ヤヤ・バラード/Jaya Ballard (ストーリー)

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ヤヤ・バラード/Jaya Ballard

特務魔道士ヤヤ・バラード(Jaya Ballard, Task Mage)

氷河期末期のテリシア/Terisiareで最も有名な特務魔道士/Task Mage

印象的な赤毛で、小麦色の肌、肩幅の広い、少年っぽい顔立ちだが美しい女性。 親友の飛空騎士/SkyknightBelenda Danisdotter(ベレンダ・ダニスドッター)曰く、氷河期でも日焼けしているのはきっと炎の魔法を使う所為、だそうだ。 動きやすい短めの冒険家風の革の服を着ることを好む。 20歳前後の彼女の姿は小説The Eternal Iceの裏表紙に見ることができる。

40歳前後には、少年のような丸みはとれ、大人の女性らしいシャープなイメージの顔つきに変わり、目元には笑い皺ともつかぬ浅い皺ができている。 服装は若い頃より落ち着いた感じで、真紅のケープに赤いローブを着込んでいる。 この頃の彼女の姿は、小説The Shattered Allianceの表紙に描かれている。

プレインズウォーカーとなると炎の渦そのものの姿となる。当然、人間体に変身することもできるが、その姿は以前の面影が残るものの、若々しく、肌は磨かれた真鍮のごとく、髪は燃え盛る炎へと変わった。

かなりくだけた喋り口調で話し、皮肉めいた発言をしばしば行う。人に渾名をつける癖があり、こちらも皮肉が効いたものが多い。 ただ、親友のベレンダ・ダニスドッターだけは普通にBell(ベル)という愛称で呼ばれている。 そして20年後でも、年齢を重ねてその口調はやや落ち着いたものの、皮肉は健在だった。

渾名:Old Man(おじさま) 備考:何百歳とも何千歳とも知れない年齢のため。

渾名:Dim-Bulb(ディム=バルブ) 備考:「dim」は「頭の鈍い、まぬけな、冴えない」、「bulb」は「球根、タマネギ」の意。訳すとしたら「タマネギ頭」ぐらいだろうか?

渾名:(Old) Gusty(グスティ(おばさん))

渾名:Big Lug(デカ耳、うどの大木) 備考:「lug」は「耳」や「うすのろ」などの意。

酒を嗜み、親友ベルの部屋で飲みながらベットでゴロゴロしていたり、クロヴ/Krovの馴染みの居酒屋Great Dragon(巨龍亭)に出入りしている。その他、折り合いの悪いグスタとヤヴィマヤ/Yavimaya産の強い葡萄酒を一晩飲み明かして和解してもいる。

相手との貸し借りや損得で動く商売人の面もあるが、友人の窮地には自分の命を投げ出す事を厭わない。 また、小説The Eternal Iceでは、ヴァーチャイルド将軍/General Varchildが腹を割って話し、その身の上を打ち明けたのもヤヤだけである点も付け加えておく。

魔道士として

特務魔道士の例によって、限られた種類のの魔法しか習得していない。 主に炎を発生・操作する呪文をかけるのを好み、ストロームガルド国王暗殺団に紅蓮地獄/Pyroclasmを放って薙ぎ払ったりした他、屋根に追い詰められたとき追跡者にめまい/Vertigoをかけて転落させたり、敵の呪文をBurnoutしたりなどの小技も使う。 後にジョダーからバウンス系呪文(Word of Undoingか?)を教えられ、キイェルドーの戦い/The Battle of Kjeldorで対決したChaeska(チェスカ)トレッサーホーン/Tresserhornに送り返して倒している。

多芸多才

有名な炎の魔道士であるが、寧ろ魔術師としてより交渉人や盗賊としての活躍の方が目を惹く。

一流の交渉人であり、相手が柏槙教団/Juniper Orderの老上座ドルイドやバルデュヴィアの大酋長、キイェルドーの王室魔道士、見えざる者の大魔道士、果ては血に餓えたルアゴイフ/Lhurgoyfや森の女神・プレインズウォーカーフレイアリーズ/Freyaliseであろうとも、物怖じすることなく堂々と立ち振る舞う。 女の武器も上手く利用し、Fedor(フェドー)の尋問では甘い声とライラックの香水で、クロヴの精鋭兵士には助けを求めるか弱い娘の演技で、それぞれ丸め込んでいる。

商売柄、巷間の噂を耳聡く聞きつけ分析・利用するのに長けているが、それに加えて一介の雇われ魔道士としては破格のネットワークを築いている。 アイスエイジの著名なキャラクターの多くと面識があり、仕事相手や友人、敵などの関係を持っていて、大抵の場合、相手を味方につけている。 このネットワークを通じて収集された情報から、様々な事柄に関する事情通としても知られている。


幼い頃からストリートで身に付けた盗賊の技はもう1つの強力な武器だ。 隠密行動を得意とし、屍術師/Necromancerの本拠地トレッサーホーンや見えざる者の大魔道士の私室、キイェルドーの王立魔法学院のグスタの研究室など常人には決して立ち入る事の出来ない場所へ潜入を果たし、無事に抜け出している。 また手先も器用で精鋭兵士から、身分証をスリ取っている。 変装や演技もこなし、TPOに応じた格好で見事に化けている。けれども、研究者のつもりが関係ない書物を手にしていたり、読書で誤魔化しているつもりが読んでる本が上下逆さだったりするのはご愛嬌。このように詰めが甘い部分もあるのだが、不思議とボロが出ることはない。

戦士としてもなかなかで、キイェルドー製のルーンが彫られた剣(rune-carved sword)を携え、チェスカ他のアンデッド軍団と戦っている。

”雪解けの時”/The Thawの間にエイスサー/Aesthirを操る技術も習得し、専用のエイスサーを贈られている。

ジョダー [#Jodah]

ジョダーとは、ただの師匠と弟子、あるいは友人といった枠を越えた深い絆で結ばれている。 かつては”親密な”関係にあったかもしれないが、それに関する問いへの彼女の答えは、「かもしれないね?」と曖昧である。キイェルドーの戦いでは、チェスカの「(ジョダーは)恋人」という発言を「ただの友達」と訂正している。過去は兎も角、最終的に2人の関係は良き友人同士として落ち着いたということだろうか。

リム=ドゥールの虜囚となったジョダーを危険を顧みずトレッサーホーンに助けに乗り込んだヤヤ。 方や病に臥したヤヤを助けるため宿敵メアシル/Mairsilの捜索を後回しにしてバルデュヴィア/Balduviaへ治療法を探しに自ら赴いたジョダー。 この2人の間に割って入れる者がいないことだけは確かだ。

経歴

2914AR頃の誕生と推測されるが、その生まれははっきりしない。 幼少時代はあまり恵まれた環境で育ったわけではないようで、都市のストリートの流儀を叩き込まれている。もしかするとクロヴのような都市の下町の生まれかも知れない。

少女時代は盗賊や泥棒といった仕事を生業としている。 ある時ジョダーの部屋に盗みに入り、二度目の盗みの時に魔法の網で捕らえられてから、彼女の人生は変化の時を迎える。 囚われの身のヤヤは魔法の素質を認められ、ジョダーから魔術の手ほどきを受ける。あまり出来の良い生徒ではなかったようで、ヤヤ独特のやり方に流石の永遠の大魔道士も終始、苦い顔をしていたようだ。ジョダーが師匠である点からすると、ある意味「見えざる者」の一員である。

赤の魔法を幾つか習得した後は、見えざる者の学び舎/School of the Unseenを飛び出し、特務魔道士として働いている。 この時期に、コールビーヨーン/Kolbjornのために働き、ルアゴイフに自我を持たせる護符やフレイアリーズを呼び出すタリスマンを贈られたようだ。 それ以外にもロヴィサ/Lovisaの依頼で親友ベルと共にルアゴイフ事件に関わり、親友には任務の円満解決を、バルデュヴィアには部族を守護するルアゴイフを、フィンドホーン/Fyndhornにはルアゴイフの卵をもたらしている。

2934AR、見えざる者の学び舎を再訪し、ジョダーが行方不明であると知り、単身で追跡調査を行う。そしてトレッサーホーンへと潜入しジョダーを救出、フレイアリーズの助けを借りてジョダーの記憶を回復させた後、グスタの塔からReflecting Mirrorを取り返し、瀕死のジョダーの命を救った。この一件からグスタとの仲違いが始まる。

ジョダーの回復を待ち、バルデュヴィアのロヴィサの宿営地でしばらく過ごした後、クロヴへ戻り、ダリアン王に謁見する。 アヴラムの行動を調査中にストロームガルド騎士団結成式を目撃、その夜のダリアン王暗殺計画をヴァーチャイルド、ジョダー、グスタらと防いだ。 ジョダーとヤヤの進言でキイェルドー・バルデュヴィア同盟軍が結成、功績を認められたヴァーチャイルドはキイェルドー軍の新将軍に任命される。そしてリム=ドゥールの軍団の活動が一層活発化し決戦の時が迫る。

決戦に備え隠れ家/Safe Havenを通って各地を回るジョダーに代わって、都市に残ったヤヤは世論の動向を調査し、更なる反乱の動きを未然に防ぐため尽力する。時折、ジョダーに同行して働いたり、名も知れぬ遺跡を探索して遺物を収集したりもしている。 またグスタの補佐として働くものの衝突が多かったところ、ジョダーの粋な差し入れで和解を果たしている。

そしてキイェルドーの戦いでは、正規の魔術師部隊とは別に、特務魔道士やエレメンタル使いZurans(ズアー派)で編成された魔術師の散兵隊を率いる役目も担った。 その戦場でストロームガルドの一員となったベルと対峙、自らの手で親友を倒し、死せざる亡者の運命から解放している。 激戦の中、リム=ドゥールの本陣へ迫るヤヤだが、トレッサーホーンでの因縁のあるチェスカに遭遇し対決、辛くも勝利を収めている。 (決戦終結時、メアシルの指輪をはめたままのリム=ドゥールの手を発見。指輪に残留するメアシルの精神の干渉を受け、意識の深層にメアシルが巣食うことになるが、ヤヤの記憶からは消去される。以後、リム=ドゥールの手とメアシルの指輪の所有者となる) この決戦終了後すぐに、ジョダーと2人で隠れ家を経由してフィンドホーンへ行き、フレイアリーズの世界呪文/Freyalise's World Spellの場に立ち会う。儀式は無事終了するが、後には破壊と再生の混沌の世界が広がっていた。

そこでプレインズウォーカーと魔術師をマンモスに喩えるジョダー、 『どんなに良いマンモス(nice mammoth)でも、寝返りをうっただけで、小さな生き物や草はその下敷きになる。 プレインズウォーカーたちがテリシアを去った今、自分達魔術師が新たなマンモスである』、と。 対するヤヤは、 『なら同じマンモスでも、もう少しましなマンモス(nicer mammoth)になる努力をすればいいんじゃない?』 と前向きな姿勢は変わらず、『ちょっとした挑戦になるな』、『そうだね』と2人に笑顔が戻るのだった。

それからの20年間、世界呪文後の混乱期、ヤヤはジョダーとは別々の道を歩む。 海に沈みつつあるケルシンコ/Kelsinkoを救うため、魔術師を纏めて迫り来る海岸線との悪戦苦闘の生活を送っていたとされる。 だが大いなる海原には力及ばず、ケルシンコは水没、フィンドホーンのエルフたちのヤヴィマヤ移住に参加している。

数年後の2954AR、ソルデヴ/Soldevの町の外で開かれた小さなバザールで、メアシルの指輪のないリム=ドゥールの手を発見。 (ヤヤは自覚していないが、もちろんこれは嘘である) 見えざる者の学び舎へ赴き、20年ぶりにジョダーと再会、復活したに違いないリム=ドゥール(メアシル)探索の旅へと2人は旅立つ。 トレッサーホーンから始めて、キイェルドーの戦いの戦場跡バルデュヴィアの交易地キイェルド/Kjeld、クロヴ、ソルデヴとテリシア中を探索する。その途中、熱病の床に臥すがバルデュヴィアのシャーマンによって治療される。 (この熱病の発症は、ヤヤへ疑いがかからぬようにメアシルが事前に仕込んでおいたもの)

そして遂にソルデヴで機械崇拝者集団の長となったメアシルを発見するものの、騙まし討ちに遭いジョダーは重傷を負い、起動した戦闘獣軍団にソルデヴは破壊される。 (ソルデヴの地下でジョダーに不意打ちを喰らわせたのは、メアシルの人格に肉体を乗っ取られたヤヤ自身である) 翌日、学び舎でジョダーとメアシルの最後の対決が行われ、2500年以上の時を経てようやくメアシルの魂は消滅したのだった。 (戦闘獣軍団を引き連れ、巨大化し、強大な魔力で学び舎を攻撃したのは、メアシルに乗っ取られたヤヤである。下手に手を出せないジョダーはフレイアリーズにエンチャントされた自分の鏡を破壊して、ヤヤにプレインズウォーカーの火花を目覚めさせ、ヤヤの肉体に巣食っていたメアシルとリム=ドゥールの魂を抹消させた) (プレインズウォーカーとなったヤヤはその能力で、学び舎跡に開いたままの底なしの奈落/Bottomless Pitを閉じ、その後、鏡を失ったジョダーが不老不死の記憶の重みに苦しまないように取り計らった)

ラト=ナム/Lat-Namから船出する見えざる者の生き残り/Survivor of the Unseenを見送ると、ヤヤはジョダーと別れて新天地へと旅立っていった。 ドミナリア/Dominariaの新たなるプレインズウォーカーとして未だ見ぬ別の世界へと…。

<ruby><rb>\2</rb><rp>(</rp><rt>時のらせん</rt><rp>)</rp></ruby>にて [#timespiral]

時の裂け目(time rifts)を通り抜け、AR46世紀のドミナリアに運ばれて来てしまったヤヤ。 その容姿は未だ若く、”雪解けの時”の比較的早い時期から、未来へやって来たものと推測されるが、正確な年代は不明。 身体にぴっちりとした服を着こなしているが、その服はぼろぼろで、新たにゴーグルを見せびらかすようにかけている。 これは塩の嵐が吹き荒れ、何処も彼処も乾燥した、未来の過酷な環境を凌いできたため。 そんな状況下でもヤヤの笑みは絶えることはない。ともあれ”塩”の使い道は料理に決めたようだ([Ballard, Task Mage]参照)。

  • ついにヤヤが[[1]]、時のらせんのストーリーではいかなる活躍が待ち受けているのだろうか?

時のらせん時点では、小説にもフレイバー・テキストにも未登場のヤヤだが、以降のストーリーに如何なる関わりをもってくるのか予断を許さない。

<ruby><rb>\2</rb><rp>(</rp><rt>次元の混乱</rt><rp>)</rp></ruby>にて [#planarchaos]

&aname("parallel"); 過去だけでなく猿人の指導霊/Simian Spirit Guideが存在する平行世界でも登場。 この世界では、ヤヤのような特務魔道士は呪文にエルフの精の代わりに猿人の精を用いている。 平行世界でもやっぱりヤヤはヤヤ、「焦げた髪の臭いがするのよね」と皮肉たっぷり([Power]参照)。


登場カード

&aname("flavor");

フレイバー・テキスト:登場カード&あれこれ

火炎/Flare火葬/IncinerateLava BurstMeltingMeteor Shower恐慌/Panic紅蓮破/Pyroblast紅蓮地獄/PyroclasmWall of Lava倒壊の言葉/Word of Blasting

拾い読み/BrowseBurnoutゴリラの酋長/Gorilla Chieftainゴリラのシャーマン/Gorilla ShamanGorilla War Cry秘儀のコンパス/Mystic CompassPyrokinesis

火葬/Incinerateインフェルノ/Inferno紅蓮破/Pyroblast倒壊の言葉/Word of Blasting

Chicken Egg

拾い読み/Browseインフェルノ/Inferno

インフェルノ/Inferno丸焼け/Sizzle

拾い読み/Browseゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman火葬/Incinerate

猿人の指導霊/Simian Spirit Guide

ショック/Shockのフレイバー・テキスト候補に2つエントリーされ、それぞれ得票数612と602で3位と4位につけるが、残念ながら収録の座を譲ることになった。代わりに採用されたフレイバー・テキストは放浪の魔道士/Wandering mageの言葉である。これで二度もヤヤの基本セット登場を邪魔したことになる。 ヤヤの2つの得票数を合計しても1214票と1位の1704票には及ばないものの、票割れが起こらなければあるいは第9版登場の座を勝ち取れていたかも知れない。

  • 以前は冷淡な男口調で訳されていたが、コールドスナップのテーマデッキでは、女性らしい口調に改められている。

特に拾い読み/Browseは原文の韻を大切にした訳に直され好感が持てる。

訳語 [#translate]

「Jaya Ballard, Task Mage」は、第5版以降、継続して「特務魔道ヤヤ・バラード」と訳されていた。 時のらせんで本人がカード化した時は「特務魔道ヤヤ・バラード」となっている。

参考

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