ありふれた理由/Common Cause
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一見すると旗印/Coat of Armsの色参照版にも見えるがそうではない。戦場のすべてのクリーチャー(アーティファクト・クリーチャーを除く)が共通の色を持っているときにのみ修整を与えるエンチャント。
自分のクリーチャーの色をそろえるのはデッキ構築段階で意識すればそう難しくない。しかし、対戦相手のクリーチャーの色も一致する必要があり、しかも対戦相手のクリーチャーにまで修整を与えるのはかなり厳しい。対戦相手がクリーチャーを1体もコントロールしていない、もしくはアーティファクト・クリーチャーしかコントロールしていなければ問題ないが、さすがにそのような状況だけを想定するのは無理があるだろう。しかも同時期に栄光の頌歌/Glorious Anthemと十字軍/Crusadeが同時に存在していたため、見向きもされなかった。
- クリーチャーが1体しか存在しなければ条件は満たされる。全体除去などで流した後に適当なクリーチャーを出して条件を満たすのも選択肢の一つだが、それは対戦相手にも同じことが言える。自軍のクリーチャーがいない状態にしたせいで、相手のクリーチャーが強化されてしまったなんてことが無いように注意。
- 無色クリーチャーは色を持たない(=共通の色を持ち得ない)ため、(アーティファクト・クリーチャーである場合を除き)それが戦場にいる限り条件を満たさない。戦場に無色クリーチャーしかいなかったとしても同様である。
- 発売された当時は有色アーティファクトの概念がなかったためかアーティファクト・クリーチャーは条件の参照先にも修正の対象にもならない。そのため共通した色を持っていないアーティファクト・クリーチャーが居ようとも、そうでないクリーチャーが共通の色を持つ限りは条件を満たすし、仮にアーティファクト・クリーチャーが共通の色を持っていようとも修正はされない。
- カスレアの評価もやむなしなカードパワーの低さだが、Ben Bleiweissが2004年に発表したワーストランキングでは圏外だった。しかしこれは単に見過ごされていただけのようで、2022年3月に発表したワーストランキングではきっちり(?)23位にランクインしてしまっている。
- フレーバー・テキストもなかなか皮肉が効いている。「戦うべき敵がいない=対戦相手がコントロールするクリーチャーがいない」と読み解けば、このカードが一番パフォーマンスを発揮する状況を現している。同時にこのカードのオラクルが『あなたのコントロールするクリーチャーは……』という一文が抜けている誤植やエラーカードの類ではない証左でもある。
メルカディア市の軍隊は、戦うべき敵がいないときが一番いい状態なんだ。