再生

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(参考)
 
(22人の利用者による、間の27版が非表示)
1行: 1行:
{{Otheruses|キーワード能力|カード|再生/Regeneration}}
+
{{Otheruses|[[キーワード処理]]|[[リミテッド・エディション]]初出の[[エンチャント]]・[[カード]]|再生/Regeneration}}
'''再生'''/''Regenerate''は、[[キーワード処理]]の1つ。[[パーマネント]]の[[破壊]]に対する[[置換効果]]を作るということを意味する。
+
'''再生'''(さいせい)/''Regenerate''は、[[キーワード処理]]の1つ。[[パーマネント]]の[[破壊]]に対する[[置換効果]]を作るということを意味する。
  
 
{{#card:Drudge Skeletons}}
 
{{#card:Drudge Skeletons}}
7行: 7行:
 
==定義==
 
==定義==
 
これの使われている[[効果]]の種類により、行うべき行動が少し異なる。
 
これの使われている[[効果]]の種類により、行うべき行動が少し異なる。
#[[呪文]]や[[能力]]の[[解決]]による効果の場合、「[パーマネント]を再生する」とは、「この[[ターン]]、次に[パーマネント]が破壊される場合、代わりにそれから全ての[[ダメージ]]を取り除き、[[タップ]]し、([[戦闘]]に参加しているなら)戦闘から取り除く」を意味する。
+
#[[呪文]]や[[能力]]の[[解決]]による効果の場合、「[パーマネント]を再生する」とは、「この[[ターン]]、次に[パーマネント]が破壊される場合、代わりにそれから全ての[[ダメージ]]を取り除き、その[[コントローラー]]はそれを[[タップ]]し、([[戦闘]]に参加しているなら)[[戦闘から取り除く]]」を意味する。
 
#*次の破壊1回だけに対して有効。
 
#*次の破壊1回だけに対して有効。
#[[常在型能力]]の効果の場合、「[パーマネント]を再生する」とは「[パーマネント]が破壊される場合、代わりにそれから全てのダメージを取り除き、タップし、(戦闘に参加しているなら)戦闘から取り除く」を意味する。
+
#[[常在型能力]]の効果の場合、「[パーマネント]を再生する」とは「[パーマネント]が破壊される場合、代わりにそれから全てのダメージを取り除き、そのコントローラーはそれをタップし、(戦闘に参加しているなら)戦闘から取り除く」を意味する。
 
#*能力が有効である限り何回でも有効。
 
#*能力が有効である限り何回でも有効。
  
 
==解説==
 
==解説==
再生と言う言葉のイメージからすると、この「あらかじめ再生しておく」というのはやや直感に反するかもしれないが、[[軽減]]と同様に「'''再生の盾'''」のイメージで考えるとわかりやすい。
+
再生と言う言葉のイメージからすると、この「あらかじめ再生しておく」というのはやや直感に反するかもしれないが、[[軽減]]と同様に「'''再生の[[盾]]'''」のイメージで考えるとわかりやすい。
 +
*[[第6版]]でのルール変更の前は挙動が異なっており(後述)、現在よりも言葉のイメージに近い挙動であった。
 +
*[[金澤尚子]]のルール解説漫画で、再生ではなく「生き残り」と呼んだらいいんじゃないか?というジョークがあった。イメージはしやすいかもしれない。
 +
*[[R&D]]でも、再生(と[[プロテクション]])についてはより直感的な名前に置き換えられないか、議論がされたことがある<ref>[https://markrosewater.tumblr.com/post/37610664780/have-you-development-considered-phasing-out Blogatog]</ref>。
  
 
再生持ち[[クリーチャー]]は[[黒]]に多く、次いで[[緑]]に多い。他の[[色]]にも多少は存在する。黒も緑も[[色マナ]]1個で再生できるものがいたり、再生能力を付加する[[オーラ]]があったりと似通っている。[[白]]には[[蘇生の印/Death Ward]]のようなカードが存在し、自分以外を再生する能力が比較的多い。[[次元の混乱]]では白に「自己の再生」の役割が与えられた。イメージ的には緑は溢れる生命力、黒はアンデッド化などの魔術、白は宗教的奇跡による再生である場合が多い。
 
再生持ち[[クリーチャー]]は[[黒]]に多く、次いで[[緑]]に多い。他の[[色]]にも多少は存在する。黒も緑も[[色マナ]]1個で再生できるものがいたり、再生能力を付加する[[オーラ]]があったりと似通っている。[[白]]には[[蘇生の印/Death Ward]]のようなカードが存在し、自分以外を再生する能力が比較的多い。[[次元の混乱]]では白に「自己の再生」の役割が与えられた。イメージ的には緑は溢れる生命力、黒はアンデッド化などの魔術、白は宗教的奇跡による再生である場合が多い。
19行: 22行:
 
[[恐怖/Terror]]、[[火葬/Incinerate]]、[[酸化/Oxidize]]などのように、再生を禁止する[[効果]]も存在する。古い[[赤]]のカードの一部を除けば、再生禁止は破壊効果やダメージに付加されている。そのため、この効果は[[除去]]の[[色]]である黒に多い。
 
[[恐怖/Terror]]、[[火葬/Incinerate]]、[[酸化/Oxidize]]などのように、再生を禁止する[[効果]]も存在する。古い[[赤]]のカードの一部を除けば、再生禁止は破壊効果やダメージに付加されている。そのため、この効果は[[除去]]の[[色]]である黒に多い。
  
[[軽い]]再生持ちは、相手の[[トランプル]]を持たない[[大型クリーチャー]][[ブロック (ルール用語)|ブロック]]を繰り返して無力化できるので結構便利。
+
[[軽い]]再生持ちは、[[トランプル]]を持たない[[大型クリーチャー]]を繰り返し[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]して無力化できるので結構便利。
 +
 
 +
マジック最初期から存在するキーワードであり、かつては[[常盤木]]であった。[[2016年]]の[[ゲートウォッチの誓い]]を最後に[[本流のセット]]から退場し常盤木からも外された(経緯については[[#その他]]参照)。
  
 
===ルール===
 
===ルール===
 
*「[[生け贄に捧げる]]」ことは「破壊される」こととは別なので、再生で生け贄に捧げることは防げない。
 
*「[[生け贄に捧げる]]」ことは「破壊される」こととは別なので、再生で生け贄に捧げることは防げない。
 
*[[タフネス]]が0以下になったクリーチャーが墓地に置かれるのは破壊ではないため、再生では防げない。
 
*[[タフネス]]が0以下になったクリーチャーが墓地に置かれるのは破壊ではないため、再生では防げない。
*再生されたパーマネントは墓地に置かれないので、[[オーラ]]や[[装備品]]は外れないし、[[カウンター (目印)|カウンター]]の数なども変化しない。
+
*再生されたパーマネントは墓地に置かれないので、[[オーラ]]や[[装備品]]は[[はずす|はずれ]]ないし、[[カウンター (目印)|カウンター]]の数なども変化しない。
 
*再生するのは大抵クリーチャーだが、クリーチャーでないパーマネントも再生は可能である。[[溶接の壺/Welding Jar]]が好例。
 
*再生するのは大抵クリーチャーだが、クリーチャーでないパーマネントも再生は可能である。[[溶接の壺/Welding Jar]]が好例。
 
*タップすることは[[コスト]]ではなく、再生の効果の一部である。したがって、タップ状態であっても[[召喚酔い]]していても再生できる。
 
*タップすることは[[コスト]]ではなく、再生の効果の一部である。したがって、タップ状態であっても[[召喚酔い]]していても再生できる。
32行: 37行:
 
===その他===
 
===その他===
 
*[[第6版]]以前のルールでは、再生能力は「ダメージが与えられようとしているとき」「破壊されようとしているとき」にしか[[起動]]できず、現在の様に「あらかじめ再生しておく」ということができなかった。そのため、[[マナ]]を消費しての再生を持つクリーチャーが戦場にいても、余剰マナによる[[マナ・バーン]](による[[ライフロス]])を防ぐという[[プレイング]]はできなかった。
 
*[[第6版]]以前のルールでは、再生能力は「ダメージが与えられようとしているとき」「破壊されようとしているとき」にしか[[起動]]できず、現在の様に「あらかじめ再生しておく」ということができなかった。そのため、[[マナ]]を消費しての再生を持つクリーチャーが戦場にいても、余剰マナによる[[マナ・バーン]](による[[ライフロス]])を防ぐという[[プレイング]]はできなかった。
*「[[墓地]]のカードを[[戦場]]に出すこと」ではない。そちらは[[リアニメイト]]と呼ばれる。
+
*[[2023年]]9月の[[総合ルール]]更新で、[[エルドレインの森]]で誰がクリーチャーをタップしたかを参照する能力が登場したことにより、再生するクリーチャーのコントローラーがタップするよう明確化された。
 +
*「[[墓地]]のカードを[[戦場に出す]]こと」ではない。そちらは[[リアニメイト]]と呼ばれる。
 
*日本語名、英語名ともに同名カードがある。([[再生/Regeneration]]、[[再びの生/Regenerate]])
 
*日本語名、英語名ともに同名カードがある。([[再生/Regeneration]]、[[再びの生/Regenerate]])
 +
*ある時期から、「再生できない」効果持ちのカードが激減していた。これは[[環境]]の多くの除去呪文に「再生できない」効果を付けることで、相対的に再生が弱くなりすぎることを防ぐためである<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004188/ 基本セットのデザイン その1]</ref>。
 +
*[[イニストラードを覆う影]]の頃に、デザイン・チームは再生は複雑すぎると判断し、別のものに置き換えることを検討し始めた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/m-files-shadows-over-innistrad-part-1-2016-04-08 The M-Files: Shadows over Innistrad, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0016680/ Mファイル『イニストラードを覆う影』編・パート1]</ref>。最終的に[[カラデシュ]]のあたりで、再生は新規に登場しない事が決定され、今後は「ターン終了時まで[[破壊不能]]を得る」効果で代用される事となった<ref>[https://magic.wizards.com/en/node/1085766 Odds and Ends: Kaladesh, Part 3]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0017913/ こぼれ話:『カラデシュ』 その3]</ref>。[[酷役の歩哨/Drudge Sentinel]]や[[意地悪な狼/Wicked Wolf]]など、自身がタップされる点を再現しているものもいる。
 +
*最後に本流のセットで再生が機能的に使われたカードはゲートウォッチの誓いの[[異常な忍耐/Unnatural Endurance]]と[[産み落とす巨体/Birthing Hulk]]。その後新規カードは[[モダンホライゾン2]]の[[滅ぼし/Damn]]で「再生できない。」が使用されるのみだったが、[[モダンホライゾン3統率者デッキ]]で[[掃討の溶岩皇/Exterminator Magmarch]]が登場した。
 +
*[[MTGアリーナ]]では[[多元宇宙の伝説]]で[[荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon]]が実装されたことで登場した。
 +
**名称自体は[[神の怒り/Wrath of God]]、[[粉砕の嵐/Shatterstorm]]、[[化膿/Putrefy]]の3枚でテキストに既に登場していたが、長らく意味のない記述となっていた。この登場により神の怒りは[[審判の日/Day of Judgment]]と性能面で差別化されることとなった。
 +
**VFX(演出)は[[盾カウンター]]と同じものとなっている<ref>[https://mtgarena-support.wizards.com/hc/en-us/articles/14992433258004-Patch-Notes-2023-25-00 Patch Notes - 2023.25.00]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0036872/ MTGアリーナ:パッチノート 2023.25.0]</ref>。
 +
 +
==注釈==
 +
<references />
  
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[キーワード処理]]
 
*[[キーワード処理]]
 +
*[[盾]]
 
*[[ルーリング]]
 
*[[ルーリング]]
  
 
{{#cr:{{キーワード処理のCR番号|再生}}}}
 
{{#cr:{{キーワード処理のCR番号|再生}}}}
 
__NOTOC__
 
__NOTOC__

2024年6月1日 (土) 21:38時点における最新版

再生(さいせい)/Regenerateは、キーワード処理の1つ。パーマネント破壊に対する置換効果を作るということを意味する。


Drudge Skeletons / 蠢く骸骨 (1)(黒)
クリーチャー — スケルトン(Skeleton)

(黒):蠢く骸骨を再生する。

1/1


Knight of the Holy Nimbus / 聖なる後光の騎士 (白)(白)
クリーチャー — 人間(Human) レベル(Rebel) 騎士(Knight)

側面攻撃(側面攻撃を持たないクリーチャーがこのクリーチャーをブロックするたび、ターン終了時まで、ブロックしているクリーチャーは-1/-1の修整を受ける。)
聖なる後光の騎士が破壊されるなら、それを再生する。(それをタップし、それを戦闘から取り除く。それに与えられたすべてのダメージを取り除く。)
(2):このターン、聖なる後光の騎士は再生できない。この能力はあなたの対戦相手のみが起動できる。

2/2

[編集] 定義

これの使われている効果の種類により、行うべき行動が少し異なる。

  1. 呪文能力解決による効果の場合、「[パーマネント]を再生する」とは、「このターン、次に[パーマネント]が破壊される場合、代わりにそれから全てのダメージを取り除き、そのコントローラーはそれをタップし、(戦闘に参加しているなら)戦闘から取り除く」を意味する。
    • 次の破壊1回だけに対して有効。
  2. 常在型能力の効果の場合、「[パーマネント]を再生する」とは「[パーマネント]が破壊される場合、代わりにそれから全てのダメージを取り除き、そのコントローラーはそれをタップし、(戦闘に参加しているなら)戦闘から取り除く」を意味する。
    • 能力が有効である限り何回でも有効。

[編集] 解説

再生と言う言葉のイメージからすると、この「あらかじめ再生しておく」というのはやや直感に反するかもしれないが、軽減と同様に「再生の」のイメージで考えるとわかりやすい。

  • 第6版でのルール変更の前は挙動が異なっており(後述)、現在よりも言葉のイメージに近い挙動であった。
  • 金澤尚子のルール解説漫画で、再生ではなく「生き残り」と呼んだらいいんじゃないか?というジョークがあった。イメージはしやすいかもしれない。
  • R&Dでも、再生(とプロテクション)についてはより直感的な名前に置き換えられないか、議論がされたことがある[1]

再生持ちクリーチャーに多く、次いでに多い。他のにも多少は存在する。黒も緑も色マナ1個で再生できるものがいたり、再生能力を付加するオーラがあったりと似通っている。には蘇生の印/Death Wardのようなカードが存在し、自分以外を再生する能力が比較的多い。次元の混乱では白に「自己の再生」の役割が与えられた。イメージ的には緑は溢れる生命力、黒はアンデッド化などの魔術、白は宗教的奇跡による再生である場合が多い。

恐怖/Terror火葬/Incinerate酸化/Oxidizeなどのように、再生を禁止する効果も存在する。古いのカードの一部を除けば、再生禁止は破壊効果やダメージに付加されている。そのため、この効果は除去である黒に多い。

軽い再生持ちは、トランプルを持たない大型クリーチャーを繰り返しブロックして無力化できるので結構便利。

マジック最初期から存在するキーワードであり、かつては常盤木であった。2016年ゲートウォッチの誓いを最後に本流のセットから退場し常盤木からも外された(経緯については#その他参照)。

[編集] ルール

  • 生け贄に捧げる」ことは「破壊される」こととは別なので、再生で生け贄に捧げることは防げない。
  • タフネスが0以下になったクリーチャーが墓地に置かれるのは破壊ではないため、再生では防げない。
  • 再生されたパーマネントは墓地に置かれないので、オーラ装備品はずれないし、カウンターの数なども変化しない。
  • 再生するのは大抵クリーチャーだが、クリーチャーでないパーマネントも再生は可能である。溶接の壺/Welding Jarが好例。
  • タップすることはコストではなく、再生の効果の一部である。したがって、タップ状態であっても召喚酔いしていても再生できる。
  • 「再生したとき」という条件は、「再生の盾」が破壊を置換した時を意味する。「再生の盾」が作られた時ではない。
  • 「再生できない」という効果は、再生が破壊を置換することを禁止する。「再生の盾」を作ることは禁止しない。

[編集] その他

[編集] 注釈

  1. Blogatog
  2. 基本セットのデザイン その1
  3. The M-Files: Shadows over Innistrad, Part 1/Mファイル『イニストラードを覆う影』編・パート1
  4. Odds and Ends: Kaladesh, Part 3/こぼれ話:『カラデシュ』 その3
  5. Patch Notes - 2023.25.00/MTGアリーナ:パッチノート 2023.25.0

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0


MOBILE