手札破壊
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手札破壊/Hand Destructionとは、対戦相手の手札からカードを取り除くこと。または、そのためのカード。ほとんどが黒である。英語でハンド・デストラクション、もしくはそれを略して、ハンデスとも呼ばれる。
また、それを主軸にしたデッキのことも言う。一般に、コンボデッキやパーミッション相手には有利だが、手札の消費が速いバーンやウィニーに対しては効果が薄い。手札破壊の代表的クリーチャー、惑乱の死霊/Hypnotic Specterから、手札破壊デッキはヒュプノタイザー(Hypnoticer)と呼ばれていた。
「破壊」とは言うものの、実際には破壊/Destroyではないし、破壊不能などで防ぐこともできない。
クリーチャー — スペクター(Specter)
飛行
惑乱の死霊が対戦相手にダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカードを1枚無作為に選んで捨てる。
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解説
ほとんどが、手札からカードを捨てさせるものである。まれに、追放するものやライブラリーの一番下に送るものも存在する。
手札破壊は、直接的なクリーチャー除去と並んで黒のアイデンティティの一つであり、黒コントロールのようなデッキを構成する要になっている。次点は精神への干渉を得意とする青であるが、次元の混乱以外では手札破壊後に新しく引かせるなどして質的なアドバンテージのみを得るものが多い。赤はWheel of Fortuneに代表される「捨ててから同じ枚数を引かせる」効果の一部として行える。白は大規模なコントロール呪文の一部としてごくまれに行える。緑の手札破壊は存在せず、逆に手札破壊対策カードを多く擁している。
お互いが唱えるためのマナ・コストを払う打ち消し呪文と違って、手札破壊はまだ相手が唱えていない(マナを使っていない)カードに対し、こちらだけがマナを使って捨てさせるという性質から、本質的にテンポ・アドバンテージを失うという問題を抱えている。したがって
- 自分にとって致命的なカードを予め捨てさせることで、潜在的なアドバンテージを得る。
- 複数枚のカードを捨てさせることでハンド・アドバンテージを得る。
- ボードコントロール手段と組み合わせてロックをかける。
といった目的で用いられることが多く、またそれができる手札破壊呪文が強力であるとされる。
手札破壊の呪文や能力は、そのほとんどがソーサリー・タイミングでしか唱えたり起動したりできないようになっている。これは、対戦相手がドロー・ステップに引いたカードを即捨てさせロックするのを防ぐための措置である。とはいえ、インスタント・タイミングで使用できる手札破壊もごく少数ながら存在する。
種類
手札破壊には大きく分けて、以下の3種類がある。呆然/Stuporのように複数のカテゴリーに含まれるものもある。手札破壊カードの一覧も参照。
- 誰が捨てるカードを選んだのかに関係なく、実際にカードを捨てさせているのはその手札破壊呪文や能力であることに注意。例えば十二足獣/Dodecapodの能力は、どの方法で捨てさせられても機能する。
公開させ、その中からあなたが選ぶ
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札を公開する。あなたは、その中から土地でないカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーは、そのカードを捨てる。
ソーサリー
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中からクリーチャー・カード1枚かプレインズウォーカー・カード1枚を選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。
手札を公開させ、その中から捨てさせるカードをあなたが選ぶことができる。
どのカード・タイプを捨てさせられるかにもよるが、最も使われたくないカードを狙って落とすことができるため、有用性が高い。特に1マナで唱えられる強迫/Duress、陰謀団式療法/Cabal Therapy、コジレックの審問/Inquisition of Kozilek、思考囲い/Thoughtseizeといったカードは最序盤に対戦相手の動向を探ることもでき、黒を使う大きな理由づけにもなっている。エターナルではそれらを組み合わせた「8デュレス」構成が取られることも多い。
軽い手札破壊呪文では大抵、土地を選べない。これは序盤でのマナスクリューによるロックを防ぐための措置である。
一方で、戦場に出てしまっては黒単色では対処できないアーティファクトやエンチャントを選べるものも多く、こういった面でも重宝される。
無作為に選ぶ
捨てるカードが無作為に選ばれる。こちらから直接選ぶことはできないものの、それは相手にとっても同じ。
黎明期には精神錯乱/Mind Twist、トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach、惑乱の死霊/Hypnotic Specterといった強力なカードがひしめいていた。
運次第では、必要なはずの土地カードを捨てさせてしまえるのも強力。このためもあってか、無作為に捨てさせるカードは黎明期ほど印刷されることはなくなった。
相手の手札の枚数以上を捨てさせる場合は、相手の手札をすべて捨てさせるのと同じことになる。
そのプレイヤーが選んで捨てる
捨てるカードを、手札を捨てる側が選ぶ。精神腐敗/Mind Rotをはじめ、最も基本的な手札破壊と言える。
最もいらない手札を捨てればよいので、あまり強力な効果ではない。そのぶん多くの枚数を捨てさせられるものが主流であり、カード・アドバンテージを得るために使われる。
相手の手札が多いほど選択肢が与えられてしまうため、ゲームが進んで相手の手札が少なくなってきた頃に狙い撃ち、大事に抱えられていたカードを落とすのもいいだろう。
その他
- 対戦相手の手札が無くなると腐るので、その欠点を補うバウンスとは相性がよい。はね返り/Recoilや吹雪の死霊/Blizzard Specterのように、バウンスと手札破壊を続けて行うカードも存在する。
- 忘却/Forgetやショッカー/Shockerなど、捨てた後に手札を補充させる呪文はハンド・アドバンテージが得られないため一般的には手札破壊と呼ばれない。だが対戦相手の手札を見て選べるヴェンディリオン三人衆/Vendilion Cliqueや無作為の燃え立つ調査/Burning Inquiryなどは、量ではなく質的なハンド・アドバンテージが得られるので手札破壊と呼ばれる事がある。
- 意外なことに、単純に「プレイヤーの手札を(すべて)捨てさせる」効果のソーサリーは長らく存在していなかった。ディセンションにてようやく機知の終わり/Wit's Endが登場した。
- マッドネスのある環境などでは、カードを捨てることが利点になりうるため逆風。
- イメージは「精神攻撃」。黒の効果である事もあるが、かなり気味の悪いイラストが多数を占める。