Illusionary Mask
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(初期のルールなど一部荒削りなところがありますが、オラクルの変遷についてざっとまとめました。) |
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+ | ''Whisperのカードテキストは最新オラクルに対応していません。最新オラクルは下記を参照ください。'' | ||
− | 後に[[変異]]というシステムにアレンジされる[[アーティファクト]]。[[クリーチャー]]を[[裏向き]]で[[ | + | 後に[[変異]]というシステムにアレンジされる[[アーティファクト]]。[[クリーチャー]]を[[裏向き]]で[[唱える]]ことができ、[[戦闘]]の参加や[[タップ]]によって[[表向き]]になる。相手から見れば、そのクリーチャーへの適切な対処がしづらくなるのが嫌なところ。 |
− | + | 裏向きの状態で[[戦場に出る]]ので、そのクリーチャーの持つ[[CIP]][[能力]]や戦場に出る際の[[置換効果]]が適用されないのが1つのポイント。そのため、例えば[[ネクラタル/Nekrataal]]のような便利なCIP能力を持つものをこれで出すのは、少々損。逆に、CIP能力などでのデメリット持ちを出すのはいい感じ。なかでも[[ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought]]との相性は抜群(→[[マスク・ドレッド]])。 | |
− | *[[ | + | *クリーチャー・[[カード]]を裏向きで唱えるためにこの能力を使う場合、[[X]]に支払った[[マナ]]の総量と[[タイプ]]を追跡し続けなければいけない。そのクリーチャー[[呪文]]が[[スタック]]から[[戦場]]以外のいずれかの[[領域]]に移動されたり、戦場から離れたり、[[ゲーム]]が終了したりする場合、その裏向きのカードは[[公開する|公開される]]。その[[マナ・コスト]]がXに支払ったマナの総量のすべてか一部で支払えなかった場合、不正なカードの[[唱える|キャスト]]として罰則が課せられる。 |
− | + | *もしIllusionary Maskが[[戦場を離れる|戦場を離れて]]しまっても、これで裏向きにしたクリーチャーを表向きにすることは可能。 | |
− | + | *これで裏向きにしたクリーチャーが[[変異誘発型能力]]を持つ場合、この[[効果]]で表向きにしたときにその能力は誘発する。 | |
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2004年9月20日より[[レガシー]]で禁止カードに指定される。 | 2004年9月20日より[[レガシー]]で禁止カードに指定される。 | ||
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+ | ==オラクルの変遷== | ||
+ | ===初期のテキスト=== | ||
+ | 印刷時の[[テキスト]]は以下のような効果であった(テキストの一部は最新のルールに合わせた表記にしています)。 | ||
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+ | |カードテキスト=(X):あなたは対戦相手がそれが何か分からないように裏向きで召喚呪文(アーティファクトでないクリーチャー呪文)を唱えてもよい。Xは0を含む任意のマナの量にしてもよい。クリーチャーの実際の唱えるために必要なコスト(casting cost)を隠して出す。そのコストは依然と支払わなければいけない。裏向きのクリーチャーにダメージが与えられる、もしくはダメージを与える、もしくはタップされると同時に、あなたはそれを表向きにしなければいけない。 | ||
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+ | 当初のコンセプトは、裏向きに隠した状態でクリーチャー呪文を唱える、ダメージ計算やタップが行われるときに表向きになるという能力であった。本来のコストは支払わなければいけないが、起動コストのXによって実際のコストを隠蔽することができる。 | ||
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+ | 当時の裏向きのクリーチャーは、他のプレイヤーが情報を知ることができないだけで表向きと同じ[[特性]]を持ち合わせていた。以下は当時の裁定。 | ||
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+ | *裏向きのクリーチャーについている[[オーラ]]も裏向きになる。しかし、その[[エンチャント]]の数は依然と見ることができる。 | ||
+ | *裏向きのクリーチャーの[[常在型能力]]も依然と機能する。例えば、裏向きの[[ゴブリンの王/Goblin King]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している場合、あなたは[[対戦相手]]がコントロールする[[モンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raiders]]が2/2であることを伝えるべきである。よって、このようなクリーチャーを隠すことは難しい。 | ||
+ | *[[クローン/Clone]]や[[Vesuvan Doppelganger]]は裏向きのクリーチャーになれる。対戦相手はあなたにその裏向きのクリーチャーの[[パワー]]や[[タフネス]]、[[能力]]に関して何も言う必要はない。しかし、対戦相手はあなたがとった処理の結果(何点与えるか、タップしているクリーチャーが能力を許可するか)を伝えなければいけない。 | ||
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+ | ===未来予知時点のオラクル=== | ||
+ | その後、幾度の[[オラクル]]更新を繰り返し、最後に機能変更が行われた[[未来予知]]発売に伴う2007年4月のオラクル更新の時点で以下のテキストとなった。 | ||
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+ | |カード名=Illusionary Mask (2007年4月) | ||
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+ | |カードテキスト=(X):あなたは、あなたの手札にある点数で見たマナ・コストがX以下であるクリーチャー・カードを1枚、0/1のクリーチャーとして裏向きに戦場に出してもよい。そのクリーチャーの上に仮面(mask)カウンターをX個置く。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみ起動できる。そのクリーチャーのコントローラーは、そのクリーチャーを、自分がインスタントを唱えられるときならいつでも、それからすべての仮面カウンターを取り除くことで表向きにしてもよい。この効果は、そのクリーチャーが表向きになった場合終了する。 | ||
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+ | 最初のテキストからの主な変更点は以下の通り。 | ||
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+ | #「唱える」から「[[戦場に出す]]」に変更された。また、解決時に戦場に出すのは任意となり、[[ソーサリー・タイミング]]の起動制限が設けられた。 | ||
+ | #変異登場以前に[[総合ルール]]で設けられたルールから、変異登場時のオラクル更新により、裏向きで出すカードは0/1のクリーチャーとして扱われるようになった。 | ||
+ | #点数で見たマナ・コストのみを参照するので、どの色のクリーチャーでも出せるようになった。 | ||
+ | #イカサマ防止および変異との区別のため、仮面カウンターという特有のカウンターを置くようになった。 | ||
+ | #[[インスタント・タイミング]]ならばいつでも表向きになれるようになった。 | ||
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+ | ===現在のオラクル=== | ||
+ | 幾度のオラクル更新によって、印刷時から非常に逸脱した[[テキスト]]になってしまったが、[[Masters Edition 3]]で[[再録]]される際にテキストの見直しが行われた。 | ||
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+ | 現在のルールは裏向きのカードと[[非公開情報]]のルールがあまりにも強固で論理的であるため、最初のルールを再現することができない。その代わりに、印刷時のテキストをできるだけ現在の解釈に近づけるように変更が行われた。変更後のテキストは以下の通り。 | ||
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+ | {{カードテキスト | ||
+ | |カード名=Illusionary Mask | ||
+ | |コスト=(2) | ||
+ | |タイプ=アーティファクト | ||
+ | |カードテキスト=(X):あなたはあなたの手札から、あなたが(X)に支払ったマナの総量のすべてか一部で[[マナ・コスト]]を支払うことができるクリーチャー・カードを1枚選んでもよい。そうした場合、あなたはそのカードを2/2のクリーチャー呪文としてそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その呪文が解決してクリーチャーになったら、そのクリーチャーは表向きにならず、それがダメージを[[割り振る|割り振ったり]]、それがダメージを与えたり、それにダメージを与えられたり、タップ状態になったりする場合、代わりにそれを表向きにし、割り振ったり、ダメージを与えたり、ダメージを与えられたり、タップ状態になったりする。この能力はあなたがソーサリーを唱えられるときにのみ唱えることができる。 | ||
+ | |PT= | ||
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+ | 印刷時の「マナ・コストを隠して唱える」というコンセプトを復活させた形となっている。唱えることができるクリーチャーは[[X]]で支払ったマナに依存するため、擬似[[マナフィルター]]としての使用はできなくなった。「唱える」ため、[[Force of Will]]で[[打ち消す]]ことが可能になった。また、現在の裏向きのパーマネントのルールに合わせ、出されるクリーチャーは0/1から2/2へと変更された。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *[[The Top 50 Artifacts of All Time]]第44位 | + | *[[The Top 50 Artifacts of All Time]] 第44位 ([[WotC]]、文:[[Zvi Mowshowitz]]、英語) |
*[[再録禁止カード一覧]]([[再録禁止カード]]) | *[[再録禁止カード一覧]]([[再録禁止カード]]) | ||
*[[カード個別評価:アンリミテッド]] - [[レア]] | *[[カード個別評価:アンリミテッド]] - [[レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:Masters Edition 3]] - [[レア]] | ||
[[Category:リミテッド・エディションの再録禁止カード]] | [[Category:リミテッド・エディションの再録禁止カード]] | ||
+ | __NOTOC__ |
2009年9月5日 (土) 23:30時点における版
アーティファクト
(X):あなたはあなたの手札にある、あなたが(X)で支払ったマナのすべてかその一部でそのマナ・コストを支払うことができるクリーチャー・カードを選んでもよい。そうした場合、あなたはそのカードを裏向きの2/2のクリーチャー呪文として、そのマナ・コスト支払うことなく唱えてもよい。その呪文が解決することでなったそのクリーチャーは、それが表向きになっていない状態でそれがダメージを割り振ったりダメージを与えたりダメージを与えられたりタップ状態になる場合、代わりにそれを表向きにしてダメージを割り振ったりダメージを与えたりダメージを与えたりタップ状態になる。起動はソーサリーとしてのみ行う。
Whisperのカードテキストは最新オラクルに対応していません。最新オラクルは下記を参照ください。
後に変異というシステムにアレンジされるアーティファクト。クリーチャーを裏向きで唱えることができ、戦闘の参加やタップによって表向きになる。相手から見れば、そのクリーチャーへの適切な対処がしづらくなるのが嫌なところ。
裏向きの状態で戦場に出るので、そのクリーチャーの持つCIP能力や戦場に出る際の置換効果が適用されないのが1つのポイント。そのため、例えばネクラタル/Nekrataalのような便利なCIP能力を持つものをこれで出すのは、少々損。逆に、CIP能力などでのデメリット持ちを出すのはいい感じ。なかでもファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnoughtとの相性は抜群(→マスク・ドレッド)。
- クリーチャー・カードを裏向きで唱えるためにこの能力を使う場合、Xに支払ったマナの総量とタイプを追跡し続けなければいけない。そのクリーチャー呪文がスタックから戦場以外のいずれかの領域に移動されたり、戦場から離れたり、ゲームが終了したりする場合、その裏向きのカードは公開される。そのマナ・コストがXに支払ったマナの総量のすべてか一部で支払えなかった場合、不正なカードのキャストとして罰則が課せられる。
- もしIllusionary Maskが戦場を離れてしまっても、これで裏向きにしたクリーチャーを表向きにすることは可能。
- これで裏向きにしたクリーチャーが変異誘発型能力を持つ場合、この効果で表向きにしたときにその能力は誘発する。
- これで裏向きにしたクリーチャーが変異を持つ場合、その変異コストを支払って表向きにすることもできる。
2004年9月20日よりレガシーで禁止カードに指定される。
オラクルの変遷
初期のテキスト
印刷時のテキストは以下のような効果であった(テキストの一部は最新のルールに合わせた表記にしています)。
旧オラクル
Illusionary Mask (アルファ版) (2)ポリ・アーティファクト
(X):あなたは対戦相手がそれが何か分からないように裏向きで召喚呪文(アーティファクトでないクリーチャー呪文)を唱えてもよい。Xは0を含む任意のマナの量にしてもよい。クリーチャーの実際の唱えるために必要なコスト(casting cost)を隠して出す。そのコストは依然と支払わなければいけない。裏向きのクリーチャーにダメージが与えられる、もしくはダメージを与える、もしくはタップされると同時に、あなたはそれを表向きにしなければいけない。
当初のコンセプトは、裏向きに隠した状態でクリーチャー呪文を唱える、ダメージ計算やタップが行われるときに表向きになるという能力であった。本来のコストは支払わなければいけないが、起動コストのXによって実際のコストを隠蔽することができる。
当時の裏向きのクリーチャーは、他のプレイヤーが情報を知ることができないだけで表向きと同じ特性を持ち合わせていた。以下は当時の裁定。
- 裏向きのクリーチャーについているオーラも裏向きになる。しかし、そのエンチャントの数は依然と見ることができる。
- 裏向きのクリーチャーの常在型能力も依然と機能する。例えば、裏向きのゴブリンの王/Goblin Kingをコントロールしている場合、あなたは対戦相手がコントロールするモンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raidersが2/2であることを伝えるべきである。よって、このようなクリーチャーを隠すことは難しい。
- クローン/CloneやVesuvan Doppelgangerは裏向きのクリーチャーになれる。対戦相手はあなたにその裏向きのクリーチャーのパワーやタフネス、能力に関して何も言う必要はない。しかし、対戦相手はあなたがとった処理の結果(何点与えるか、タップしているクリーチャーが能力を許可するか)を伝えなければいけない。
未来予知時点のオラクル
その後、幾度のオラクル更新を繰り返し、最後に機能変更が行われた未来予知発売に伴う2007年4月のオラクル更新の時点で以下のテキストとなった。
旧オラクル
Illusionary Mask (2007年4月) (2)アーティファクト
(X):あなたは、あなたの手札にある点数で見たマナ・コストがX以下であるクリーチャー・カードを1枚、0/1のクリーチャーとして裏向きに戦場に出してもよい。そのクリーチャーの上に仮面(mask)カウンターをX個置く。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみ起動できる。そのクリーチャーのコントローラーは、そのクリーチャーを、自分がインスタントを唱えられるときならいつでも、それからすべての仮面カウンターを取り除くことで表向きにしてもよい。この効果は、そのクリーチャーが表向きになった場合終了する。
最初のテキストからの主な変更点は以下の通り。
- 「唱える」から「戦場に出す」に変更された。また、解決時に戦場に出すのは任意となり、ソーサリー・タイミングの起動制限が設けられた。
- 変異登場以前に総合ルールで設けられたルールから、変異登場時のオラクル更新により、裏向きで出すカードは0/1のクリーチャーとして扱われるようになった。
- 点数で見たマナ・コストのみを参照するので、どの色のクリーチャーでも出せるようになった。
- イカサマ防止および変異との区別のため、仮面カウンターという特有のカウンターを置くようになった。
- インスタント・タイミングならばいつでも表向きになれるようになった。
現在のオラクル
幾度のオラクル更新によって、印刷時から非常に逸脱したテキストになってしまったが、Masters Edition 3で再録される際にテキストの見直しが行われた。
現在のルールは裏向きのカードと非公開情報のルールがあまりにも強固で論理的であるため、最初のルールを再現することができない。その代わりに、印刷時のテキストをできるだけ現在の解釈に近づけるように変更が行われた。変更後のテキストは以下の通り。
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Illusionary Mask (2)アーティファクト
(X):あなたはあなたの手札から、あなたが(X)に支払ったマナの総量のすべてか一部でマナ・コストを支払うことができるクリーチャー・カードを1枚選んでもよい。そうした場合、あなたはそのカードを2/2のクリーチャー呪文としてそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その呪文が解決してクリーチャーになったら、そのクリーチャーは表向きにならず、それがダメージを割り振ったり、それがダメージを与えたり、それにダメージを与えられたり、タップ状態になったりする場合、代わりにそれを表向きにし、割り振ったり、ダメージを与えたり、ダメージを与えられたり、タップ状態になったりする。この能力はあなたがソーサリーを唱えられるときにのみ唱えることができる。
印刷時の「マナ・コストを隠して唱える」というコンセプトを復活させた形となっている。唱えることができるクリーチャーはXで支払ったマナに依存するため、擬似マナフィルターとしての使用はできなくなった。「唱える」ため、Force of Willで打ち消すことが可能になった。また、現在の裏向きのパーマネントのルールに合わせ、出されるクリーチャーは0/1から2/2へと変更された。