ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator
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クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ホラー(Horror)
トランプル
発生源1つがファイレクシアの抹消者にダメージを与えるたび、その発生源のコントローラーはその点数に等しい数のパーマネントを生け贄に捧げる。
ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negatorのリメイク。1マナ重く、色拘束もきつくなったが、なんとその代わりにデメリット能力がメリット能力に置き換わっている。
かつてファイレクシアの抹殺者のデメリットが「生け贄に捧げてもよい」と勘違いされていた事があったが、それが強化されて実現されてしまった。
言うまでも無く、4マナでパワー5のメリット能力持ちクリーチャーは強力である。
しかし、このカードを語る上で本当に必要なことは、「このカードが強いかどうか」ではなく、「このカードがどんなデッキに入るか」である。
その厳しい色拘束から生み出される問題は大きい。
まず当時と違い、暗黒の儀式/Dark Ritualという、最大のパートナーがいない。 暗黒の儀式が無い状況で、黒マナを4つ出すということは決して楽ではない。 単色デッキでも無い限り、黒マナが4つ出る頃には、実質土地が5つか6つ、並んでいるのではないだろうか。 そうなると4マナという軽さのメリットは無くなってしまう。 今までもカードに書いてある効果は強いものの、色が合わずに入らないというカードは多かった。
それでは直接場に出すといった、他の方法、リアニメイト等も考えられるが、そういったクリーチャーには除去耐性が求められる。 このカードの場合、ダメージには強いが、逆にそれ以外に対しては無力である。 白にはリムーブと全体除去、青にはバウンスと打ち消し、黒には破壊とマイナス修正がある。 赤や緑相手であれば多少は除去されづらいが、それでもアンタッチャブル能力を持っていないこいつに除去耐性を求めることは難しい。
そして最大の欠点は、仮に相手にブロッカーがいないとすれば、これは単なる「色拘束のきついパワー5のクリーチャー」に成り下がってしまうという点である。 4マナでパワーが5のクリーチャーが出る事は近年では珍しくなく、例として喧騒の貧霊/Rumbling Slum、呪文砕きのビヒモス/Spellbreaker Behemoth 、茸の番人/Mycoid Shepherd などがいた。 それらのクリーチャーがトーナメントで使われることが極めて少なかった事を考慮すると、ファイレクシアの抹消者もそれ単体で活躍することは難しいだろう。
「黒単色、もしくはそれに準ずるデッキで、かつ、ビートダウン寄りのデッキが存在できる環境」でも無い限り、このカードがデッキに入ることはない。 そして、暗黒の儀式が無い今、そのような都合の良い環境が訪れる事はありえず、結果的にこのカードも環境に殺され、現状では日の目を見ることは無いであろう。
- ダメージの発生源をコントロールするのが自分ならば、生け贄に捧げるのも自分になる。地震/Earthquakeなどを使う場合には注意。
- 最下層民/Pariahをつけると、相手のクリーチャーの攻撃はピタリと止まるだろう。
参考
- ファイレクシア/Phyrexia(背景世界/ストーリー用語)
- カード個別評価:新たなるファイレクシア / ファイレクシア陣営 - 神話レア