ヴォリク/Vorik

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ヴォリク/Vorik戦乱のゼンディカー・ブロックのキャラクター。カード化はされていない。

目次

解説

ゼンディカー/Zendikarにてエルドラージ/Eldraziと戦うゼンディカー軍の総司令官。男性。中背だが逞しい体格で、肌は深い褐色。髪は灰色の巻き毛で、短く刈っている。

かつては海門/Sea Gate民兵だった。右腕的存在であるタズリ/Tazriは、民兵時代から15年間仕え続けている、彼の最も信頼する助言者である。

経歴

限界点/Limits

バーラ・ゲド/Bala Ged大陸がエルドラージに破壊され尽くしてしまったという報告を受けたヴォリクは、海を越えてタジーム/Tazeemにやって来るであろう生存者を海門へと案内すべく、タズリ率いる一団を海岸へ派遣した。ギデオン・ジュラ/Gideon Juraムンダ/Mundaたちの助力もあり避難民は無事海門へと辿り着いたが、今度は海門そのものがエルドラージの襲撃を受けた。

その数はあまりに多く、ヴォリクは防衛を諦め、撤退命令を出さざるを得なかった。海門は陥落した。

隠れ家での殺戮/Slaughter at the Refuge

ラヴニカ/Ravnicaからジェイス・ベレレン/Jace Belerenを連れてゼンディカーに帰還したギデオンは、海門近くの峡谷の宿営地にてヴォリクと再会した。彼はエルドラージの攻撃により負傷しており、胸部に巻かれた包帯には血が滲んでいた。彼の誇り高い性格を知っていたギデオンは、あえて労りの言葉をかけず、事実だけを報告した。峡谷に侵入してきたエルドラージの群れを押し留めはしたが、長くはもたないと。

徒歩による避難を計画していたヴォリクに、ギデオンは異なる避難先を――宙に浮かぶ面晶体/Hedronの上への避難を提案した。タズリは反対したが、ヴォリクはその案を採用した。ギデオンの考え通り、傾いてほぼ水平になった面晶体の上を這って進むことは、負傷者たちにとって歩くよりも容易いことだった。

空岩の生存者/The Survivors of Sky Rock

空岩/Sky Rockの避難所にて、ヴォリクはテントの中で3人の癒し手による治療を受けながら、タズリとオンドゥ/Ondu大陸のズーラポート/Zulaportへの避難計画を練っていた。ヴォリクの絶え間ない咳は、彼がエルドラージの荒廃に侵されていることを――その命がもう長くないことを示唆していた。

最期を迎えるその日、ヴォリクはタズリとギデオンを呼んだ。彼の息からは、エルドラージの荒廃を示す黴のような匂いが発せられていた。ギデオンはヴォリクにズーラポートへの避難を考え直すよう求め、エルドラージと戦って海門を取り戻すという新たな案を提示した。タズリは驚き、それは自殺行為だと非難したが、ギデオンはゼンディカー全土がエルドラージに蹂躙されている以上、逃げ続けて生きながらえるだけでは不十分だ、ここで立ち向かわなければならないと主張し、口論となった。ヴォリクは2人を一喝し、癒し手たちに延命治療の中止を告げると、もっと互いの言葉に耳を傾けるよう2人を諭した。

ヴォリクは最後の言葉を語り始めた。エルドラージに貫かれた瞬間、自分が感じたのは恐怖でも後悔でもなく、もう戦わなくてもよいのだという安堵だった。次に感じたのは自責の念だった。自分は先に逝ってしまうが、残された者たちは世界の終わりを見ることになるだろうと。だが今は希望を抱いている――世界が終わらないかもしれないという希望を。自分にそのような希望を与えてくれたギデオン、皆に希望を与えることのできるギデオンが、自分の後を継ぎ、新たな総司令官になるべきなのだと。

タズリは息を呑んだ。彼女にとって、それは長年仕えてきた自分への裏切りであり、同時にいつでもゼンディカーから逃げられるプレインズウォーカー/Planeswalkerにゼンディカー人の命運を託すということでもあった。異議を唱えるタズリにヴォリクは言った。君は強く勇敢だが、ゼンディカーは新たな考え方を必要としている。ゼンディカーのことをよく知る君には彼の支えになってほしい、今まで私の支えになってきたのと同じように。彼がゼンディカー生まれでなくとも、彼にはゼンディカー人の不屈の魂があるのだと。

ギデオンは伸ばされたヴォリクの手を取った。ヴォリクは激しく咳き込み、身体を大きく震わせた。ギデオンの手の中で、彼の手は力を失った。

登場

登場作品・登場記事

参考

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