追放
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追放(ついほう)/Exileは、
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キーワード処理の定義
[オブジェクト]を追放するとは、その[オブジェクト]を現在ある領域から追放領域に移動させることを意味する。
エンチャント
忘却の輪が戦場に出たとき、他の土地でないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
忘却の輪が戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
追放領域に移動されたカードは、追放されたカード/Exiled cardと表現される。
解説
マジックにおける「捨て札置き場」は墓地であるが、しかしリアニメイトなどのように墓地を利用するカードの存在から、墓地に置かれたカードは必ずしもゲームから隔離された状態にはなっていない。ゲームから隔離された状態を表現するのには、追放領域が用いられる。
以下の3種類に大別される。
- 一定条件を満たして戻ってくるまでの「仮置き場」として使用するもの(例:続唱、明滅、ナイトメア能力)
- 一時的に追放する効果は、様々なカードでフレイバーに関係なく使われる。
- パーマネントが追放され、1ターン以内など比較的すぐ戦場に戻ってくるものは特に明滅と呼ばれる。
- あるパーマネントが戦場にいる間だけ別のパーマネントなどを追放する類の能力はナイトメア能力、放逐する僧侶/Banisher Priest、払拭の光/Banishing Lightなどのページを参照。
- 衝動的ドローのように、カードを追放してそれを追放領域から唱えることを許可するという能力も存在する。
- 完全に隔離するもの(例:流刑への道/Path to Exile、安らかなる眠り/Rest in Peace)
- 追放領域にあるカードを参照するカードは非常に限られており、何らかの戻す効果が含まれていなければ、基本的にそのゲームの間で使うことはできない。そのため、戻す手段を持たずに対戦相手のパーマネントを追放する効果は、破壊よりも強力な除去とされる。
- イメージは「戦闘意志の喪失」「別世界への放逐」「存在自体の抹消」など。
- また、ライブラリーや手札や墓地からカードを追放することがコストとして要求されることがある。回収のしづらさから、しばしば無限コンボの成立を防ぐのに役立つ。
- 任意のカードを墓地から戦場や手札に戻すようなカード、追加のターンを得るカードは、繰り返し使い回すことによる悪用を防ぐため、自身を追放する効果が含まれていることが多い(例:再供給/Restock、時間の熟達/Temporal Mastery)。そのほかフラッシュバックのように、カード自身が使用済みであることを表すために追放することも。
追放を含む効果は5色全てで見られるが、パーマネントの追放は直接の殺傷を嫌う白に最も多く、自然のサイクルから外れることを嫌う緑で最も少ない。墓地のカードの追放は死者の冒涜を厭わない黒が得意であり、墓地対策や自分の墓地をリソースにする呪文が頻繁に登場する。赤は「墓地に残らないほど焼き尽くす」といったフレイバーでクリーチャーを死亡時に追放できるほか、衝動的ドローも行う。
ルール
- パーマネントを「追放する」のは破壊ではないので、再生で防ぐことはできず、破壊不能を持つクリーチャーも追放される。
- 同様に、数は少ないがスタック上の呪文を「追放する」効果もあり(例:アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling、時間停止/Time Stop、精神壊しの罠/Mindbreak Trap)、これは打ち消すこととは別なので、打ち消されない呪文も追放される。「打ち消して、それを墓地に置く代わりに追放する」(例:雲散霧消/Dissipate、遅延/Delay)とは別なので注意。
- 追放されるカードは、指示が無い限り表向きであり、すべてのプレイヤーに公開されている。裏向きのオブジェクトが追放された場合も表向きになる。
- 裏向きで追放されたカード(例:ネクロポーテンス/Necropotence)は、説明によって許可されていない限り、どのプレイヤーも見ることはできない。ただし、何らかの効果によって見ることを許可されたプレイヤーは、その効果が終了した後も見ることができる。
- カードを追放する能力と、「その追放されたカード」や「〜によって追放されたカード」を参照する能力が書かれているオブジェクトにおいて、その2つの能力は関連している能力である。その2番目の能力は、1番目の能力によって追放されたカードのみを参照する。詳細は関連している能力を参照。
- 追放領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、領域を移動したものと同じように新しいオブジェクトになる。
- 虚空の力線/Leyline of the Voidが戦場にある状態で、虚空の大口/Void Mawの能力を起動した場合などにこのような状況が起こる。この場合、そのカードは追放領域から追放されることになるため、「虚空の大口によって追放されたカード」ではなくなり、再びコストとして使うことはできなくなる。
- 追放領域も領域であるため、追放されたカードもマイコシンスの格子/Mycosynth Latticeなどによる効果を受ける。
ゲームから取り除く・ゲーム外領域
キーワード処理の追放は、過去には「ゲームから取り除く/Remove from the game」(キーワード処理ではない)と呼ばれ、追放領域は、過去には「ゲーム外/Removed from the game」領域と呼ばれていた。「ゲームから取り除く」「脇に置く」と書かれていたカードは、基本セット2010発売に伴う2009年7月11日のオラクル更新で「追放する」に変更されている。
「ゲームから取り除く」という表記は、ゲーム外領域から戻るカードが増え、また願いの登場によって能動的にゲーム外のカードを持って来られるようになったこともあってあまりふさわしくないものとなり、また、「場」と同様「ゲーム外」にも「ライブラリー」や「墓地」といった他の領域とイメージが異なり格好悪いという問題もあった。これらの問題を解決するため、基本セット2010の大規模なルール改正によって、他の領域の雰囲気に合わせた追放へと変更された。(→Magic 2010 Rules Changes参照)
- この変更によって、変更前は「Remove from the game」と英語で4単語も費やしていた用語が「Exile」の1単語で済むようになった。
- ゲーム外領域から追放領域になって変わったのは名前だけではない。ゲーム外領域はゲームの外部の一部であったが、追放領域はゲームの内部であるという違いが存在する。これにより、願いなど一部のカードの挙動が大きく変わった。例えばフラッシュバックを使ってしまったインスタント呪文を狡猾な願い/Cunning Wishで引き戻してまた2度使うなどのプレイングが不可能になった。
追放領域にあるカードを参照するカード
どの方法で追放されたカードも参照できるカードの一覧。
- 永遠からの引き抜き/Pull from Eternity - 追放されている表向きのカード1枚を墓地に置く。(時のらせん)
- センギアの吸血魔/Sengir Nosferatu - 追放されている《センギアの吸血魔/Sengir Nosferatu》という名前のカードを戦場に戻す能力を持つコウモリ・トークンを生成する。(時のらせん)
- 裂け目掃き/Riftsweeper - 追放されている表向きのカード1枚をライブラリーに戻す。(未来予知)
- 命運の鏡/Mirror of Fate - 自分のライブラリーを、最大7枚の追放されている表向きのカードのみにする。(基本セット2010)
- ルーンの反復/Runic Repetition - 自分がオーナーの追放されているフラッシュバックを持つカード1枚を手札に加える。(イニストラード)
- 霧虚ろのグリフィン/Misthollow Griffin - 表向きで追放されているこれ自身を唱えることができる。(アヴァシンの帰還)
- 永遠の災い魔/Eternal Scourge - 同上。(異界月)
- 不死身、スクイー/Squee, the Immortal - 同上。(ドミナリア)
- 彼方の管理人/Warden of the Beyond - 対戦相手がオーナーのカードが追放されている場合、自身に修整を与える。(基本セット2015)
- 奔流の精霊/Torrent Elemental - 表向きで追放されているこれ自身を起動型能力により戦場に戻すことができる。(タルキール龍紀伝)
- 忘却蒔き/Oblivion Sower - 対戦相手がオーナーである任意の枚数の土地を追放領域から自分のコントロール下で戦場に出す。(戦乱のゼンディカー)
- 昇華者 - クリーチャー・タイプ。対戦相手がオーナーであるカードを追放領域から墓地に置くことを条件にした能力を持つカード群。(戦乱のゼンディカー)
- 昇華者の突撃/Processor Assault - 追加コストとして昇華者と同じ条件を満たす必要があるソーサリー。(戦乱のゼンディカー)
- 久遠の闇からの誘引/Coax from the Blind Eternities - 自分がオーナーの追放領域またはゲームの外部にあるエルドラージ・カード1枚を手札に加える。(異界月)
- イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy - 自分の墓地・追放領域にあるソーサリーおよびインスタントを数える能力を持つ。(ラヴニカのギルド)
- 標の稲妻/Beacon Bolt - 同上。(ラヴニカのギルド)
- 弾けるドレイク/Crackling Drake - 同上。(ラヴニカのギルド)
- うねる曲線/Serpentine Curve - 同上。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 嵐の捕縛/Seize the Storm - ほぼ同上だが、追放領域にあるものはフラッシュバック持ちしか数えない。(イニストラード:真夜中の狩り)
- オルゾフの簒奪者、ケイヤ/Kaya, Orzhov Usurper - 追放領域にある対戦相手がオーナーであるカードの枚数に応じたドレインを行う忠誠度能力を持つ。(ラヴニカの献身)
- 大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator - 自分がオーナーの追放領域またはゲームの外部にあるアーティファクト・カード1枚を手札に加える忠誠度能力を持つ。(灯争大戦)
- 記憶盗み/Memory Theft - 追放領域にある対象の対戦相手がオーナーの当事者カードを1枚墓地に置くことができる。(エルドレインの王権)
- 悪夢の詩神、アショク/Ashiok, Nightmare Muse - 追放領域にある対戦相手がオーナーの表向きカードを最大3枚選び、マナ・コストを支払わずに唱えられる忠誠度能力を持つ。(テーロス還魂記)
- 情け無用のケイヤ/Kaya the Inexorable - 「自分のアップキープの開始時に自分がオーナーの墓地、手札、追放領域にある伝説の呪文をマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。」を持つ紋章を得る忠誠度能力を持つ。(カルドハイム)
- 暴走魔法のソーサラー/Wild-Magic Sorcerer - 自分が各ターン最初に追放領域から呪文を唱えるたび、それに続唱を持たせる。(フォーゴトン・レルム探訪統率者デッキ)
- 秘本に縛られし者、プロスパー/Prosper, Tome-Bound - 自分が追放領域からカードをプレイするたび宝物・トークンを生成する。(フォーゴトン・レルム探訪統率者デッキ)
- 戦慄光の大怪物/Dreadlight Monstrosity - 追放領域に自分がオーナーであるカードがある時のみ起動できる能力を持つ。(イニストラード:真紅の契り)
- 恐怖の顕現、ウンブリス/Umbris, Fear Manifest - 追放領域にある対戦相手がオーナーであるカードの枚数だけ修整を受ける。(イニストラード:真紅の契り統率者デッキ)
- 祝いの神/Kami of Celebration - 自分が追放領域から呪文を唱えるたび+1/+1カウンターを置く。(神河:輝ける世界統率者デッキ)
その他
- 以前は、カードが追放領域を参照する場合は基本的に「追放された[オブジェクト]」「追放されている[オブジェクト]」と書かれており、「追放(ゲーム外)領域」という記載があるカードは例外的であった。しかし現在では増えてきており、反復(注釈文)や昇華者など、「追放領域」という記述を伴うカード群も登場している。
- 「追放する」と「消滅する」は異なる。「追放する」とは「オブジェクトを追放領域に移動させる」ことであるが、トークンなどが「消滅する」場合、それは単純にどの領域にも存在しなくなる。
- 過去の英語の表記からリムーブと呼ばれることも多い。ただし、他の用法でも使われる用語なので注意。その他の用法についてはリムーブを参照。
- 前述したように、追放領域に置かれたカードに干渉できるカードは非常に少ない。Mark Rosewaterはその理由を「マジックには、確実に戻ってこられないようにする方法が必要なのだ。追放領域にあるカードを戻す方法を作れば作るほど、追放領域は第2の墓地にすぎなくなってしまう」と説明している。[1]
参考
- ↑ アヴァシングル・レディー その3(Making Magic 2012年5月7日)
- ↑ 戦乱に向けて その2(Making Magic 2015年9月14日)
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
引用:総合ルール 20231117.0
- 4 領域
- 406 追放
- 406.1 追放 領域はオブジェクトを保持する領域である。オブジェクトを戻る手段を持たずに追放する呪文や能力もあれば、オブジェクトを一時的にだけ追放する呪文や能力もある。
- 406.2 オブジェクトを追放するとは、そのオブジェクトが現在存在する領域から追放 領域に動かすことである。追放されたカードとは、追放 領域に動かされたカードのことである。
- 406.3 追放されたカードは通常オモテ向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きで追放されている/exiled face down」カードは、説明によって許可されていない限り、いずれのプレイヤーによっても見ることはできない。ただし、プレイヤーがカードを見てから裏向きで追放すると指示されていた場合や裏向きで追放されているカードを見ることができることになった場合、そのカードが追放 領域を離れるかまたはそのカードが切り直されたカードの束の一部になるまで、見ることができるとする効果が終わったあとでも見ることができる。
- 406.4 追放 領域にある裏向きのカードは、いつどのように追放されたかによって別々の束に置かれるべきである。プレイヤーが追放されているカードを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーは、カードのオモテを見ることができる場合にのみ特定の裏向きのカードを選ぶことができる。そうでなければ、裏向きで追放されているカードの束1つを選び、その束から無作為にカード1枚を選ぶことになる。こうしてカードを選ぶことが呪文を唱えることや能力を起動することの一部だった場合、その選ばれたカードはそのコストが支払い終わるまで公開されない(rule 601.2i 参照)。
- 406.5 追放されたカードで、戦場やそのほかの領域に戻る可能性のあるものは、その戻る方法が解るように、別々の束にして置かれるべきである。追放されたカードで、それ自身の能力(憑依など)や追放したカードの能力によってゲームに影響を及ぼしうるものも、同様に別々の束にして置かれるべきである。
- 406.6 カードを追放する能力と、「追放されているカード/exiled card」あるいは「[[[オブジェクト]]]によって追放されているカード/cards exiled with [this object]」を参照する別の能力とが書かれているオブジェクトが存在する。これらの能力は関連しているものであり、この2つ目の能力は、その1つ目の能力によって追放されているカードだけを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
- 406.7 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクト になる。
- 406.8 かつて、追放 領域は「ゲーム外/Removed-from-the-game」領域と呼ばれていた。カードに「[[[オブジェクト]]を]ゲームから取り除く/removes [an object] from the game」というように書かれている場合、そのオブジェクトを追放する。「[[[オブジェクト]]を]脇に置く/sets [an object] aside」も同じである。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
- 406 追放