霊/Geist

提供:MTG Wiki

移動: 案内, 検索

/Geistクリーチャーの種族の一つ。いわゆる「幽霊」であり、イニストラード/Innistradに棲息する。

目次

[編集] 解説

イニストラードは死んだ人間の幽霊に満ち溢れた次元/Planeである。イニストラードの人々は彼らの呼称として、他の次元でも使われる霊魂/Spiritなどの他に、「/Geist」という言葉を用いる。

霊には様々な形態がある。生者に守護をもたらす先祖の霊もいるが、多くの霊は生前に解決することのできなかった心理的問題を解決しようと躍起になっている、執念深い怪物である。

[編集] 善意の霊と悪意の霊

イニストラードにおいて、死んだ人間の魂は霊気/Aetherの領域に引き寄せられ、次元の真髄と再び一つになる。しかし強い恨みや苦悩や後悔が霊気の引力に打ち勝つと、その者は祝福された眠り/The Blessed Sleepを破って現世に現れることができる。アヴァシン/Avacynが創造されるまで、霊とはすべてこのようにして生まれた悪意ある存在であった。

アヴァシンの誕生後は、悪意ある霊と釣り合う数の善意ある霊や中立的な霊が生まれるようになった。これには残された家族の成長を手助けする霊から、生前の何らかの務めを続けようとしていると思われる不可解な霊まで、様々なものが含まれる。この新たな均衡は、アヴァシンが死者の魂を霊気の領域に導くようになったことで生じたものである。彼女の形而上学的な導きにより、死者の魂は、現世に帰るという道を自ら選択することが可能になった。

[編集] 現世への干渉

霊は物質世界と霊気の世界の間に存在しており、どちらの世界にどの程度属しているのかは様々である。

壁を通り抜け、生者の喉を直接掻き切ることができる霊もいる。一方で、生者が霊に対して抱く「信心」を利用するものもいる――その場に霊がいると完全に信じることが、生者に自分自身の精神力で自分自身に害を及ぼさせることになるのだ。ある霊は、文字通り恐怖を用いて犠牲者に死をもたらす。またある霊は冷気を用いる。荒れ地で道に迷った人間や、沼地の奥深くに入り込みすぎてしまった人間がいたなら、彼らはその者を凍らせる、もしくは低体温症になるほどの体温の低下をもたらす。

他にも、強力な霊には意志や感情の力を用いて、手や武器の周囲に心霊体/Ectoplasmと呼ばれる凝集物を一瞬だけ作り出して攻撃するものがいる。念動力を用いて物体(茨、鎖、釘、ガラスなど)を身に纏い、敵に振るう霊もいる。

[編集] 除霊

アヴァシンが失踪していた時期でさえ、神聖魔法は無力ではなかった。強い信仰心とマナを組み合わせることによって、聖職者は霊を消滅させることができる(イラスト)。霊の真髄を分散させたり、アヴァシンの代理人として彼らを霊気の領域へ導いたりと、その方法は様々である。

[編集]

[編集]

白マナに連なる霊の多くは無害であり、死んだ家族や友人が義務感や忠義、責任感、愛情から、守護霊となって生者の前に現れたものである(イラスト)。

しかしながら、悪意あるの霊もまた存在する。彼らは大抵の場合、罪の意識や失敗を悔いる気持ち、正されなかった過ちによって歪んでしまっている。死してなお、敵を探して荒れ地を巡視し続ける兵士の霊もいる。

ドラグスコル/Drogskol
アヴァシンの消失から間もないころ、ガヴォニー/Gavonyの大規模な民兵団がグール/Ghoulの群れによって壊滅した。その幽霊達はいまだ荒野を練り歩き、彼らの報復する先を探している。さる事ながら、それはムーアランドの住民を彼らの守護の元に守り続けている。

[編集]

霊の中には、精神の真髄の動く投影であるものがいる。悪意に満ちた思考や強迫的な思考、あるいは記憶の集合が目に見えない霊気を十分に引きつけると、それは自律的な存在となる。彼らは青マナに連なる霊である。

彼らは強迫的な霊であり、叩いたり、模倣したり、並べたり、積み重ねたり、印を付けたりといったことをひたすらに繰り返す。また生者の精神に取り憑き、動作や発言の反復、てんかん強迫行為統合失調症、その他の精神的な病をもたらすこともある(イラスト)。

ニブリス/Niblis
いくつかのの霊は水、嵐、霜、霧に――白い吐息にさえも――強く引き寄せられる。これらの霊は寒気や冷たい手に触れられる感覚を引き起こし、しばしばネファリア/Nephaliaの常在の霧の中で朧げな人型や巨大な顔として現れる。彼らは吐息と共に生者の身体の中に入り込んで憑依しようとしてくる。
嵐霊/Sturmgeist
時に青に連なる霊は互いに融合し、泣き叫ぶ声、吹きすさぶ風、雲の中に浮かぶ顔の塊の巨大な嵐となる(イラスト)。これらは共通の出自を持つ霊の集まりと考えられており、溺死した船乗り達や虐殺の犠牲者達から生まれるとされる。

[編集]

黒マナに連なる霊は生、力、あるいは邪悪な恨みを晴らすことに常に飢えている。これらの霊は食物や物品、場合によっては血を捧げることで鎮めなければならない。もし鎮められなかったなら、彼らは病気や事故、死の原因にもなり得る。

他ののマナに連なる霊には善意のものや中立のものがいるかもしれないが、の霊はほとんどすべてが危険で、悪意あるものである(イラスト)。

[編集]

赤マナに連なる霊は生前の失敗から来る激しい感情や満たされざる欲望、復讐への渇望と結びついている。彼らは彫像から滴る血、道に土埃を巻き上げるつむじ風、丘や崖や山腹の小規模な土砂崩れといった形で現世に現れる。生者に憑依し、突発的な躁状態や殺意を生じさせるほどの怒りとして現れることもある。

の霊の中でも特に復讐に燃える霊は、イニストラードで最も危険な霊の一つである。彼らは時として生ける炎や血の霧として現世に現れ、不運な犠牲者になかなか治らない切り傷やみみず腫れを負わせる(イラスト)。

[編集]

霊の中には、生前に崇敬していた自然と再び繋がることを望むものがいる。ドルイドや自然魔道士/Nature-mageに呼び起こされた森のエネルギーが、彼らの霊気の身体の周囲に根や茨を絡み合わせて形を作り上げる。彼らは緑マナに連なる霊である(イラスト)。

の霊の中には、動植物や土地と結びついてそれに特殊な力を持たせるもの(イラスト)や、それをこの世のものとは思えないような奇怪な姿に突然変異させるものがいる。土地に取り憑いた霊が鎮められなかった場合、それが荒廃、不作、飢饉を引き起こすこともしばしばである。

[編集] キャラクター

[編集] ゲームでの特徴


Dungeon Geists / 地下牢の霊 (2)(青)(青)
クリーチャー — スピリット(Spirit)

飛行
地下牢の霊が戦場に出たとき、対戦相手1人がコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それをタップする。そのクリーチャーは、あなたが地下牢の霊をコントロールし続けているかぎり、それのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。

3/3


Doomed Traveler / 宿命の旅人 (白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)

宿命の旅人が死亡したとき、飛行を持つ白の1/1のスピリット(Spirit)・クリーチャー・トークンを1体生成する。

1/1


Baithook Angler / 餌鉤の釣り人 (1)(青)
クリーチャー — 人間(Human) 農民(Peasant)

降霊(1)(青)(あなたはあなたの墓地にあるこのカードを変身させた状態で降霊コストで唱えてもよい。)

2/1
Hook-Haunt Drifter / 鉤憑きの流れ者
〔青〕 クリーチャー — スピリット(Spirit)

飛行
鉤憑きの流れ者がいずこかから墓地に置かれるなら、代わりにこれを追放する。

1/2

スピリットクリーチャー・タイプを持つ。すべてのに存在するが、特にに多い。

宙に浮くフレイバーから、多くが飛行を持つ[2]。また現世の人や物に干渉するフレイバーから、クリーチャータップなど盤面のコントロールを行う能力を持つ傾向にある[3]

イニストラード・ブロックおよびイニストラードを覆う影ブロックには、スピリット・クリーチャー・トークンを生み出すカードも多数存在する。人間死亡と関連付けられているものも多い[2]

イニストラード:真夜中の狩りおよびイニストラード:真紅の契りでは生物が死後に霊と化したり、霊が現世の存在に憑依することを表現した能力として降霊が収録されている[4][5]

[編集] その他

  • Geist(発音は「ガイスト」)はドイツ語で「霊魂」や「幽霊」を意味する言葉。英語のghostと同語源。「騒々しい幽霊」などと訳されるポルターガイスト(Poltergeist)の「ガイスト」もこれである。

[編集] 脚注

  1. The New Legends of Innistrad: Midnight Hunt/『イニストラード:真夜中の狩り』の伝説たち 新規編(Feature 2021年9月16日 Ari Zirulnik and Grace Fong著)
  2. 2.0 2.1 C'mon Innistrad, Part 1/来いよイニストラード その1Daily MTG、Making Magic 2011年9月5日 文:Mark Rosewater、訳:米村薫
  3. Chasing Shadows, Part 2/影を追う その22016年3月21日 〃)
  4. Happy Hunt-ing, Part 2/『狩り』は楽し その2(2021年9月6日 〃)
  5. From Vow On, Part 2/『契り』から その2(2021年11月8日 〃)

[編集] 参考

MOBILE