ヒカラ/Hekara

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2021年12月2日 (木) 01:49時点におけるブラー (トーク | 投稿記録)による版
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ヒカラ/Hekaraラヴニカのギルド灯争大戦のキャラクター。カード化はされていない。

目次

解説

ラヴニカ/Ravnicaギルド/Guildの一つ、ラクドス教団/The Cult of Rakdosの一員。女性。ギルドマスター、ラクドス/Rakdosの使者を務める。

ぴっちりしたボディスーツに様々な色に染めた革のパッチを縫い合わせた、カラフルな衣装を身に纏う。髪は短く、ツンツンに固めており、それぞれの先端から小さな銀色のベルをぶら下げている。

性格は極めて明るく自由奔放で、落ち着きがない。初対面の相手にも馴れ馴れしいほどに友好的だが、敵に対しては容赦しない。様々な文化の訛りが入り混じった、ラクドス特有の砕けた口調で話す。「Keen!(いいじゃん!)」が口癖。主人たるラクドスのことは「His Magnificent Flaminess(偉大なる炎帝陛下)」「His Fireballhood(火の玉陛下)」などと呼ぶ。

虚空から菱形の刃をいくつも取り出して用いる剃刀魔女/Razorwitch。この刃には柄も峰もなく、したがって彼女の手は傷痕だらけである。のちに血魔女/Bloodwitchとなるが、刃を生み出す力は失っていない。

経歴

The Gathering Storm

Chapter Four

ニコル・ボーラス/Nicol Bolasの襲来に備え、ギルド会談/Guild Summitの準備を進めるラル・ザレック/Ral Zarekのもとに、ラクドスの全権大使、ヒカラと称する女性が飛び込んできた。その奇抜な恰好、最先端のラクドス言葉、自由な態度はラルを困惑させたが、彼女が話した内容はそれ以上のものだった。ラクドスはボーラスに対抗することには同意するが、イゼット団/The Izzet Leagueを信用しているわけではないので、ギルド会談までヒカラをラルのそばに置き、監視させるというのだ。頭痛を覚えながらも渋々承諾したラルにヒカラは言った。「やった!じゃああたしたち、友達だね。」

Chapter Five

ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghaziを目指して市場を抜けるラルは、昔飼っていた仔犬のことを思い出していた。ヒカラは3メートルごとに新しいものに興味を示しては駆け寄り、ラルを立ち止まらせるのだった。ラルはヒカラを急かし、今度は楽しそうに歌を歌い出したヒカラに忠告した。中に入ったら余計なことはせず、静かにしておいてくれと。

イマーラ/Emmaraが二人を出迎え、セレズニア議事会/The Selesnya Conclaveの現状を説明した。三位一体のトロスターニ/Trostaniが不和に陥っており――ラルの忠告にもかかわらず、ヒカラは「三人のうち二人を殺しちゃえば?」などと口を挟んだ――イマーラ自身を除けば、Garoという者が影響力を持っていると。だがそのとき、給仕の少女がイマーラの背後に回り、彼女を刺そうとした。ラルがイマーラを助け、ヒカラは刃で刺客の喉を裂いた。

どこに武器を隠し持っていたのかと訝るラルに、ヒカラは虚空から刃を取り出す剃刀魔女の技を実演してみせた。ラルはヒカラに無用な殺生はしないよう念を押し、露骨にがっかりされながらも、彼女の力もあって暗殺未遂の首謀者、Garoのもとへ辿り着いた。彼はボーラスの傀儡であった。

Chapter Six

一人でラヴィニア/Laviniaと会ってきたラルにヒカラは文句を言ったが、彼に雨除けの呪文をかけてもらうとすぐに機嫌を直した。それから二人はヴラスカ/Vraskaと落ち合った。ヴラスカは正直に打ち明けた。自分はボーラスの命を受けて動いていたが、イクサラン/Ixalanで真実を知り、今はボーラスに対抗するつもりであると。ヒカラはまたしても口を挟んだ。「いいじゃん!あたしたち友達になれるね、それなら。」

Chapter Seven

ラルはヒカラ、そして対ボーラス側であることを証明したいヴラスカとともに、オルゾヴァ/Orzhovaを襲撃する。死の魔術がかけられた矢に脚を射貫かれたヒカラは、自分の肉ごとそれを削ぎ落とした。ラルは傷を焼いて塞ぎ、彼女に肩を貸した。「友達だよね?」と弱々しく尋ねるヒカラに、ラルは「君が死んだら俺はがっかりするだろう。」と返した。三人は脱出し、彼らの陽動のおかげでケイヤ/Kayaオブゼダート/Obzedatを暗殺することに成功した。

Chapter Nine

ギルド会談前日。ラルの事務室には、治療を終えたヒカラの姿があった。彼女は居合わせたラヴィニアに、目一杯に脚色されたオルゾヴァでの冒険譚を語って聞かせていた。

Chapter Ten

ヒカラはギルド会談にラクドス代表として出席した。ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzetは十のギルドの同意によってギルドパクト/Guildpactを改正し、彼自身にボーラスに対抗するための力を与えることを訴えた。だが会談二日目、代表者たちが目撃したのは、石にされたイスペリア/Isperiaの姿だった。ヴラスカの仕業であることは明白だった。

Chapter Eleven

すべてのギルドの協力を取りつけることはもはや不可能になり――焦るラルをヒカラは元気づけようとしたが無益だった――それでも、ラルは第二の策を導き出した。人工的な力線によってギルドパクトを「改竄」するのだ。それはゴルガリ団/The Golgari Swarmの領地を力ずくで使わせてもらうことを意味していた。

ヒカラは言いよどみながらも、ラルに訴えた。ヴラスカと一緒にやることはできないのかと。彼女は友達であり、敵対するべきではないと。ラルは答えた。選択肢を与えてくれなかったのは彼女だ。もしヴラスカが俺たちの邪魔をするなら、彼女はラヴニカ全市民の敵となると。ヒカラはなおも反論しようとしたが、諦め、その場から去った。

Chapter Thirteen

ヴラスカのもとに通されたのは、ずぶ濡れのヒカラだった。堀に落ちたのだ。彼女はヴラスカに訴えた。戻ってきてほしい。だってあなたとあたしとラルは友達だから。戦うべきじゃないと。責任があると言うヴラスカにヒカラは「そんなもの焼いちゃえ!」と返し、何とか説得しようとしたが、ヴラスカは優しく断った。「バカだよ。ラルもそう。二人とも分かってない。」――ヴラスカにできるせめてもの償いは、帰りに再び堀に落ちたヒカラを、地表まで安全に送り届けるよう命じることだけだった。

Chapter Nineteen

とうとうボーラスがラヴニカに襲来した。最後の手段として次元間の標/Interplanar Beaconを起動すべく、アゾリウス領内の塔へ向かうラルとケイヤに走り寄り、抱き着いてくる者があった。ヒカラだ。ラルに助力を求められたヒカラは、Master Panjandrum率いるサーカス隊を連れてきた。彼らの「ショー」がアゾリウス兵の注意を引いているうちに、三人は塔へと辿り着いた。

Chapter Twenty

標の前で三人を待ち構えていたのはヴラスカと、ボーラスに操られたラヴィニアだった。ラルはヒカラにラヴィニアを殺さないよう言ったが、ボーラスはラヴィニアの口を借りてその甘さを嘲笑った。

戦いの中、ラルはラヴィニアの声が素に戻った隙を突かれ――次の瞬間、ラヴィニアの剣はラルを庇ったヒカラの胸を貫いていた。「友達だよね?」「友達だとも。」「刺されるってどんな感じなんだろうってずっと思ってたんだ。思ったより痛くないな。」――そう言葉を交わすと、剣が抜かれ、鮮血が迸り、ヒカラは息絶えた。

ラヴニカ:灯争大戦/War of the Spark: Ravnica

古き友、新しき友/Old Friends and New

ヒカラは待ち合わせをしていた親友ラット/Ratを迎えた。他者に認識されないという特異体質を持つラットは――ヒカラはその数少ない例外の一人だが――ヒカラから、自分ができないときにラルの監視を代行してほしいと頼まれていたのだ。ラットはラルとニヴ=ミゼットの計画がどうやら失敗し、ラルがヒカラを含む仲間たちに伝言を送ったことを伝えた。ちょうどそのとき、伝言が届いた。標の起動についてだ。ヒカラはラルのもとへ向かった、最後にラットを「アレイシャ/Araithia」と本名で呼んで。

ラットがヒカラの死の知らせを聞いたのは、翌日のことだった。

絶体絶命作戦/Operation Desperation

ボーラスに対抗する最後の手段、そのためには十のギルドの協力が必要だ。ヒカラの死に憤るラクドスを説得すべく、ラットたちはリックス・マーディ/Rix Maadiへと赴いた。トミク/Tomikが運んできたヒカラの亡骸は、道化の墓所/The Jester's Cryptへと送られた。

ラクドスの説得は叶わず、皆が踵を返したそのとき、彼らを呼び止める者があった。道化の墓所の入り口に立つのは誰あろう、ヒカラだった。一度死なないことには血魔女として生まれ変わることはできない、彼女はそう説明した。ヒカラはラルの協力要請を快諾し、反対するイクサヴァ/Exavaを退けた。血魔女となった彼女に命令できるのはもはやラクドスだけだ。「友達を助けに行くつもりです、構いませんね、ボス?」そう言うヒカラに、ラクドスは沈黙で答えた。ヒカラは歩き出し――両腕を広げたラットに気づくことなく、その隣を通り過ぎた。

ヒカラが参加したことで十のギルドの代表が揃い、「絶体絶命作戦/Operation Desperation」が実行に移された。死んだニヴ=ミゼットは蘇り、新たな「ギルドパクトの体現者」となった。

結末の灰燼/Ashes

ヒカラは他のギルドやプレインズウォーカー/Planeswalkerたちとともに、永遠衆/Eternalと戦った。ラクドス自らが出陣したときには歓声を上げた。ついにボーラスは敗れ、「大戦」は終わりを告げた。

瓦礫の上に座り、自分自身とラルの指人形で勝利を祝い続けるヒカラを、ラットは気づかれることなくずっと眺めていた。テヨ/Teyoに友人のラットを覚えていないかと尋ねられたヒカラはもちろん覚えていると言ったが、テヨがラットを指差してもその存在を認識することはできなかった。「えーとさ、ラットがどんな子だったか、全然思い出せないんだ。おかしな話だよね?」――そしてその場にラクドスが降り立ち、ヒカラを手のひらに乗せて去った。

登場

登場作品・登場記事

参考

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