フェアリーの荒らし屋/Faerie Vandal
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瞬速と飛行に加え、各ターンで2枚目のカードを引くたびに成長するフェアリー・ならず者。
初期サイズが同じ・ドローで+1/+1カウンターを置く誘発型能力を持つ夢吸いイカ/Oneirophageと比較すると、2マナと軽くなり、瞬速を得た代わりに誘発条件が厳しくなった形。初期段階でもマナレシオは悪くなく、一回でも誘発すれば青にしては良好なマナレシオにまで成長してくれる。瞬速によってコンバット・トリックとしても活用でき、更にインスタント・タイミングでの複数ドローを組み合わせれば討ち取れる範囲が広がる。
一方で弱点としては1ターンに最大でも一回りずつしか大きくなれないことが挙げられる。かといってこれの能力の誘発のためにドローカードを多く採用するとクリーチャーの比率が減りがちで、除去耐性も高くないこれへの依存度を上げてしまうことになる。除去が比較的薄くフライヤーの価値が高いリミテッドではこれらの弱点が緩和され、エルドレインの王権環境では特に「ターン中2枚目のドロー」シナジーを活用する青赤系デッキに参入する指針となるほど強力なアンコモンである。ニューカペナの街角では謀議と相性が良く常夜会一家/The Obscuraの3色の中で組めば順当な強化が望める。
エルドレインの王権登場時のスタンダードでは同じ色とマナ域の瞬速持ちとして、塩水生まれの殺し屋/Brineborn Cutthroatがライバルとなる。回避能力を持つ点では勝るが、成長させやすさでは向こうに分があり、同時に採用しようとするとそれぞれの誘発条件が微妙に噛み合わない(例えば選択/Opt1枚ではどちらか一方しか成長させられない)ことなどから後塵を拝する形となっている。また「ターン中2枚目のドロー」シナジーを重視したデッキでは胸躍る可能性/Thrill of Possibilityや王家の跡継ぎ/The Royal Scionsなどの存在もあって青赤で組まれることが多く、そうなるとより強力な誘発型能力を持つアイレンクラッグの紅蓮術師/Irencrag Pyromancerや型破りな協力/Improbable Allianceが優先されがちで、結果として今のところ目立った構築実績は挙げられていない。