呪文滑り/Spellskite
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アーティファクト クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ホラー(Horror)
(青/Φ):呪文1つか能力1つを対象とし、それの対象を呪文滑りに変更する。((青/Φ)は(青)でも2点のライフでも支払うことができる。)
0/4青のファイレクシア・マナを支払うことで呪文や能力の対象を自身に変更できるアーティファクト・クリーチャー。
能力の使い方としては、主に次の2通りが考えられる。例えば忘却の輪/Oblivion Ringのようにさまざまな種類のパーマネントを対象にできる呪文や能力ならば、エンチャントや土地、プレインズウォーカーなど広範囲で身代わりとなることもできる。対戦相手の対象を取るパンプアップ能力や巨大化/Giant Growthのように強化呪文や能力を奪う使い方も可能であり、これにより対象を取るコンバット・トリック全般を牽制できる。無論、ソーサリータイミングの強化系オーラは完璧に封殺される。
以上のように、対象をクリーチャーに取れさえすればあらゆる呪文や能力全般を妨害・牽制でき、非常に汎用性が高い。起動コストがファイレクシア・マナであるため、青マナが出ないデッキでも問題なく投入可能で、さらにライフさえ十分ならマナ基盤がフルタップの状態でさえ隙とならないことも心強い。スタンダード当時においてはメタの一角を占めていた欠片の双子コンボに対し、キーカードである欠片の双子/Splinter Twinを妨害できた点も有用であった。
また、タフネス4は単純に壁として十分機能する数値で、火力に対しても稲妻/Lightning Boltや火葬/Incinerateに耐えうることから、対戦相手にとっても致死ダメージによる除去は予想以上にやりづらい。当時のスタンダードの特性上、アーティファクト・クリーチャーであったことは除去されやすいという欠点にも繋がってはいたが、逆にアーティファクト除去に対する避雷針になりえるという強みがあった。
また、2マナと軽めであるため早いターンから戦場に睨みを利かせられるうえ、金属術達成にも貢献できる。マナカーブにも負担をかけないので多くの枚数を積むことも容易である。ただし仕事はあくまで防御・妨害であり、攻撃的な用途には向いていないことから、デッキの性質を無視したガン積みはプレイの幅を狭くするリスクを抱えかねない。
- 「アーティファクト・クリーチャーを対象にできない」という欠点があるカードは、裏を返せば「呪文滑りに対象を変更されずに済む」という長所になる。この理屈で新たなるファイレクシア登場前後でガラリと評価が変わったカードは数多い。
- パワーは0だが、防衛は持たないため、一応装備品やオーラなどで強化すれば攻撃にも回れなくもない。
- 性質的には軍旗の旗手/Standard Bearerに似たカードといえる。軍旗の旗手よりも火力への耐性に優れ、対象変更が不要な場合には放置することも可能な柔軟性を持つなど、使いやすくなった部分が目立つが、ファイレクシア・マナとはいえ起動コストの支払いが必要なため対立デッキのような複数回対象を取ってくるような相手に対しては軍旗の旗手の方が使いやすい。
- 2021年6月のオラクル変更でクリーチャー・タイプにファイレクシアンが追加された。
ルール
- 対象を変更できるのは、その呪文や能力の対象として呪文滑りが適正であるものだけである。
- 同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個(または[性質]N個)」としてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない(CR:115.3)。
- 「1つまたは2つのクリーチャーとプレインズウォーカーとプレイヤーの組み合わせを対象とする。」二股の稲妻/Forked Boltが2つの対象を取っていた場合、呪文滑りに変更できるのはそれらのうちの1つのみであり、両方は変更できない。また、二股の稲妻の2つの対象のうち1つが既に呪文滑りを対象に取っていた場合、もう一方の対象を呪文滑りに変更することはできない。
- コラガンの命令/Kolaghan's Commandが「アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。」と「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。コラガンの命令はそれに2点のダメージを与える。」を選んでいた場合、それら2つの対象を両方とも呪文滑りに変更することができる。(両方を呪文滑りに変更する場合は、能力を2回起動する必要がある)
- 対象を取らなかったり、呪文滑りを対象にできなかったり、既に呪文滑りを対象にしていたりする呪文や能力を対象として能力を起動することはできる。その場合、解決時には何も起こらない。
- なんらかの呪文や能力がスタックにあれば、2点刻みで好きなだけライフを支払うことができる。ライフを減らすことに意義がある場合は有効。逆に、精神隷属器/Mindslaverなどでプレイヤーのコントロールを奪われた場合は致命的となる。