四肢切断/Dismember
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− | [[ | + | [[マナ総量]]こそ3だが、最小1[[マナ]]で[[色]]を気にせず[[唱える|唱え]]られるのは魅力。最大4点の[[ライフロス]]はさすがに小さくないが、[[タフネス]]5までの[[クリーチャー]]を[[除去]]できるならば必要経費としては妥当な範囲だろう。もちろんそのまま3マナで撃つこともできるし、ファイレクシア・マナのうちひとつを[[黒マナ]]、ひとつを[[ライフ]]という形でも[[支払う|支払える]]。その場に応じて柔軟に[[コスト]]を選べるのが強みである。 |
[[黒]]の含まれない[[デッキ]]で、ライフでの支払いを前提に採用することもできる。クリーチャー除去に乏しい[[青]]や[[緑]]はもちろん、[[白]]でもタイミングを選ばない除去は貴重。[[火力]]を有する[[赤]]においても、[[コーの火歩き/Kor Firewalker]]等の[[プロテクション]](赤)持ち、[[荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon]]などの[[再生]]持ち、[[悪斬の天使/Baneslayer Angel]]などの[[タフネス]]の高いクリーチャーなど、火力では対処しづらいものは多々いるため、併用する価値は十分にある。 | [[黒]]の含まれない[[デッキ]]で、ライフでの支払いを前提に採用することもできる。クリーチャー除去に乏しい[[青]]や[[緑]]はもちろん、[[白]]でもタイミングを選ばない除去は貴重。[[火力]]を有する[[赤]]においても、[[コーの火歩き/Kor Firewalker]]等の[[プロテクション]](赤)持ち、[[荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon]]などの[[再生]]持ち、[[悪斬の天使/Baneslayer Angel]]などの[[タフネス]]の高いクリーチャーなど、火力では対処しづらいものは多々いるため、併用する価値は十分にある。 | ||
− | 黒いデッキにおいては、[[スタンダード]]ならば[[破滅の刃/Doom Blade]]や[[喉首狙い/Go for the Throat]]などが比較対象となる。[[再生]]持ちや[[ | + | 黒いデッキにおいては、[[スタンダード]]ならば[[破滅の刃/Doom Blade]]や[[喉首狙い/Go for the Throat]]などが比較対象となる。[[再生]]持ちや[[破壊不能]]持ちクリーチャーに対処できる点や、[[マナ・クリーチャー]]に対して1マナで撃てる点が強みになる。一方[[エターナル]]ならば[[殺し/Snuff Out]]や[[血の復讐/Vendetta]]などが比較対象となる。黒いクリーチャーを対象に取る事ができ、また[[突然の死/Sudden Death]]より修整値が大きいのもポイント。ただしどちらの[[フォーマット]]においても、そういったクリーチャーが脅威とならない[[環境]]においては、通常の除去呪文が優先されるだろう。 |
− | スタンダードでは上記のメリットが買われ、[[Caw-Blade]]など黒を含まないデッキを含め多くのデッキに採用されている。[[糾弾/Condemn]]、[[失脚/Oust]]、[[未達への旅/Journey to Nowhere]]が通用しない[[戦争と平和の剣/Sword of War and Peace]]や[[欠片の双子/Splinter Twin]][[コンボ]]に対しても、このカードなら[[インスタント・タイミング]]で対応できる。その活躍ぶりは、[[フィニッシャー]] | + | スタンダードでは上記のメリットが買われ、[[Caw-Blade]]など黒を含まないデッキを含め多くのデッキに採用されている。[[糾弾/Condemn]]、[[失脚/Oust]]、[[未達への旅/Journey to Nowhere]]が通用しない[[戦争と平和の剣/Sword of War and Peace]]や[[欠片の双子/Splinter Twin]][[コンボ]]に対しても、このカードなら[[インスタント・タイミング]]で対応できる。その活躍ぶりは、[[フィニッシャー]]の評価基準に「タフネスが6以上であるかどうか」が加わるほど。またファイレクシア・マナによる少なくない[[ライフロス]]については、[[機を見た援軍/Timely Reinforcements]]で補助する場合がある。 |
− | [[イニストラード]] | + | [[イニストラード]]参入以降は、高速ビートダウンデッキである[[人間 (デッキ)#ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期|人間ウィニー]]の隆盛に加えて、[[ミラディンの十字軍/Mirran Crusader]]や[[聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft]]、[[原始のタイタン/Primeval Titan]]を始めとするタイタン・サイクルなどが除去できないという欠点が目立つ様になり、もっと気軽に使えるその他の除去に出番を奪われる事も多かった。しかしその後、[[アヴァシンの帰還]]で[[修復の天使/Restoration Angel]]という強力で使用頻度の高いタフネス5以下のクリーチャーが登場したことで、再び採用される機会が増した。 |
− | [[エターナル]]でも使われる強力な除去である。やはり実質[[ | + | [[エターナル]]でも使われる強力な除去である。やはり実質[[不特定マナ]]1点で使える点が評価され、[[青単色デッキ|青単]]の[[マーフォーク (デッキ)#エターナル|マーフォーク]]が邪魔なクリーチャーをどけるのに使ったり、対[[MUD]]に[[サイドボード]]に仕込んだりと利用法は様々。 |
*[[効果]]の同じ[[引き込み/Pull Under]]や[[やつれ/Waste Away]]と比べるとかなり[[軽い]]が、その当時の黒の除去は[[闇への追放/Dark Banishing]]が基準であり、全般に[[重い]]ものが多かった。この差はまさに時代の差というほかなく、近年全般に[[カードパワー]]が向上している実例のひとつと言えるだろう。 | *[[効果]]の同じ[[引き込み/Pull Under]]や[[やつれ/Waste Away]]と比べるとかなり[[軽い]]が、その当時の黒の除去は[[闇への追放/Dark Banishing]]が基準であり、全般に[[重い]]ものが多かった。この差はまさに時代の差というほかなく、近年全般に[[カードパワー]]が向上している実例のひとつと言えるだろう。 | ||
− | *[[色の役割]]を大きく無視してしまった[[ファイレクシア・マナ]] | + | *[[色の役割]]を大きく無視してしまった[[ファイレクシア・マナ]]の中でも、このカードは代表格。[[Mark Rosewater]]のコラムで、名指しで教訓としてあげられている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/state-design-2011-2011-08-22 State of Design 2011]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0003990/ デザイン演説2011]([[Making Magic]] [[2011年]]8月22日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 |
− | + | *元々は(黒/Φ)(黒/Φ)で-4/-4だったが、マナなしでプレイできる除去呪文は強すぎるということで[[不特定マナ・コスト]]が追加され-5/-5となったという <ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/cards-my-sleeve-2011-05-16 Cards Up My Sleeve]/[https://web.archive.org/web/20121102011524/http://mtg-jp.com/reading/translated/001517/ 私の愛したカードたち(Internet Archive)](Feature 2011年5月16日 Mark Rosewater著)</ref>。 | |
+ | *[[2012年]]4月の[[フライデー・ナイト・マジック・プロモーション・カード]]として配布された。[[時のらせんリマスター]]での再録時もその時の{{Gatherer|id=512893}}が使用されている。 | ||
+ | ==脚注== | ||
+ | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
*[[カード個別評価:新たなるファイレクシア]] / ファイレクシア陣営 - [[アンコモン]] | *[[カード個別評価:新たなるファイレクシア]] / ファイレクシア陣営 - [[アンコモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:時のらせんリマスター]] - 旧枠加工カード | ||
+ | *[[カード個別評価:モダンマスターズ2015]] - [[アンコモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:スペシャルゲスト (モダンホライゾン3)]] - [[神話レア]] | ||
+ | *[[Secret Lair Drop Series/2024年#Secret Lair x Monty Python and the Holy Grail: Vol.1|Secret Lair Drop Series: Secret Lair x Monty Python and the Holy Grail: Vol.1]] | ||
+ | *[[Secret Lair Drop Series/2021年#Monster Movie Marathon|Secret Lair Drop Series: Monster Movie Marathon]] |
2024年7月27日 (土) 13:57時点における最新版
インスタント
((黒/Φ)は(黒)でも2点のライフでも支払うことができる。)
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-5/-5の修整を受ける。
ファイレクシア・マナをマナ・コストに含むマイナス修整インスタント。
マナ総量こそ3だが、最小1マナで色を気にせず唱えられるのは魅力。最大4点のライフロスはさすがに小さくないが、タフネス5までのクリーチャーを除去できるならば必要経費としては妥当な範囲だろう。もちろんそのまま3マナで撃つこともできるし、ファイレクシア・マナのうちひとつを黒マナ、ひとつをライフという形でも支払える。その場に応じて柔軟にコストを選べるのが強みである。
黒の含まれないデッキで、ライフでの支払いを前提に採用することもできる。クリーチャー除去に乏しい青や緑はもちろん、白でもタイミングを選ばない除去は貴重。火力を有する赤においても、コーの火歩き/Kor Firewalker等のプロテクション(赤)持ち、荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragonなどの再生持ち、悪斬の天使/Baneslayer Angelなどのタフネスの高いクリーチャーなど、火力では対処しづらいものは多々いるため、併用する価値は十分にある。
黒いデッキにおいては、スタンダードならば破滅の刃/Doom Bladeや喉首狙い/Go for the Throatなどが比較対象となる。再生持ちや破壊不能持ちクリーチャーに対処できる点や、マナ・クリーチャーに対して1マナで撃てる点が強みになる。一方エターナルならば殺し/Snuff Outや血の復讐/Vendettaなどが比較対象となる。黒いクリーチャーを対象に取る事ができ、また突然の死/Sudden Deathより修整値が大きいのもポイント。ただしどちらのフォーマットにおいても、そういったクリーチャーが脅威とならない環境においては、通常の除去呪文が優先されるだろう。
スタンダードでは上記のメリットが買われ、Caw-Bladeなど黒を含まないデッキを含め多くのデッキに採用されている。糾弾/Condemn、失脚/Oust、未達への旅/Journey to Nowhereが通用しない戦争と平和の剣/Sword of War and Peaceや欠片の双子/Splinter Twinコンボに対しても、このカードならインスタント・タイミングで対応できる。その活躍ぶりは、フィニッシャーの評価基準に「タフネスが6以上であるかどうか」が加わるほど。またファイレクシア・マナによる少なくないライフロスについては、機を見た援軍/Timely Reinforcementsで補助する場合がある。
イニストラード参入以降は、高速ビートダウンデッキである人間ウィニーの隆盛に加えて、ミラディンの十字軍/Mirran Crusaderや聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft、原始のタイタン/Primeval Titanを始めとするタイタン・サイクルなどが除去できないという欠点が目立つ様になり、もっと気軽に使えるその他の除去に出番を奪われる事も多かった。しかしその後、アヴァシンの帰還で修復の天使/Restoration Angelという強力で使用頻度の高いタフネス5以下のクリーチャーが登場したことで、再び採用される機会が増した。
エターナルでも使われる強力な除去である。やはり実質不特定マナ1点で使える点が評価され、青単のマーフォークが邪魔なクリーチャーをどけるのに使ったり、対MUDにサイドボードに仕込んだりと利用法は様々。
- 効果の同じ引き込み/Pull Underややつれ/Waste Awayと比べるとかなり軽いが、その当時の黒の除去は闇への追放/Dark Banishingが基準であり、全般に重いものが多かった。この差はまさに時代の差というほかなく、近年全般にカードパワーが向上している実例のひとつと言えるだろう。
- 色の役割を大きく無視してしまったファイレクシア・マナの中でも、このカードは代表格。Mark Rosewaterのコラムで、名指しで教訓としてあげられている[1]。
- 元々は(黒/Φ)(黒/Φ)で-4/-4だったが、マナなしでプレイできる除去呪文は強すぎるということで不特定マナ・コストが追加され-5/-5となったという [2]。
- 2012年4月のフライデー・ナイト・マジック・プロモーション・カードとして配布された。時のらせんリマスターでの再録時もその時のイラストが使用されている。
[編集] 脚注
- ↑ State of Design 2011/デザイン演説2011(Making Magic 2011年8月22日 Mark Rosewater著)
- ↑ Cards Up My Sleeve/私の愛したカードたち(Internet Archive)(Feature 2011年5月16日 Mark Rosewater著)