エムラクール/Emrakul
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エムラクール/Emrakulはゼンディカー・ブロックで初登場したキャラクター。エルドラージ/Eldraziの1体。
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解説
エルドラージの中でも最大でもっとも恐るべきものである。それは具現化した荒廃であり、そびえ立つ場所には静寂の恐怖が巻き起こる。それは感情や物質を超えた虚無の霊気であり、それのみが恐怖を成している。その霊気の影響は、ときに生物・ときに非生物の存在すら歪ませ、狂気とともにやがて血族へと変質させる。 ゼンディカー/Zendikarのマーフォークの崇める空の女神エメリア/Emeria(エム/Em)とコー/Korの崇める風の女神カムサ/Kamsaの元型であり、未知の力によって重力を歪め大地から浮かび上がっている。異質ながら、明確な知性と個我とを備える。
エムラクールの血族たちは格子状組織、不快を引き起こす左右非対称性、先に節くれだった指の痕跡が残る触手という特徴を持つ。特にそのクジラの髭か石灰質化した植物の細胞壁の類のような格子状組織は最も特徴的で、まるで中に見えない生き物でも飼っているかのようにエルドラージ自身の動きとは独立して呼吸する。幾人かのマーフォークの学者は、その器官によってエムラクールの血族はその他の血族よりも強く重力を歪めるのだと推測している。
エムラクールの血族達は深い青と皮のような黄土色と鮮明なマゼンダを混ぜ合わせた異世界の色彩を身に帯びている。この奇怪な配色は多くのエルドラージにとっても普遍的で、かつての霊気的形態がゼンディカーの光を非自然的に反射していると考えられているがエムラクールの血族は特にその色彩が顕著である。
エムラクールの血族の落とし子は2本の小さな足で動き回り、そして親と同じように奇怪な色彩と格子状組織を持つ。
経歴
エルドラージ覚醒
ドローンと落とし子の群れから辛くもケフ砦を守り切ったギデオン・ジュラ/Gideon Juraとゼンディカー人の抵抗軍の前に出現し、ゼンディカー・ブロックの物語を締めくくった。
戦乱のゼンディカー・ブロック
エムラクールはこの数ヶ月、姿を見せていない。ゼンディカーを去ったのかどうかはブロック途中まで不明であったが、最終的にウギンの調査によって既にゼンディカーを去っていたことが判明した。
- 戦乱のゼンディカー・ブロックに収録されているエムラクールの血族はわずかにエムラクールの名残/Vestige of Emrakul1体のみである。
異界月
ソリン・マルコフ/Sorin Markovへの復讐を目論むナヒリ/Nahiriの呼びかけによって、イニストラード/Innistradに現れる。イニストラードの生物はエムラクールの影響で異形の怪物へと変質していった。
約束されし終末
イニストラード中の生物を変異させ、血族のエルドラージとして羽化させたエムラクールはついにスレイベン/Thrabenに降り立った。プレインズウォーカー6人と聖トラフト騎士団の連合軍を圧倒し、さらにリリアナの操るゾンビさえも変容させるエムラクールだったが、最終的にタミヨウ/Tamiyoが解き放った強大な魔力の援護を受けたジェイスが、エムラクールをイニストラードの月へ封印することに成功する。
一時歓喜に沸くゲートウォッチ/The Gatewatchの面々だったが、タミヨウが語る真相は違うものだった。エムラクールがタミヨウの精神を乗っ取り、未知の呪文を唱えて異常なマナを与え、自らを月に封印させたのだと。「私達は本当に勝利したのでしょうか?」 タミヨウのその問いかけにジェイスは言葉を返せなかった。
『これは何もかも間違い。私は不完全で、足りなくて、始まったばかり。不毛の怨嗟ではなくて、花が咲くべき。土は受け入れてくれない。私の時じゃない。今はまだ』―――脳裏でエメリアの言葉がこだまする。ジェイスは寒気を覚え、忌まわしい月から眼をそらし、忘却を求めてその日の寝床を探しに向かった。
登場
登場カード
エムラクールの血族
- エルドラージ覚醒
- エムラクールの手/Hand of Emrakul、エムラクールの孵化者/Emrakul's Hatcher、巣の侵略者/Nest Invader
- 戦乱のゼンディカー
- エムラクールの名残/Vestige of Emrakul
- 異界月
- 収録されているエルドラージ・クリーチャーはすべてエムラクールの血族である
カード名に登場
- エルドラージ覚醒
- エムラクールの手/Hand of Emrakul、エムラクールの孵化者/Emrakul's Hatcher
- 戦乱のゼンディカー
- エムラクールの名残/Vestige of Emrakul
- 異界月
- エムラクールの加護/Boon of Emrakul、エムラクールの囁き/Whispers of Emrakul、エムラクールの伝導者/Conduit of Emrakul、エムラクールの福音者/Emrakul's Evangel、エムラクールの影響/Emrakul's Influence、エムラクールのオーロラ/Aurora of Emrakul
フレイバー・テキストに登場
- エルドラージ覚醒
- マーフォークの空偵者/Merfolk Skyscout
- 戦乱のゼンディカー
- 雲マンタ/Cloud Manta、エムラクールの名残/Vestige of Emrakul、見捨てられた神々の神殿/Shrine of the Forsaken Gods
- 異界月
- 消えゆく光、ブルーナ/Bruna, the Fading Light、折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade、巡礼者の守護霊/Guardian of Pilgrims、久遠の闇からの誘引/Coax from the Blind Eternities、歓喜する信者/Exultant Cultist、月への封印/Imprisoned in the Moon、エムラクールの加護/Boon of Emrakul、不気味な吸血鬼/Weirded Vampire、異世界の発露/Otherworldly Outburst、節くれ木のドライアド/Gnarlwood Dryad、過去との取り組み/Grapple with the Past、ケッシグをうろつくもの/Kessig Prowler、蔓延するもの/Permeating Mass、捕食/Prey Upon
イラストに登場するエムラクールあるいはエムラクールの血族
- エルドラージ覚醒
- エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription、走り回る侵略/Skittering Invasion、英雄の時/Time of Heroes、重力の変容/Gravitational Shift、弱者の消耗/Consume the Meek、消耗の蒸気/Consuming Vapors、炎の斬りつけ/Flame Slash、熱光線/Heat Ray、世界大戦/World at War、重大な落下/Momentous Fall、面晶体のマトリックス/Hedron Matrix、補強された防壁/Reinforced Bulwark、ニッサの天啓/Nissa's Revelation
- マジック・オリジン
- ニッサの天啓/Nissa's Revelation
- 戦乱のゼンディカー
- 氷の猛進/Rush of Ice、確実な一撃/Sure Strike、垂直落下/Plummet
- 異界月
- 月への封印/Imprisoned in the Moon
登場作品・登場記事
- ZENDIKAR - PLANES/ゼンディカー - 次元(公式サイト)
- INNISTRAD - PLANES/イニストラード - 次元(公式サイト)
- Eaters of Worlds/世界を食うもの
- Gods and Monsters(Savor the Flavor 2010年3月17日 Doug Beyer著)
- The Battle of Fort Keff/ケフ砦の戦い(Savor the Flavor 2010年3月31日 Jenna Helland著)
- The Three Brood Lineages(Savor the Flavor 2010年4月28日 Doug Beyer著)
- The Lithomancer/石術師(Uncharted Realms 2014年10月29日 Kelly Digges著)
- Nissa's Origin: Home/ニッサの「オリジン」:故郷(Uncharted Realms 2015年7月8日 Kimberly J. Kreines & Adam Lee著)
- Home Waters/故郷の海(Uncharted Realms 2015年9月30日 Kelly Digges著、名前のみ)
- Zendikar Resurgent/ゼンディカーの復興(Magic Story 2016年2月24日 The Magic Creative Team著、名前のみ)
- Emrakul Rises/エムラクール、来たる(Magic Story 2016年6月20日 Kimberly J. Kreines著)
- Campaign of Vengeance/復讐作戦(Magic Story 2016年7月6日 Ari Levitch著)
- Saint Traft and the Flight of Nightmares/聖トラフトと空駆る悪夢(Magic Story 2016年7月13日 James Wyatt著)
- Battle of Thraben/スレイベンの戦い(Magic Story 2016年7月20日 Nik Davidson著)
- The Promised End/約束されし終末(Magic Story 2016年7月27日 Ken Troop著)
- The Hand That Moves/指し手(Magic Story 2017年4月26日 Ken Troop著)
- 真木孝一郎『マナバーン』(ホビージャパン、2017年11月30日初版)p.12 ISBN 9784798615776