スライ
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スライ(Sligh)は、赤を中心とした、マナカーブとダメージ効率を重視した超速攻ウィニーデッキ。または、赤を中心としたビートダウン系デッキの総称。デッキ名はPaul Sligh(ポール・スライ)のラストネームに由来する。
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概要
軽量のクリーチャーと数種類の火力が主戦力で、無色のダメージソースとして呪われた巻物/Cursed Scrollなども使用される。5ターン以内に決められるかどうかが勝負の分かれ目となる。
もともとのスライはJay Schneiderの唱えた「そのターンに出し得るマナをムダなく使うにはどうしたらいいか?」という理論のもと生み出されたデッキ。特定のマナカーブ(スライカーブ)に基づいて構築されており、元来は土地23枚に対して1マナ13枚、2マナ9枚、3マナ5枚、4マナ3枚を目安にクリーチャーが投入されており、火力呪文などは別途で計算されていた。
Paul Slighが使用したプロツアー予選で2位に入ったことで、以後“スライ”というニックネームがつけられることになった。当時は2位でもプロツアー出場枠に入れたので、インターネット上における若干の誇大宣伝もあって、この名前が定着してしまった。実際、このデッキ(またの名を“ギーバ”や“オークの司書デッキ”)は、今日においても偉大なデッキビルダーであるJay Schneiderのデザインによるものであるが、スライに比べてその名はここ数年ほとんど表に出てこない。
近年、スライと呼ばれているデッキのほとんどがデッドガイレッド(又はバーン)に近い。エクステンデッドでは土地破壊要素も入り、赤単色の高速デッキ全体がRed Deck Winsと呼ばれることが多い。
他のデッキとの相性
良くも悪くもウィニーの特性を突き詰めたような超速攻が特徴であり、遅いデッキ全般に強い。コントロールデッキはもちろんだが、相手の速度やこちらの展開によってはウィニーが苦手とするコンボデッキやミッドレンジ相手に押し切れてしまうことも珍しくない。
弱点も分かりやすく、序盤をしのげるだけ防御力を持ったデッキには弱い。軽い除去を詰め込んだコントロールデッキの他、アグロ寄りの緑や白のビートダウンデッキとの相性も良くない。これは火力にカード・アドバンテージを得づらいものが多い上、クリーチャーの殴り合いにおいても緑や白のクリーチャーはコスト・パフォーマンスが高く、さらにプロテクションや被覆・呪禁を持つものが多いため、攻撃力と引き換えに総合的なコスト・パフォーマンスで劣るスライでは直接的な殴り合いに押し負ける場合が多いためである。そして時間が経てば経つほど自分は息切れし、相手は強力な呪文やクリーチャーを出す準備が整ってしまう。
スタンダード
下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。
- 戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック期
- テーロス・ブロック+タルキール覇王譚ブロック期
- ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期
- イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期
- ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
- ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
- アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
- 時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
- ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期
- ミラディン・ブロック+神河ブロック期
- オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期
- マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
- ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期
- テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期
- ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期
- アイスエイジ・ブロック期
ブロック構築
各ブロック構築においても、下記の時期で活躍を見せる。
- テーロス・ブロック構築
- ラヴニカへの回帰ブロック構築
- ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築
- ローウィン=シャドウムーア・ブロック構築
- 時のらせんブロック構築
- ミラディン・ブロック構築
- マスクス・ブロック構築
- ウルザ・ブロック構築
- テンペスト・ブロック構築
- ミラージュ・ブロック構築
テンペスト期のエクステンデッド
ローテーション後のエクステンデッドにおけるスライは、土地破壊の要素を組み込み、特にRed Deck Winsの名で呼ばれることが多い。
優秀なウィニークリーチャーと火力に加え、リシャーダの港/Rishadan Portや不毛の大地/Wastelandでマナを縛り、対戦相手の動きを封じる。また、オンスロートのフェッチランドがライブラリーを圧縮しつつ、終盤の無駄な土地ドローを減らしてくれる。
要となるテンペスト・ブロックはローテーションで退場してしまったが、速攻+土地破壊という動きはBoros Deck Winsにも受け継がれている。
オンスロート以降は強力なゴブリンの登場を受けてラッキースライも強化されたが、ゴブヴァンテージに取って代わられてしまい、その後のゴブリンもスライとは動きが異なる。
デュアルランド期のエクステンデッド
スライはテンペスト・ブロック以降エクステンデッドでも有力なアーキタイプになった。
基本的にはテンペスト期のものと同じで、軽量クリーチャーと火力で対戦相手のライフを削る。ただし、デュアルランドなど凶悪な基本でない土地が蔓延する環境であるため、定番の不毛の大地/Wastelandに加えて発展の代価/Price of Progressも多く採用される。
デッキの性質上遅いコントロールやネクロなどには強いが、メタゲームの中心にあったドネイトにはIllusions of Grandeurから苦戦を強いられる。そのため、活躍の度合いはメタによるところが大きい。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリフェニックス00 ベスト8 (参考)
- 使用者:Robert Swarowski
- フォーマット
Sligh [1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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レガシー
レガシーの赤単といえば、ゴブリンデッキが主流であるが、純粋なスライタイプも少なくない。
構成としては、旧エクステンデッドのものを基盤とし、加えて、中盤以降の活躍が期待できる渋面の溶岩使い/Grim Lavamancerや運命の大立者/Figure of Destinyなどが採用される。
強力な基本でない土地が蔓延する環境であるため、火力は発展の代価/Price of Progressが標準装備である。また、別な基本でない土地への対策として破滅/Ruinationを使用することもある。
最近では、黒をタッチして闇の腹心/Dark Confidantを採用したり、緑をタッチしてタルモゴイフ/Tarmogoyfを採用するなどの構成も多く見られる。色が増えるとZooに近い構成をとることが多い。
また、火力が十分に充実している環境であるため、モグの狂信者/Mogg Fanatic以外のクリーチャーを外し、バーン寄りの構成を取るタイプも多い。
サンプルレシピ
- 備考
- レガシー選手権05 準優勝 (参考)
- 使用者:Peter Franke
- レガシー(~ラヴニカ:ギルドの都)
スライ(レガシー) [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Pauper
Pauperでも少数が存在する。
Pauperの赤単としてはゴブリンデッキやバーンが有力だが、スライタイプも少数が存在している。テーロス・ブロック参入後は英雄的を持つクリーチャーを中心に据えたタイプが主流となっている。
モダンマスターズ2017発売以降は炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryを投入したものが結果を残している。
サンプルレシピ1
Mono Red Heroic(Pauper) [3] | |||||||||||||||||||
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サンプルレシピ2
Mono Red Sligh [4] | |||||||||||||||||||||||||||
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