サイドボード
提供:MTG Wiki
サイドボード/Sideboardは、トーナメントでゲームとゲームの間に用いることができる、デッキ修整用の追加のカードの集合。
目次 |
解説
トーナメントにおいて、マッチの2ゲーム目以降はサイドボードのカードを追加したり、メインデッキにあるカードと入れ替えたりすることで、メインデッキの構成を変えることができる。カードをサイドボードからメインデッキに入れることをサイドイン、逆をサイドアウトと呼ぶ。特に「必要なカードを入れる」/「不要なカードを抜く」のどちらかの意味を強調したい場合に用いられる。
ジャッジメントで登場した「願い」カードなど、特にゲームの外部を参照している効果を除き、ゲームの対戦中にサイドボードを使用することはない。
各フォーマットでのルール
構築およびエターナル
プレイヤーは各々、15枚以下のサイドボードを用意してもよい。また、サイドボードを使用しないことを選んでもよい。
2ゲーム目以降はメインデッキへのカードの追加や入れ替えを自由に行なってもよいが、変更後は「サイドボードの枚数が15枚以下」であり、かつ「デッキの最低枚数(60枚)を満たしている」必要がある。以下の表に入れ替えの適正例と不適正例を記す。
第1ゲーム | 次のゲーム | |||
---|---|---|---|---|
メイン | サイド | メイン | サイド | 適正/不適正 |
60 | 15 | 60 | 15 | 適正 |
60 | 15 | 61 | 14 | 適正 |
60 | 15 | 75 | 0 | 適正 |
75 | 0 | 60 | 15 | 適正 |
60 | 10 | 63 | 7 | 適正 |
250 | 15 | 60 | 205 | 不適正 |
60 | 5 | 50 | 15 | 不適正 |
リミテッド
リミテッドでは、メインデッキで使用しなかったカードすべてをサイドボードとして扱う。メインデッキの最低枚数(40枚)に違反しない限り、メインデッキとサイドボードのカードを自由に交換してよい。たとえすべてのカードを交換したとしても適正である。また、このときに基本土地カードの追加を要求することができる。構築と同様に交換は1対1である必要はないので、サイドボード後にメインデッキの枚数がサイドボード前より増えていたとしても適正である。例えばドラフトで対戦相手のデッキがライブラリーアウトを主軸にしている場合、サイドボード後に枚数を大幅に追加して対抗することがある。
多人数戦
構築かリミテッドかを問わず、サイドボードは一切使用できない。
その他トーナメント上のルール
- マッチが終了したら、サイドボードとメインデッキは初期状態に戻さなければならない。ただし、デッキリストを用いないルール適用度が一般のリミテッドフォーマットのイベントにおいては(主にフライデー・ナイト・マジックやプレリリース・トーナメント)、ヘッド・ジャッジまたはイベント主催者が「マッチごとにデッキを初期状態に戻す必要がある」と宣言しない限りは、メインデッキを初期の状態に戻す義務が無く、とあるマッチの2ゲーム以降メインデッキとサイドボードを入れ替え、そのまま次のマッチに臨んだり、マッチ間でデッキの調整を行っても問題ない。
- フォーマットが構築である場合や、リミテッドでもデッキリスト使用が強制となるルール適用度が競技以上の場合にはこの例外規定は適応されず、マッチ終了後に初期状態に戻す必要がある。
- サイドボードのカードの内容は原則として非公開情報である。対戦相手のサイドボードに関して知ることができるのはその枚数のみであり、その内容を見ることはできない。自分のサイドボードはゲーム中にいつでもその内容を見て確認することができるが、その時に他のカードと混ぜてはいけない。
- このルールは2007年9月20日のフロア・ルール変更後のものである。それ以前は、自分のサイドボードであっても勝手に内容を見ることはできなかった。
- 精神隷属器/Mindslaverや最悪の恐怖/Worst Fears、ソリン・マルコフ/Sorin Markovの-7忠誠度能力を使い、対戦相手のコントロールを奪取しても、対戦相手のサイドボードを見る事は出来ない。詳細は他のプレイヤーをコントロールするを参照。一時期「相手をコントロールしている場合は見れる」という裁定が出ていたが、異界月発売時のルール変更で「相手をコントロールしたとしても見れない」に変更されている。
- ゲームの間にサイドボードのカードを入れ替える際、サイドボードを交換する枚数や内容を対戦相手に知らせる必要はない(が、知らせても問題はない)。
- 内容がよく知られたメジャーなデッキの場合、サイドボードの交換する枚数でその内容が推測されてしまう場合がある。そのため「一度サイドボードのカードを全てデッキに混ぜ、その後15枚抜く」という交換の手法が考案されたこともある。また、推測されるのを逆手にとってブラフを仕掛けることもあった。とはいえ通常はそこまでする必要はまずない。
- 2010年1月にマジック・イベント規定が更新され、ゲーム開始前に対戦相手にサイドボードを提示することが義務となった。
- ゲーム開始前に、対戦相手やジャッジがサイドボード枚数の確認を要求してきた場合、その枚数を数えることを認めなければならない。
- 大会規定更新以前にも、日本国内ではゲーム開始前にサイドボードを並べて相互確認をすることが慣習になっており、相互確認が行われることが多かった。
- プロツアー「イニストラードを覆う影」以降、3本先取制を採用しているプロツアー・世界選手権の決勝ラウンドでは、1・2ゲーム目はサイドボードを使用することはできない。(参考)
- ゲーム中に(ルールに従って)サイドボードの枚数が変化しても問題ない。
- これは「願い」や研究/Research、首謀者の収得/Mastermind's Acquisitionを唱えた場合などに起きる。
使用法
サイドボードの使い方には、大きく分けて「アグレッシブ・サイドボーディング」と「ディフェンシブ・サイドボーディング」の2つがあり、この2つが混在している場合もある。それぞれの詳細は各項目を参照。
これら以外の特殊な使い方として、「願い」系カードでのシルバーバレット用に各カードを1枚ずつ入れておく(通称ウィッシュボード)という手法もある。
旧ルール
2013年7月13日より、サイドボードに関するルールが改定された(参考/翻訳)。以前のルールではサイドボードは「15枚ちょうど」もしくは「0枚(使用しない)」のどちらかしか認められておらず、2ゲーム目以降のカードの入れ替えは同じ枚数同士で交換しなくてはならなかった(常にサイドボードのカードは15枚であった)。ルール改訂によってリミテッドの形式に近くなり、入れ替えのミスで「ゲームの敗北」の懲罰を受ける危険性が低くなった。
参考
- Drafting Your Sideboard/サイドボードをドラフトしよう(Beyond the Basics 2017年7月13日 Gavin Verhey著)
- デッキ
- トーナメント用語
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 100 原則
- 100.4 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間に デッキを調整するために使う追加のカード群であるサイドボードを持っていてもよい。
- 100.4a 構築環境では、サイドボードには最大15枚のカードを使用できる。4枚制限(rule 100.2a 参照)はデッキとサイドボードの合計に適用される。
- 100.4b 個人で参加するリミテッド環境では、そのプレイヤーのカード・プールの中でデッキに入らなかったカードすべてがそのプレイヤーのサイドボードとなる。
- 100.4c 双頭巨人戦変種ルールを用いたリミテッド環境では、チームのカード・プールの中でどちらのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードがチームのサイドボードとなる。
- 100.4d 双頭巨人戦以外のチーム戦変種ルールが適用されるリミテッド環境では、チームのカード・プールの中でどのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードは、いずれか1人のプレイヤーのサイドボードとなる。各プレイヤーはそれぞれにサイドボードを持ち、プレイヤー間での受け渡しは認められない。
- 100.4 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間に デッキを調整するために使う追加のカード群であるサイドボードを持っていてもよい。
- 100 原則