憎悪/Hatred
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インスタント
この呪文を唱えるための追加コストとして、X点のライフを支払う。
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+X/+0の修整を受ける。
ライフを支払うことでクリーチャーのパワーを強化するインスタント呪文。黒におけるスーサイド要素の真骨頂とも言えるカードであり、スーサイドブラックの最盛期を支え、これを採用した当時のスーサイドブラックがこのカード名そのままにヘイトレッドと呼ばれるようになるほどに活躍したカード。
このカードの強み・魅力は「ライフ消費による爆発的な強化力」にこそある。最高で「現在のライフ-1」点、つまり通常ならば+19/+0までの修整が可能であり、これは5マナの呪文としては破格の強化量。極論ではあるが、ライフ19点消費で1/1の攻撃クリーチャーを強化すれば1回の戦闘で勝利できることになる。そうでなくても、対戦相手のライフが自分より少ない時にクリーチャーの攻撃が対戦相手に通ればこれ1枚で勝利できてしまう。逆に、ライフ消費が4点以下ならば彼方からの雄叫び/Howl from Beyondに劣る。ライフ消費を5~6点程度までに収めるつもりなら、彼方からの雄叫びなどのより安定感のあるカードを使う方がよい。
マナ・コストは5点と重いものの、暗黒の儀式/Dark Ritualの存在に支えられさほど問題にはならなかった。3~4ターン目に暗黒の儀式からこのカードで一気に勝負を決することも普通だった。
一方、ライフを失うという性質上、インスタントの火力や除去に非常に弱い。また、ライフの支払いが追加コストであるため打ち消されるのも致命的である。
これを使うには安全性と中~長期的なアドバンテージを捨てる必要があり、手札で腐ってしまうことも珍しくない。しかし高速での勝利に対しては払う価値のある代価であり、博打要素を差し引いてもリーズナブルな選択肢である。
- 「黒いチャネル/Channel」とも言われる。
- 1ターン目に沼/Swampから肉占い/Sarcomancy、2ターン目に裏切り者の都/City of Traitorsプレイから肉占いのトークンで攻撃、暗黒の儀式から憎悪で2ターンキルできる。その他、暗黒の儀式3枚と冥界の影/Nether Shadowとこれでの1ターンキル、山から怒り狂うゴブリン/Raging Goblinを出し、水蓮の花びら/Lotus Petalを設置し黒マナを出して暗黒の儀式2枚でこれを出しての1ターンキル→ヘイトレッド、そしてあるいは、これで強化された極楽鳥/Birds of Paradiseに敗北など、瞬殺の逸話が多く遺されている。
- イラストはカード名通り憎しみに満ちた表情のグレヴェン・イル=ヴェク/Greven il-Vec。
お前の肉から皮膚を、骨から肉を引きはがしてやる。骨についてる肉片も全部こそげ落としてやる。それでもまだ十分じゃないんだ。― グレヴェン・イル=ヴェクからジェラードへ