蒸気打ちの親分/Steamflogger Boss
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クリーチャー — ゴブリン(Goblin) 装具工(Rigger)
あなたがコントロールしている他の装具工(Rigger)クリーチャーは、+1/+0の修整を受けるとともに速攻を持つ。
あなたがコントロールする装具工がからくり(Contraption)を組み立てる場合、それは代わりに2個のからくりを組み立てる。
未来予知の未来予知たる所以、マジックそのものの未来を見通すようなデザインをされたカードの1つ。
装具工というクリーチャー・タイプのロード的存在なのだろうが、未来予知時点では装具工自体がこれ1体(と霧衣の究極体/Mistform Ultimus)しか存在していなかった。ローウィン登場後、名前に「装具工」を持つモリオックの装具工/Moriok Riggerが装具工になったほか、装具工でもある多相持ちが増えたので、ロードとして若干使いやすくなったと言える。
さらに新種のアーティファクト・タイプである「からくり」への言及があるものの、からくりを持つアーティファクトも現時点では存在していない。「組み立てる/assemble」というルール用語も登場しているが、まだ意味が定義されていないため、現状では全くの無意味な文章でしかない。つまり現時点では、ロード能力以外何も持っていないのと同じ。将来きちんと用語の意味が定義されて、ようやく真っ当な動きができるようになる。時のらせんブロックには他にも前代未聞なカードが溢れているが、その中でもこれは一際異彩を放つカードである。
現時点での能力のみを見るならば、サイズの大きめな重いゴブリンでしかなく、構築で使うには厳しい。リミテッドでは、2体目以降を強化する丘巨人/Hill Giantなので悪くないが、レアなので2枚以上揃うことは滅多になく、コモンレベル止まりのハズレレアと言わざるを得ない。
- 新しいエキスパンションが出る度に、「次こそからくりの時代が来るに違いない」と(冗談半分で)よく名前が挙がる。
- このカードの最大の特徴である「発売時点で(そしてもしかすると永遠に)意味をなさないルール文章」は、ユーザーだけでなくR&Dでも賛否両論であった。
- Mark Rosewaterはその特徴からこのカードを強く嫌っており、何度もセットから抹消しようと試みたと語っている。(→Timeshift After Timeshift参照)
- Devin LowはR&Dの中でも、このカードを特に気に入っており、「強い感情を引き起こせるカードである」と収録を推し進めた。(→Timeshift After Timeshift参照)
- Matt Placeは興味を惹かせるデザインの代表的な失敗例としてこのカードを挙げている。(→Look Out, R&D! It's a Trap!参照)
- The Great Designer Search 2の決勝戦では、このカードが不採用になったという設定の課題が与えられた。
ストーリー
蒸気打ちの親分/Steamflogger Bossは、蒸気打ち/Steamfloggerを操縦するゴブリン。
蒸気打ち/Steamfloggerとは、操縦者と同伴する装具工達をやる気にさせるために造られた、蒸気で動くアーティファクトのオンボロ乗り物のこと。鞭と爪状の2種類のやる気向上腕を備えており、これらの腕を使ってやる気を引き出している。
バツをブンと振れ! マルつまめ! 何作ってんだか、俺知らね!
イラストとフレイバー・テキストから、装具工には「バツ/X」と「マル/O」の2階級が存在しており、頭上にその階級が刻まれていることが分かる。親分は、バツ階級に対しては蒸気打ちの右腕で鞭で打つ(Whip the Xs!)、マル階級なら左腕の爪でつねる(Pinch the Os!)と、巧みに腕を使い分けてやる気を引き出している。こうして親分の周りの装具工は重い物を持ち運んでいるものの、実は彼らの誰も自分が何を作っているのかまったく分かっていない。
親分に注意すると、親分自身の頭とやる気向上機械の両方にもバツが刻まれている。彼がかつてのバツ階級から成り上がった人物なのか、あるいは親分の役目が輪番制なのか、どのような理由があるのか定かではない。(→Rigger Xs and Rigger Os参照)
- 「何作ってんだか、俺知らね!」というセリフはそのまま「からくり」が何なのか分からないというカードデザインと重なって取れる。
参考
- カード個別評価:未来予知 / タイムシフト - レア