ドローエンジン
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ドローエンジンとは、ドローソースのうち、使い捨てではなく何度もカードを引くことができるカードやギミックの総称。
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーが対戦相手にダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。
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概要
破壊などされない限り半永久的に引き続けられるものだけを指すこともあるが、そこまでいかなくても繰り返しハンド・アドバンテージを得られるカードやギミックであればドローエンジンと呼ばれる場合が多い。手札こそ増えないが、ドローでライブラリーを掘り進めつつ不要牌を有効牌に変えられるルーターも、文脈によってはドローエンジンと呼ばれることがある。
カード・アドバンテージが重視されるマジックのゲームにおいて、繰り返しそれを得続けることが可能になるドローエンジンは言わずもがな有用性が高い。実際に、ドローエンジンの存在によって根幹が支えられているデッキも数多く存在し、例としてはネクロディスク、よりよい品物、CALなどが挙げられる。長期戦志向のコントロールデッキにおいては特に重要な要素であり、ドローエンジンを巡る攻防がそのまま勝敗に直結することもしばしば。
一方で、「比較的重く、十分なリターンを得られるまでターンやリソースがかかる」というのは大きな弱点。使い捨てだが軽くて即効性のある単発型ドローソースとは対照的であり、デッキやメタゲームに合わせて併用ないし使い分けられることが多い。
色ごとの特徴があり、ドローを苦手とする白と赤にはほとんど存在しなかったが、色の役割の変遷に伴い(特に統率者戦の流行により多人数戦に適したドローへの要望が高まったこともあり)少しずつ登場してきている。これからやや外れたものとして、特定のメカニズムをプレイする見返りとしてドローを提供するカードも各色で見られる(上陸に対するヴァラクートの探検/Valakut Explorationや出来事に対するエッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeperなど)。
色ごとの特徴
- 白 - 対応力が高い代わりにドローを制限されている色であるため、他の色と比べても数が少ない。デザイン上の方針としては、特定の状況を整えた場合の見返りとして1ターンに1枚ずつ引くことが許されている[1](婚礼の発表/Wedding Announcementなど)。あるいは白が得意とするアーキタイプを奨励するものとして、装備品やオーラなど特定のサブタイプに関連するもの(コーの精霊の踊り手/Kor Spiritdancer、上級建設官、スラム/Sram, Senior Edificerなど)、小型クリーチャーに関連するもの(弱者の師/Mentor of the Meekなど)がある。また対戦相手の特定の動きに反応する「徴税」型(エスパーの歩哨/Esper Sentinelなど)がある。
- 青 - ドローを最も得意とする色であり、起動コストやマナ・コストにいくらかのマナを必要とする事が多いが、デメリットや癖が最も少ない(蒼穹の魔道士/Azure Mage、風見の本殿/Honden of Seeing Winds、ミューズの囁き/Whispers of the Museなど)。クリーチャーのサボタージュ能力としても豊富(知恵の蛇/Ophidian、好奇心/Curiosityなど)。
- 黒 - ライフや生け贄といったリソースを要求し、かつ支払いを拒否できないスーサイドなものが多い(ネクロポーテンス/Necropotence、闇の腹心/Dark Confidant、冥府への貢ぎ物/Infernal Tributeなど)。クリーチャーの死亡などを参照して引くものもある(闇の予言/Dark Prophecy、病的な日和見主義者/Morbid Opportunistなど)。
- 赤 - 白と同じくカードを引くのが苦手な色であるため、使える期間に限りがある(衝動的ドロー)、もしくは既存の手札を一度失う(強欲なドラゴン/Avaricious Dragon、精神の骨折り/Mindmoilなど)といったリスクを伴う。赤の持つ気まぐれさ・短気さを表している。
- 緑 - 巨大クリーチャーに関連したものが多く(よりよい品物/Greater Good、カヴーの巣/Kavu Lairなど)、またランプ戦略に長けた色として、マナ総量が大きい呪文に応じたドローも許されている[2](ワイアウッドの呼び手、ギランラ/Gilanra, Caller of Wirewood、豆の木をのぼれ/Up the Beanstalkなど)。
- 無色 - 有色のものに比べて各種コストが重く設定されていることが多い(ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome、ニンの杖/Staff of Ninなど)。軽いものは対戦相手にも引かせてしまうようなデメリットがあったり(吠えたける鉱山/Howling Mineなど)、回数制限が課せられていたりする(精神迷わせの秘本/Mazemind Tome、勢団の銀行破り/Reckoner Bankbusterなど)。
- 土地 - 古くはLibrary of Alexandriaのような規格外の性能のものが存在したが、現在では強力になりすぎない性能に抑えられている。土地のスロットに手軽に採用できることからマナ基盤としての性能は弱めになっており、ドローに関しても一癖あったり起動コストが重いものが多い(海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea、オラーズカの拱門/Arch of Orazcaなど)。
主な該当カード
- ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome - タップ能力で引く、秘本シリーズのドロー・アーティファクト群。
- 吠えたける鉱山/Howling Mine - 各プレイヤーに等しく引かせるドローエンジン群。
- 生体融合帽/Grafted Skullcap - ターン終了時に手札を捨てなければならないドローエンジン群。
- ネクロポーテンス/Necropotence - ライフを支払って起動するドローエンジン群。
- ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena - 毎ターン追加で1枚引き、1点のライフを失うドローエンジン群。
- 闇の腹心/Dark Confidant - 手札に加えたカードのマナ・コスト分ライフを失うドローエンジン群。
- 冥府への貢ぎ物/Infernal Tribute- 生け贄を捧げて起動するサクり台型ドローエンジン群。
- 繁殖力/Fecundity - クリーチャーの死亡、またはパーマネントが墓地に置かれるたび誘発するタイプのドローエンジン群。
- 垣間見る自然/Glimpse of Nature - クリーチャーが戦場に出る、または呪文を唱えるたびに誘発するタイプのドローエンジン群。
- ヴィダルケンの大魔道士/Vedalken Archmage - アーティファクトが戦場に出る、または唱えられるたびに誘発するタイプのドローエンジン群。
- 新緑の女魔術師/Verduran Enchantress - エンチャント呪文を唱える、または星座誘発タイプのドローエンジン群。
- どん欲の角笛/Horn of Greed - 上陸誘発タイプのドローエンジン群。
- ミューズの囁き/Whispers of the Muse - 繰り返し唱えられるドロー呪文形式のドローエンジン群。
- 蒼穹の魔道士/Azure Mage - マナを支払って起動して引くクリーチャー群。
- 文書管理人/Archivist - タップ能力で引くクリーチャー群。
- 書庫泥棒/Library Larcenist - 攻撃する事によって誘発して引くクリーチャー群。
- 知恵の蛇/Ophidian - サボタージュ能力によって引くクリーチャー群。
- 好奇心/Curiosity - クリーチャーにサボタージュ能力を付与する形のドローエンジン群。
- 沿岸の海賊行為/Coastal Piracy - 好奇心の全体版。
- ドラグスコルの肉裂き/Drogskol Reaver - ライフを回復する事で誘発するタイプのドローエンジン群。
- ルーター - 手札を捨てなければいけないのでプラスマイナス0でアドバンテージは得られないタイプ。
- 統治者 - 各プレイヤー間でドローエンジンの記号を奪い合うメカニズム。
- プレインズウォーカー - 手札補充の忠誠度能力を持つ類のものが該当。
主な該当ギミック
- 土地税/Land Tax+ズアーの宝珠/Zuran Orb (タックスエッジ)
- ネクロポーテンス/Necropotence+生命吸収/Drain Life(ネクロディスク)
- 覚醒/Awakening+ミューズの囁き/Whispers of the Muse (アウェイクニング)
- 森の知恵/Sylvan Library+豊穣/Abundance (カウンターオース)
- 踏査/Exploration+どん欲の角笛/Horn of Greed (ターボランド)
- 壌土からの生命/Life from the Loam+サイクリングランド (CAL,発掘サイカトグ等)
- ウッド・エルフ/Wood Elves+頭蓋骨絞め/Skullclamp(エルフ&ネイル)
- 熟考漂い/Mulldrifter+一瞬の瞬き/Momentary Blink(ブリンク)
- 永遠の証人/Eternal Witness+謎めいた命令/Cryptic Command(Eternal Command)
- ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble+夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den(ルールス・サクリファイス)
参考
- ↑ Blogatog(2024年6月9日)
- ↑ Twitter(2023年9月13日 Megan Smith)