無作為に
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無作為に/randomとは、文字通りの「作為が無い」という意味である。日常あまり使われない言葉なので戸惑う人もいるようだが、「ランダム」と言い換えれば理解できるだろう。
「無作為に選ぶ」と言った場合、それは「選択肢すべての選ばれる確率を等しくしたうえで、どのプレイヤーの意思も入れずに選ぶ」を意味する。乱数を発生させるために、サイコロ、コインなどいかなる方法を使ってもよい。
数学的な意味で厳密に「無作為に」することは非常に難しく、不可能とすら言ってもよい。例えばサイコロを使うとしても、その道具の固有のクセが必ず存在するので、完全に6分の1になるとは限らない。また機械的な乱数発生装置を使うとしても、そのプログラムにもまたクセがあるため、高度な計算をすれば次に出る数値を逆算することもできてしまう(質の低いプログラムだと、特定のタイミングで必ず同じ数値が出てしまうものすらある)。とはいえそこまでこだわっていてはゲームができないので、理論上、公平かつランダムにさえなっていればそれでよいだろう。
道具を用いて選ぶのが確実だが、わざわざ用意するのが面倒。内容が見えない状態にして対戦相手に選んでもらう、など、手間が軽減できる方法を用いるほうが一般的と言える。しかし性質上イカサマの恐れが常にある問題なので、大会などではジャッジを呼んで処理を手伝ってもらうことも検討したい。
- いうまでもないが、細工された道具を使用したり、数字のトリックを使い「一見公平に見えるが、実は特定の選択肢が選ばれる確率が高い」なんてやり方をしてはいけない。違反行為である。
- 無作為(むさくい)に選ぶのであって、無造作(むぞうさ)や無差別(むさべつ)に選ぶのではない。
- 金澤尚子の漫画のネタになったことがある。
- 無作為に選ぶ効果は混沌の色である赤に、次に黒(の手札破壊)に多い。
- 「無作為に」を簡単に発生できるコンピュータゲーム(Magic Online Vanguardやアストラルセット、ドリームキャスト版マジック:ザ・ギャザリング)には多数収録されている。
- 一定した効果が期待できないため、使い勝手は良いとはいえない。中でもWhimsyとFaerie Dragonのぶっ飛び具合は異常で、現実のカードとしてプレイするのはまず不可能。
無作為に選ぶやり方の一例
- 手札を選ぶ
- (トランプの「ババ抜き」の要領で)手札を見せないようにし、対戦相手に1枚選ばせる方法。その直前に手札の順番を並び替えることも多い。なお、この操作の際に妙な念や気合を入れる人も少なくない。
- 手札それぞれに番号を割り振り、サイコロなどで選ぶ方法。手札の一部を公開したまま無作為に選ばないといけない場合に有効(例えば捨て身の狂乱/Desperate Ravingsで奇跡を満たしたときなど)。
- パーマネントを選ぶ
- パーマネント・カードをすべてまとめてひとつの束にして、(ライブラリーを切り直して引く要領で)上からめくる方法。一番簡単で、また連続して複数枚選ぶケースにも対応できる方法だが、位相(タップ状態/アンタップ状態・反転か否かなど)やカウンターの状況が分からなくなる可能性がある。また、トークン・裏向きのパーマネント・両面カードなどが混じっている場合には、チェックリストカードのような代用カードを用意する必要がある。
- パーマネントそれぞれに番号を割り振り、サイコロなどで選ぶ方法。確実だが、手札に比べて数が多くなるため、場合によっては20面ダイスでも足りない恐れがある。トランプなどを用意する必要があるだろう。
- 墓地のカードを選ぶ
比較的多くの中から無作為に選ぶ方法の例
数が少ない(6以下)の場合は、6面ダイスを用いるのが一番簡単かつ確実。ここでは、それ以上の大きな数を選ぶ場合の例を挙げる。
- 専用のプログラムを使う
- 一見大仰だが、近年は携帯電話やスマートフォンが発達したため、入手・携帯が容易になった。使用時にはマナーモードにするのを忘れずに。
- トランプなどを使う
- 枚数調節も容易で、またもともと無作為にシャッフルして使う用に作られているものであるため、特別な工夫などが必要ない手軽さも利点。
- 多面ダイスを使う
- 10面ダイス、12面ダイス、20面ダイスなど、さまざまなものが入手できる。中には100面ダイスなどというものまである。なおファットパックには20面ダイス型ライフカウンターが封入されているが、ダイス代わりの使用は避けたほうが無難。ライフカウンターとして使う性質上高い値や低い値の出る面が1カ所に集中しているため、目の操作が通常のダイスより容易に行えてしまう。
- 複数の色違いのダイスを使う(もしくは同じダイスを複数回振る)
- 例えば、色違いの6面ダイス2個を振った場合、6×6=36通りの出目がそれぞれ均等な確率で出現する。
- 出目に関しては6通りだけでなく、「偶数と奇数」もしくは「1-3、4-6」の2通り、「1-2、3-4、5-6」の3通りにも分けることができるので、ダイスAは偶数奇数の2通り、ダイスBは通常の6通りで見るとすれば、2×6=12通りの出目が均等な確率で出現する。この応用で、4通り・6通り・9通り・12通り・18通り・36通りならば、2個のダイスの1振りで求められる(6通りならばダイス1個でも求められるが)。
- ただしこの方法は、5個や11個などの半端な個数から選ぶのにはあまり向いていない。できなくはないが、振り直しが必要。
- ちなみに「ダイスを複数振って出た目を単純に合計する」という方法はやってはいけない。例えば6面ダイス2個の場合、7になる確率が一番高くなってしまい、無作為の定義を満たさなくなる。
- 数字がアラビア数字でなく点で表されていて、かつそれが単なる着色でなく削られているのものは6の面か5の面が出やすくなっている。1の目が大きく削られていないので重量が偏り、1の目が大きく削られている場合は時点の2により重心が偏るので反対の面がでる。といってもそうなっているのは粗悪なサイコロであり普通はサイコロの削り取る大きさが数に反比例して小さくなったり、透明な樹脂で削り取った目がふさがれていたりする。