陽焼けした砂漠/Sunscorched Desert
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ETB能力でプレイヤーかプレインズウォーカーに1点ダメージを飛ばす砂漠。ピラニアの湿地/Piranha Marshの無色マナ版といったところ。
ライフロスでなく本体火力になっているという違いはあるが、もとより土地を発生源とするダメージに対処できる実用的な手段は限られるため、ダメージソースとしての信頼性はほぼ同じと見てよい。特にこれはアンタップインであるため、テンポを失う事なくライフを詰めていけるのはアグレッシブなデッキにとってより噛み合うものとなっている。砂漠関連のシナジーに期待できる点も嬉しい。
もっとも、色マナを出せないデメリットに比べれば些細な見返りであり、手放しに採用できるわけでないという点は相変わらず。特に多色デッキで使うのはためらわれる。そもそもこれに限らず無色マナ土地はアンタップインが多く、より影響の強い効果を持つものは枚挙に暇がないため、競合相手や相性のよいカードの有無など、活躍できるかはこれを採用するに足るほど前のめりな単色ビートダウンが組めるかも含めて、環境のカードプールに大きく依存する。
- アンタップインであるため、ピラニアの湿地よりはもう少しコンボのルートが増える。例えば何らかの手段(領域大工/Realmwrightや虹色の前兆/Prismatic Omenや彩色の灯籠/Chromatic Lanternなど)で白マナを出せるようにしてやれば、廃墟の幽霊/Ruin Ghostと珊瑚兜への撤退/Retreat to Coralhelmで出し入れを繰り返して無限ダメージ。
スタンダードでの活躍
登場直後のスタンダードでは無色にフォーカスしたデッキが既にメタゲームの一線から退潮していた事もあり、環境初期にこれを搭載したエルドラージ・アグロや赤単色のビートダウンが稀に見られる程度に留まった。直後のセットである破滅の刻参入後は、土地タイプと方向性の面で非常に噛み合ったラムナプの遺跡/Ramunap Ruinsが登場した事でラムナプ・レッドが成立し、メインデッキにほぼ4枚積みされた。ラムナプの遺跡と併せ、初期ライフの4分の1以上を容易に削るマナ基盤として、その隆盛を縁の下で支えた。
イクサランの相克期にラムナプの遺跡は禁止カードに指定されたが、後継となる赤単アグロでそのまま2~3枚が使われ続けた。ただし、以前のような決定力が失われたため、ささやかながらもボードコントロール力を持った絡みつく砂丘/Grasping Dunesがこの枠に取って代わることも多くなり、確定的なスロットではなくなった。
ドミナリア参入後の赤系デッキでは、強い色拘束を抱える反面高いカードパワーを持つゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirlerが隆盛。これが同デッキで必須クリーチャーになるにつれ、赤マナを出せない基本でない土地自体の採用が避けられるようになり、限られたそのスロットさえ屍肉あさりの地/Scavenger Groundsが優先された事で、採用数は激減していった。