布告
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布告(Edict)は、プレイヤーにクリーチャーを生け贄に捧げることを強制する効果やカードの俗称。由来は、この効果をもった初めてのカード悪魔の布告/Diabolic Edictと、その後登場した類似カード群のカード名から。
解説
除去するクリーチャーを直接対象に取らない、変形の除去呪文である。色の役割上は除去の本家である黒が圧倒的な第一位であるが、白にも戦闘に参加しているクリーチャー限定などの制限がついたものが散見される。
最大の長所はクリーチャー自体を対象に取らないため、被覆や呪禁やプロテクションと言った「対象にならない」除去耐性を持つクリーチャーを除去できること。対戦相手が少数のフィニッシャーに頼るデッキ構成の場合など、これ1枚で凌げる局面は多い。その他、後述の短所との兼ね合いでマナ・コストが軽めに設定されていること、多くの黒の除去呪文に課せられている色などの制限がないこと、再生や破壊不能などの除去耐性も無視できること、立ち消えが基本的に起こらないことも評価できる。
短所は、生け贄に捧げるクリーチャーを選ぶのはそのコントローラーであるため、限られた状況を除いて一番不要なクリーチャーを選ばれてしまうこと（→相手に選択権のあるカードは弱い理由）。また、多くがプレイヤーを対象に取るため、象牙の仮面/Ivory Maskなどで封じられてしまうし、偏向/Deflection系の対象変更カードでも対処されやすい（クリーチャー1体しか戦場にいないときなどに差が出る。通常の除去だと新しい適正な対象がいないため対処できないが、布告だと対象プレイヤーをあなたに変えられる）。
一長一短であるが、使用する局面さえ選べば非常に強力な除去であり、様々なフォーマットで活躍している。
- 「生け贄に捧げる」という文面は起動コストなどにもよく使われるため、慣れないうちは「生け贄に捧げたら、次に何かが起こる」と勘違いしやすいが、当然布告除去の場合は何も起こらない。
- 対戦相手だけでなく、すべてのプレイヤーがクリーチャーを生け贄に捧げる必要がある無垢の血/Innocent Bloodや血のやりとり/Barter in Bloodなどを含むこともある。オデッセイ・ブロックがスタンダードに存在した頃には、前者とチェイナーの布告/Chainer's Edictをフル投入する戦術を8エディクトと呼ぶこともあった。
- 実際の発音は「エディクト」ではなく「イーディクト」が近い。
- 悪魔の布告/Diabolic Edictは強力過ぎたせいか、第９版以降の基本セットにはソーサリーの残酷な布告/Cruel Edictが再録されている。
- カード名に「布告/Edict」を含んでいても、まったく性質が違うカードもいくつか存在する（テリムトーの勅令/Telim'Tor's Edict、ヨーグモスの勅令/Yawgmoth's Edict、天使の布告/Angelic Edict）。
該当カード
各カードの詳細は個別評価の項を参照。
カード名に「布告/Edict」を含み、布告効果を持つカード
- 悪魔の布告/Diabolic Edict （テンペスト）
- 残酷な布告/Cruel Edict （ポータル・セカンドエイジ）
- 皇帝の勅令/Imperial Edict （現在は「生け贄に捧げる」ではなく「相手が選んだクリーチャーを破壊する」なので、厳密には異なる）（ポータル三国志）
- チェイナーの布告/Chainer's Edict （トーメント）
カード名に「布告/Edict」を含まないが、布告効果を持つカード
- 捕食の夜魔/Predatory Nightstalker （ポータル・セカンドエイジ）
- 陰謀団の処刑人/Cabal Executioner （オンスロート）
- 翼の破片/Wing Shards - 攻撃クリーチャー限定（スカージ）
- 闇への流刑/Exile into Darkness - 点数で見たマナ・コストが3以下のクリーチャー限定（神河救済）
- よじれた正義/Twisted Justice （ラヴニカ：ギルドの都）
- 打撃+爆走/Hit+Run (打撃/Hit) - クリーチャーでないアーティファクトも生け贄に捧げることが可能（ディセンション）
- 確率+結末/Odds+Ends(結末/Ends) - 攻撃クリーチャー限定（ディセンション）
- 巣穴の運命支配/Warren Weirding （モーニングタイド）
- 残酷な根本原理/Cruel Ultimatum （アラーラの断片）
- マルフェゴール/Malfegor （コンフラックス）
- マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir - キッカー時（ゼンディカー）
- 消耗の蒸気/Consuming Vapors （エルドラージ覚醒）
- 正義の施行/Dispense Justice - 攻撃クリーチャー限定（ミラディンの傷跡）
- ゲスの評決/Geth's Verdict （新たなるファイレクシア）
- 囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One （新たなるファイレクシア）
- 吸肉/Syphon Flesh （統率者）
- ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil（-2忠誠度能力）（イニストラード）
- 飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger （イニストラード）
- 墓の入れ替え/Grave Exchange （アヴァシンの帰還）
- グリクシスの首領、ネファロックス/Nefarox, Overlord of Grixis （基本セット2014）
- 肉貪り/Devour Flesh （ギルド門侵犯）
- 遠隔+不在/Far+Away (不在/Away)（ドラゴンの迷路）
- 天界のほとばしり/Celestial Flare - 攻撃かブロックしているクリーチャー限定。（基本セット2015）
- 運命の工作員/Agent of the Fates （テーロス）
- モズのハーピー/Shrike Harpy （神々の軍勢）
- 暴君の選択/Tyrant's Choice （コンスピラシー）
- はじける破滅/Crackling Doom - 最も高いパワーを持つクリーチャー（タルキール覇王譚）
- 死の投下/Dead Drop - 2体（タルキール覇王譚）
- 真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor - 紋章（タルキール覇王譚）
- 忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation （タルキール龍紀伝）
- 自傷疵/Self-Inflicted Wound - 緑か白のクリーチャー （タルキール龍紀伝）
- 荒廃した湿原/Blighted Fen （戦乱のゼンディカー）
- 静寂を担うもの/Bearer of Silence - 唱えた際にマナを支払った場合（ゲートウォッチの誓い）
- 無情な処罰/Remorseless Punishment （ゲートウォッチの誓い）
- 餌食/To the Slaughter - プレインズウォーカーも生け贄が可能（イニストラードを覆う影）
- リリアナの誓い/Oath of Liliana （異界月）
- 神聖な協力/Blessed Alliance - 攻撃クリーチャー限定（異界月）
- 危険な窮地/Perilous Predicament - アーティファクト・クリーチャーとクリーチャーを1体ずつ（霊気紛争）
- 闇の暗示/Dark Intimations （霊気紛争）
お互いにクリーチャーを生け贄に捧げる効果を持つカード
- 悪疫/Pox （アイスエイジ）
- 深淵の門番/Abyssal Gatekeeper （ウェザーライト）
- 無垢の血/Innocent Blood （オデッセイ）
- 血のやりとり/Barter in Blood （ミラディン）
- 小悪疫/Smallpox （時のらせん）
- 肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder （アラーラの断片）
- 貧民街の刈り取るもの/Slum Reaper - 肉袋の匪賊の上位種（ラヴニカへの回帰）
- 無慈悲な処刑人/Merciless Executioner - 肉袋の匪賊の同型再版（運命再編）
- 魂の汚染者/Defiler of Souls - 単色のクリーチャーのみ（アラーラ再誕）
- 奈落の統治/Reign of the Pit （コンスピラシー）
- 冥府の捧げ物/Infernal Offering （統率者2014）
