トロール/Troll
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絡み架かりのトロールは壁面の割れ目にある洞窟に潜んでおり、崖を登ったり橋を揺らしたりしやすいように骨の突起を身に着けている。 | 絡み架かりのトロールは壁面の割れ目にある洞窟に潜んでおり、崖を登ったり橋を揺らしたりしやすいように骨の突起を身に着けている。 |
2023年9月18日 (月) 18:58時点における最新版
トロール/Trollは種族の一つ。様々な次元/Planeに棲息する。
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[編集] 解説
北欧の民間伝承に登場する妖精、あるいは怪物の一種である「トロル」がモデル。広く各地に伝わっているものの、伝承における描写は地域によってまちまちであり、いたずら好きな小さい妖精であるとする地方もあれば、毛むくじゃらの獰猛な怪物で人を襲って食べてしまうとする地方もある。マジックを含む創作ファンタジーの業界では後者をベースとすることが多く、今日では「醜い容姿と並外れた自然治癒能力を持つ怪物」として描写されることが多い。マジックでは前者に相当するフェアリーが既におり、それとの差別化という事情もあるだろう。イーブンタイドに登場したトロウ/Trowも、同じ発祥のものが別の地方で別の伝承となったものとされることから、クリーチャー・タイプはトロール/Trollに統一されている。
様々な次元/Planeに生息し、ほとんどが野蛮で獰猛、好戦的。比較的人型を保っているものもいるが、もはやほぼ獣(もしくはなんとも表現しづらい奇妙な怪物)の姿のものも珍しくない。人間/Humanやエルフ/Elfなどの肉を好んで食べるものも多く、ラヴニカ/Ravnicaではゴルガリ団/The Golgariが死体処理に利用している。
[編集] ドミナリア
AR4562現在のドミナリア/Dominariaではトロールは絶滅の危機に瀕している。
[編集] 重要人物
- ボータック/Bortuc - 沼地の屍術師/Necromancer。男性。AR46世紀現在の数少ない生き残りで、自らの種族を復興する術を探している。
[編集] ミラディン
ミラディン/Mirrodinのトロールは他の生物と同様マイコシンス/Mycosynthによる金属化が起きており、肩や首に板または瘤状の銅が現れ、前腕部も銅メッキで覆われている(イラスト)。その性質は他次元のトロールとは大きく異なっており、極めて高い知性を持つことで知られる。彼らはミラディンの歴史をテル=ジラード/Tel-Jiladに刻むことを使命としており、余所者と関わることはほとんどない。後に大消失/the Vanishingによってほぼすべてのトロールを失い、そのまま絶滅した(と思われている)。[編集] 重要人物
- スラーン/Thrun - ミラディン最後のトロール。男性。メリーラ/Meliraを養女とし、絡み森/The Tangleで隠遁生活をしている。
[編集] ゼンディカー
ゼンディカー/Zendikarのトロールは人里離れた森や沼地に住む、稀少で隠遁的な巨人/Giantのような生物である。野蛮で気性が荒く、高い再生能力も備えているため非常に危険な存在である。彼らは縄張り意識が強く、しばしば自分たちの土地を通る人々に賄賂を要求し、支払わなかった者を殺戮している。
[編集] エルドレイン
エルドレイン/Eldraineのトロールは人間/Humanの二倍ほどの背丈を持つ、肉食の種族である。彼らはエルドレインの二足歩行生物では最も頭が悪いとされ、襲った人間より剥いだボロきれに身を包んでいる(イラスト)。
王国/The Realmと僻境/The Wildsの間に巨大な裂け目が生じた後、多くのトロールがそこに架けられた橋である絡み架かり/Tanglespanに集まった。そして、橋を一人で渡る旅人が非常に食べやすい獲物であると気づいた。以降、絡み架かりを維持し旅人を守ろうとするフォーン/Faunとの激しい戦いが生じている。
絡み架かりのトロールは壁面の割れ目にある洞窟に潜んでおり、崖を登ったり橋を揺らしたりしやすいように骨の突起を身に着けている。
[編集] カルドハイム
カルドハイム/Kaldheimのトロールは領界/Realmの一つ、ノットヴォルド/Gnottvoldに住まう。ノットヴォルドの古代遺跡は、二種類の異なるトロールに幾分かの棲処をもたらす。二つのうち、小型で攻撃的な方のハギ/The Hagiのトロールは、まとまりのない群れで狩りを行いながら、ノットヴォルド中で暴れ回っている。彼らはトルガ/The Torgaのトロールにちょっかいをかけることを好む。トルガはより大型で、家族集団で暮らし、一度に何年間も眠ることがある。そのねぼすけのように見える性分とは裏腹に、不意にまどろみから起こされたトルガのトロールは激怒し、破壊的な大暴れを始める。それはそのトロールが疲れて新たな寝床を探すまで、何週間も続くことがある。
[編集] ハギ/The Hagi
ハギのトロールはトルガよりも小型で意地が悪い。とはいえ、ハギの中には驚くほどの大きさに成長する者もいる。彼らは特に知的とは言えず、その行動原理は基本的で原始的だ――最も多くの食料を得ること、最も良いねぐらを持つこと、最高のものを見つけること。それらのために彼らは緩い群れで移動し、混み合った巣で眠るが、その荒い気性は、喧嘩や抗争がありふれていることを意味する。
何世代にもわたって、ハギは古い遺跡の多くから漁れるものを漁ってきた。そして今も、まだ略奪されていない墳墓や石塚を探し続けている。彼らは通貨の類を用いないが、剣の欠片、ルーンが刻まれた金属細工、割れた杯は、ハギの氏族の間で重宝される有用品となっている。自分たちの文字は持たないものの、彼らは古の巨人/Giantのルーンの一部を解読し、ある種の粗野で初歩的な魔法を次第に開発していった。その魔法はほとんど制御できておらず、不意に爆発する傾向にある――ハギの魔道士の寿命は、他のトロールのそれよりも遥かに短い。
ほとんどの場合、ハギは素手で、あるいは古の武器の欠片を用いて戦う。ハギの他氏族から略奪を行う、あるいは欲しいものを持っているトルガの家族を襲撃する必要がある場合には、彼らは棒に岩を括りつけるか、その他の粗野な武器を作るが、物作りへの関心はそこまでだ。
- 名前はスコットランドの伝承上の動物ハギス(英:haggis)からか。
[編集] トルガ/The Torga
トルガは草むした遺跡に、特に鬱蒼としたハムンダーの森/The Hamundar Forestにあるものに居を構える。彼らは小さな家族集団で暮らす傾向にあり、縄張りや食料源を巡って他の家族と定期的に衝突する。ハギとは異なり、彼らはシャーマン的で、自然界と深く繋がっており、多くの者が自然魔法や治癒魔法に熟達している。この自然との繋がりのために、トルガは信じられないほど力強く、驚くべき再生能力によってすぐに復活する。彼らはハムンダーの森を厳重に保護しており、森に踏み入るハギがいれば攻撃する。余所者の撃退は、異なる家族集団が協力して働く理由になる数少ないものの一つだ。
トルガは睡眠欲を最大の行動原理とし、眠ることに非常に長けており、一度に何年間も眠ることもしばしばである。あまりに長く眠るため、彼らは周囲の環境に溶け込んでしまう――長い間眠っているトルガは、巨岩や古い遺跡の一部とよく間違えられる。実際トルガの中には、ある種のカモフラージュとして、巨人の遺跡に近い場所を寝床に選ぶ者もいる。
やがて彼らの上に植物がはびこり、どこからがトルガでどこからが遺跡か分からなくなる。トルガは本来よりも早く起こされることをひどく嫌っており、眠りが妨げられると信じられないほど暴力的で野蛮になる。彼らは盲目的な憤怒とともに暴れ回り、通り道にあるものを何であれ破壊する――ハギのトロールを素手で真っ二つに引き裂くことも含めて。それは彼らが完全に疲れ果て、再び眠りに戻るまで続く。
[編集] 重要人物
- スヴェラ/Svella - 放浪の芸術家。女性。トロールとしては例外的に賢く、氷で神秘的な彫刻を作り上げる。
[編集] 関連資料
- ドミナリア
- ミラディン
- Mirrodin block trolls(Arcana 2004年4月6日 Wizards of the Coast著)
- WAR!/戦争だ!(Savor to Flavor 2011年1月17日 Doug Beyer著)
- ゼンディカー
- Plane Shift: Zendikar(Feature 2016年4月27日)
- エルドレイン
- 『エルドレインの森』ワールドガイド展示資料(30th Anniversary CELEBRATION TOKYO、英語)
- カルドハイム
- Planeswalker's Guide to Kaldheim, Part 2/プレインズウォーカーのためのカルドハイム案内 その2(Feature 2021年1月14日 Ari Zirulnik and Jenna Helland著)