血清の粉末/Serum Powder
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アーティファクト
(T):(◇)を加える。
あなたがマリガンでき、かつ血清の粉末があなたの手札にあるときならいつでも、あなたは「あなたの手札のカードをすべて追放し、その後、同じ枚数のカードを引く」ことを選んでもよい。(あなたはマリガンに加えてこれを行うことができる。)
ミラディン・ブロックに多く存在するルール破壊カードの1つ。「マリガンするとゲーム開始時の手札が減る」というルールを破壊し、マリガンをするときに手札にあるカードと同じ枚数を引きなおすことができる。
マリガンしても手札が減らないので、実質的に1枚手札を増やすことにつながる。しかし、前の手札は追放するため、例えば土地6枚と血清の粉末という手札でこの能力を使用してしまうと、それ以降は土地が足りなくなり、逆の形での事故を起こす可能性が高くなる。自分の手札が呪文と血清の粉末だけという場合も同様であり、「手札を1枚増やしたまま理想的な状態にする」ということは意外と難しい。初手にない場合でも無色マナを生み出すマナ・アーティファクトとして使えるが、3マナというマナ・コストを考えると性能が良いとは言いがたい。結局手札を1枚増やすだけならば、初手でなくても使えるウルザのガラクタ/Urza's Baubleや通りの悪霊/Street Wraithの方が使いやすいかもしれない。
使いどころが難しいカードではあるが、「必ず初手に欲しいカード」が存在する場合には結構有用である。単純に1枚多く引けるというだけでなく、余計なカードを追放できるので、普通にマリガンするよりも引ける可能性が高い。例えばヴィンテージのドレッジは、「Bazaar of Baghdadがないとまともに機能しない」といったデッキであるため、メインデッキから4枚積みで採用されることも多い。また、特定のデッキを機能不全にするほど強力ではあるが、初手にないと苦しいカードである虚空の力線/Leyline of the Voidとともにサイドボードに採用されることもある。
また追放領域を利用する特殊なデッキにおける「追放肥やし」手段としてはテンポ・アドバンテージ、カード・アドバンテージを失わず、妨害も受けないとあって一級品の性能。モダンにおける赤単エルドラージでは永遠の災い魔/Eternal Scourgeを追放するために採用される。
その他の採用例としては2021年頃からモダンの各種ウルザトロンで用いられるケースが見られる。ウルザランドを揃えるために貢献でき、かつ追放されたカードを大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creatorで回収可能という、先述の2つの採用理由を複合したような形になっている。
- 「マリガン」という言葉がルール文章内に登場する数少ないカード。後にコンスピラシーで代替案/Backup Planが追加された。
- 「血清の粉末が無いのでマリガンします」などとレミィのようなことをやっては本末転倒。使わずに済むのなら、それにこしたことはない。
- このカードの2番目の能力は、カードを作るのは君だ!の第1回で送られた没アイディアが基になっている(The "Almost" Mechanics)。
ルール
- ゲーム開始時の手札から処理を行う能力を持つカード(力線など)の能力を使用したあとで血清の粉末の能力を使用することはできない。「ゲーム開始時の手札」とはこれ以上マリガンをしないと決定したときの手札を指す。詳細はゲーム開始時の手札の項を参照。
- 現行のマリガンルール(通称ロンドン・マリガン)では1回のマリガンにつき「7枚引き、マリガン回数に等しい枚数のカードをライブラリーの一番下に置く」という手順を踏む。1回以上マリガンを行った後で血清の粉末を使いたい場合、カードをライブラリーの一番下に置き終えた後で、残った手札に血清の粉末が含まれている必要がある。
- この能力はマリガン時にのみ通常のマリガンに加えて使用できるが、この能力自体はマリガンではない。