スロバッド/Slobad
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スロバッド/Slobad
アーティファクトや機械に造詣が深く、友情に篤いゴブリン。 英文のテキストでは興奮すると「huh?」を多発する。篤いだけでなく、熱い御仁でもある。
オキシダ山脈のゴブリン達の間で不吉とされる青い太陽のもとに生まれた為、大焼炉に投げ込まれる運命にあったが母親はスロバッドを通気孔から逃がし、代わりに自身が大焼炉に身を投げた。 その後、追放者の部族であるクラーク族に拾われ育てられたが、「呪われた子」としての疎外感を常に感じており、ついに部族を出て放浪の旅に出た。 空僻地や絡み森の周辺を彷徨い、一時はタージ=ナールのレオニン/Leoninの王ラクシャ/Rakshaに仕えていたが、そこにも長くはいられず、地ならし屋の巣を住処として孤独に生きてきた。
そこに、エルフの少女グリッサ/Glissaが地ならし屋の刃に挟まれて迷い込んできたことで、彼の人生は一変する。 グリッサの脚の怪我を治す為に、ラクシャを頼ってタージ=ナールへ向かったことをきっかけに、次々と襲い来る未知の敵に立ち向かいながら、世界そのものに隠された謎を解き明かして行くこととなる。 タージ=ナールを襲う屍賊/Nimに対抗すべくメフィドロスに向かった際、沼に沈んでいたゴーレム、ボッシュ/Boshを引き上げて仲間とし、共に旅を続ける中でこのエルフとゴブリン、ゴーレムの3人は一見奇妙な、しかし固い友情で結ばれてゆく。 ヴィダルケンの機械の攻撃によって幼馴染を失い、自分に関わった者は皆死ぬ、と自暴自棄になりかけるグリッサを、彼はこう言って慰めた。
「グリッサは、スロバッドに生きる目的をくれた。独りでこっそりと隠れて安全に生きてくより、友達の隣で戦って死ぬ方がずっといい」
そんな彼は肉弾戦は得意でないものの、あるときはグリッサと、あるときはアル=ハヤットと、またあるときはボッシュの近くにいることでできるだけ邪魔にならないようにしている。 またアーティファクトの造詣が深いことを利用し、敵の金属ムカデを分解しようとしたり、カルドラチャンピオンなどを組み立てて立派に活躍している。
その後、メムナーク/Memnarchに目をつけられ、捕らえられて拷問を受けながらも耐えるが、四肢を失い、長期間の拷問に精神を分裂させられ、血清を注入され、メムナークの為に働く奴隷技師となってしまう。そしてメムナークの目的である、グリッサがその体内に持つ「プレインズウォーカーの火花」を奪う為のシステムを開発することになる。 ヴィダルケン/Vedalkenの罠に捕らえられていたグリッサが遂にメムナークの住処、パノプティコンへとやって来た際、グリッサに真相を伝え、システムを反乱させメムナークを倒すことに成功するが、グリッサはメムナークと共にマナの核へと落下し、システムも発動してしまった。
スロバッドは気がついた。生きている。そして失われた四肢も元に戻っている。しかし、どうして自分だけが生きているのか。 そこに突然メムナークとミラディン/アージェンタムの創造主であるプレインズウォーカー・カーン/Karnが現れ、火花はスロバッドを選び、君はプレインズウォーカーになったのだ、と言う。しかしスロバッドの望みは次元を渡る力でも永遠とも思える寿命でもなく、友が、仲間が帰ってくることだった。 カーンはやや残念そうに提案する。今ならまだ間に合う、手に入れたばかりのプレインズウォーカーの力と引き換えに、死んでしまった者は戻らないが、そうでなかった者は、メムナークによってミラディンへと連れて来られる前、かつて生きていた次元へと戻ることはできる、と。
その一連の記憶を失ったスロバッドと、蘇ったグリッサにカーンは選択肢を残していた。故郷の次元へと帰るか、ここで再び自分がやって来るのを待つか。2人は見たこともない故郷へ帰るのではなく、友と一緒にいることを選んだ。ミラーリへと戻ったメムナークを守りながら、カーンを待ちつつ、2人はミラディンの旅を続けている。