暗黒の儀式/Dark Ritual
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マジック史上初のサイクルを成すカードの1つで、最軽量にして最高のマナ加速の1つ。青を除く他の色に比べ、やや遅くなりがちな黒の速さを支えてきた、当時のプレイヤーなら誰でも使用したことのあるカード。
1マナ使用して生まれるマナは3マナ。実質2マナしか増えず、ハンド・アドバンテージを失ってはいるのだが、序盤のうちに2マナ上のクリーチャーや呪文を唱えることができるカードパワーは半端ではない(特に1ターン目にこれ経由の惑乱の死霊/Hypnotic Specter、通称A定食の凶悪さが有名)。ゲーム中盤以降も、生命吸収/Drain LifeのようなX系呪文の増強やOrder of the Ebon Handなどのパンプアップに用いられ、無駄にはならない。
スタンダード落ちしてもその脅威は止まることなく、主に様々な凶悪コンボのお供として猛威を振るった。
かつては基本セットや大型エキスパンションの常連であったが、第6版で再録されなかったのを皮切りにインベイジョン・オデッセイの未収録、更にはエクステンデッドでの禁止などの経過をも含んだ後に、スタンダードを去ることになった。そして現在では一時的なマナ加速が赤に移っており、完全に再録への道を絶たれたと言ってもよいだろう。
- これはマナ能力ではないので、マナ能力と違って呪文や能力のプレイ中・解決中にコストの支払いを求められても唱えることができない。そのため、あらかじめこれを唱え解決してマナを出してからプレイを開始するか、支払いを求めてくる呪文や能力そのものに対応して唱える必要がある。
- かつてマナ・バーンがあった頃は、「暗黒の儀式をプレイしてからオアリムの詠唱/Orim's Chantを唱えられてマナ・バーン」や、「マナ漏出/Mana Leakに対応して唱えたらマナ漏出/Mana Leakは撹乱/Disruptで引っ込められてマナ・バーン」といったようなパターンがあり得た。
2000年4月1日より、エクステンデッドにおいて禁止カードとなる。現在、公式のフォーマットではエターナル環境でしか使えない。
カードの変遷
カード・タイプは、ルールの変更などによりインタラプト→マナ・ソース→インスタントという変遷を経た。そして、単なるエラッタだけではなく、エキスパンションによってそれぞれのカテゴリの表記で印刷されたカードが存在する。長期に渡って再録され続けてきたカードならではの現象である。
- マナ・ソースであった時代はルール上「打ち消されない」カードであった。これは、マナ・ソース(と、生け贄などの「コストの支払い」)は「何者にも阻害されない」ことになっていたため(もちろんインスタントとなった現在は打ち消し可能)。とはいえ、普通は単にマナを出すだけのこのカードよりも、これに続いて唱えられた呪文の方を打ち消せばよかったため、それほど大きな問題ではなかった。
- 当時、骨の玉座/Throne of Boneやアーボーグのプーラージ/Purraj of Urborgなどの能力は、「黒の呪文をかけるのに成功したとき」にのみ起動可能であったが、マナ・ソースは打ち消されないため、確実に起動することができた。
関連カード
アルファの黒のマナ加速には、クリーチャーをマナに変換するSacrificeがある。そちらはこれとは別系統の黒マナ加速の系譜を生んでいる。
サイクル
ブーンズ。マジック黎明期の基本セットに収録されたサイクルであり、すべて1マナで3つ分の何かを発生させる。
- 治癒の軟膏/Healing Salve
- Ancestral Recall
- 暗黒の儀式/Dark Ritual
- 稲妻/Lightning Bolt
- 巨大化/Giant Growth
それぞれ各色の特徴をよく表しているが、そのカードパワーには大きなばらつきがある。
亜種
黒のマナ加速。生け贄を要求するSacrifice系のマナ加速は除外。
- Songs of the Damned - 墓地にあるクリーチャー・カードの数だけ黒マナを生み出す。1マナ。
- ギックスの僧侶/Priest of Gix - CIP能力で黒マナ3つを生み出すクリーチャー。3マナ2/1。
- 沼の妖術使い/Bog Witch - 暗黒の儀式のスペルシェイパー。3マナ1/1。
- 陰謀団の儀式/Cabal Ritual - 通常は黒マナ3つを生み出すが、スレッショルドに達していると代わりに黒マナ5つを生み出す。2マナ。
その他
- 長年親しまれただけあって、様々なイラストレーターにそのイラストが描かれている。最終的にはメルカディアン・マスクスでプレミアム・カードまで登場しており、その点において対抗呪文/Counterspellと共に恵まれている。
- 対抗呪文より恵まれているとすれば、コールドスナップのテーマデッキやファイレクシアvsドミナリア連合で日本語版新枠が手に入ることだろうか。ファンにとって喜ばしい限りである。