優先して採用されることが多く、このチューンを施したデッキがヴィンテージ選手権10優勝・準優勝を占めた。世界選手権10併催の日本ヴィンテージ選手権でもベスト8中6つのデッキで使われるなど、大きな結果を残している。
リミテッド
リミテッドにおいても1枚でゲームを制する力があるので極めて強力である。
その他
- ワールドウェイクの特別先行プレビュー企画『Worldwake Planeswalker Chase』に使われたカード。世界8箇所に断片を分布する企画だった。日本でもアメニティドリーム新宿店に配布された。
- 「もの」が漢字かひらがなかの違いこそあるものの、日本語名の一部が精神を刻むもの/Mindslicerと同じ。だが、英語のslicerが切り刻むものという意味なのに対して、Sculptorは彫刻家という意味である。単にバラバラに破壊するのではなく、望む形に彫刻してしまうという点がプレインズウォーカーの強大さを表している。
- 中村修平曰く「恐らく頭蓋骨絞め/Skullclamp以来のぶっ壊れカード[1]」。
関連カード
サイクル
ゼンディカー・ブロックのプレインズウォーカーのメガサイクル。ブロック全体を通して各色に1人ずつ収録された。
- ギデオン・ジュラ/Gideon Jura
- 精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
- ソリン・マルコフ/Sorin Markov
- 燃え立つチャンドラ/Chandra Ablaze
- ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane
その他、黒赤のプレインズウォーカーとして狂乱のサルカン/Sarkhan the Madが存在している。