ナヒリ/Nahiri

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2015年9月26日 (土) 20:35時点におけるAE (トーク | 投稿記録)による版
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ナヒリ/Nahiri統率者2014のキャラクター。カードとしては統率者2014の石術師、ナヒリ/Nahiri, the Lithomancerが初出。

最初にその存在が示されたのはゼンディカー・ブロックのストーリー中だが、その時点では名前や素性は明かされず、長い間「The Lithomancer[注釈 1]」の仮称で呼ばれていた。

目次

解説

ゼンディカー/Zendikar出身のコー/Korプレインズウォーカー/Planeswalker。女性(イラスト)。「旧世代」のプレインズウォーカーであり、不老不死である。

ゼンディカー次元の守護者であり、数千年の昔、ソリン・マルコフ/Sorin Markovウギン/Uginとともにゼンディカーにエルドラージ/Eldraziを封印した。

石術/Lithomancy

ナヒリの得意とする魔術、石術/Lithomancyは岩石を操るものである。彼女はゼンディカーのコーに伝わる石鍛冶/Stoneforgeの技巧を身に付けており、岩石中の金属成分に働きかけ、武器や道具をその場で鋳造する。ゼンディカー中に浮かぶ面晶体/Hedronを作り出したのも彼女である。また戦闘においては石壁を作り出したり、敵を大地に飲み込ませたりすることもできる。

プレインズウォーカーとしての地位が上がるにつれ、彼女は「石術師/The Lithomancer」の名でも知られるようになった。

  • 「lithomancy」はギリシャ語で「石」を意味する「líthos」と、「占い」を意味する英語の接尾辞「-mancy」を組み合わせた造語だろう。
  • 大地を操る魔術であるコス/Koth地操術/Geomancyとはよく似ているが、別種のものであるようだ[1]

経歴

石術師/The Lithomancer

ある次元で、ナヒリとソリンはウラモグ/Ulamogの軍勢と戦っていた。ソリンはより大局的な視点に立ち、この次元を見捨てるよう忠告するも、彼ほど長い時を生きていないナヒリは彼のように割り切ることができず、あくまでも最後まで戦うことを主張した。彼女は石鍛冶の技巧を用いて岩から剣を引き抜き、最後の住民の1人、リアン/Lianにそれを託した。

やがて戦闘が始まった。ナヒリとソリンの魔法は落とし子を倒すことはできても、ウラモグの圧倒的な力の前には無力であった。次元そのものが喰らわれ、崩壊し、リアンはナヒリの目の前で、剣を残して無と消えた。自分自身への深い憤りを覚えながら、ナヒリはその剣を掴み、プレインズウォークした。

その後ゼンディカーで落ち合った2人の前に、先の戦いを観察していたソリンの旧き友、ウギンが現れた。エルドラージを調査していたウギンは、エルドラージを滅ぼすことは困難だが封印することならば可能であると語り、ゼンディカーが封印の地として最も相応しいことを暗に示した。当然ナヒリは反発したが、自分の次元の代わりに他の次元を犠牲にしたなら自分を許せないだろうという思いから、最終的にその案を受け入れた。

3人は40年の時間をかけ、準備を整えた。ナヒリは大地からいくつもの石の結晶を作り出して空に配置し、ウギンがそれにのルーンを刻んだ。ウギンはそれを面晶体/Hedronと名付けた。面晶体はエルドラージを封印するための装置であり、同時に彼らを引き寄せるための餌でもあった。

そしていよいよ、3体のエルドラージ――ウラモグ、コジレック/Kozilekエムラクール/Emrakul――がゼンディカーへと現れた。3体が所定の位置についたとき、ウギンの目/Eye of Uginと名付けられた洞窟で、3人のプレインズウォーカーは他のすべての面晶体と繋がる要の面晶体に、その膨大な魔力を注ぎ込んだ。面晶体のネットワークが起動し、ゼンディカー全土が震え――封印は完成した。彼らはその洞窟を、3人のプレインズウォーカーと不可視の炎によってのみ開く魔法の鍵で封じた。

彼らは偉業を成し遂げたが、ナヒリの仕事は始まったばかりであった。彼女は覚悟していた――ゼンディカーの守護者たる自分が、封印を監視し続けなければならないことを。

忌むべき者の夢/Dreams of the Damned

鎖のヴェール/The Chain Veilの呪いを浄化する手段を求め、豊富で力強いマナを有するゼンディカーへとプレインズウォークしたオブ・ニクシリス/Ob Nixilisは、ゼンディカー次元の守護者、ナヒリの攻撃を受ける。呪いとともに力を失った彼は、ナヒリへの復讐を心に誓った。

まどろみから目醒めて/Stirring from Slumber

エルドラージを封印してから数百年の間、ナヒリはゼンディカーのコーとともに過ごした。彼女はコーの弟子たちに石術を教え、面晶体のネットワークの要の場所を教え、牢獄の壁の強さを試す方法を教えた。多元宇宙/Multiverseの存在を知らない者たちでも理解できるよう、彼女はエルドラージを「神/Gods」と呼び、解き放たれれば世界を破壊する者として伝えた。彼女は弟子たちの成長を見届け、二度恋に落ち、いくつもの誕生と死を目の当たりにした。そしてとうとう、それらすべてがどうして大切なものなのか思い出せなくなってしまった。

彼女はウギンの目に戻り、石の繭の中に閉じ籠った。ゼンディカーの大地に触れるものすべてが、岩盤に繋がった彼女の皮膚に触れるも同然であり、異変が起こればすぐに分かるようになっていた。そうして何千年もの間、彼女は世界が動き続けるのを感じ取りながら、ただ単純に存在し続けた。

そして今から約1000年前、ナヒリは腸が捩れるような感覚を味わった。封印の一部が乱され、エルドラージ本体の脱出こそないものの、その末端である落とし子たちが大地から湧き出していた。彼女はいっそのことこのままエルドラージを自由にさせ、ゼンディカーともども、無意味な自分の人生を終わらせてもらおうかとも考えた。だが痛みと苛立ちが、そしてその感覚を終わらせたいという欲求がそれに勝った。ウギンが「目」に施した強大な魔術を用いて、彼女は次元の壁を超え、ソリンとウギンに危機を知らせた。しかしいくら待っても2人が来ることはなく[注釈 2]、その間に落とし子たちの侵攻はますます進んでいった。彼女は独りで問題を解決しなければならないと悟った。

数千年ぶりに地上に現れたナヒリは、「目」の近くで落とし子たちを岩雪崩で押し潰すと、大地を通り抜けてオンドゥ/Onduに現れ、落とし子たちを峡谷に飲み込ませた。そこで彼女は、大地の神タリブ/Talibとして崇められるコジレックと、神の預言者として崇められる彼女自身の石像を発見した。彼女は失望を覚えた――コーたちはエルドラージが神であるというナヒリの言葉を確かに伝え継いでいたのだ、その「神」が世界の破壊者であるという本質以上に。それから彼女は面晶体のネットワークの要があるゼンディカー各地を点々とし、落とし子たちを倒したが、肝心の封印が乱された原因は見つからなかった。

そしてついにナヒリは、アクーム/Akoumの、皮肉にも「目」のすぐ近くの山で、問題の原因を発見した。吸血鬼が――ナヒリが知らない間にゼンディカーの一員となっていた種族が――石の祭壇で行った、生け贄を伴う何らかの儀式が封印を乱したのだ。そこにはウラモグに似た神と吸血鬼の石像があり、彼女はその石像を融かして1つの面晶体を作り出した。ウギンの助けなしに表面のルーンを刻むのは困難を極めた。彼女は作業を一刻も早く終わらせようとしていた。それはもちろん一人でも多くの命を救うためであったが、同時に、これさえ終わればナヒリ自身が再び「生きる」ことができると気づいたためでもあった。そしてとうとう面晶体は完成し、封印の乱れは修復された。

問題は解決したが、ソリンとウギンが呼びかけに応じなかった理由は分からないままだった。ナヒリはソリンを何としても探し出し、必要なら彼に「生きる」ことを――彼女自身も長い間忘れていたことを――思い出させようと決意した。彼女はエルドラージを封印して以来初めて、ゼンディカーからプレインズウォークした。

ゼンディカー・ブロック

エルドラージを封じ込めている呪文の一部が破られ、それを察知したソリンはゼンディカーに帰還した。しかし、そこにナヒリの姿はなかった。

登場

登場カード

フレイバー・テキストに登場

運命再編
ウギンの構築物/Ugin's Construct
戦乱のゼンディカー
石術師の焦点/Lithomancer's Focus

登場作品・登場記事

その他

脚注

注釈

  1. 「The Lithomancer」の日本語訳はプレインズウォーカー達の現状では「石操術師」となっているが、カード化に伴い「石術師」に統一された。
  2. ウギンとニコル・ボーラス/Nicol Bolasの決戦がタルキール覇王譚の時代の1280年前であることから、このときウギンはサルカン・ヴォル/Sarkhan Volが作り出した面晶体の繭の中に封じられているものと思われる。

出典

  1. A Voice for VorthosDoug Beyerブログ)
  2. A Voice for Vorthos(Doug Beyerブログ)

参考

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