機体
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機体/Vehicleはアーティファクト・タイプの1つ。車両、船舶、航空機といった「乗り物」を表している。
アーティファクト — 機体(Vehicle)
飛行
搭乗1(あなたがコントロールする望む数のクリーチャーを、パワーの合計が1以上になるように選んでタップする:ターン終了時まで、この機体(Vehicle)はアーティファクト・クリーチャーになる。)
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解説
カラデシュで初登場した。すべての機体は非クリーチャー・カードでありながらパワーとタフネスが印刷されており、搭乗や金属生命体などの自身をクリーチャー化する能力を持つ。空飛ぶ絨毯/Flying CarpetやVodalian War Machineといった「乗り物」系メカニズムの最終発展系と言える。
機体であることを参照するカードには操縦士やエンジン始動/Start Your Engines、特権剥奪/Revoke Privilegesなどがある。機体はクリーチャー・タイプではないが、ロードに相当する模範操縦士、デパラ/Depala, Pilot Exemplar(と、銀枠のGrimlock, Dinobot Leader)も存在する。
落葉樹メカニズムであり、すべてのセットに入るわけではないが、必要ならいつでも使用できるとされている[1]。例えばカラデシュ・ブロックでは飛行戦艦や列車などのスチームパンク的発明品として、イクサランでは大航海時代をイメージさせる帆船として、神河:輝ける世界では巨大ロボットとして使われた。ユニバースビヨンドであるトランスフォーマー・カードではトランスフォーマーの変形した姿として使用されている。
- 機体であるカードは通常のアーティファクトと異なり、茶色と銀色の部分が交互に並ぶ独特のカード枠を持っている。
- リミテッド・エディションの翡翠像/Jade Statueも、クリーチャーでないのに右下にパワー・タフネスが印刷されているが、こちらはオラクルでクリーチャー化時にパワー・タフネスが定義されるように変更されており、機体とはルール上の扱いが異なる。
ルール
- パワーとタフネスに関するルール
- 機体にはパワーとタフネスが印刷されているが、戦場ではクリーチャーにならない限り、それが実際にパワー・タフネスという特性を持つことはない。戦場以外では、機体は印刷されたパワーとタフネスを持つオブジェクトとして扱われる。
- 機体がクリーチャーになる際、特に指定がなければそれは印刷されたパワーとタフネスを持つ。P/Tの値を定める効果があるなら、機体のP/Tはその値に上書きされる。
- 例:航空艇/Sky Skiffが自身の搭乗能力やエンジン始動/Start Your Enginesによってクリーチャー化する場合、基本のP/Tは2/3になる。アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifactによってクリーチャー化する場合、基本のP/Tは5/5になる。
- 機体のパワーやタフネスに影響を及ぼす効果が発生する場合、それは機体がクリーチャーでなくても発生するが、その機体がクリーチャーになるまでは何もしない。
- クリーチャー化に関するルール
- クリーチャー化した機体は召喚酔いの影響を受けるので注意。戦場に出したターンにクリーチャー化しても攻撃できない。
- 機体で攻撃するためには、それは攻撃クリーチャー指定ステップの開始時にクリーチャーである必要があるので、攻撃するためにクリーチャー化できる最後の時点は戦闘開始ステップ中である。機体でブロックするためには、それはブロック・クリーチャー指定ステップの開始時にクリーチャーである必要があるので、ブロックするためにクリーチャー化できる最後の時点は攻撃クリーチャー指定ステップ中である。いずれの場合にもプレイヤーは、機体をクリーチャーにする呪文や能力の解決後、機体が攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーとして指定される前に、何らかの行動をすることができる。
- 機体がクリーチャーになることは、クリーチャーが戦場に出たこととして扱わない。そのパーマネントはすでに戦場に出ていて、そのタイプが変わっただけである。クリーチャーが戦場に出るたびに誘発する能力は誘発しない。
- パーマネントがクリーチャー化している機体のコピーになったなら、それはクリーチャー化していない素の状態のアーティファクトになる。クリーチャー化していることはコピー可能な値ではない。
- その他のルール
- 機体はアーティファクト・タイプでありクリーチャー・タイプではないことに注意。石鍛冶の傑作/Stoneforge Masterworkなどクリーチャー・タイプを参照するカードとはシナジーを形成しない。
開発秘話
カラデシュのデベロップ当初、搭乗Nの起動コストは「N体のクリーチャーをタップする」であったが、これはトークン戦略とのシナジーが強すぎ、トークン・デッキに合わせてコストを設定すると他のデッキでは使い物にならないという問題を抱えていた。ちょうどその頃、イクサランでは新天地の領有を表す「征服N/Conquer N」というメカニズムが作られており、これはパワーの合計がN以上になるようにクリーチャーをタップするものであった。カラデシュ・イクサラン双方のデザイン・チームに所属していたMark Rosewaterの懸け橋により、征服をボツとし、その案を搭乗の方に採用することでこの問題は解決された(征服の方は最終的に土地に変身する両面カードになった)[2][3][4]。
カラデシュ後、機体に手応えを感じた開発部はこれを常磐木メカニズムにすることを計画し、アモンケットでは来世への門/Gate to the Afterlifeの向こうへ死者を葬送する船などをデザインした。しかしアモンケットにはすでに十分な量のメカニズムがあることからこれらは不採用となり、機体は落葉樹メカニズムに変更された。またカラデシュ・ブロックでの反響から、機体はコモンに入れるには複雑すぎるとされ、イクサラン以降はコモンの機体は作らないことになった(新世界秩序も参照)[1]。ただし、カルドハイムと神河:輝ける世界ではコモンの機体が登場している。先の決定が撤廃されたかどうかは不明だが、カルドハイムは北欧神話とヴァイキング、神河:輝ける世界は日本のポップカルチャーとしての巨大ロボットと、それぞれテーマやモチーフ的に外せない要素が多かったことと無関係ではないだろう。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 Just for Ix(alan), Part 3/ただ『イクサラン』のために その3(Making Magic 2017年9月18日 Mark Rosewater著)
- ↑ Kaladesh Ingredients, Part 2/『カラデシュ』の材料 その2(Making Magic 2016年9月19日 Mark Rosewater著)
- ↑ Smuggler's Copter/密輸人の回転翼機(Latest Development 2016年9月9日 Sam Stoddard著)
- ↑ Conquering the Design of Ixalan/『イクサラン』のデザインの征服(Card Preview 2017年9月5日 Ken Nagle著)
参考
- KALADESH DRIVER'S ED/カラデシュ自動車学校(Beyond the Basics 2016年10月6日 Gavin Verhey著)
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