落魄
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*日本語名は落魄Nと底なしの落魄はどちらも「落魄」表記だが、英名ではDesce'''nd'''、(Fathomless)desce'''nt'''と微妙な表記の違いがあるため注意。 | *日本語名は落魄Nと底なしの落魄はどちらも「落魄」表記だが、英名ではDesce'''nd'''、(Fathomless)desce'''nt'''と微妙な表記の違いがあるため注意。 | ||
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*落魄(らくはく)とは、落ちぶれること、零落することを意味する。 | *落魄(らくはく)とは、落ちぶれること、零落することを意味する。 | ||
− | ** | + | **英名のDescendは上記の意味以外にも単に「降下する」という意味もある。後述の開発秘話や[[MTGアリーナ]]における落魄のアイコンがツルハシであることを考えると、精神性や身分の問題ではなく単に「地下へ降りる」要素が強いようだ。なお、対義語であるAscendは以前の[[イクサラン・ブロック]]において[[昇殿]]を表すために使われていた。 |
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*「あなたの終了ステップの開始時に、このターンにあなたが落魄していた場合」という[[誘発条件]]を持つパーマネント・カードが存在する。これらはそのパーマネントが戦場に出る前に起こった落魄イベントも参照する。また、これらの能力は[[if節ルール]]が適用されるため、終了ステップ開始時よりも前(≒[[戦闘後メイン・フェイズ]]の終了時)までに落魄していなければ能力が誘発しない。 | *「あなたの終了ステップの開始時に、このターンにあなたが落魄していた場合」という[[誘発条件]]を持つパーマネント・カードが存在する。これらはそのパーマネントが戦場に出る前に起こった落魄イベントも参照する。また、これらの能力は[[if節ルール]]が適用されるため、終了ステップ開始時よりも前(≒[[戦闘後メイン・フェイズ]]の終了時)までに落魄していなければ能力が誘発しない。 | ||
+ | *[[MTGアリーナ]]においては、[[繁殖の原基/Propagator Primordium]]等で墓地に直接パーマネント・カードを[[創出]]した場合も落魄したものとして扱われる。 | ||
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2024年9月16日 (月) 13:03時点における最新版
落魄(らくはく)とは、
クリーチャー — ゴブリン(Goblin) 海賊(Pirate)
あなたの終了ステップの開始時に、このターンにあなたが落魄していた場合、宝物(Treasure)トークン1つを生成する。(パーマネント・カードがいずこかからあなたの墓地に置かれたなら、あなたは落魄する。)
2/2クリーチャー — アライグマ(Raccoon)
落魄4 ― ハナグマのあさり屋が戦場に出たとき、あなたの墓地に4枚以上のパーマネント・カードがある場合、あなたの墓地にあるパーマネント・カード1枚を対象とする。それをあなたの手札に戻す。
3/2ソーサリー
底なしの落魄 ― ターン終了時まで、すべてのクリーチャーは-X/-Xの修整を受ける。Xは、あなたの墓地にあるパーマネント・カードの枚数に等しい。
目次 |
[編集] 定義
いくつかの効果は、プレイヤーがこのターンに落魄した/Desecended this turnかどうかを参照する。これは、パーマネント・カードがいずこかからそのプレイヤーの墓地に置かれるというイベントを指している。
このターンに[プレイヤー]が落魄した回数/The number of times [a player] descended this turnとは、このターンにいずこかからそのプレイヤーの墓地に置かれたパーマネント・カードの枚数を指す。
「落魄N/Descend N」および「底なしの落魄/Fathomless descent」は能力語であり、ルール上の定義は存在しない。
[編集] 解説
地底により深く潜っていくことを表現する能力語およびイベント。イクサラン:失われし洞窟で初登場し、同時登場のイクサラン:失われし洞窟統率者デッキでも使用されている。
能力語としての落魄Nは、墓地にN枚以上のパーマネント・カードがあることを閾値とした能力を指す。底なしの落魄は、墓地にあるパーマネント・カードの枚数に応じて効果量が変化する能力語である。イベントとしての落魄は、単にパーマネント・カードが墓地に置かれることを指す。
イクサラン:失われし洞窟では落魄4、8と底なしの落魄、および落魄したことを参照するカードが収録されている。色の上では全色および無色に存在するが、白には遺跡潜みのコウモリ/Ruin-Lurker Bat1枚しか存在せず、一方で青黒・黒赤・緑黒の色の組み合わせではリミテッド・アーキタイプとなっている。また、赤の落魄はすべて「落魄した」というイベントを参照するタイプで、緑・青の落魄はすべて能力語型である。黒には両方存在する。
- 日本語名は落魄Nと底なしの落魄はどちらも「落魄」表記だが、英名ではDescend、(Fathomless)descentと微妙な表記の違いがあるため注意。
- 底なしの落魄は宿根の参照範囲が拡大された形。能力語の比較に意味はないが、宿根の上位互換に相当する。
- 落魄(らくはく)とは、落ちぶれること、零落することを意味する。
- 英名のDescendは上記の意味以外にも単に「降下する」という意味もある。後述の開発秘話やMTGアリーナにおける落魄のアイコンがツルハシであることを考えると、精神性や身分の問題ではなく単に「地下へ降りる」要素が強いようだ。なお、対義語であるAscendは以前のイクサラン・ブロックにおいて昇殿を表すために使われていた。
[編集] ルール
パーマネント・カードの定義については当該項目を参照。
[編集] 能力語としての落魄
- 誘発型能力の落魄Nはif節ルールの影響下にあるものが存在する(イクサラン:失われし洞窟では、誘発条件の直後に「あなたの墓地にN枚以上のパーマネント・カードがある場合」と表記されている)。これらは、誘発時だけでなく解決時にも条件をチェックし、墓地のパーマネント・カードの枚数が規定値以下ならば何も起こらない。
- 起動型能力の落魄Nはif節ルールの影響を受けないため、解決時に墓地のパーマネント・カードの枚数が指定枚数以下であっても問題なく解決される。
[編集] イベントとしての落魄
- 墓地に置かれたパーマネント・カードが後で他の領域に移動しても、落魄したというイベントが取り消されるわけではない。
- 安らかなる眠り/Rest in Peaceなどの置換効果で墓地に置くこと自体が置換される場合は、落魄したことにならない。
- トークンはカードではないため、それが墓地に置かれても落魄したことにはならない(CR:111.6)。
- 大霊堂の信奉者/Disciple of the Vaultなどとの混同に注意。あちらは「カード」という指定がないためトークンが墓地に置かれても機能する。
- あなたがコントロールしているが他のプレイヤーがオーナーであるパーマネントを墓地に置いた場合、落魄するのはあなたではなくオーナーである(直接オーナーの墓地に置かれるため、CR:400.3)。
- 「あなたの終了ステップの開始時に、このターンにあなたが落魄していた場合」という誘発条件を持つパーマネント・カードが存在する。これらはそのパーマネントが戦場に出る前に起こった落魄イベントも参照する。また、これらの能力はif節ルールが適用されるため、終了ステップ開始時よりも前(≒戦闘後メイン・フェイズの終了時)までに落魄していなければ能力が誘発しない。
- MTGアリーナにおいては、繁殖の原基/Propagator Primordium等で墓地に直接パーマネント・カードを創出した場合も落魄したものとして扱われる。
[編集] 開発秘話
作製の存在から、セット・デザインは墓地をリソースとする別のメカニズムをセットに追加することとなった。彼らは「地底にどれだけ深く潜ったか」というフレイバーに興奮しており、その点からもゲームが進むことで自然と増える墓地を参照することとなった。
当初は能力語・イベントともにパーマネントでないカードも参照できるようにしていたが、それではイベント型の落魄の達成が容易すぎたため、パーマネント・カードのみを参照することとなった。また、パーマネント・カードのみを参照するのは、イクサランの相克における昇殿(=戦場のパーマネントの数を参照する能力)と対にするためという意図もある[1]。
[編集] 脚注
[編集] 参考
- The Lost Caverns of Ixalan Release Notes/『イクサラン:失われし洞窟』リリースノート(Daily MTG 2023年11月3日)
- 「落魄」でテキスト検索
- 能力語
- ルーリング
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 700 総則
- 700.11 効果の中には、プレイヤーが「このターンに落魄した」かどうかを参照するものがある。これは、このターンにパーマネント・カードがいずこかからそのプレイヤーの墓地に置かれたことを意味する。「このターンに[[[プレイヤー]]が]落魄した回数/The number of times [a player] descended this turn」は、「このターンに[そのプレイヤーの]墓地に置かれたパーマネント・カードの枚数」を意味する。どちらの場合も、そのターンにそのプレイヤーの墓地に置かれたパーマネント・カードがその時点でもその墓地にある必要はない。
- 700 総則
引用:総合ルール 20231117.0
- 2 カードの部分
- 207 文章欄
- 207.2 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。
- 207.2c 能力語は、能力の最初にイタリック体で書かれている(以前の日本語版ではフォントが区別されておらず、―で区切られていることで区別する必要があった)。能力語は、同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために定められたキーワードのようなものであるが、ルール上の意味を持たず、総合ルールに独立した項目を持たない。能力語には、「一徹(いってつ)/Adamant」「附則(ふそく)/Addendum」「団結(だんけつ)/Alliance」「大隊(だいたい)/Battalion」「湧血(ゆうけつ)/Bloodrush」「祝祭(しゅくさい)/Celebration」「魂力(こんりき)/Channel」「彩色(さいしょく)/Chroma」「盟友(めいゆう)/Cohort」「星座(せいざ)/Constellation」「収斂(しゅうれん)/Converge」「動議(どうぎ)/Council's Dilemma」「集会(しゅうかい)/Coven」「昂揚(こうよう)/Delirium」「落魄4(らくはくよん)/Descend 4」「落魄8(らくはくはち)/Descend 8」「版図(はんと)/Domain」「威光(いこう)/Eminence」「激昂(げきこう)/Enrage」「窮地(きゅうち)/Fateful hour」「底なしの落魄(そこなしのらくはく)/Fathomless descent」「獰猛(どうもう)/Ferocious」「圧倒(あっとう)/Formidable」「壮大(そうだい)/Grandeur」「暴勇(ぼうゆう)/Hellbent」「英雄的(えいゆうてき)/Heroic」「刻印(こくいん)/Imprint」「神啓(しんけい)/Inspired」「同調(どうちょう)/Join Forces」「族系(ぞくけい)/Kinship」「上陸(じょうりく)/Landfall」「副官(ふくかん)/Lieutenant」「魔技(まぎ)/Magecraft」「金属術(きんぞくじゅつ)/Metalcraft」「陰鬱(いんうつ)/Morbid」「集団戦術(しゅうだんせんじゅつ)/Pack Tactics」「パラドックス(ぱらどっくす)/Paradox」「協議(きょうぎ)/Parley」「光輝(こうき)/Radiance」「強襲(きょうしゅう)/Raid」「結集(けっしゅう)/Rally」「紛争(ふんそう)/Revolt」「秘密会議(ひみつかいぎ)/secret council」「魔巧(まこう)/Spell Mastery」「奮励(ふんれい)/Strive」「掃引(そういん)/Sweep」「誘引(ゆういん)/Tempting Offer」「スレッショルド(すれっしょるど)/Threshold」「宿根(しゅっこん)/Undergrowth」「議決(ぎけつ)/Will of the council」がある。
- 207.2 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。
- 207 文章欄