ディミーア家/House Dimir

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ディミーア家/House Dimirは、ラヴニカ/Ravnicaにおける10のギルド/Guildの1つ。青黒で、「見えざる者」の別名を持つ。

目次

主義・沿革

ラヴニカ・ブロック

一般の市民にはその存在は架空のもの、もしくはもう存在していないものだと思われている。多くの人にとって、このギルドについての話は聞き飽きた怪談の1つでしかない。

しかし、このギルドは現在も間違いなく存在しており、陰に隠れてラヴニカの完全支配を狙っている。ラヴニカの住人に架空の存在だと信じさせようとしているのも、その目的のための手段である。その存在を知っているのは、他のギルドだけである。

ギルドパクトにおいて、ディミーア家は「秘密のギルド」とされ、ギルドパクトの一部でありながらその存在によってギルドパクト自体をより強固なものとする反作用的な力を担った。

組織の各工作部隊は完全に独立した個々の部隊となっている。工作員の上部との接触も一ヶ所に限定するようになっている。また、指導者が命令を送る際は、魔法的な存在を使用している。これらも、組織やその策略の全貌を掴ませないようにし、情報漏洩を防ぎその隠密性を保つための手段である。

指導者は、不気味な吸血鬼/Vampireザデック/Szadek。条約(ギルドパクト/Guildpact)調印の際にもその姿は視界から隠されていたという。本拠地は、地下に隠れた巨大な城ダスクマントル/Duskmantle。場所を知るのは住人とその手下のみである。

ラヴニカ・ブロックのストーリーでザデックは生前と幽霊となった後で逮捕され、アギレム/Agyremへと追放された。これによってディミーアは壊滅したと考えられた。しかし「秘密のギルド」であったディミーア家が公衆の面前に晒されることこそがザデックの狙いであって、ギルドパクトを破壊するという目的は達成された。

ラヴニカへの回帰

ラヴニカへの回帰の時代、ディミーアはザデックの魂と交信しその記憶を引き継いだと名乗るシェイプシフターラザーヴ/Lazavによって再興した。

新たなディミーアは都市における「公然の秘密」というべき存在になった。人々はディミーアの存在を知ってはいるが、それが存在しないかのように振る舞っている。ディミーアの都市における役割は、他のギルドができない(あえてしない)活動を秘密裏に遂行することである。

ディミーア家には大きく分けて2つの姿(階層)が存在し、さらに身内にさえ秘密とされる第3の階層が存在する。

「公然」の階層は、一般大衆に公開されたディミーアの姿であり、ラヴニカの他のギルドのように都市の公的役割を務めている。彼らは主に案内人、調査員、記者、記録者として働き、ラヴニカの一般に友好的な側面を見せている。それは同時に、影のディミーアの地上における目や耳の役割を果たす。ディミーアへの新規志願者の多くは、その信頼性をギルドに証明できるまで、「公然」の階級の工作員として活動を行うことになる。

「潜伏」の階層は、工作員、スパイ、暗殺者、精神魔術師たちのネットワークで構成される、ディミーアの影の姿である。彼らはしばしば、符号、魔法印、信号といったものを平凡な風景の中に隠して情報を伝達しあう。彼らは痕跡を残さずに犯罪を成し遂げ、目撃者の記憶を破壊し、あるいは自分自身の記憶すら消し去る。

「内密」の階層は、構成員にも秘密とされている階層であり、ラザーヴと直属の者たちがギルドの運営・操作をしている。この最深階層へと繋がる痕跡は一切残されず、ディミーアの構成員は、誰が、なぜ、その命令を下したのか知ることはない。仮に命令を受け取るために彼らと接触したとしても、その記憶を永続的には保持し続けることはできない。

用語

ラザーヴ/Lazav

ディミーアの新たなギルド指導者。多相の魔道士/shapeshifting mageであり、ラザーヴは必要と計画に応じて様々に姿を変える。またギルドマスターの身にありながら、必要とあらば単独で作戦を行う事も厭わない。年老いた未亡人の姿でラヴニカの通りに繰り出して市場で盗み聞きしているかもしれないし、アゾリウス評議会/The Azorius Senateヴィダルケン軽騎兵/Hussarになって検問を抜けたり、ブリキ通り/Tin Streetの商人に化けて道行く貴族を騙しているかもしれない。ディミーアの工作員の一部では、ラザーヴがニヴ=ミゼット/Niv-Mizzetの秘密の最終計画を嗅ぎつけ、彼の目的のために利用しようと計画しているのだと考えている者もいる。ディミーア家は秘密主義を貫いており、その全貌を把握しているのはラザーヴのみと言われている。

ダスクマントル/Duskmantle

ディミーアの本拠地。ザデックの失脚以後荒廃し、そこへ辿り着く道筋を知るものはいなくなった。ダスクマントルはラヴニカの地下都市の深くに戻り、記憶保護に守られてその正確な場所は勿論、存在すら知るものはいない。

ディンローヴァ高層建築/Dinrova Heights

ディンローヴァ/the Dinrovaの名で知られる巨大な建物の屋上では、ディミーアの高位ギルド魔道士たちが会合を開いている。通常はその屋上は閉鎖されているが、夜に行われるその慣例の間は天井板が開き、ディミーアを象徴するようなコウモリじみた建築様式があらわになる。その空にはスペクターやその他の言葉で言い表せない恐ろしいものが人目を遠ざけるためうろついている。

破滅小径/Bane Alley

適切な人々に依頼し、適切に賄賂を贈った人にとって、破滅小径/Bane Alleyは恐喝、脅迫、殺人、汚職といったディミーアの大規模なネットワークの一端に繋がる最終的な行き先である。問題を抱えているラヴニカ人の多くは破滅小径にたどり着き、何も知ることなく硬貨数百枚ぶん懐を軽くして通り過ぎることになる。しかし、その人物が帰宅するころには、不思議と問題は解決しているのである。

夜帷/Nightveil

夜帷/Nightveil地区はディミーアの上流層の居住区である。天然の複雑な洞窟網を含むその一角に建てられている夜帷は、巡回する幽体の守護者どもをかいくぐることのできる都市冒険家にとっては楽園である。曲がりくねるトンネルと道は、水没した穴ぐらや高い壁に囲われたディミーア式の建築様式の邸宅へ繋がっている。夜帷の住人たちには種々の後ろ暗い陰謀への関与の疑惑が絶えないが、いかにしてかいずれの悪事に対する追及も逃れている。それはディミーアが彼らや彼らの無数の工作員に繋がるありとあらゆる記憶を入念に消去していることによる。工作員達は様々なギルドに根を張り、犯罪的企てを遂行している。オルゾフ組/The Orzhov Syndicateの法術士、アゾリウスの弁護士、ウォジェクの警視長、それらすべてにディミーア家の工作員は潜んでいる。

ゲームでの特徴


Glimpse the Unthinkable / 不可思の一瞥 (青)(黒)
ソーサリー

プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを10枚切削する。



Nightveil Specter / 夜帷の死霊 (青/黒)(青/黒)(青/黒)
クリーチャー — スペクター(Specter)

飛行
夜帷の死霊がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを追放する。
あなたは夜帷の死霊によって追放されたカードの中から、土地をプレイしても呪文を唱えてもよい。

2/3

相手に悟られぬよう行動するギルドであることから、肉体的な攻撃ではなく「精神攻撃」をイメージしたライブラリー破壊に関するカードが多く収録されていた。能力の一環としてライブラリー破壊が含まれているものや、ライブラリー破壊によって誘発する能力も多い。

ラヴニカ・ブロックでのキーワード能力変成ラヴニカへの回帰ブロックでのキーワード能力暗号。また、ライブラリー破壊に関する独自メカニズムとして研磨を有する。いずれも、ギルドの特徴であるライブラリー破壊に直接関係する能力ではなく、青と黒が共にサーチサボタージュ能力が得意という色の特徴から来ている。


Whisper Agent / 囁く工作員 (1)(青/黒)(青/黒)
クリーチャー — 人間(Human) ならず者(Rogue)

瞬速
囁く工作員が戦場に出たとき、諜報1を行う。(あなたのライブラリーの一番上からカードを1枚見る。あなたはそのカードをあなたの墓地に置いてもよい。)

3/2

ラヴニカのギルドでのキーワード能力諜報。ライブラリー操作と墓地肥やしを兼ね、情報収集と知識を尊ぶシンプルながらディミーアらしい能力になっている。ライブラリー破壊に特化した性質は鳴りを潜め、代わりに諜報を行うと誘発する能力を持ったものや、隠された情報を探し出すドロー、情報の抜き取りあるいは精神破壊工作を行う手札破壊カードといった、「スパイの諜報活動」を表したカードが収録されている。

忍術の亜種である変装という能力が候補に挙がったが、それは複雑すぎかつセット全体のデザインに必要のないものと判断された。最終的に、他のギルドのメカニズムが必要とする墓地肥やしを兼ねた諜報が採用された。

関連カード・関連デッキ

ラヴニカ・ブロック

ラヴニカへの回帰ブロック

ラヴニカのギルド

デッキ

参考

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