陽焼けした砂漠/Sunscorched Desert
提供:MTG Wiki
土地 — 砂漠(Desert)
陽焼けした砂漠が戦場に出たとき、プレイヤー1人かプレインズウォーカー1体を対象とする。これはそれに1点のダメージを与える。
(T):(◇)を加える。
ETB能力でプレイヤーに1点ダメージを飛ばす砂漠。ピラニアの湿地/Piranha Marshの無色マナ版といったところ。
ライフロスでなく本体火力になっているという違いはあるが、もとより土地を発生源とするダメージに対処できる実用的な手段は限られるため、ダメージソースとしての信頼性はほぼ同じと見てよい。特にこれはアンタップインであるため、テンポを失う事なくライフを詰めていけるのはアグレッシブなデッキにとってより噛み合うものとなっている。
もっとも、色マナを出せないデメリットに比べれば些細な見返りであり、手放しに採用できるわけでないという点は相変わらず。特に多色デッキで使うのはためらわれる。荒地/Wastesと比較した場合も、基本土地ではないため進化する未開地/Evolving Wildsや地勢/Lay of the Land系統のカードでサーチできない、残された廃墟/Ruin in Their Wakeなどと相互作用を持たないという欠点を考慮する必要がある。そもそもこれに限らず無色マナ土地はアンタップインが多く、より影響の強い効果を持つものは枚挙に暇がないため、競合相手や相性のよいカードの有無など、活躍できるかはこれを採用するに足るほど前のめりな単色ビートダウンが組めるかも含めて、環境のカードプールに大きく依存する。
実際、登場時のスタンダードでは無色にフォーカスしたデッキが既にメタの一線から退潮していた事もあり、環境初期にこれを搭載したエルドラージアグロや赤単色のビートダウンが稀に見られるといった程度の活躍に留まった。転機が訪れたのは直後のセットである破滅の刻参入後、土地タイプと方向性の面で非常に噛み合ったラムナプの遺跡/Ramunap Ruinsが登場した事でラムナプ・レッドが成立し、メインデッキにほぼ4枚積みされた。これ一枚から3点ダメージ、ラムナプの遺跡を併せれば合計5点ダメージと、初期ライフの4分の1以上を削れるマナ基盤として、その隆盛を縁の下で支えた。
イクサランの相克期にラムナプの遺跡は禁止カードに指定されたが、後継となる赤単アグロでそのまま2~3枚が使われ続けた。ただし、以前のような決定力が失われたため、ささやかながらもボードコントロール力を持った絡みつく砂丘/Grasping Dunesがこの枠に取って代わることも多くなり、確定的なスロットではなくなった。
ドミナリア参入後は、ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirlerの登場でまたも事情が変化。強い色拘束を抱えながらも早々にフル投入が一般的な構成となった結果、鎖回しを確実にプレイするために赤単色デッキでも赤マナの安定供給が重要視されるようになり、山のみ(タッチ黒の場合は竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit・泥濘の峡谷/Canyon Sloughとの混合)で組み上げた土地構成がメジャーになった事、僅かに取られる無色の基本でない土地の枠も有事に高い効果を発揮する屍肉あさりの地/Scavenger Groundsが優先された事で需要が激減。事実上、ローテーション前にスタンダードでの役割を終えた。
収録期間を通じて周辺カードの動向に振り回された感は否めないが、相方に恵まれた事で半年に渡りトップメタの一員としてメタゲームを席巻するなど、カードパワーの低さに反して大きな輝きを見せたと言えるだろう。
- アンタップインであるため、ピラニアの湿地よりはもう少しコンボのルートが増える。例えば何らかの手段(領域大工/Realmwrightや虹色の前兆/Prismatic Omenや彩色の灯籠/Chromatic Lanternなど)で白マナを出せるようにしてやれば、廃墟の幽霊/Ruin Ghostと珊瑚兜への撤退/Retreat to Coralhelmで出し入れを繰り返して無限ダメージ。